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適用項目 SUSE Linux Enterprise High Availability Extension 15 SP2

このガイドについて

このガイドは、SUSE® Linux Enterprise High Availability Extensionを使用してクラスタを設定、構成、および管理する必要がある管理者を対象にしています。構成と管理をすばやく効率的に行うため、この製品にはグラフィカルユーザインタフェースとコマンドラインインタフェース(CLI)の両方が備わっています。重要なタスクを実行するために、このガイドには両方のアプローチが説明されています。これにより、ニーズを満たす適切なツールを選択できるようになります。

このガイドは、次のパートで構成されています。

インストール、セットアップ、およびアップグレード

このパートでは、クラスタのインストールと設定を開始する前に、クラスタの基本とアーキテクチャをよく把握し、主要な機能と利点の概要を理解します。必要なハードウェア/ソフトウェア要件と、以降の手順を実行する前に必要な準備作業について学習します。YaSTを使用してHAクラスタのインストールおよび基本セットアップを実行します。クラスタを最新リリースバージョンにアップグレードする方法、または個々のパッケージを更新する方法について学習します。

設定および管理

Webインタフェース(Hawk2)またはコマンドラインインタフェース(crmsh)を使用して、リソースを追加、設定、および管理します。クラスタ設定への不正アクセスを防止するには、役割を定義して、それらを特定のユーザに割り当てることで細かく制御を行います。負荷分散およびフェンシングの使用方法を学習します。独自のリソースエージェントの作成、または既存のエージェントの変更を検討している場合、別の種類のリソースエージェントを作成する方法について背景情報を取得できます。

ストレージおよびデータレプリケーション

SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionには、クラスタ対応のファイルシステム(OCFSとGFS2)、およびCluster Logical Volume Manager (Cluster LVM)が標準装備されています。データのレプリケーションでは、DRBD*を使用します。これにより、High Availabilityサービスのデータをクラスタのアクティブノードからスタンバイノードへミラーリングできます。さらに、クラスタ化したSambaサーバにより、異種混合環境にもHigh Availabilityソリューションが提供されます。

付録

一般的な問題とその解決策の概要が記載されています。クラスタ、リソース、および制約に関して、このマニュアルで使用されている命名規則を示します。HA固有の用語を収録した用語集もあります。

1 利用可能なマニュアル

注記
注記: オンラインヘルプと最新のアップデート

製品に関するマニュアルは、https://documentation.suse.com/からご利用いただけます。最新のアップデートもご利用いただけるほか、マニュアルをさまざまな形式でブラウズおよびダウンロードすることができます。最新のマニュアルアップデートは通常、英語版で検索できます。

この製品の次のマニュアルを入手できます。

インストールおよびセットアップクイックスタート

このマニュアルでは、ha-cluster-bootstrapパッケージで提供されているブートストラップスクリプトを使用して、非常に基本的な2ノードクラスタをセットアップする手順を説明します。仮想IPアドレスをクラスタリソースとして設定する手順や、共有ストレージ上でSBDをノードフェンシングメカニズムとして使用する手順も記載されています。

管理ガイド

このガイドは、SUSE® Linux Enterprise High Availability Extensionを使用してクラスタを設定、構成、および管理する必要がある管理者を対象にしています。構成と管理をすばやく効率的に行うため、この製品にはグラフィカルユーザインタフェースとコマンドラインインタフェース(CLI)の両方が備わっています。重要なタスクを実行するために、このガイドには両方のアプローチが説明されています。これにより、ニーズを満たす適切なツールを選択できるようになります。

Highly Available NFS Storage with DRBD and Pacemaker

このドキュメントでは、次のコンポーネント: DRBD* (Distributed Replicated Block Device)、LVM (Logical Volume Manager)、およびクラスタリソースマネージャとしてのPacemakerkを使用して、2ノードクラスタの高可用性NFSストレージを設定する方法について説明します。

Pacemakerリモートクイックスタート

このマニュアルでは、Pacemakerとpacemaker_remote によって管理される、リモートノードまたはゲストノードを含むHigh Availabilityクラスタをセットアップする手順を説明します。pacemaker_remoteにおけるリモートとは、物理的な距離を指すのではなく、完全なクラスタスタックを実行しない(したがって通常のクラスタメンバーではない)、ノードの特別な状態を指しています。

Geo Clusteringのクイックスタート

Geoクラスタリングは、グローバルに分散したデータセンター全体でワークロードを保護します。このマニュアルでは、ha-cluster-bootstrapパッケージで提供されているGeoブートストラップスクリプトを使用して、基本的なGeoクラスタをセットアップする手順を説明します。

Geo Clusteringガイド

このマニュアルでは、ブースチケットマネージャ、特定のCsync2セットアップ、必要なクラスタリソースの設定(および変更の際に他のサイトに転送する方法)など、Geoクラスタとそのコンポーネントのセットアップオプションとパラメータについて説明します。コマンドラインまたはHawk2 WebインタフェースからGeoクラスタを監視および管理する方法を学習します。

2 フィードバックの提供

このドキュメントに対するフィードバックや貢献を歓迎します!次のチャネルがあります。

サービス要求およびサポート

ご使用の製品に利用できるサービスとサポートのオプションについては、http://www.suse.com/support/を参照してください。

サービス要求を開くには、SUSEカスタマセンターでの購読が必要です。https://scc.suse.com/support/requestsに移動して、ログインし、新規作成をクリックします。

バグレポート

https://bugzilla.suse.com/にあるドキュメントで問題を報告します。このプロセスを簡略化するために、このドキュメントのHTMLバージョンの見出しの横にあるReport Documentation Bug (ドキュメントバグの報告)リンクを使用できます。これらにより、Bugzillaで適切な製品とカテゴリが事前に選択され、現在のセクションへのリンクが追加されます。バグレポートの入力を直ちに開始できます。Bugzillaアカウントが必要です。

貢献内容

このドキュメントに貢献するには、このドキュメントのHTMLバージョンの見出しの横にあるEdit Source (ソースの編集)リンクを使用してください。GitHubのソースコードに移動し、そこでプル要求を開くことができます。GitHubアカウントが必要です。

このドキュメントに使用されるドキュメント環境に関する詳細については、リポジトリのREADMEを参照してください。

メール

ドキュメントに関するエラーの報告やフィードバックは <>宛のメールでも送信できます。ドキュメントのタイトル、製品のバージョン、およびドキュメントの発行日を明記してください。関連するセクション番号とタイトル(またはURLを含めて)、問題の簡潔な説明を記載してください。

3 マニュアルの表記規則

このマニュアルでは、次の通知と表記規則が使用されています。

  • tux > command

    rootユーザを含む、任意のユーザが実行可能なコマンド。

  • root # command

    root特権で実行する必要のあるコマンド。多くの場合、これらのコマンドの頭にsudoコマンドを置いて実行することもできます。

  • crm(live)# 

    対話型crmシェルで実行されるコマンド。詳細については、第8章 「クラスタリソースの設定と管理(コマンドライン)を参照してください。

  • /etc/passwd:ディレクトリ名とファイル名

  • PLACEHOLDER:PLACEHOLDERは、実際の値で置き換えられます

  • PATH:環境変数PATH

  • ls--help:コマンド、オプション、およびパラメータ

  • user:ユーザまたはグループ

  • packagename:パッケージの名前

  • Alt, AltF1 :使用するキーまたはキーの組み合わせ、キーはキーボード上と同様、大文字で表示される

  • ファイルファイル › 名前を付けて保存: メニュー項目、ボタン

  • amd64, em64t, ipf この説明は、amd64em64t、およびipfの各アーキテクチャにのみ当てはまります。矢印は、テキストブロックの先頭と終わりを示します。

  • Dancing Penguins (「Penguins」の章、↑他のマニュアル):他のマニュアルの章への参照です。

  • 通知

    警告
    警告

    続行する前に知っておくべき、無視できない情報。セキュリティ上の問題、データ損失の可能性、ハードウェアの損傷、または物理的な危険について警告します。

    重要
    重要

    続行する前に知っておくべき重要な情報。

    注記
    注記

    追加情報。たとえば、ソフトウェアバージョンの違いに関する情報です。

    ヒント
    ヒント

    ガイドラインや実際的なアドバイスなどの役に立つ情報。

クラスタノードと名前、リソース、およびに制約に関する命名規則の概要については、付録B 命名規則を参照してください。

4 製品のライフサイクルとサポート

SUSE製品は最大13年間サポートされます。製品のライフサイクルの日付を確認するには、https://www.suse.com/lifecycle/を参照してください。

SUSE Linux Enterpriseには、次のライフサイクルとリリースサイクルが適用されます。

  • SUSE Linux Enterprise Serverのライフサイクルは13年です。そのうち10年間は一般サポート、3年間は拡張サポートが適用されます。

  • SUSE Linux Enterprise Desktopのライフサイクルは10年です。そのうち7年間は一般サポート、3年間は拡張サポートが適用されます。

  • メジャーリリースは4年ごとに発行されます。サービスパックは12~14カ月ごとに発行されます。

  • 古いSUSE Linux Enterpriseサービスパックは、新しいサービスパックのリリース後6カ月間サポートされます。

一部の製品では、長期サービスパックサポート(LTSS)を利用できます。サポートポリシーとオプションについては、https://www.suse.com/support/policy.htmlおよびhttps://www.suse.com/support/programs/long-term-service-pack-support.htmlを参照してください。

モジュールには、基本製品とは異なるライフサイクル、更新ポリシー、および更新タイムラインがあります。モジュールには、ソフトウェアパッケージが含まれており、SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionの完全にサポートされている部分です。

4.1 SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionのサポートステートメント

サポートを受けるには、SUSEの適切な購読が必要です。利用可能な特定のサポートサービスを確認するには、https://www.suse.com/support/にアクセスして製品を選択してください。

サポートレベルは次のように定義されます。

L1

問題の判別。互換性情報、使用サポート、継続的な保守、情報収集、および利用可能なドキュメントを使用した基本的なトラブルシューティングを提供するように設計されたテクニカルサポートを意味します。

L2

問題の切り分け。データの分析、お客様の問題の再現、問題領域の特定、レベル1で解決できない問題の解決、またはレベル3の準備を行うように設計されたテクニカルサポートを意味します。

L3

問題解決。レベル2サポートで特定された製品の欠陥を解決するようにエンジニアリングに依頼して問題を解決するように設計されたテクニカルサポートを意味します。

契約されているお客様およびパートナーの場合、SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionでは、次のものを除くすべてのパッケージに対してL3サポートを提供します。

  • 技術プレビュー

  • サウンド、グラフィック、フォント、およびアートワーク。

  • 追加の顧客契約が必要なパッケージ。

  • モジュール「Workstation Extension」の一部として出荷される一部のパッケージは、L2サポートのみです。

  • パッケージ名が -devel で終わるもの(ヘッダファイルや開発者用のリソースを含む)に対しては、メインのパッケージと共にサポートが提供されます。

SUSEは、元のパッケージの使用のみをサポートします。つまり、変更も、再コンパイルもされないパッケージをサポートします。

4.2 技術プレビュー

技術プレビューとは、今後のイノベーションを垣間見ていただくための、SUSEによって提供されるパッケージ、スタック、または機能を意味します。プレビューは、使用中の環境内で新しいテクノロジーをテストする際の利便性のために用意されています。私たちはフィードバックを歓迎しています。技術プレビューをテストする場合は、SUSEの担当者に連絡して、経験や使用例をお知らせください。ご入力いただいた内容は今後の開発のために役立たせていただきます。

ただし、技術プレビューには、次の制限事項があります。

  • 技術プレビューはまだ開発中です。したがって、機能が不完全であったり、不安定であったりすることがあり、運用環境での使用には適して「いない」場合があります。

  • 技術プレビューにはサポートが提供「されません」。

  • 技術プレビューは、特定のハードウェアアーキテクチャにのみ使用できる場合があります。

  • 技術プレビューの詳細および機能は、変更される場合があります。その結果、技術プレビューのその後のリリースへのアップグレードは不可能になり、再インストールが必要な場合があります。

  • 技術プレビューは、任意の時点で終了する可能性があります。たとえば、SUSEでプレビューがお客様または市場のニーズを満たしていない、またはエンタープライズ基準に準拠していないことが判明した場合などです。SUSEでは、このようなテクノロジーのサポートされるバージョンを将来的に提供できない場合があります。

ご使用の製品に付属している技術プレビューの概要については、https://www.suse.com/releasenotes/にあるリリースノートを参照してください。