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適用先 SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 SP2

12 オペレーティングシステムイメージの作成

SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsからカスタムオペレーティングシステムイメージを作成する複数の方法があります。推奨される方法は一般的にKIWIを使用する方法で、これはXML設定ファイルを取り込んでから、完全に自動的に実行します。

または、再使用する前に、クリーンアップされる既存のインストールからイメージを作成することもできます。

12.1 KIWIによるイメージの作成

KIWIは、新しい物理マシンまたは仮想マシンに簡単にコピー可能なオペレーティングシステムイメージを作成するツールです。このセクションでは、KIWIを使用したSLES-SAPイメージの作成について説明します。

SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは現在、パッケージkiwi-template-sapのテンプレートを使用したKIWIによるイメージの作成をサポートしています。ただし、現在の実装では、次のような特定の制限があります。

  • VMXディスクイメージの構築のみがサポートされています。他のイメージタイプの構築はサポートされていません。

  • Open Build Serviceにはすべての必要なパッケージが含まれているわけではないため、/tmp/SLES4SAP.isoにあるSUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsのISOイメージを指定する必要があります。

基本的なイメージを構築するには、次の2つのコマンドを使用します。

  1. ルートファイルシステムの構築:

    root # kiwi -p SLES4SAP --root fsroot
  2. VMXイメージの構築:

    root # kiwi --create fsroot --type vmx -d build

SAPinstを使用したグラフィカルインストールを実行可能にするには、イメージのデフォルト設定で次の操作を有効にします。

  • IceWMデスクトップのインストール

  • サービスxrdpが自動起動し、RDPを介してマシンに接続できるようにする詳細については、第11章 「RDPを介した接続を参照してください。

KIWIおよびSLES-SAPに関する詳細:

  • SLES-SAPのKIWIの設定については、/usr/share/kiwi/image/SLES4SAP/READMEを参照してください。

  • 一般的なKIWIについては、『openSUSE-KIWI Image System Cookbook』(https://doc.opensuse.org/projects/kiwi/doc/)を参照してください。

12.2 インスタンスをマスタイメージとして使用する前にクリーンアップする

初めからKIWIイメージを生成するのではなく、複数のシステムですでに設定されているマスタインスタンスのイメージを使用する方が適切な場合があります。たとえば、ご使用のイメージにKIWIを使用してインストールできない追加のソフトウェアや設定を含める必要がある場合などです。

ただし、通常、このようなイメージには、システムの他の部分と一緒にコピーしてはならない特定の設定データが含まれています。

手動でクリーンアップする必要がないようにするには、スクリプトclone-master-clean-up (同じ名前のパッケージから入手可能)を使用します。

これにより、次のデータが自動的に削除されます。

  • スワップデバイス(ゼロワイプしてから、再度有効化)

  • SUSE登録情報とリポジトリ、およびZypper ID

  • ユーザおよびホストのSSHキーとドメインおよびホスト名

  • 生成されたHANA-Firewallスクリプト(ただし設定自体は除く)

  • シェル履歴、メール、cronジョブ、一時ファイル(/tmp/var/tmp)、ログファイル(/var/log)、ランダムシード、systemdジャーナル、collectd統計、postfix設定、/rootの一部

  • /var/cache/var/crash/var/lib/systemd/coredump

また、次の設定がデフォルトに復元されます。

  • DHCPおよびネットワーク設定を使用しないネットワークインタフェースス(/etc/hostname/etc/hosts、および/etc/resolv.conf)

  • sudo設定

さらに、新しいrootパスワードを設定することを選択できます。/etc/fstabのUUIDベースのエントリは、デバイス文字列に置き換えられます。このスクリプトは、インストールワークフローの最初のブートセクションが元のインストールに使用されている場合は、次のブート時に再度実行されるようにします。

12.2.1 clone-master-clean-upの設定

clone-master-clean-upを実行する前に、次の方法でスクリプトを設定できます。

  • 特定のデータをクリーンアップしないようにスクリプトを設定するには、設定ファイル/etc/sysconfig/clone-master-clean-upを使用します。

    このファイルには、使用可能なオプションの簡単な説明も記載されています。

  • 追加のディレクトリまたはファイルをクリーンアップするようにスクリプトを設定するには、このようなディレクトリおよびファイルの絶対パスを含むリストを作成します。

    /additional/file/to/delete.now
    /additional/directory/to/remove

    このリストを/var/adm/clone-master-clean-up/custom_removeとして保存します。

12.2.2 clone-master-clean-upの使用

スクリプトを使用するには、次のコマンドを実行します。

root # clone-master-clean-up

次に、指示に従います。

12.2.3 詳細情報

次のソースは、clone-master-clean-upに関する追加情報を提供します。

  • 一般的な情報については、マニュアルページのclone-master-clean-upを参照してください。

  • さらに削除に役立つ可能性のあるファイルとディレクトリについては、/var/adm/clone-master-clean-up/custom_remove.templateを参照してください。

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