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適用先 SUSE Linux Enterprise Server 11 SP4

12 MDソフトウェアRAID用のストレージエンクロージャLEDユーティリティ

ストレージエンクロージャLEDモニタリングユーティリティ(ledmon(8))およびLEDコントロール(ledctl(8))ユーティリティは、多様なインタフェースおよびプロトコルを使用してストレージエンクロージャLEDを制御する、Linuxのユーザスペースアプリケーションです。その主たる用途は、mdadmユーティリティで作成されたLinux MDソフトウェアのRAIDデバイスの状態を視覚化することです。ledmonデーモンがドライブアレイの状態を監視し、ドライブLEDの状態を更新します。ledctlを使用して、指定したデバイスに対するLEDパターンを設定できます。

12.1 サポートされているLED管理プロトコル

これらのLEDユーティリティでは、SGPIO (Serial General Purpose Input/Output)仕様(Small Form Factor (SFF) 8485)およびSCSI Enclosure Services (SES) 2プロトコルを使用して、LEDを制御します。SGPIO用のSFF-8489仕様のInternational Blinking Pattern Interpretation (IBPI)パターンを実装します。IBPIは、SGPIO規格がバックプレーン上のドライブやスロットの状態としてどのように解釈されるか、またバックプレーンがLEDでどのように状態を視覚化すべきかを定義します。

一部のストレージエンクロージャでは、SFF-8489仕様に厳格に準拠していないものがあります。エンクロージャプロセッサがIBPIパターンを受け入れていても、LEDの点滅はSFF-8489仕様に従っていない、あるいはプロセッサが限られた数のIBPIパターンしかサポートしていない場合があります。

LED管理(AHCI)およびSAF-TEプロトコルは、ledmonおよびledctlユーティリティではサポートされていません。

12.2 サポートされているストレージエンクロージャシステム

ledmonおよびledctlアプリケーションは、インテルAHCIコントローラやインテルSASコントローラなどの、インテルのストレージコントローラで機能することが検証されています。SUSE Linux Enterprise Server 11 SP3からは、MDソフトウェアのRAIDボリュームの一部であるPCIe-SSDデバイスの、ストレージエンクロージャ状態(OK、Fail、Rebuilding)用LEDを制御するための、PCIe-SSD (ソリッドステートディスク)エンクロージャLEDもサポートされています。これらのアプリケーションは、他のベンダのIBPI準拠のストレージコントローラ(特にSAS/SCSIコントローラ)でも機能するはずですが、他のベンダのコントローラはテストされていません。

12.3 ストレージエンクロージャLED監視サービス(ledmon(8))

ledmonアプリケーションは、MDソフトウェアRAIDデバイスの状態またはストレージエンクロージャまたはドライブベイ内のブロックデバイスの状態をコンスタントに監視する、デーモンプロセスです。一度に実行しているデーモンのインスタンスは、1つのみである必要があります。ledmonアプリケーションは、インテルのエンクロージャLEDユーティリティの一部です。

状態は、ストレージアレイエンクロージャまたはドライブベイ内の、各スロットに関連付けられたLED上で視覚化されます。このアプリケーションは、すべてのソフトウェアRAIDデバイスを監視し、その状態を視覚化します。選択したソフトウェアRAIDボリュームのみを監視する方法は、備わっていません。

ledmonアプリケーションでは、2種類のLEDシステム、すなわち、2LEDシステム(Activity LEDとStatus LED)と、3LEDシステム(Activity LED、Locate LED、およびFail LED)をサポートしています。このツールには、LEDへのアクセスの際に最高の優先度が与えられています。

12.3.1 構文

ledmon [options]

rootユーザまたはroot権限を持つユーザとして、コマンドを発行します。

12.3.2 オプション

-c, --confg=path

ローカルの環境設定ファイルへのパスを設定します。このオプションを指定すると、グローバルの環境設定ファイルとユーザの環境設定ファイルは、無効になります。

-l, --log=path

ローカルのログファイルへのパスを設定します。このユーザ定義ファイルを指定すると、グローバルログファイル/var/log/ledmon.logは使用されません。

-t, --interval=seconds

sysfsのスキャン間の時間間隔を設定します。値は秒単位です。最小値は5秒です。最大値の指定はありません。

<--quiet|--error|--warning|--info|--debug|--all>

詳細レベルを指定します。このレベルオプションは、情報なしから、ほとんどの情報までの順番で指定されます。ロギングを行わない場合は、--quietオプションを使用します。すべてをログする場合は、--allオプションを使用します。2つ以上の詳細オプションを指定した場合は、コマンド内の最後のオプションが適用されます。

-h, --help

コマンド情報をコンソールに印刷して、終了します。

-v, --version

ledmonのバージョンとライセンスに関する情報を表示して、終了します。

12.3.3 ファイル

/var/log/ledmon.log

グローバルログファイルで、ledmonアプリケーションで使用します。ユーザ定義のファイルへのロギングを強制するには、-lオプションを使用します。

~/.ledctl

ユーザ環境設定ファイルで、ledmonとすべてのledctlアプリケーションインスタンス間で共有されます。

/etc/ledcfg.conf

グローバル環境設定ファイルで、ledmonとすべてのledctlアプリケーションインスタンス間で共有されます。

12.3.4 既知の問題

ledmonデーモンは、SFF-8489仕様のPFA (Predicted Failure Analysis)状態は認識しません。したがって、PFAパターンは視覚化されません。

12.4 ストレージエンクロージャLED制御アプリケーション(ledctl(8))

エンクロージャLEDアプリケーション(ledctl(8))は、ストレージエンクロージャまたはドライブベイの各スロットに関連付けられたLEDを制御する、ユーザスペースアプリケーションです。ledctlアプリケーションは、インテルのエンクロージャLEDユーティリティの一部です。

このコマンドを発行すると、指定したデバイスのLEDが指定したパターンに設定され、それ以外のLEDはすべてオフになります。 ユーザは、このアプリケーションを使用するには、ルート権限を持っている必要があります。ledmonアプリケーションはLEDへのアクセスに際して最高の優先度を持っているため、ledmonを実行中の場合は、ledctlで設定した一部のパターンが有効にならないことがあります(Locateパターン以外)。

ledctlアプリケーションでは、2種類のLEDシステム、すなわち、2LEDシステム(Activity LEDとStatus LED)と、3LEDシステム(Activity LED、Locate LED、およびFail LED)をサポートしています。

12.4.1 構文

ledctl [options] pattern_name=list_of_devices

rootユーザまたはroot権限を持つユーザとして、コマンドを発行します。

12.4.2 パターン名

ledctlアプリケーションでは、SFF-8489仕様に従い、pattern_name引数に次の名前を使用できます。

locate

指定したデバイスまたはからのスロットに関連付けられたLocate LEDを点灯します。この状態は、スロットまたはドライブの識別に使用されます。

locate_off

指定したデバイスまたはからのスロットに関連付けられたLocate LEDを消灯します。

normal

指定したデバイスに関連付けられたStatus LED、Failure LED、およびLocate LEDを消灯します。

off

指定したデバイスに関連付けられたStatus LEDとFailure LEDのみを消灯します。

ica, degraded

In a Critical Arrayパターンを視覚化します。

rebuild, rebuild_p

Rebuildパターンを視覚化します。互換性とレガシーの理由から、両方のrebuild状態をサポートしています。

ifa, failed_array

In a Failed Arrayパターンを視覚化します。

hotspare

Hotspareパターンを視覚化します。

pfa

Predicted Failure Analysisパターンを視覚化します。

failure, disk_failed

Failureパターンを視覚化します。

ses_abort

SES-2 R/R ABORT

ses_rebuild

SES-2 REBUILD/REMAP

ses_ifa

SES-2 IN FAILED ARRAY

ses_ica

SES-2 IN CRITICAL ARRAY

ses_cons_check

SES-2 CONS CHECK

ses_hotspare

SES-2 HOTSPARE

ses_rsvd_dev

SES-2 RSVD DEVICE

ses_ok

SES-2 OK

ses_ident

SES-2 IDENT

ses_rm

SES-2 REMOVE

ses_insert

SES-2 INSERT

ses_missing

SES-2 MISSING

ses_dnr

SES-2 DO NOT REMOVE

ses_active

SES-2 ACTIVE

ses_enable_bb

SES-2 ENABLE BYP B

ses_enable_ba

SES-2 ENABLE BYP A

ses_devoff

SES-2 DEVICE OFF

ses_fault

SES-2 FAULT

12.4.3 パターンの変換

非SES-2のパターンがエンクロージャ内のデバイスに送信されると、そのパターンは、表12.1「非SES-2パターンとSES-2パターン間での変換」に示すように、SCSI Enclosure Services (SES) 2のパターンに自動的に変換されます。

表 12.1: 非SES-2パターンとSES-2パターン間での変換

非SES-2のパターン

SES-2のパターン

locate

ses_ident

locate_off

ses_ident

normal

ses_ok

off

ses_ok

ica

ses_ica

degraded

ses_ica

rebuild

ses_rebuild

rebuild_p

ses_rebuild

ifa

ses_ifa

failed_array

ses_ifa

hotspare

ses_hotspare

pfa

ses_rsvd_dev

failure

ses_fault

disk_failed

ses_fault

12.4.4 デバイスのリスト

ledctlコマンドを発行すると、指定したデバイスのLEDが指定したパターンに設定され、それ以外のLEDはすべてオフになります。 デバイスのリストは、次の2つの形式のいずれかで提供できます。

  • スペースなしのカンマで区切られたデバイスのリスト

  • デバイスがスペースで区切られた波括弧内のリスト

同じコマンド内で複数のパターンを指定すると、各パターンに対するデバイスリストで、同一または異なるフォーマットを使用できます。2つのリスト形式を示す例は、12.4.7項 「例」を参照してください。

デバイスは、/devディレクトリまたは/sys/blockディレクトリ内のファイルへのパスです。パスにより、ブロックデバイス、MDソフトウェアRAIDデバイス、またはコンテナデバイスを識別できます。ソフトウェアRAIDデバイスまたはコンテナデバイスの場合、報告されたLEDの状態は、 関連付けられたブロックデバイスのすべてに対して設定されます。

list_of_devicesにリストされているデバイスのLEDは、特定のパターンのpattern_nameに設定され、それ以外のすべてのLEDは消灯されます。

12.4.5 オプション

-c, --confg=path

ローカルの環境設定ファイルへのパスを設定します。このオプションを指定すると、グローバルの環境設定ファイルとユーザの環境設定ファイルは、無効になります。

-l, --log=path

ローカルのログファイルへのパスを設定します。このユーザ定義ファイルを指定すると、グローバルログファイル/var/log/ledmon.logは使用されません。

--quiet

stdoutまたはstderrに送信されるすべてのメッセージをオフにします。メッセージは、ローカルファイルおよびsyslogファシリティには引き続きログされます。

-h, --help

コマンド情報をコンソールに印刷して、終了します。

-v, --version

ledctlのバージョンとライセンスに関する情報を表示して、終了します。

12.4.6 ファイル

/var/log/ledctl.log

グローバルログファイルで、ledctlアプリケーションのすべてのインスタンスで使用します。ユーザ定義のファイルへのロギングを強制するには、-lオプションを使用します。

~/.ledctl

ユーザ環境設定ファイルで、ledmonとすべてのledctlアプリケーションインスタンス間で共有されます。

/etc/ledcfg.conf

グローバル環境設定ファイルで、ledmonとすべてのledctlアプリケーションインスタンス間で共有されます。

12.4.7

単一のブロックデバイスを見つけるには

ledctl locate=/dev/sda

単一のブロックデバイスのLocate LEDkを消灯するには

ledctl locate_off=/dev/sda

MDソフトウェアRAIDデバイスのディスクを見つけて、そのブロックデバイスの2つに同時にrebuildパターンを設定するには

ledctl locate=/dev/md127 rebuild={ /sys/block/sd[a-b] }

指定したデバイスに対するStatus LEDとFailure LEDを消灯するには

ledctl off={ /dev/sda /dev/sdb }

3つのブロックデバイスを見つけるには

ledctl locate=/dev/sda,/dev/sdb,/dev/sdc

ledctl locate={ /dev/sda /dev/sdb /dev/sdc }

12.5 エンクロージャLEDユーティリティ設定ファイル(ledctl.conf(5))

ledctl.confファイルが、インテルエンクロージャLEDユーティリティ用の設定ファイルです。これらのユーティリティは、現時点では設定ファイルは使用しません。ファイルの名前と場所は、機能向上のために予約されています。

12.6 追加情報

LEDのパターンおよび監視ツールに関する詳細は、次のリソースを参照してください。

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