Copyright © 2010–2025 SUSE LLC and contributors.All rights reserved.
この文書は、GNUフリー文書ライセンスのバージョン1.2または(オプションとして)バージョン1.3の条項に従って、複製、配布、および/または改変が許可されています。ただし、この著作権表示およびライセンスは変更せずに記載すること。ライセンスバージョン1.2のコピーは、「GNUフリー文書ライセンス」セクションに含まれています。
SUSEの商標については、http://www.suse.com/company/legal/を参照してください。サードパーティ各社とその製品の商標は、所有者であるそれぞれの会社に所属します。商標記号(®、 ™など)は、SUSEおよび関連会社の商標を示します。アスタリスク(*)は、第三者の商標を示します。
本書のすべての情報は、細心の注意を払って編集されています。しかし、このことは絶対に正確であることを保証するものではありません。SUSE LLC、その関係者、著者、翻訳者のいずれも誤りまたはその結果に対して一切責任を負いかねます。
SUSE® Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、SAPのソフトウェア開発のための参照プラットフォームです。SAPアプリケーション用に最適化されています。このドキュメントでは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストールとカスタマイズについて詳細に説明します。
SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの一部でもあります。
このマニュアルの複数の章に、システム上またはインターネットで利用可能な追加のドキュメントリソースへのリンクが含まれています。
このガイドの最新アップデートについては、https://documentation.suse.com/#sles-sapを参照してください。様々な形式のマニュアルをブラウズまたはダウンロードできます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsリソースライブラリ(https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/)でさまざまなホワイトペーパーおよび他のリソースを見つけることができます。
他の製品のオンラインマニュアルは、https://documentation.suse.com/で検索してください。
最新のマニュアルアップデートは、通常、英語版マニュアルで入手できます。
リリースノートはhttps://www.suse.com/releasenotes/を参照してください。
オフラインで利用するには、システムの/usr/share/doc
にインストールされたマニュアルを確認してください。「マニュアルページ」には、多くのコマンドについても詳しく説明されています。説明を表示するには、man
コマンドに確認したいコマンドの名前を付加して実行してください。システムにman
コマンドがインストールされていない場合は、sudo zypper install man
コマンドでインストールします。
このドキュメントに対するフィードバックや貢献を歓迎します。次のチャネルがあります。
ご使用の製品に利用できるサービスとサポートのオプションについては、http://www.suse.com/support/を参照してください。
サービス要求を提出するには、SUSE Customer Centerに登録済みのSUSEサブスクリプションが必要です。https://scc.suse.com/support/requestsからログインして をクリックしてください。
https://bugzilla.suse.com/から入手できるドキュメントを使用して、問題を報告してください。問題を報告するには、Bugzillaアカウントが必要です。
このプロセスを簡略化するために、このドキュメントのHTMLバージョンの見出しの横にある
リンクを使用できます。リンクを使用すると、Bugzillaで適切な製品とカテゴリが事前に選択され、現在のセクションへのリンクが追加されます。バグレポートの入力を直ちに開始できます。このドキュメントに貢献するには、このドキュメントのHTMLバージョンの見出しの横にある
リンクを使用してください。GitHubのソースコードに移動し、そこからプル要求を提出できます。貢献にはGitHubアカウントが必要です。このドキュメントの編集に使用する環境の詳細は、https://github.com/SUSE/doc-slesforsapにあるリポジトリのREADMEを参照してください。
ドキュメントに関するエラーの報告やフィードバックは<doc-team@suse.com>宛に送信してもかまいません。ドキュメントのタイトル、製品のバージョン、およびドキュメントの発行日を記載してください。また、関連するセクション番号とタイトル(またはURL)、問題の簡潔な説明も記載してください。
このマニュアルでは、次の通知と表記規則が使用されています。
/etc/passwd
: ディレクトリ名とファイル名
PLACEHOLDER: PLACEHOLDERは、実際の値で置き換えられます。
PATH
: 環境変数
ls
、--help
: コマンド、オプション、およびパラメータ
user
: ユーザまたはグループの名前
package_name: ソフトウェアパッケージの名前
Alt、Alt–F1: 押すキーまたはキーの組み合わせ。キーはキーボードのように大文字で表示されます。
、 › : メニュー項目、ボタン
AMD/Intel この説明は、Intel 64/AMD64アーキテクチャにのみ当てはまります。矢印は、テキストブロックの先頭と終わりを示します。
IBM Z, POWER
この説明は、IBM Z
およびPOWER
の各アーキテクチャにのみ当てはまります。矢印は、テキストブロックの先頭と終わりを示します。
第1章、「章の例」: このガイドの別の章への相互参照。
root
特権で実行する必要のあるコマンド。多くの場合、これらのコマンドの先頭にsudo
コマンドを置いて、特権のないユーザとしてコマンドを実行することもできます。
root #
command
tux >
sudo
command
特権のないユーザでも実行できるコマンド。
tux >
command
通知
続行する前に知っておくべき、無視できない情報。セキュリティ上の問題、データ損失の可能性、ハードウェアの損傷、または物理的な危険について警告します。
続行する前に知っておくべき重要な情報です。
追加情報。たとえば、ソフトウェアバージョンの違いに関する情報です。
ガイドラインや実際的なアドバイスなどの役に立つ情報です。
コンパクトな通知
追加情報。たとえば、ソフトウェアバージョンの違いに関する情報です。
ガイドラインや実際的なアドバイスなどの役に立つ情報です。
SUSE製品が異なれば、製品のライフサイクルも異なります。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの正確なライフサイクル日付を確認するには、https://www.suse.com/lifecycle/を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの購読には、ESPOSが含まれています。これにより、2つの連続するサービスパックのサポート期間の重複期間が3年延長されます。この期間中、Long Term Service Pack Support (LTSS)の条件に基づいてサポートとすべての関連する保守の更新を受けることができます。この機能は、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsでのみ使用可能です。
ESPOSを使用すると、わずか6カ月ではなく3年半以内にサービスパックのマイグレーションを実行できます。これにより、マイグレーションをより簡単にスケジュールし、制限の少ない時間制約下でマイグレーション前にテストを実行できます。
追加コストで、SUSEではLTSSも提供します。LTSSでは、ESPOS期間の終了後に特定のサービスパックのサポートを受けることができます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsにはサービスパックごとに1年半の一般的なサポートと3年のESPOSが含まれるため、LTSSは最後のサービスパックにのみ提供される場合があります。SUSE製品のライフサイクルの詳細については、以下を参照してください。
一般的な説明: 『導入ガイド』の「SUSE Linux Enterpriseの更新とアップグレード」パートの章、「ライフサイクルとサポート」を参照してください。(https://documentation.suse.com/sles-15)
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの購読には、SUSE Linux Enterprise Server Priority Support for SAP Applicationsが含まれ、SAPから直接SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのテクニカルサポートが提供されます。SUSEテクニカルサポートとSAPのサポートエンジニアが提供する共同サポートインフラストラクチャは、SAP Resolveに基づいており、SAPとSUSEの両方とのシームレスな通信を提供します。この「One Face to the Customer」サポートモデルは、複雑さを軽減し、総所有コストを削減します。
詳細については、『SAP Note 1056161: SUSE Priority Support for SAP Applications』(https://launchpad.support.sap.com/#/notes/1056161)を参照してください。
モジュールと拡張機能には、SLES-SAPとは異なるライフサイクルがあり、SUSEはこれらに異なるサポートサービスを提供しています。
モジュール:
ライフサイクル: モジュールによって異なります。
サポート: 最新のパッケージのみがサポートされます。サポートはSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの購読に含まれています。追加の登録キーは必要ありません。
拡張機能
ライフサイクル: SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsとともに通常リリースが調整されます。
サポート: サポートは利用できますが、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの購読に含まれていません。追加の登録キーが必要です。
サポートされていない拡張機能(PackageHubとSUSE Linux Enterprise Software Development Kit)
ライフサイクル: SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsとともに通常リリースが調整されます。
サポート: セキュリティとパッケージの問題に対する修正以外のサポートはありません。追加の登録キーは必要ありません。
サポートを受けるには、SUSEの適切な購読が必要です。利用可能なサポートサービスを具体的に確認するには、https://www.suse.com/support/にアクセスして製品を選択してください。
サポートレベルは次のように定義されます。
問題の判別。互換性情報、使用サポート、継続的な保守、情報収集、および利用可能なドキュメントを使用した基本的なトラブルシューティングを提供するように設計されたテクニカルサポートを意味します。
問題の切り分け。データの分析、お客様の問題の再現、問題領域の特定、レベル1で解決できない問題の解決、またはレベル3の準備を行うように設計されたテクニカルサポートを意味します。
問題解決。レベル2サポートで特定された製品の欠陥を解決するようにエンジニアリングに依頼して問題を解決するように設計されたテクニカルサポートを意味します。
契約されているお客様およびパートナーの場合、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsでは、次のものを除くすべてのパッケージに対してL3サポートを提供します。
技術プレビュー
サウンド、グラフィック、フォント、およびアートワーク
追加の顧客契約が必要なパッケージ
モジュール「Workstation Extension」の一部として出荷される一部のパッケージは、L2サポートのみです。
名前が-develで終わるパッケージ(ヘッダファイルや同様の開発者用のリソースを含む)に対しては、メインのパッケージと共にのみサポートが提供されます。
SUSEは、元のパッケージの使用のみをサポートします。つまり、変更も、再コンパイルもされないパッケージをサポートします。
技術プレビューとは、今後のイノベーションを垣間見ていただくための、SUSEによって提供されるパッケージ、スタック、または機能を意味します。技術プレビューは、ご利用中の環境で新しい技術をテストする機会を参考までに提供する目的で収録されています。私たちはフィードバックを歓迎しています。技術プレビューをテストする場合は、SUSEの担当者に連絡して、経験や使用例をお知らせください。ご入力いただいた内容は今後の開発のために役立たせていただきます。
技術プレビューには、次の制限事項があります。
技術プレビューはまだ開発中です。したがって、機能が不完全であったり、不安定であったり、何らかの理由で運用環境での使用には適していなかったりする場合があります。
技術プレビューにはサポートが提供されません。
技術プレビューは、特定のハードウェアアーキテクチャでしか利用できないことがあります。
技術プレビューの詳細および機能は、変更される場合があります。そのため、今後リリースされる技術プレビューへのアップグレードができない場合や、再インストールが必要となる場合があります。
技術プレビューは製品から予告なく削除される可能性があります。将来的にこうした技術に対応したバージョンを提供することを、SUSEはお約束しません。たとえば、プレビューがお客様や市場のニーズを満たしていない、またはエンタープライズ基準に準拠していないとSUSEが判断した場合です。
ご使用の製品に付属している技術プレビューの概要については、https://www.suse.com/releasenotes/x86_64/SLE-SAP/15-SP3/にあるリリースノートを参照してください。
対象となる使用例は次のとおりです。
UnixからLinuxへのマイグレーションとプラットフォームの再構築
SAPアプライアンス
SAPクラウドの展開
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、以降のセクションで説明されるソフトウェアコンポーネントとサービスで構成されます。図SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのオファリングは、SUSEの他の製品でも利用可能なソフトウェアコンポーネントとサービス(緑色)およびSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsでのみ利用可能なソフトウェアコンポーネントとサービス(青色)の概要を示しています。
図1.1「SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのオファリング」で示されているように、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、SUSE Linux Enterprise Serverがベースとなっていますが、SUSE Linux Enterprise High Availability Extension、インストールワークフローなどのいくつかの追加のソフトウェアコンポーネントが含まれています。これらのソフトウェアコンポーネントについては、以降のセクションで簡単に説明します。
現在のリリースはSUSE Linux Enterprise Server 15 SP3をベースとしています。SUSE Linux Enterprise Serverは、物理環境と仮想環境の両方でミッションクリティカルなコンピューティングに対応する非常に相互運用性の高いプラットフォームです。
このコンポーネントは次のもので構成されます。
ポリシー重視の柔軟なクラスタリング
クラスタ対応のファイルシステムとボリューム管理
継続的なデータレプリケーション
セットアップとインストール
管理ツール
リソースエージェント、SAPにも対応
仮想化対応
SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionには、特にSAPアプリケーションと作業するための次の2つのリソースエージェントが用意されています。
SAPInstance
: SAP製品のインスタンスを開始および停止できます。
SAPDatabase
: SAPアプリケーションでサポートされているすべてのデータベース(SAP HANA、SAP MaxDB、SAP ASE、Oracle、Sybase、IBM DB2)を開始および停止できます。
SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionに関する詳細については、『管理ガイド』(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)、およびSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsリソースライブラリのホワイトペーパーおよびベストプラクティスガイド(https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/)を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionのコンポーネントおよび2つの追加のリソースエージェント(RA)を使用したSAP HANAシステムレプリケーションをサポートしています。また、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには、クラスタのセットアップを簡素化するYaSTウィザードが付属しています。
SAPHana
リソースエージェント #SUSEのこのリソースエージェントは、SAP HANAデータベースインスタンスでテイクオーバーが必要かどうかを確認することで、スケールアップシナリオをサポートします。純粋なSAPソリューションとは異なり、テイクオーバーは自動化できます。
これはマスタ/スレーブリソースとして設定されています。マスタは、プライマリモードで実行されているSAP HANAデータベースに対応し、スレーブは同期(セカンダリ)ステータスで動作するインスタンスに対応します。テイクオーバーの場合、セカンダリ(スレーブリソースインスタンス)を自動的に昇格して、新しいプライマリ(マスタリソースインスタンス)にすることができます。
このリソースエージェントは、次のスケールアップシナリオのシステムレプリケーションをサポートしています。
パフォーマンス最適化シナリオ: 同じSUSE Linux Enterprise High Availability Extensionクラスタの2つのサーバ(AとB)。一方はプライマリ(A)、他方はセカンダリ(B)。プライマリサーバ(A)からのSAP HANAインスタンスはセカンダリサーバ(B)に同期的に複製されます。
コスト最適化シナリオ: AとBの基本的なセットアップは、「パフォーマンス最適化シナリオ」と同じです。ただし、セカンダリサーバ(B)は、開発またはQA用の追加のSAP HANAデータベースなどの、非生産的な目的にも使用されます。運用データベースは、ハードディスクなどの永続的メモリにのみ保存されます。テイクオーバーが必要な場合、テイクオーバーが処理される前に、非生産的なサーバは停止されます。生産的なデータベースのシステムリソースは、SAPフック呼び出しスクリプトを介して可能な限り迅速に増加します。
チェーン/多層シナリオ: 3つのサーバ(A、B、およびC)。そのうちの2つは同じSUSE Linux Enterprise High Availability Extensionクラスタにあります(AおよびB)。3番目のサーバ(C)は、外部に配置されます。プライマリサーバ(A)のSAP HANAシステムはセカンダリサーバ(B)に同期的に複製されます。セカンダリサーバ(B)は、外部サーバ(C)に非同期的に複製されます。
AからBへのテイクオーバーが発生する場合、BとCの間の接続はそのままです。ただし、Bは2つのサーバ(AとC)のソースになることはできません。これは「スター」トポロジであり、現在のSAP HANAバージョン(SPS11など)ではサポートされていないためです。
SAP HANAコマンドを使用して、すべき操作を手動で決定できます。
BをAに接続できるように、BとCの間の接続を切断できます。
外部サイト(C)へのレプリケーションがローカルシステムレプリケーションより重要な場合、BとCの間の接続を保持できます。
すべてのシナリオで、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、シングルテナントとマルチテナント(MDC)両方のSAP HANAデータベースをサポートしています。つまり、複数のSAPアプリケーションにサービスを提供するSAP HANAデータベースを使用できます。
SAPHanaTopology
リソースエージェント #
クラスタの設定をできるだけ簡単にするため、SUSEではSAPHanaTopology
リソースエージェントを開発しました。このエージェントはSUSE Linux Enterprise High Availability Extensionクラスタのすべてのノード上で実行され、SAP HANAシステムレプリケーションのステータスと設定に関する情報を収集します。これは、通常の(ステートレス)クローンとして設計されています。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには現在、ベストプラクティスに従って、このようなクラスタの初期セットアップを管理するYaSTウィザードが追加で付属しています。このウィザードは、パッケージyast2-sap-haの一部で、 を介して、YaSTを使用して起動できます。
詳細については、第7章 「SAP HANAクラスタの設定」を参照してください。
詳細については、以下を参照してください。
https://documentation.suse.com/sles-15にある『管理ガイド』
https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/にあるリソースライブラリの「ベストプラクティス」特に、『Setting up a SAP HANA SR performance optimized infrastructure』および『Setting up a SAP HANA SR cost optimized infrastructure』
インストールワークフローは、SUSE Linux Enterprise ServerオペレーティングシステムとSAPアプリケーション両方のガイド付きインストールパスを提供します。詳細については、2.5項 「インストールワークフローの概要」を参照してください。
さらに、インストールワークフローは、補足メディアを使用して、サードパーティベンダーまたはお客様が拡張できます。補足メディアの作成方法の詳細については、付録C 補足メディアを参照してください。
ClamSAPは、ClamAVマルウェア対策ツールキットをSAP NetWeaverおよびSAP Mobile Platformアプリケーションに統合し、クロスプラットフォーム脅威検出を可能にします。たとえば、ClamSAPを使用して、SAPアプリケーションがHTTPアップロードでの悪意のあるアップロードをスキャンできるようにします。
詳細については、第10章 「ClamSAPを使用したマルウェアに対する保護」を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには、安全性の高いSAP HANAインストールの設定に役立つ追加の機能が含まれています。
SAP HANAのセキュリティ保護には、多数の追加のファイアウォールルールが必要な場合があります。SAP HANAのファイアウォールセットアップを簡素化するため、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには、事前設定されたルールを提供し、firewalld
と統合するパッケージHANA-Firewallが含まれています。
詳細については、9.2項 「HANA-Firewallの設定」を参照してください。
ベースとなっているオペレーティングシステムを強化する方法については、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsリソースライブラリ(https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/)を参照してください。そこで、『OS Security Hardening for SAP HANA』というドキュメントを見つけてください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、簡素化された運用管理を可能にするいくつかの機能を組み合わせています。
saptune
を使用したシステムのチューニング #
システムチューニングアプリケーションsaptune
を使用すると、SAPがSAP S/4HANA、SAP NetWeaver、またはSAP HANA/SAP BusinessOneを使用するために推奨している、システムの自動的かつ包括的なチューニングが可能となります。これを行うために、saptune
は、tuned
プロファイルを有効にします。以上により、使用しているハードウェアコンポーネントによって、使用可能なRAM容量などいくつかのカーネルパラメータをチューニングできます。
詳細については、8.1項 「saptune
を使用したシステムのチューニング」を参照してください。
SAPアプリケーションのソフトウェア依存関係の取り扱いを簡素化するため、SUSEでは、特定のアプリケーションに関連する依存関係RPMパッケージを組み合わせた複数のパターンを作成しました。
ソフトウェアパターンのパッケージの選択は、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの特定のリリース(サービスパックまたはメジャーバージョン)の開発中に定義されます。このパッケージの選択は、この特定のリリースの有効期間にわたって維持されます。ご使用中のSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのバージョンよりも後でリリースされたSAPアプリケーションで作業する場合、依存関係がパターンから欠落している場合があります。
SAPアプリケーションの依存関係に関する明確な情報については、SAPが提供するドキュメントを参照してください。
ClusterTools2
#
ClusterTools2
は、Corosync & Pacemakerクラスタを設定および管理するのに役立つツールを提供します。これらの中には、可用性の高いシステムリソースを作成するのに役立つwow
、クラスタを管理できるClusterService
があります。
また、ClusterTools2
では、通常のクラスタタスクを自動化するスクリプトを提供します。
チェックを実行するスクリプト。たとえば、システムがpacemaker
クラスタを作成するために正しく設定されているかどうかの確認に使用。
設定を簡素化するスクリプト。たとえば、Corosync設定の作成に使用。
システムを監視するスクリプトと、システム情報を表示または収集するスクリプト。たとえば、ログファイル内の既知のエラーパターンを見つけるために使用。
詳細については、パッケージClusterTools2に含まれている、各ツールのマニュアルページを参照してください。
SUSE Linux Enterpriseに基づくオペレーティングシステムに含まれるソフトウェアはRPMパッケージとして配布されます。このパッケージは、他のパッケージに依存する可能性のあるインストールパッケージの形式です。サーバまたはインストールメディアで、これらのパッケージはソフトウェアリポジトリ(「チャネル」と呼ばれる場合もある)に保存されます。
デフォルトで、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsを実行しているコンピュータは、複数のリポジトリからパッケージを受信するように設定されています。各標準リポジトリには、最初に出荷されたときのソフトウェアの状態を示す「プール」バリアントがあります。「プール」バリアントのソフトウェアに対する最新の保守更新を含む「更新」バリアントもあります。
インストール中にシステムを登録した場合は、リポジトリセットアップに以下が含まれている必要があります。
コンテンツ |
ベースリポジトリ(「プール」) |
更新リポジトリ |
---|---|---|
SUSE Linux Enterprise Serverのベースパッケージ |
|
|
SUSE Linux Enterprise Serverの基本的なサーバ機能 |
|
|
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに固有のパッケージ |
|
|
SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionに固有のパッケージ |
|
|
このセクションのテーブルには、「デバッグ情報」リポジトリと「ソース」リポジトリは表示されません。これらも設定されていますが、デフォルトで無効になっています。「デバッグ情報」リポジトリには、通常のパッケージをデバッグするために使用可能なパッケージが含まれています。「ソース」リポジトリには、パッケージのソースコードが含まれています。
インストール方法に応じて、インストールメディアである、SLE-15-SP3-SAP-15.3-0
が表示される場合もあります。上記のすべてのベースソフトウェアリポジトリのパッケージが含まれています。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications用の独自のリポジトリがあるため、SUSEはSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに固有のパッケージとパッチを出荷することができます。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 11とは異なり、Extended Service Pack Overlay Support (ESPOS)に関連する更新は、更新
リポジトリから直接出荷されます。これは、設定される個別のESPOSリポジトリがないことを意味します。
標準リポジトリのほか、インストール中、またはYaSTまたはコマンドSUSEConnect
を使用して実行中のシステムからSLEモジュールおよびSLE拡張機能を有効にすることができます。
SUSE Linux Enterprise製品ラインで利用可能なすべてのモジュールおよび拡張機能については、https://documentation.suse.com/sles-15/html/SLES-all/art-modules.htmlを参照してください。
PackageHubの詳細については、A.3項 「PackageHub」を参照してください。
この章はインストールの計画に役立つため、注意してお読みください。要件を一覧表示しており、システムに関するデータを収集するのに役立ちます。
このセクションでは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストールの最低ハードウェア要件を一覧表示し、特定のSAPソフトウェアの想定されるハードウェア要件に関する基本的なガイダンスを示します。SAPソフトウェアのハードウェア要件の最新情報については、https://service.sap.com/sizingにある公式サイジングガイドラインを参照してください。
Intel 64/AMD64
IBM POWER 8 (PowerVM搭載)
IBM POWER 9 (PowerVM搭載)
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには、システムボリュームに対して最低41GB(スワップなし)のハードディスク容量が必要です。それに加えて、スワップパーティション用に適切なハードディスク容量を予約します。
SAP NetWeaverなどのSAPアプリケーションをインストールするには、アプリケーションの/data
パーティションのオペレーティングシステムに必要なスペースのほか、最低200GBの空きディスク容量が必要です。
SAP HANAをインストールするには、次のいずれかが必要です。
SAP BusinessOne認定マシン
SAP HANA TDI (Tailored Datacenter Integration)の要件を満たす互換性のあるマシン。つまり、オペレーティングシステムに必要な容量のほか、次の空きディスク容量が必要です。
パーティション/usr/sap
用に52GBの空きディスク容量
SAP HANAデータ用の3つのパーティションの容量: /hana/data
(RAMと同じサイズ)、/hana/log
(RAMと同じサイズで最大512GB)、および/hana/shared
(RAMと同じサイズで最大1TB)。
SAP HANA TDIストレージ要件の詳細については、次を参照してください。
https://www.sap.com/docs/download/2015/03/74cdb554-5a7c-0010-82c7-eda71af511fa.pdf
SUSE Linux Enterprise Serverオペレーティングシステムそれ自体には、CPUコアあたり最低1024MBの合計RAMまたは最低512MBのRAM(どちらか高いほうを選択)が必要です。
インストールするSAPソフトウェアには追加のRAMが必要です。
SAP HANAをインストールするには、マシンに最低24GBのRAMが必要です。
SAP HANAのハードウェア設定に関する詳細については、『SAP Note 1944415: Hardware Configuration Guide and Software Installation Guide for SUSE Linux Enterprise Server with SAP HANA and SAP Business One』(https://launchpad.support.sap.com/#/notes/1944415)を参照してください。
パーティショニングに関する詳細については、2.7項 「パーティショニング」を参照してください。
以前のSLE製品と異なり、SLE 15 SP3製品ライン全体を単一インストールメディアであるSLE 15 SP3オンラインメディア1
からインストールできます。ネットワークにアクセスまたは登録しないでインストールする場合は、SLE 15 SP3フルメディア1
イメージをダウンロードします。両方のISOイメージはhttps://download.suse.com/から入手できます。
物理DVDにイメージを書き込むか、リムーバブルフラッシュディスクにコピーします。ディスクのサイズが目的のイメージに対して十分であることを確認します。仮想マシンにインストールするときは、仮想DVD-ROMデバイスを使用します。
次のコマンドを使用して、インストールイメージのコンテンツをリムーバブルフラッシュディスクにコピーします。
tux >
sudo
dd if=IMAGE of=FLASH_DISK bs=4M && sync
IMAGEをインストールメディアイメージファイルへのパスに置き換えて、FLASH_DISKをフラッシュデバイスに置き換えます。
SUSE Linux Enterprise Serverのマイグレーションパスは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのマイグレーションパスと同じです。詳細については、https://documentation.suse.com/sles/html/SLES-all/cha-upgrade-paths.htmlにある『アップグレードガイド』を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストール方法は複数あります。
インストールワークフローの使用 (標準的なインストール方法)
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストールワークフローは、次のステップで構成されます。
オペレーティングシステム(SUSE Linux Enterprise Server)のインストール。3.1項 「インストールワークフローの使用」を参照してください。
SAPインストールウィザード、パート1: すべての必要なSAPメディアをローカルディスクにコピーするか、使用する共有ストレージメディアを選択する。4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」、特にステップ 1を参照してください。
SAPインストールウィザード、パート2: ユーザにインタラクティブにクエリを実行して、実際のインストールのすべてのパラメータを収集する。4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」、特にステップ 10を参照してください。
SAPインストールウィザード、パート3: SAPインストーラを実行する。4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」、特にステップ 13を参照してください。
これらのステップのほとんどは各ステップ後すぐに実行する必要がないため、システムのインストール方法に柔軟性があります。これは、最初のステップとして単一のインストールを準備し、そこから続行できることを意味します。例:
オペレーティングシステム(SUSE Linux Enterprise Server)のみをインストールします。
あるいは、
オペレーティングシステム(SUSE Linux Enterprise Server)をインストールし、SAPメディアをコピーして、SAPインストールパラメータを収集します。
次に、ディスクイメージを作成して、それらを他のシステムにコピーし、SAPインストールパラメータを調整します。最後に、各マシンの個別のインストールを終了します。
SUSE Linux Enterprise Serverのインストールには、すべての物理サーバについて次のデータが必要です。
ホスト名、ドメイン、IPアドレス、サブネットマスク、ドメイン検索リスト(DNS)、名前サーバのIP、ゲートウェイ用IPなどの、ネットワーク設定パラメータ
SUSE Linux Enterprise Serverインストール用の管理者(root
)パスワード
SAPアプリケーションのインストールでは、通常、次のものを指定する必要があります。
SAP SID
SAPインスタンス番号
SAPアプリケーションのパスワード
インストールするSAPアプリケーションによって、T-Shirt Sizingや仮想ネットワーキング用のパラメータなど、より多くのパラメータが必要な場合があります。
SAP HANAのインストールでは、次を指定する必要があります。
SAP SID
SAPインスタンス番号
マルチテナントデータベースコンテナ(MDC)を有効にするかどうか。SAP HANAのマルチテナントサポートにより、1つのSAP HANAインストールとして実行される複数のデータベースを使用できます。(SAP HANA MDCを使用するには、SAP HANA Life Cycle Managerが必要です。)
シングルテナントインストールの場合は、
を選択します。
1人のSIDadm
ユーザによって管理するマルチテナントインスタンスの場合は、 を選択します。
各データベースが独自のSIDadm
ユーザを持つ管理対象のマルチテナントインスタンスの場合は、 を選択します。
SAP HANAデータベースのパスワード
SAPソフトウェアの詳細については、https://help.sap.comとhttps://support.sap.comにあるSAPドキュメントを参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、次の2つのステージでパーティショニングテーブルを作成します。
オペレーティングシステムのパーティショニング(ステージ1) (オペレーティングシステムのインストール中)
SAPシステムのパーティショニング(ステージ2) (SAP製品のインストール中)
オペレーティングシステムのインストール中に、オペレーティングシステムのパーティションが作成されます。
/dev/system
という名前の論理ボリュームグループ(LVG)が作成されます。このLVGには次の2つの論理ボリューム(LV)が含まれます。
/dev/system/root
: デフォルトで60GB、オペレーティングシステムとSAPメディアを考慮
/Dev/system/swap
: デフォルトで2GB、小さいサイズは設定しない。『SAP Note 2578899: SUSE Linux Enterprise Server 15: Installation notes』(https://launchpad.support.sap.com/#/notes/2578899)も参照してください。
また、boot
またはUEFIパーティションが必要に応じて作成されます。
SAPシステムのパーティショニングは、次の方法で作成できます。
SAPインストールウィザード(4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」を参照)。
コマンドラインでのYaSTの使用(4.5項 「SAPインストールウィザードを使用しないSAPアプリケーションのパーティショニング」を参照)。
パーティショニングのこの部分は、オペレーティングシステムがインストールされた後でのみ作成できます。これは、パーティションが、再起動後のインストールワークフローまたは実行中のシステムのいずれかで作成されることを意味します。
インストールする製品および特定の使用例によって、必要なハードディスク容量が異なる可能性があります。
AutoYaSTを使用したSAPシステムのパーティショニングについては、付録B AutoYaSTを使用したSAPシステムのパーティショニングを参照してください。
次のセクションでは、基本オペレーティングシステムのインストール手順について説明します。インストールワークフローを使用すると、ローカルインストールメディアを使用するか、ネットワークを介してインストールできます。または、AutoYaSTを使用してインストールできます。
インストールワークフローは、SAPアプリケーション用に最適化された設定を使用したオペレーティングシステムのガイド付きインストールです。インストールワークフロー中に、SAPアプリケーションをインストールするかどうかを選択できます。その場合、SUSE Linux Enterprise Serverのインストールが完了したら、SAPインストールメディアを指定するように求められます。サードパーティの拡張機能をインストールするかどうかも選択できます。
このセクションは、ローカルメディアからインストールを開始することを前提としています。 リモートメディアからインストールを開始する方法については、3.2項 「ネットワークからのSLES-SAPメディアの使用」を参照してください。
詳細については、2.5項 「インストールワークフローの概要」を参照してください。
このセクションでは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsオペレーティングシステムのインストールについて説明します。
Oracleデータベースを後でインストールできるようにするには、まずSUSE Linux Enterprise Serverをインストールしてから、インストールをSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに変換します。
これは、Oracleデータベースのインストーラで、特定のファイルが存在するかを照会するために必要です。これらのファイルのすべてがSLES-SAPインストールに含まれているわけではありません。
変換の詳細については、3.4項 「SLESインストールのSLES-SAPインストールへの変換」を参照してください。
Intel 64/AMD64では、インストールメディアからブートします。ブートメニューから
を選択します。POWERでは、SUSE Linux Enterprise Serverのドキュメントの手順に従ってください。『導入ガイド』の「インストールの準備」パートの章、「IBM POWERへのインストール」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
初期オペレーティングシステムの起動時に、Escを押してブートメッセージを表示できます。このプロセスが完了したら、グラフィカルインストールワークフローが開始されます。最初のステップとして、インストールワークフローはそれ自体のアップデートを確認します。その後、インストールが開始できるようになります。
でデフォルトのシステム言語を選択します。
で、適切なキーボードレイアウトを選択します。選択したレイアウトが物理キーボードに一致しているかどうかをテストするには、 テキストボックスを使用します。
SLE 15 SP3では、製品ライン全体に単一のインストールISOを提供します。したがって、このページでインストールする製品を選択する必要があります。
で、 を選択します。
使用許諾契約に目を通してください。同意する場合は、
を選択します。 で続行します。同意しない場合は、
› でインストールをキャンセルします。DHCPを介した自動ネットワーク設定が失敗すると、
画面が開きます。代わりに
画面が表示される場合は、ネットワーク接続が機能しています。ネットワーク設定を変更するには、 をクリックします。ネットワークを設定し終えたら、
で続行します。SAPで提供されているドキュメントどおりに、ネットワーク接続を設定してください。
ネットワーク設定については、 『管理ガイド』の「ネットワークの基礎」の章のセクション、「YaSTによるネットワーク接続の設定」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
画面で、 と を入力します。登録が正常に完了しないと、製品アップデートとテクニカルサポートの資格が受け取れません。
で続行します。
インストールのこのステップでシステムを必ず登録してください。登録をしないと、最小限のSLEシステムしかインストールされず、アップデートの通知は受け取れません。
インストール中にネットワークにアクセスせずに完全な(ただしアップデートされていない) SLES-SAPシステムをインストールするには、https://download.suse.comからのSLE 15 SP3パッケージISOイメージを使用してください。次に、このページで を選択して、次のページでアドオン製品としてSLE 15 SP3パッケージISOイメージを選択します。
更新リポジトリを有効にするかどうか尋ねられたら、
を選択します。システムが正常に登録されたら、YaSTでSUSE Customer CenterからSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsで使用可能なモジュールが一覧表示されます。デフォルトでは、最も一般的なケースが選択されています。追加のモジュールを有効にするには、そのエントリを有効にします。
これ以降の手順では、
を選択することで、インストールプロセスのどの画面からでもリリースノートを参照できます。で続行します。
「リポジトリ」)をSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに追加できます。このようなアドオン製品には、ご使用のシステム用のサードパーティの製品や、ドライバまたは追加ソフトウェアなどがあります。
ダイアログを使用して、SUSE Customer Centerで提供されていない他のソフトウェアソース(を選択します。システムの役割は、選択したシナリオに合わせてシステムを調整する事前定義済みの使用例です。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsの場合、次のいずれかを選択できます。
: デフォルト。ほとんどの状況に推奨されます。このシステムの役割には、次のプロパティが含まれています。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストールウィザードのサポート。
RDPアクセス(「リモートデスクトッププロトコル」)の有効化。
特別なパーティショニング推奨事項の提供。
「SUSE Linux Enterprise Serverのインストール」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
: 固有なケースで必要になる場合があります。このインストールパスについては、このドキュメントでは説明していません。このインストールパスの詳細については、 『インストールクイックスタート』のセクション、固有の使用例(高可用性、テキストモード、最小、およびKVM/XEN仮想化ホスト)用に追加のシステムの役割を使用できます。
で続行します。
次のオプションを有効にするかどうかを選択します。
システムとともにSAPアプリケーションをインストールするには、
を有効にします。このマシンへのRDPアクセス(リモートデスクトッププロトコル)を有効にするには、
を有効にします。RDPを介した接続の詳細については、第11章 「RDPを介した接続」を参照してください。
ボリューム/dev/system/root
と/dev/system/swap
に対して提案されるパーティション設定を確認します。ボリューム/dev/system/data
は2.7項 「パーティショニング」で説明されているように、後で作成されます。
適切な値が事前に選択されています。ただし、必要に応じて、パーティションレイアウトを変更します。次のオプションがあります。
入力に基づいて新しいパーティショニングの提案を作成します。
『導入ガイド』の「高度なディスクセットアップ」の章のセクション、「YaSTパーティショナの使用」(https://documentation.suse.com/sles-15)で説明されている を開きます。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに固有のパーティショニングアドバイスについては、2.7項 「パーティショニング」を参照してください。
提案されたセットアップを変更しないで受け入れるには、
で続行します。システムで使用する時計とタイムゾーンを選択します。時刻を手動で調整したり、時刻同期用のNTPサーバを設定したりするには、「YaSTによるインストール」の章のセクション、「時計とタイムゾーン」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
を選択します。詳細については、『導入ガイド』ので続行します。
システム管理者アカウント(root
と呼ばれる)のパスワードを入力し、 でパスワードを繰り返します。 テキストボックスを使用して、すべての特殊文字が正しく表示されているか確認できます。
SSHログインを介してパスワード不要認証を有効にする場合は、root
ログインを完全に無効にする場合は、鍵のみをアップロードし、rootパスワードは指定しないでください。この場合、システム管理者としてのログインは、それぞれの鍵を使用したSSH経由でのみ可能です。
詳細については、『導入ガイド』の「YaSTによるインストール」の章のセクション、「システム管理者root向けパスワード」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
で続行します。
root
のパスワードは、決して忘れないでください
ユーザroot
には、すべての管理タスクを実行する権限があります。このパスワードがなければ、root
としてシステムにログインできません。ここに入力したパスワードを後で取得することはできません。
画面で、いくつかの提案されるインストール設定を確認し、必要に応じて変更できます。各設定は現在の設定とともに表示されます。設定の一部を変更するには、適切なヘッドライン、他の下線付きアイテムをクリックします。
SLES-SAPのソフトウェアファイアウォールはデフォルトで有効になっています。ただし、多くの場合、SAP製品が開く必要のあるポートは自動的に開かれません。これは、必要なポートを手動で開くまで、ネットワークの問題が生じる可能性があることを意味します。
詳細については、9.1項 「firewalld
の設定」を参照してください。
必要なシステム設定を完了したら、
をクリックします。ソフトウェアの選択によって、インストールプロセスを開始することを確認するよう求められる前に、さらにライセンス契約に同意する必要がある場合があります。
インストールプロセスが完全または部分的にディスク上の既存のデータを上書きします。
インストールの確認ボックスで、
をクリックします。オペレーティングシステムのインストールが完了したら、システムは自動的に再起動します。
システムのインストール準備のみを選択した場合、システムはデスクトップログイン画面から起動します。
SAPアプリケーションを直ちにインストールすることを選択した場合、インストールは再起動後に続行します。第4章 「SAPアプリケーションのインストール」に進んでください。
このセクションでは、ネットワークを介して提供されるインストールメディアからインストールする方法について簡単に説明します。これにより、たとえば、通常のSLESメディアを使用してSLES-SAPをインストールできます。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsインストールメディアのコンテンツをWebサーバ(例: example.com
)のディレクトリ/srv/www/htdocs/sap_repo
にコピーします。
SLESインストールメディアからのブート
↓/↑キーを使用して、ブートメニューオプションのいずれかを選択します。次にコマンドラインに追加します。これを実行するには、下に一覧表示されるパラメータを指定します。
ネットワークの使用を許可するには、ifcfg=*=dhcp
を追加します(これがデフォルトです)。
パラメータinstall=SERVER/DIRECTORY
を追加します。
3.1項 「インストールワークフローの使用」の指示に従います。
詳細については、『導入ガイド』の章、「リモートインストール」) (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
SLESインストールメディアを使用してシステムを初期化する必要がないようにするため、PXEを介してネットワーク経由でブートできます。詳細については、『AutoYaSTガイド』の章、「Booting via PXE over the Network」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
AutoYaSTを使用したインストールの詳細については、次のガイドを参照してください。
『導入ガイド』、「Automated Installations (自動インストール)」パートの章、「Automated Installations (自動インストール)」 (https://documentation.suse.com/sles-15)。
『AutoYaSTガイド』(https://documentation.suse.com/sles-15)。
AutoYaSTを使用したSAPアプリケーションのパーティショニングに関する詳細については、2.7項 「パーティショニング」を参照してください。
SUSE ManagerサーバからSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsを導入する場合は、SUSE Managerの「Reference Manual」の「Systems」、「Autoinstallation」、およびSUSE Managerの「Advanced Topics」の章、「Minimalist AutoYaST Profile for Automated Installations and Useful Enhancements」(https://documentation.suse.com/suma)を参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server 15 SP3またはJeOS 15 SP3のインストールをSLES-SAPのインストールに変換するには、スクリプトMigrate_SLES_to_SLES-for-SAP.sh
を使用します。スクリプトはシステムを正常に登録し、適切なリポジトリに登録します。
SLES-SAPの登録用の電子メールアドレスと登録コードがあることを確認します。
パッケージmigrate-sles-to-sles4sapをインストールします。
次のコマンドを実行します。
root #
Migrate_SLES_to_SLES-for-SAP.sh
マイグレーションを続行することを確認するように求められたら、Yを押して、Enterを押します。
求められたら、登録用の電子メールアドレスを入力し、Enterを押します。
求められたら、登録キーを入力し、Enterを押します。
スクリプトが完了するまで待ちます。その後、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsソフトウェアリポジトリに登録され、SLES_SAP-releaseを優先して、パッケージSLES-releaseは削除されます。
スクリプトはデフォルトのSLES-SAPインストールに含まれているすべてのパッケージをインストールするわけではありません。ただし、これらは自分で手動インストールできます。デフォルトのパッケージの選択をインストールするには、次のコマンドを使用します。
root #
zypper in patterns-sles-sap_server
このセクションでは、SAPから受け取ったSAPメディアセットのインストールについて説明します。
インストールワークフロー内でSAPアプリケーションをインストールする場合は、4.2項 「最初のステップ」に進みます。
インストール済みシステム内にSAPアプリケーションをインストールする場合は、4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」に進みます。
SAPインストールウィザードを使用して、スタンドアロンのSAP HANAデータベースインスタンスをインストールできます。また、SAPインストールウィザードを使用して、次のSAP製品を(データベースとともに)インストールできます。
SAP S/4HANA, on-premise edition 1511
SAP NetWeaver 7.5
SAP NetWeaver 7.4 Support Release 2
SAP NetWeaver 7.4 Support Release 1
SAP NetWeaver 7.4
SAP Enhancement Package 1 for SAP NetWeaver 7.3
SAP NetWeaver 7.3
SAP NetWeaver Composition Environment (CE) 7.2
SAP EHP1 for SAP NetWeaver Composition Environment (CE) 7.1
SAP NetWeaver Composition Environment (CE) 7.1
SAP EHP1 for SAP NetWeaver Mobile/Banking 7.1
SAP EHP1 SAP NetWeaver Process Integration 7.1
SAP EHP1 for SAP NetWeaver Adaptive Computing Controller 7.1
SAP NetWeaver Mobile/Banking 7.1
SAP NetWeaver Process Integration 7.1
SAP NetWeaver Adaptive Computing Controller 7.1
SAP Business Suite powered by SAP HANA
SAP Business Suite 7i 2016
SAP Business Suite 7i 2013 Support Release 2
SAP Business Suite 7i 2013 Support Release 1
SAP Business Suite 7i 2011 Java
SAP Business Suite 7i 2010 Java
SAP Business Suite 7 Support Release 1 Java
SAP Solution Manager 7.2 Support Release 1
SAP Solution Manager 7.1 powered by SAP HANA
SAP NetWeaver AS ABAP 7.4, OEM version 1.0
SAPインストールウィザードでは、Oracleデータベースと一緒に製品をインストールすることはできません。Oracleデータベースをインストールするには、まず、基本製品のSUSE Linux Enterprise Serverをインストールしてから、Oralceデータベースをインストールし、後で、インストールをSLES-SAPに変換します。これは、Oracleデータベースのインストーラで、特定のファイルが存在するかを照会するために必要です。これらのファイルのすべてがSLES-SAPインストールに含まれているわけではありません。
変換の詳細については、3.4項 「SLESインストールのSLES-SAPインストールへの変換」を参照してください。
これらの最初のステップは、インストールワークフロー中にのみ関連します。
システムがブートすると、
画面が表示されます。 で続行します。画面が開きます。これにより、ネットワーク設定を変更することができます。
ネットワークを設定し終えたら、
で続行します。SAPアプリケーションのドキュメントに従って、ネットワーク接続を設定してください。
ネットワーク設定については、 『管理ガイド』の「ネットワークの基礎」の章のセクション、「YaSTによるネットワーク接続の設定」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
(次の画面が読み込まれる間、
画面が数秒間、再び表示される場合があります。)以下のいずれかのオプションを選択してください。
SAPアプリケーションをインストールし、他のシステムにSAPインストールルーチンを提供するサーバとしてシステムを設定できます。
4.3項 「SAPインストールウィザードの使用」に進んでください。
SAP BusinessOne認定ハードウェア上にSAP HANAファイルシステムを作成します。
ご使用のマシンが2.1項 「ハードウェア要件」で詳しく説明されるSAP HANAのハードウェア要件を満たしていることを確認してください。満たしていない場合、このオプションは、新しいファイルシステムを作成せず、インストールワークフローはこの時点で終了します。
SAPアプリケーションをインストールせず、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのログイン画面に進みます。
で続行します。
SAPインストールウィザードを使用して、SAP NetWeaverシステム(データベースを含む)またはSAP HANAシステムをインストールします。
他のSAPアプリケーションをインストールしたり、より高度なSAP HANAセットアップを作成したりするには、このウィザードではなく、SAPによって提供されるインストール方法のいずれかを直接使用してください。
このプロセスは、インストールワークフロー中に表示されるとおりに文書化されています。ただし、インストール済みシステムで使用可能なYaSTモジュール
にも適用されます。SAPインストーラを起動するには、デスクトップから
› › の順に選択し、YaSTコントロールセンターで › を選択して続行します。
SAPインストールウィザードの設定は/etc/sysconfig/sap-installation-wizard
で指定され、文書化されています。ニーズに応じてそれを変更できます。
図4.1「SAPインストールマスタの場所」)を指定します。場所はローカル、リムーバブル、またはリモートインストールソースのいずれかです。
画面で、 (ドロップダウンボックスから適切なオプションを選択します。テキストボックスで、次の表に示す形式に従って、ソースへのパスを指定します。
オプション |
説明 |
パスの形式 |
---|---|---|
「ローカルソース」 | ||
|
ローカルディレクトリ |
|
「リムーバブルソース」 | ||
|
ローカルに接続されたハードディスク |
|
|
USBマスストレージデバイス |
|
|
CDまたはDVD |
|
「リモートソース」 | ||
|
NFS共有 |
|
|
SMB共有 |
|
NFSソースからインストールするには、サーバの名前とメディアデータへの完全なパスを指定します。リモートインストールサーバの設定については、第6章 「SAPメディアセット用のインストールサーバの設定」を参照してください。
以前にインストールサーバからSAPアプリケーションをインストールしたことがある場合、またはシステムをインストールサーバとして設定している場合は、インストールマスタのプロバイダとしてそのサーバを直接選択することもできます。これを行うには、
の下のドロップダウンボックスを使用します。で、次のオプションから選択します。
このオプションを使用して、インストールパラメータを設定しますが、実際のインストールは実行しません。このオプションを使用すると、SAPインストーラ(SAPinst)は実際のSAP製品のインストールを実行しないで停止します。ただし、以降の手順はすべて適用されます。
詳細については、4.4項 「インストールプロファイルを使用したインストールの続行」を参照してください。
このシステムを他のSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsシステムのインストールサーバとして設定します。このインストールサーバにコピーされるメディアは、NFSを介して提供され、サービスロケーションプロトコル(SLP)を介して検出できます。
で続行します。
SAPインストールウィザードは、インストールマスタをローカルディスクにコピーします。選択したインストールマスタのタイプによって、インストールは異なる方法で続行されます。
SAP HANAデータベースをインストールする場合は、ステップ 8にスキップします。
SAP NetWeaverアプリケーションをインストールする場合は、次の手順に進みます。
画面で、インストールする追加のインストールメディアの場所を指定します。これには、SAPカーネル、データベース、データベースエクスポートが含まれます。
追加のインストールメディアへのパスを指定します。パスの指定の詳細については、表4.1「メディアソースのパス」を参照してください。
追加のインストールメディアはコピーしない。追加のインストールメディアが必要ない場合、または追加のインストールメディアをCD/DVDやフラッシュディスクなどのソースから直接インストールする場合は、このオプションを選択します。
SAP製品に追加のインストールメディアが必要であるにもかかわらずこのオプションを選択する場合は、後でSAPインストーラ(SAPinst)に関連するパスを提供する必要があります。
で続行します。
インストールメディアをコピーすることを選択する場合、SAPインストールウィザードはローカルハードディスクに関連するファイルをコピーします。
インストールメディアをコピーした後で、追加のインストールメディアを準備するかどうかを尋ねられます。これを行うには、ステップ 3の手順に従います。
をクリックします。次に、これを行わない場合は、
をクリックします。画面の の下で、製品をインストールする方法を選択します。
そのデータベースを含むSAPアプリケーションをインストールします。
標準製品に機能を追加するエンジン: SAP TREX、SAP Gateway、およびWeb Dispatcher。
複数のサーバに分散されたSAPアプリケーション。
高可用性セットアップでのSAP NetWeaverのインストール。
SAPシステムID、データベースID、インスタンス番号、ホスト名など、さまざまなシステムプロパティを変更できます。これを使用して、同じ製品を異なるシステムに非常に類似した設定でインストールできます。
、 、または を選択した場合、追加で でバックエンドデータベースを選択します。
で続行します。
画面が表示されます。表示される製品は、SAPから受け取ったメディアセットとインストールマスタによって異なります。リストから、インストールする製品を選択します。
で続行します。
補足メディアまたはサードパーティメディアをコピーするかどうかを尋ねられます。これを行う場合は、ステップ 3の手順に従います。
をクリックして、これを行わない場合は、
をクリックします。どちらのタイプの配信メカニズムでも、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsメディアの一部でもなく、SAPのメディアセットの一部でもないソフトウェアをインストールできます。ただし、配信メカニズムは異なります。
補足メディア/サードパーティメディアは、インストールウィザードとカスタムインストールスクリプトの作成を許可するAutoYaSTファイルを使用してインストールされます。
追加のソフトウェアリポジトリは、購読したままにするRPMパッケージリポジトリです。これは、サードパーティメディアのアップデートと定期的なシステムアップデートを受信することを意味します。
補足メディアの作成方法については、付録C 補足メディアを参照してください。
「ソフトウェアをインストールまたは削除する」の章のセクション、「ソフトウェアリポジトリの追加」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
画面では、さらにソフトウェアリポジトリを追加できます。たとえば、RPMとしてパッケージ化されたアドオン用。これを実行するには、 をクリックします。リポジトリの追加の詳細については、『導入ガイド』ので続行します。
この時点で、SAPインストールに必要なすべてのデータが/data/SAP_CDs
にコピーされています(コピープロセスをスキップすることを選択した場合を除く)。各インストールメディアは個別のディレクトリにコピーされます。たとえば、次のようなディレクトリ構造があります。
tux >
ls /data/SAP_CDs
742-KERNEL-SAP-Kernel-742
742-UKERNEL-SAP-Unicode-Kernel-742
RDBMS-MAX-DB-LINUX_X86_64
SAP-NetWeaver-740-SR2-Installation-Export-CD-1-3
SAP-NetWeaver-740-SR2-Installation-Export-CD-2-3
SAP-NetWeaver-740-SR2-Installation-Export-CD-3-3
/data/SAP_CDs
は、/etc/sysconfig/sap-installation-wizard
設定ファイルで指定されているデフォルトのディレクトリです。
インストールする製品に応じて、1つ以上のダイアログが、インストールするSAPアプリケーションのいくつかの設定パラメータの値を指定するよう要求します。
SAPによって提供されたドキュメントの説明に従って、値を指定します。設定パラメータのヘルプも、ダイアログの左側に表示されます。詳細については、2.6項 「インストールに必要なデータ」を参照してください。
1つ(または複数)のフォームに入力し、
で続行します。完了したら、SAPインストールウィザードは追加のソフトウェアパッケージをダウンロードします。
インストールを続行するか、または別のSAP製品をインストールする準備をするかを尋ねられます。別のSAP製品を準備することを選択する場合は、この手順の初めから開始します。
SAP HANAの認定を受けておらず、SAP HANA TDI (Tailored Datacenter Integration)用の最小ハードウェア要件を満たしていないシステムにSAP HANAをインストールする場合は、続行するかどうかを尋ねられます。このメッセージを予期せずに受信する場合は、2.1項 「ハードウェア要件」、およびhttps://service.sap.com/sizingにあるSAPのサイジングガイドラインを確認してください(情報にアクセスするにはSAP IDが必要です)。
それ以外の場合は、
で続行します。以降の手順は、インストールするSAPアプリケーションのタイプによって異なります。
SAP HANAデータベースをインストールする場合、さらに質問されることなく、SAP HANAがインストールされます。
SAP NetWeaverアプリケーションをインストールする場合、実際のインストールはSAPインストーラ(SAPinst)を使用して実行されます。数秒後、SAPインストーラが自動的に開きます。
SAPで提供されるドキュメントの説明に従って、SAPインストーラを実行します。ほとんどの設定パラメータはすでに正しく入力されています。
SAPアプリケーションのインストールが失敗する場合は、インストールログファイルを参照してください。/var/adm/autoinstall
にあります。失敗したインストールは、名前が.err
で終わるファイルに記録されます。
ログファイルの詳細については、第13章 「重要なログファイル」を参照してください。
最後の画面は
です。
このインストールでAutoYaSTファイルを作成するには、/root/autoinst.xml
に配置されます。
をクリックします。
SAPインストールウィザードの以前の実行中に
を選択した場合、このセクションには、選択したSAPアプリケーションのインストールの続行方法が表示されます。
インストールプロファイルを収集する場合、SAPインストールウィザードでは、製品イメージが/data/SAP_CDs
にコピーされます。またこのウィザードでは、パス/data/SAP_INST
の下にあるすべての製品のインストール環境も準備されます。
/data/SAP_INST/0/Instmaster /data/SAP_INST/1/Instmaster /data/SAP_INST/2/Instmaster [...]
これらのファイルは以下で再使用されます。インストールを続行するには、次の手順に従います。
/etc/sysconfig/sap-installation-wizard
で、以下を設定します。
SAP_AUTO_INSTALL="yes"
SAP HANA/SAP BusinessOneのインストールの場合、SAPインストールウィザードは後で/data/SAP_INST/number
のAutoYaSTファイルに記載されているパラメータを使用します。
任意のパラメータを変更する必要がある場合は、この時点でAutoYaSTファイルを調整してください。
YaSTコントロールセンターを開いて、
を開始します。保留中のインストールを続行するかどうかを尋ねられます。
を選択します。それ以降のすべての操作は、SAPインストーラ内で行われます。SAPで提供されるドキュメントの説明に従って、SAPインストーラの手順を実行します。
SAP NetWeaverのインストールの場合、SAPインストーラのすべてのパラメータが微調整用に再度提供されます。
SAP HANA/SAP BusinessOneのインストールの場合、インストーラはパラメータを変更することを提案しません。
SAPインストールウィザードを使用しない場合、コマンドラインから直接SAPアプリケーションのパーティショニングを作成することもできます。まず、ディレクトリ/usr/share/YaST2/include/sap-installation-wizard/
で正しいパーティショニングファイルを見つけるか、独自のパーティショニングファイルを作成します。詳細については、2.7.2項 「SAPシステムのパーティショニング(ステージ2)」を参照してください。
正しいパーティショニングXMLファイルを決定したら、次のコマンドを実行します。
root #
yast2 sap_create_storage_ng ABSOLUTE_PATH_TO_PARTITIONING_FILE
AutoYaSTからSAPインストールウィザードを使用して、SAPアプリケーションのインストールを自動化できます。
次のAutoYaSTスニペットは、SAP HANAまたはSAP TREXのインストールの自動化方法を示しています。
<sap-inst>
<products config:type="list">
<product>
<media config:type="list">
<medium>
<url>nfs://server/path1</url>
<type>sap</type>
</medium>
<medium>
<url>nfs://server/path3</url>
<type>supplement</type>
</medium>
</media>
<sapMasterPW>PASSWORD</sapMasterPW>
<sid>SID</sid>
<sapInstNr>INSTANCE_NUMBER</sapInstNr>
<sapMDC>no</sapMDC>
</product>
</products>
</sap-inst>
sapMDC 要素は
SAP HANAにのみ適用できます。
sapMDCsapVirtHostname 要素は
分散インストールまたは高可用性インストールに指定する必要があります。
パーティショニングを含む完全なSAP HANAの例については、/usr/share/doc/packages/sap-installation-wizard/hana-autoyast.xml
を参照してください。
SAP NetWeaverの場合、次の例は、インストールの自動化方法を示しています。具体的には、この例では、SAP NetWeaver 7.5 ABAPサーバ分散システムのASCSインスタンスがMaxDB (製品ID NW_ABAP_ASCS:NW750.ADA.ABAP
)と一緒にインストールされるように調整されています。SAP NetWeaverに基づいて他の製品をインストールする場合、次の変数のすべてが必要なわけではないか、これらの変数を他の変数に置き換える必要がある場合があります。
SAP NetWeaverインスタンスのマスタパスワード: MASTER_PASSWORD
SAP識別子(SID): SID
SAPカーネル: KERNEL
SAPインスタンス番号: INSTANCE_NUMBER
ASCS仮想ホスト名: ASCS_VIRTUAL_HOSTNAME
SCS仮想ホスト名: SCS_VIRTUAL_HOSTNAME
<sap-inst>
<products config:type="list">
<product>
<media config:type="list">
<medium>
<url>nfs://SERVER/PATH1</url>
<type>sap</type>
</medium>
<medium>
<url>nfs://SERVER/PATH2</url>
<type>sap</type>
</medium>
<medium>
<url>nfs://SERVER/PATH3</url>
<type>supplement</type>
</medium>
</media>
<productID>NW_ABAP_ASCS:NW750.ADA.ABAP</productID>
<iniFile>
<![CDATA[
# Password for the Diagnostics Agent specific <dasid>adm user. Provided value
# may be encoded.
DiagnosticsAgent.dasidAdmPassword =
# Windows domain in which the Diagnostics Agent users must be created.
# The property is Microsoft Windows only. This is an optional property.
DiagnosticsAgent.domain =
# Password for the Diagnostics Agent specific SAPService<DASID> user.
# Provided value may be encoded.
# The property is Microsoft Windows only.
DiagnosticsAgent.sapServiceDASIDPassword =
NW_GetMasterPassword.masterPwd = MASTER_PASSWORD
# Human readable form of the Default Login language - valid names are stored
# in a table of the subcomponent NW_languagesInLoadChecks. Used when freshly
# installing an ABAP stack for the machine that performs an ABAP load (in the
# case of a distributed system, that is the database, otherwise it is used by
# the normal installer). The available languages must be declared in the
# LANGUAGES_IN_LOAD parameter of the product.xml . In this file, the one
# character representation of the languages is used. Check the same table in
# the subcomponent mentioned above.
NW_GetSidNoProfiles.SAP_GUI_DEFAULT_LANGUAGE =
# The drive to use (Windows only)
NW_GetSidNoProfiles.sapdrive =
# The /sapmnt path (Unix only)
NW_GetSidNoProfiles.sapmnt = /sapmnt
# The SAP System ID of the system to install
NW_GetSidNoProfiles.sid = SID
# Will this system be unicode system?
NW_GetSidNoProfiles.unicode = true
NW_SAPCrypto.SAPCryptoFile = /data/SAP_CDs/745-UKERNEL-SAP-Unicode-Kernel-745/DBINDEP/SAPEXE.SAR
NW_SCS_Instance.ascsInstanceNumber =
NW_SCS_Instance.ascsVirtualHostname = ASCS_VIRTUAL_HOSTNAME
NW_SCS_Instance.instanceNumber = INSTANCE_NUMBER
NW_SCS_Instance.scsInstanceNumber =
NW_SCS_Instance.scsMSPort =
NW_SCS_Instance.scsVirtualHostname = SCS_VIRTUAL_HOSTNAME
NW_System.installSAPHostAgent = true
NW_Unpack.igsExeSar =
NW_Unpack.igsHelperSar =
NW_Unpack.sapExeDbSar =
NW_Unpack.sapExeSar =
NW_Unpack.sapJvmSar =
NW_Unpack.xs2Sar =
NW_adaptProfile.templateFiles =
# The FQDN of the system.
NW_getFQDN.FQDN =
# Do we want to set the FQDN for the system?
NW_getFQDN.setFQDN = false
# The path to the JCE policy archive to install into the Java home directory
# if it is not already installed.
NW_getJavaHome.jcePolicyArchive =
hostAgent.domain =
# Password for the SAP Host Agent specific sapadm user. Provided value may be
# encoded.
hostAgent.sapAdmPassword = MASTER_PASSWORD
nwUsers.sapDomain =
nwUsers.sapServiceSIDPassword =
nwUsers.sidadmPassword =
]]>
</iniFile>
</product>
</products>
</sap-inst>
SAP HANAの公式ドキュメントでは、いわゆる「ニアゼロのダウンタイムアップグレードプロセス」について説明しています。YaSTモジュールは、このプロセスに基づいており、SUSEクラスタに関連する手順の一部を処理します。すべての手順が自動的に実行できるわけではありません。一部の手順は、SAP HANA管理者が手動で実行する必要があります。YaSTモジュールはプロセス中に通知します。
このYaSTモジュールはSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 12 SP3以降のyast2-sap-haパッケージで入手できます。現在、このウィザードは「SAP HANAスケールアップパフォーマンス最適化」シナリオに対応するためにのみ準備されています。
アップグレードは次のタスクをカバーします。
次のように両方のノードにyast2-hana-updateパッケージをインストールします。
root #
zypper
install yast2-hana-update
インストール後、
に モジュールが見つかります。セカンダリノードで、
を起動して、 モジュールを開きます。YaSTモジュールで、前提条件を確認します。次の手順に進む前にこれらのすべての操作を完了してください。このウィザードは「HANAスケールアップパフォーマンス最適化」シナリオのみをサポートしていることに注意してください。
SAP HANAシステムをアップグレードするには、セカンダリノードを選択します。
インストールメディアの場所を選択します。
SAPメディアが配置される場所をポイントします。必要に応じて、
をオンにして、NFS共有とパスを指定します。SAP HANAバージョン1.0からバージョン2.0にアップグレードする場合は、
をオンにしてください。YaSTモジュールは以前のセカンダリノードから以前のプライマリノードに「PKI SSFSキー」をコピーします。詳細については、 ボタンを参照してください。
5.2項 「SAP HANAクラスタのアップグレード」に進んでください。
ウィザードによって生成されたアップデート計画を確認してください。
ウィザードには、自動と手動の2つの手順が示されます。この自動手順では、ウィザードはクラスタリソースを保守モードにしてから、自動手順で開始します。手動手順はSAP HANA固有で、SAP HANA管理者によって実行される必要があります。詳細については、公式のSAP HANAドキュメントを参照してください。
SAP HANAソフトウェアをアップデートします。
ウィザードは自動アクションを実行し、SAP HANA管理者がSAP HANAアップグレードを実行するまで待機します。
SAP HANAアップグレードを実行します。
プライマリ(リモート)ノードの計画を確認します。
SAP HANAアップグレードが実行された後で、ウィザードはアップデート計画を示します。この手順を続行すると、ウィザードによってプライマリノードがセカンダリノードになり、アップグレードの準備が整います。
この手順にはしばらく時間がかかる場合があることに注意してください。
5.3項 「アップグレードタスクの完了」に進んでください。
以前のプライマリノードをアップデートします。
この手順では--hdbupd_server_nostart
オプションに特別の注意を払います。
クラスタの以前の状態に復元します。
デフォルトで、ウィザードは以前のマスタをSAP HANAシステムレプリケーションのセカンダリとして登録します。システムレプリケーションを元の状態に戻したい場合は、
ボタンをクリックします。アップデートのサマリを確認します。
SAP HANAの元のバージョンと現在のバージョン、およびクラスタの状態を確認できます。
ウィザードがクラスタリソースのステータスアップデートより速い場合は、サマリに中間クラスタ状態が表示されます。クラスタ状態はUNDEFINED
またはDEMOTED
です。
これを解決するには、SAPHanaSR-showAttr
コマンドでクラスタステータスを再度確認し、以前のセカンダリノードがPROMOTED
状態になっていることを確認します。
詳細については、SUSEブログの投稿https://www.suse.com/c/how-to-upgrade-your-suse-sap-hana-cluster-in-an-easy-way/を参照してください。
SAPインストールウィザードを使用すると、リモートサーバ(NFSやSMBなど)からSAPメディアセットをコピーできます。ただし、そこで提供されるオプションを使用すると、同時に製品をインストールする必要があります。さらに、組織で使用されるすべてのSAPメディアを単一のサーバにコピーすることはできません。
ただし、このようなサーバは自分で簡単に作成できます。たとえば、NFSサーバ上にSAPメディアを配置するには、次の手順に従います。
インストールサーバで、/srv/www/htdocs/sap_repo
ディレクトリを作成します。
/etc/exports
ファイルを開いて、次の行を追加します。
/srv/www/htdocs/sap_repo *(ro,no_root_squash,sync,no_subtree_check,insecure)
クライアントは実行可能なファイルを表示できる必要があります。表示できない場合、SUSEのSAPインストールウィザードで、SAPインストーラを実行できません。
/srv/www/htdocs/sap_repo
で、使用しているすべてのSAPメディアのディレクトリを作成します。これらのディレクトリに名前を付け、後で特定できるようにします。たとえば、kernel
、java
、hana
などの名前を使用できます。
cp -a
を使用して、各SAPメディアのコンテンツを対応するディレクトリにコピーします。
NTFSのようなWindowsファイルシステムとの間でコピーする場合にWindowsオペレーティングシステムを使用すると、許可設定を破損し、ファイルとディレクトリの大文字小文字の区別ができなくなる可能性があります。
現在は、設定したNFSサーバからインストールできます。SAPインストールウィザードで、次のようなパスを指定します。server_name/srv/www/htdocs/sap_repo
。パスの指定の詳細については、表4.1「メディアソースのパス」を参照してください。
初めからNFSサーバを設定する方法については、 『管理ガイド』の「サービス」パート、「NFS共有ファイルシステム」の章のセクション、「NFSサーバのインストール」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
NFSサーバからSUSE Linux Enterprise Serverをインストールする方法については、『導入ガイド』、「リモートインストール」の章のセクション、「NFSリポジトリの手動設定」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
YaSTウィザードを使用して、SAP HANAシステムレプリケーションを含むベストプラクティスに従って、SAP HANAまたはSAP S/4HANAデータベースサーバクラスタを設定することができます。セットアップオプションの概要は、1.1.3項 「簡素化されたSAP HANAシステムレプリケーションのセットアップ」を参照してください。
管理者はSAP HANA-SRウィザードを使用して、通常はオンプレミス展開で、モジュールを無人で実行できるようになりました。さらに、AzureでSAP HANAクラスタを設定できるようになりました。YaSTモジュールはAzureで実行されている場合にこれを自動的に認識し、Pacemakerに必要な追加のリソースを設定します。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsリソースライブラリ(https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/)の次の「ベストプラクティス」には、セットアップ手順が記載されています。
パフォーマンス最適化シナリオおよび多層/チェーンシナリオ: 『Setting up a SAP HANA SR Performance Optimized Infrastructure』
コスト最適化シナリオ: 『Setting up a SAP HANA SR Cost Optimized Infrastructure』
以下で説明するYaSTウィザードは、初期クラスタ設定にのみ使用できます。
クラスタを再設定するには、別のYaSTモジュールyast2-clusterから使用可能)を使用します。その使用法の詳細については、『管理ガイド』、「インストール、セットアップ、およびアップグレード」パートの章、「YaSTクラスタモジュールの使用」(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
(パッケージ次の手順には前提条件があります。
SAPインストールウィザードまたはSAP HANA Application Lifecycle Managementによって作成されたSAP HANAインストールを両方に備えている2台のマシン。両方のマシンが同じL2ネットワーク(サブネット)上にある必要があります。
多層/チェーンシナリオの場合、第3のマシンが他の場所にもある必要があります。
マシンは高可用性クラスタとしてまだ設定されていません。
openSSHは両方のマシン上で実行されており、ノードはSSHを介して相互接続されています。ただし、まだ実行されていない場合、ウィザードはSSHキー交換自体を実行します。
SSHに関する詳細については、『セキュリティガイド』の「ネットワークセキュリティ」パートの章、「SSH: Secure Network Operations (SSH: セキュアなネットワーク運用)」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
SBDの同じパス下の両方のノードで使用可能なディスクデバイス。ホストベースのRAID、cLVM2を使用したり、DRBDインスタンスに配置したりしないでください。デバイスは、100MBなどの小さなサイズにすることができます。
次のいずれかを作成しています。
プライマリノードのSAP HANAセキュアユーザストアのキー
プライマリノードでのSAP HANAの初期バックアップ
パッケージyast2-sap-haは、プライマリノードとセカンダリノードの両方にインストールされます。
HANA-Firewallは、すべての関連するネットワークインタフェース上でルールHANA_HIGH_AVAILABILITY
およびHANA_SYSTEM_REPLICATION
に基づいて両方のコンピュータに設定されます。
HANA-Firewallの設定方法については、9.2項 「HANA-Firewallの設定」を参照してください。
「コスト最適化シナリオのみ」: セカンダリノードには、2番目のSAP HANAがインストールされています。データベースは実行されている可能性がありますが、ウィザードによって自動的に停止されます。
「コスト最適化シナリオのみ」: 非運用環境のSAP HANAインスタンスの場合、モニタリング用にSAP HANAセキュアユーザストアキーQASSAPDBCTRL
を作成しています。詳細については、『SAP HANA SR Cost Optimized Scenario』の「Installing the SAP HANA Databases on both cluster nodes」の章のセクション「Postinstallation configuration」、セクション「Install the non-productive SAP HANA database (QAS)」 (https://www.suse.com/products/sles-for-sap/resource-library/)を参照してください。
次の手順はプライマリノード(「マスタ」とも呼ばれる)で実行する必要があります。続行する前に、7.1項 「前提条件」に一覧表示されている前提条件が満たされていることを確認してください。
YaSTコントロールセンターを開きます。コントロールセンターで、
カテゴリの をクリックします。SAP HANAインスタンスが検出された場合は、スケールアップシナリオ1.1.3項 「簡素化されたSAP HANAシステムレプリケーションのセットアップ」を参照してください。
、 、または から選択できます。これらのスケールアップシナリオについては、で続行します。
ウィザードのこのステップでは、選択したスケールアップシナリオの前提条件のリストが表示されます。これらの前提条件は、7.1項 「前提条件」に表示されるものと同じです。
で続行します。
次のステップでは、クラスタの通信層を設定できます。
クラスタの名前を入力します。
通常は、デフォルトの転送モード
が適切です。では、通常は単一の通信リングで十分です。
冗長性を確保するため、多くの場合、複数の通信リングではなく、ネットワークインターフェイスボンディングを使用する方が良いです。詳細については、『管理ガイド』の「設定および管理」パートの章、「ネットワークデバイスボンディング」(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
通信リングのリストから、有効な各リングを設定します。これを行うには、
をクリックし、通信するためにネットワークマスク( )およびポート( )を選択します。をクリックして、作業を完了します。
さらに、HMAC/SHA1を使用して、設定同期サービスCsync2およびCorosyncセキュア認証を有効にするかどうかを決定します。
Csync2に関する詳細については、『管理ガイド』の「インストール、セットアップ、およびアップグレード」パート、「YaSTクラスタモジュールの使用」の章のセクション、「すべてのノードへの設定の転送」(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
Corosyncセキュア認証の詳細については、『管理ガイド』の「インストール、セットアップ、およびアップグレード」パート、「YaSTクラスタモジュールの使用」の章のセクション、「認証設定の定義」(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
で続行します。
ウィザードでSSHを使用してセカンダリマシンに接続できるかどうかを確認します。可能な場合は、マシンへのroot
パスワードを要求します。
root
パスワードを入力します。
次回プライマリマシンがセカンダリマシンに接続する必要がある場合、パスワードではなく、SSH証明書を使用して接続します。
両方のマシンに、ホスト名とIPアドレス(リングごと)を設定します。
ここで選択したホスト名は、SAP HANAで選択した仮想ホスト名とは独立しています。ただし、SAP HANAとの問題を避けるため、ホスト名にハイフン文字(-
)を含めないでください。
これがSAP HANAの初期インストール中など、以前に実行されていない場合は、すべてのクラスタサーバのホスト名をファイル/etc/hosts
に追加する必要があります。このため、 を有効にします。
で続行します。
NTPがまだ設定されていない場合は、設定してください。これにより、時刻の違いによって2台のマシンで問題が発生することがなくなります。
をクリックします。
タブで、 を有効にします。
をクリックして、タイムサーバを追加します。 および をクリックします。次に、クラスタ外のタイムサーバのIPアドレスを指定します。 をクリックして、サーバへの接続をテストします。
パブリックタイムサーバを使用するには、
› をクリックして、タイムサーバを選択します。 をクリックして、作業を完了します。をクリックして、続行します。
タブで、 を有効にします。
で続行します。
次のステップでは、フェンシングオプションを選択します。YaSTウィザードでは、フェンシングメカニズムSBD (「STONITHブロックデバイス」)のみをサポートしています。スプリットブレイン状況を避けるため、SBDはクラスタの状態を保存するディスクデバイスを使用します。
選択したディスクは、クラスタのすべてのマシンから同じパスで使用できる必要があります。理想的には識別用に
または のいずれかを使用します。ディスクはホストベースのRAID、cLVM2を使用したり、DRBDインスタンスに配置したりしないでください。デバイスは、100MBなどの小さなサイズにすることができます。
選択した1つ以上のSBDデバイスの全データが削除されます。
使用するデバイスを定義するには、
をクリックし、 などの識別方法を選択して、適切なデバイスを選択します。 をクリックします。追加のSBDコマンドラインパラメータを定義するには、それらを
に追加します。マシンが特に速く再起動する場合は、
を有効にします。フェンシングの詳細については、『管理ガイド』(https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
で続行します。
次のページでは、SBDデーモン自体の障害から保護し、このような場合にマシンを強制的に再起動するウォッチドッグを設定できます。
また、YaSTを使用してすでに設定されているウォッチドッグと、現在ロードされているlsmod
によって検出されたウォッチドッグも一覧表示します。
ウォッチドッグを設定するには、
を使用します。次に、ハードウェアに適したウォッチドッグを選択し、 をクリックしてダイアログを閉じます。
テストするには、ウォッチドッグsoftdog
を使用できます。ただし、softdog
ではなく、運用環境でハードウェアウォッチドッグを使用することを強くお勧めします。ウォッチドッグの選択に関する詳細については、『管理ガイド』の「ストレージおよびデータレプリケーション」パート、「Storage Protection (ストレージ保護)」の章のセクション、「概念の概要」、「Setting Up Storage-based Protection (ストレージベース保護の設定)」、「Setting up the Watchdog (ウォッチドッグの設定)」 (https://documentation.suse.com/sle-ha-15)を参照してください。
で続行します。
SAP HANAのインストール用(1つ以上のインスタンスも可)パラメータを設定します。コスト最適化シナリオを選択している場合は、非運用SAP HANAインスタンスに関連した詳細を追加入力します。
と がSAP HANA設定のそれらと一致していることを確認します。
と は通常、変更する必要はありません。
これらのパラメータの詳細については、SAPによって提供される、『HANA Administration Guide』を参照してください。
で、プライマリSAP HANAインスタンスの仮想IPアドレスを指定します。 で、 に適用するサブネットマスクの長さをCIDR形式で設定します。
では、セカンダリインスタンスがプライマリインスタンスのジョブを自動的に引き継ぐ( )かどうかを定義します。または、クラスタはプライマリマシンでSAP HANAを再起動します。
では、プライマリマシンとセカンダリマシンがテイクオーバー後に役割を切り替えるかどうかを決定します。
と の2台のノードで、運用SAP HANAインスタンスのサイト名を指定します。
データベースのバックアップを持つことが、SAP HANAレプリケーションを設定するための前提条件です。
以前にバックアップを作成したことがない場合は、
を有効にします。 で、バックアップ用の と を設定します。プライマリノードのSAP HANAセキュアユーザストアのキーは、ウィザードの開始前に作成されている必要があります。詳細については、SAPによって提供されるドキュメントを参照してください。
「コスト最適化シナリオのみ」: 内で、SAP HANAの運用インスタンスがセカンダリノードで無効になっているときの動作方法を設定します。
を設定すると、メモリ使用量を直接制限できます。 を有効にすると、メモリ使用量が増加します。
必要なグローバル割り当て制限については、『How to Perform System Replication for SAP HANA』などのSAPによって提供されているドキュメントを参照してください(https://archive.sap.com/documents/docs/DOC-47702)。
と が非運用SAP HANAインスタンスのそれらと一致していることを確認します。
これらのパラメータは、SAPインスタンスリソースエージェントを使用して、非運用SAP HANAインスタンスのステータスを監視できるようにするために必要です。
非運用インスタンスを停止し、運用インスタンスを開始して、運用システムにおける制約を削除するためのフックスクリプトを生成します。スクリプトはPython 2で記述され、後で必要に応じて変更できます。
をクリックして、データベースの正しいユーザ名とパスワードを設定します。 をクリックします。
これで、生成されたフックスクリプトの詳細を手動で確認し、変更できるようになりました。完了したら、/hana/shared/SID/srHook
にフックスクリプトを保存します。
デフォルトで、フックスクリプトはプレーンテキストですべての資格情報を保存します。セキュリティを向上させるには、スクリプトを自分で変更してください。
で続行します。
ページで、セットアップが正しいことを確認します。
設定の詳細を変更するには、下線付き見出しのいずれかをクリックして、該当するウィザードページに戻ります。
で続行します。
追加のソフトウェアをインストールするかどうかを尋ねられたら、
で確認します。セットアップが完了した後で、クラスタセットアップのログを表示する画面が表示されます。
ダイアログを閉じるには、
をクリックします。「多層/チェーンシナリオのみ」: 運用SAP HANAインスタンスの管理ユーザアカウントを使用して、システムレプリケーション用にクラスタ外ノードを登録します。
SIDadm >
hdbnsutil
-sr_register --remoteHost=SECONDARY_HOST_NAME \ --remoteInstance=INSTANCE_NUMBER --replicationMode=async \ --name=SITE_NAME
無人セットアップでは、まず、HANAの手動インストールが必要です。その結果が、選択されたすべての設定オプションを含むファイルに保存されます。管理者がインストールを再現する必要がある場合は、このファイルを使用して、インストールを自動的に無人で実行できます。
そのファイルを使用するには、両方のノードで次の手順を実行します。
SAP HANAがインストールされている運用マシンで、sap_ha
YaSTモジュールを実行して、設定ファイルを作成します。
最後の画面で、
ボタンをクリックします。実行する操作を決定します。
設定を確認するには、プライマリSAP HANAマシンに設定をアップロードして検証し、次のコマンドを実行します。
root #
yast2 sap_ha readconfig CONFIGURATION_FILE_PATH
確認画面でインストールを開始することができます。
提供された設定ファイルに基づいてインストールを無人で開始するには、次のコマンドを実行します。
root #
yast2 sap_ha readconfig CONFIGURATION_FILE_PATH unattended
提供された設定ファイルに基づいて、クラスタを無人でインポート、検証、インストールします。
root #
yast2 sap_ha readconfig CONFIGURATION_FILE_PATH unattended
ウィザードを使用してクラスタを設定した後で、
ウィザードの最後の画面からHawkを直接開くことができます。Hawkに再アクセスするには、ブラウザを開いて、URLとして、Hawk Webサービスを実行しているクラスタノードのIPアドレスまたはホスト名を入力します。または、7.2項 「セットアップ」で設定した仮想IPアドレスを入力します。
https://HAWKSERVER:7630/
Hawkログイン画面で、次のログイン資格情報を使用します。
hacluster
linux
デフォルトのパスワードはできるだけ早くセキュリティ保護されたパスワードに変更します。
root #
passwd hacluster
Hawk: 『管理ガイド』、設定および管理パートの章、Hawkを使用したクラスタリソースの設定と管理 (https://documentation.suse.com/sle-ha-15)
SAP HANAシステムレプリケーションのほぼゼロのダウンタイム: 『Use SAP HANA System Replication for Near Zero Downtime Upgrades』
PythonフックSAPHanaSRの実装: https://documentation.suse.com/sbp/all/html/SLES4SAP-hana-sr-guide-PerfOpt-15/
この章では、SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsがSAPアプリケーションと最適に連携できるようにチューニングする方法について説明します。
saptune
を使用したシステムのチューニング #
saptune
を使用すると、SAP NetWeaver、SAP HANA/SAP BusinessObjects、およびSAP S/4HANAアプリケーション用にシステムをチューニングできます。この方法は、システムチューニングサービスtuned
に依存します。
saptune
を使用するには、パッケージtunedとsaptuneがシステムにインストールされていることを確認してください。
saptune
の有効化 #システムをチューニングするには、まず、チューニングソリューションを見つけます。適切なソリューションを見つけるには、次のコマンドを使用します。
tux >
saptune solution list
saptune
では、次のチューニングソリューション(SAP Notesのグループ)を認識します。
BOBJ
:
SAP BusinessObjectsを実行するためのソリューション。
HANA
:
SAP HANAデータベースを実行するためのソリューション。
MAXDB
:
SAP MaxDBデータベースを実行するためのソリューション。
NETWEAVER
:
SAP NetWeaverアプリケーションサーバを実行するためのソリューション。
S4HANA-APPSERVER
:
SAP S/4HANAアプリケーションサーバを実行するためのソリューション。
S4HANA-APP+DB
:
SAP S/4HANAアプリケーションサーバとSAP HANAの両方を同じホスト上で実行するためのソリューション。
S4HANA-DBSERVER
:
SAP S/4HANAインストールのSAP HANAデータベースを実行するためのソリューション。
SAP-ASE
:
SAP Adaptive Server Enterpriseデータベースを実行するためのソリューション。
NETWEAVER+HANA
:
SAPアプリケーションサーバとSAP HANAの両方を同じホスト上で実行するためのソリューション。
または、特定のSAP Notesからの推奨事項に従って、コンピュータをチューニングできます。チューニングできるNotesのリストは次のコマンドを介して入手できます。。
root #
saptune note list
事前設定されたソリューションを使用してsaptune
を設定するには、次のコマンドを使用します。
root #
saptune solution apply SOLUTION
特定のSAPノートの推奨事項に合わせてsaptune
を設定するには、次のコマンドを使用します。
root #
saptune note apply NOTE
ソリューションとノートを組み合わせることができます。ただし、一度にアクティブにできるのは1つのソリューションのみです。まれに、ノートでオプションまたはパラメータの競合が発生する可能性があります。競合を避けるには、最後のノートが常に以前のノートの競合するオプションまたはパラメータを上書きすることに注意してください。
saptune
を開始し、ブート時に有効にするには、次のコマンドを実行してください。
root #
saptune daemon start
バックグラウンドで、saptune
は、選択した「ソリューション」および「ノート」に従って動的にカスタマイズされるsaptune
とも呼ばれるtuned
プロファイルを適用します。tuned-adm list
を使用して、このプロファイルを表示することもできます。
すべてのSAPノートは次のコマンドを使用して自由に設定できます。
root #
saptune note customise
このコマンドには、値の変更やパラメータの無効化が含まれています。
このコマンドを使用すると、作成されたノートを削除できます。対応する上書きファイルが利用可能な場合は、それも削除されます。
root #
saptune note delete test
Note to delete is a customer/vendor specific Note. Do you really want to delete this Note (test2)? [y/n]: y
ノートはその時点では適用されない場合があります。次の点に注意してください。
アクションを完了するには確認が必要です。
saptune
で提供された内部SAPノートは削除できません。代わりに、利用可能な場合は、上書きファイルが削除されます。
ノートがすでに適用されている場合、コマンドは、ノートを削除する前に元に戻す必要があるという情報で終了します。
このコマンドを使用すると、作成されたノートを新しい名前に変更することができます。対応する上書きファイルが利用可能な場合は、このファイルの名前も変更されます。
root #
saptune note rename test test2
Note to rename is a customer/vendor specific Note. Do you really want to rename this Note (test) to the new name 'test2'? [y/n]: y
ノートはその時点では適用されない場合があります。次の点に注意してください。
アクションを完了するには確認が必要です。
saptune
で提供された内部SAPノートの名前は変更できません。
ノートがすでに適用されている場合、コマンドは、ノートを削除する前に元に戻す必要があるという情報で終了します。
コマンドsaptune note verify NOTE
およびsaptune solution verify SOLUTION
は、アクティブまたは要求されたノートごとに次のデータを一覧表示します。
パラメータ名
予想される値(デフォルト)
設定された上書き(saptune customise
を使用して作成)
現在のシステム値
現在の状態がSAP推奨事項に従っているかどうか
note
の各パラメータを表示するには、次のコマンドを使用します。
root #
saptune note simulate
solution
の各パラメータを表示するには、次のコマンドを使用します。
root #
saptune solution simulate
現在のシステム値と予想される値(デフォルトおよび上書き)を一覧表示します。
次のマニュアルページを参照してください。
man 8 saptune
man 8 saptune_v1
man 8 saptune_v2
man 8 saptune-migrate
man 8 saptune-note
プロジェクトホームページ(https://github.com/SUSE/saptune/)も参照してください。
sysctl
を使用したカーネルパラメータの手動チューニング #
saptune
を使用してカーネルパラメータをチューニングする際は、sysctl
を使用して、カーネルパラメータを手動調整することもできます。また、saptuneを使用したカーネルパラメータのチューニングの代わりに、sysctlを使用して、カーネルパラメータを手動調整することもできます。ただし、sysctl
を使用したこのような変更は、デフォルトでは再起動後も持続しません。再起動後も持続するようにするには、sysctl
によって読み込まれた設定ファイルのいずれかにそれらを追加します。
sysctl
とsaptune
SAPシステムにsysctl
パラメータを設定する場合は、このような設定を管理する中心的なツールとしてsaptune
を使用することを検討してください。
sysctl
に関する詳細については、マニュアルページのsysctl(8)
、sysctl.conf(5)
、およびsysctl.d(5)
を参照してください。
SAPアプリケーションを物理メモリに保持することは、パフォーマンスのために不可欠です。古い製品バージョンでは、ページキャッシュ制限により、ページキャッシュの増加によるディスクへのスワップアウトが防止されていました(SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 11 SP1以降およびSUSELinux Enterprise Server for SAP Applications 12)。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15では、ページキャッシュ制限がより高度なワークロードメモリ保護に置き換えられました。
ワークロードメモリ保護は、SAPインスタンスを専用のcgroup (v2)に置き、memory.low
パラメータによって、物理メモリに保持するメモリ容量をカーネルに伝えます。これにより、ページキャッシュの増加を含む、そのcgroupの外側のあらゆる形態のメモリ負荷に対してこのcgroup内のプロセスが保護されます。ワークロードメモリ保護は、このcgroup内のメモリ負荷に対して保護することはできません。これは、1つのホスト上の「すべての」インスタンスのメモリをカバーします。
memory.low
の値は、SAPインスタンスとワークロードの種類によって異なり、手動で設定する必要があります。システムが過度な負荷下にある場合、Linuxカーネルはmemory.low
値を無視して、OOMキラーをスワップしたり、呼び出したりしてでも、システム全体を安定化させようとします。スワップしたり、OOMキラーを呼び出したりしてでも、システム全体を安定化させようとします。
cgroupに関する詳細については、https://documentation.suse.com/sles-15/html/SLES-all/cha-tuning-cgroups.htmlを参照してください。
WMPは次の3つのコンポーネントに依存します。
cgroup2メモリコントローラパラメータmemory.lowを使用すると、Linuxカーメルが物理メモリに保持するメモリ容量を定義できます。このメモリ容量は、システム全体が重大なメモリ状況にある場合を除いて、再利用プロセスから除外されます。
WMPはmemory.lowを使用して、SAPプロセスからのメモリがページングされたり、ディスクにスワップアウトされたりしないようにします。メモリコントローラを除いて、cgroup1コントローラは引き続き利用できますが、マウントされなくなりました。
systemd
Systemdでは、cgroup階層を作成および維持するためのインフラストラクチャを提供し、cgroupパラメータの設定を可能にします。Systemdでは、cgroup階層を作成および維持するためのインフラストラクチャが提供され、cgroupパラメータの設定を可能にします。WMPではsystemd
設定ファイルを提供しが提供され、systemd
メソッドを介して、memory.lowを簡単に設定できるようにします。
SAP Start Serviceは、SAPインスタンスの開始と停止を管理します。WMPの重要な機能は、インスタンス自体がインスタンスプロファイルで開始される前の、プログラムの設定可能な実行にあります。WMPでは、このメソッドを使用してプログラムを呼び出し、sapstart
プロセスを指定のcgroupに移動させるため、SAPインスタンスがそのcgroup内で開始されます。
WMPは、
App Server (SAP NetWeaver、SAP S/4HANA)や
SAP HANA 1.0/2.0など1台のホスト上にある1台以上のSAPシステム用Intel 64/AMD64およびPOWER上のSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 SP3でサポートされています。
ワークロードメモリ保護は、SAP HANA以外のデータベースには適用されません。開始メソッドによって、プロセスが専用のcgroup内部または外部で実行される場合があります。内部で実行される場合、memory.low
を決定する際にメモリ消費量を考慮する必要があります。
WMPを使用することはメリットがありますが、いくつかの制限事項に注意する必要があります。
WMPは専用のcgroup内部のメモリ負荷に対して保護できません。
WMPはSAPシステムまたはそのインスタンスを相互に保護できません。すべてのSAPプロセスは同じメモリ制限を共有します。複数のSAPシステム(SAP NetWeaverやSAP S/4HANA)がある場合、WMPは1つのSAPアプリケーションを別のSAPアプリケーションから保護できません。
SUSEのHAクラスタソリューションのサポートはまだ使用できません。
SAPソフトウェア(SAP HANA、SAP NetWeaverなど)がインストールされているか確認します。グループsapsys
は、後でsapwmpのパッケージのインストール中に必要になります。その部分をスキップする場合は、警告メッセージが表示されます(重要: パッケージの順序に注意してくださいを参照)。
SAPシステムの停止:
root #
systemctl
stop sapinit
サービスは有効にすることができますが、すべてのSAPプロセスを終了する必要があります。
次のようにパッケージsapwmpをインストールします。
tux >
sudo
zypper
install sapwmp
次のメッセージは、SAPソフトウェアがシステムにインストールされていない場合にのみ表示されます。
Warning: sapsys group not found warning: group sapsys does not exist - using root
パッケージsapwmpを削除し、まずSAPソフトウェアをインストールしてから、再度sapwmpをインストールします。
別の方法として、SAPソフトウェアをインストールした「後で」次のコマンドを使用して、所有権と許可を修正できます。
tux >
sudo
chgrp
sapsys /usr/lib/sapwmp/sapwmp-capture && \ chmod +s /usr/lib/sapwmp/sapwmp-capture
次のメッセージは無視して構いません。
Warning: Found memory controller on v1 hierarchy. Make sure unified hierarchy only is used.
次の手順で、統合階層への切り替えを実行します。
systemd.unified_cgroup_hierarchy=true
をカーネルコマンドラインに追加するには、次のように/etc/default/grub
のGRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
にこれを追加します。
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="... systemd.unified_cgroup_hierarchy=true swapaccount=1"
この変更により、cgroup2コントローラのみが/sys/fs/cgroup
にマウントされます。ただし、メモリコントローラを除き、Cgroup1コントローラは、まだ利用可能です。cgroup1を使用するツールは、そのままでは機能せず、設定が必要な場合があります。また、cgroup1に必要なマウント構造を提供する必要があります。
パラメータswapaccount=1
は、WMPが機能するために必要ではありませんが、サポートケースでの分析を支援し、cgroupごとのスワップアウトされたメモリ容量を示します。
GRUB2の設定を再書き込みします。
tux >
sudo
grub2-mkconfig
-o /boot/grub2/grub.cfg
再起動後(後で実行される)、cgroup階層はv2 (統合階層)のみに切り替えられます。
SAP.slice
用のMemoryLow
を設定します。
tux >
sudo
systemctl
set-property SAP.slice MemoryLow=...
このコマンドは、/etc/systemd/system.control/SAP.slice.d/
にドロップインを作成し、MemoryLow
を設定します。
sapwmpパッケージには、SAPインスタンスに同じ名前のcgroupを作成するsystemd設定SAP.slice
が含まれます。MemoryLow
は、最初に述べたcgroupパラメータmemory.low
と等価なsystemdです。MemoryLow
の値は、SAPアプリケーションおよびワークロードのタイプによって異なります。
SAP HANAにはグローバル割り当て制限があるため、その値を直接使用できます。
アプリケーションサーバの場合、ワークロードのサイジングはMemoryLow
の値を示す必要があります。sapwmpパッケージには、MemoryLow
を決定するために役立つ可能性がある監視パートが含まれます。8.3.6項 「メモリ使用量の監視」を参照してください。
次の点に注意してください。
1台のホスト上のすべてのSAPインスタンスは、SAP.slice
内に存在します。MemoryLow
は、そのホスト上の「すべての」インスタンスのメモリ容量をカバーする必要があります。SAPシステムまたはそのインスタンスを相互に保護することはできません。
SAP HANA以外のデータベースを使用している場合、一部のデータベースプロセスがSAP.slice
に含まれている可能性があります。MemoryLow
値を決定する際には、これらのメモリ消費量を考慮する必要があります。
MemoryLow
の値は、物理メモリの値に非常に近い値、またはこれらの値より大きな値にしないでください。システムサービスおよび追加のインストール済みソフトウェアにもメモリが必要です。SAPアプリケーションを犠牲にしてスワップを広範囲に使用しなければならない場合、システムが応答しなくなる可能性があります。
MemoryLow
値を正しく計算する
MemoryLow
は、メモリサイズをバイト単位で取得します。値の末尾にK、M、G、Tが付いている場合、指定されたメモリサイズはそれぞれ、キビバイト、メビバイト、ギビバイト、またはテビバイトとして解析されます(1000ではなく、1024をベースとしている場合は、https://en.wikipedia.org/wiki/Binary_prefixを参照)。または、パーセンテージ値が指定される場合があります。この場合、システムにインストールされている物理メモリを基準として取得されます。
基礎となるcgroupメモリコントローラは、値をページサイズの倍数に切り上げます。混乱を避けるため、MemoryLow
の値をページサイズの倍数に設定してください。
各SAPインスタンスプロファイルのバックアップを作成します。プロファイルのエラーはSAPシステムの起動を妨げる可能性があります。
SAPインスタンスごとに、次の行を最後のExecute_
行の後のインスタンスプロファイル(通常は/usr/sap/SID/SYS/profile/
にある)に追加します。
Execute_20 = local /usr/lib/sapwmp/sapwmp-capture -a
必要に応じて、Executeステートメントの数を増やして最も高いものにし、その行が最後に実行されるようにします。
SAP GUI (トランザクションRZ11)によって管理するためにデータベースにプロファイルをインポートしていない場合「にのみ」インスタンスプロファイルを直接編集します。これらのプロファイルをインポートしている場合は、SAP GUIを使用して、行を追加してください。ファイルシステムにあるプロファイルファイルは上書きされ、手動の変更は失われます。
これでシステムが再起動する準備が整いました。
システムを再起動します。
再起動後に、cgroups v2が実際に使用されていることを確認します。
root #
grep
cgroup /proc/mounts cgroup /sys/fs/cgroup cgroup2 rw,nosuid,nodev,noexec,relatime 0 0
cgroupが正常に作成され、低いメモリ値が設定されていることを確認します。
tux >
systemctl
show -p MemoryLow SAP.slice MemoryLow=18487889920 <- Should be your chosen value (always in bytes)! # cat /sys/fs/cgroup/SAP.slice/memory.low 18487889920 <- Should be your chosen value!
変数MemoryLow
は任意の値に設定できますが、変数のコンテンツは常にページサイズの倍数になります。これらの値にわずかに違いがあることに気づく場合には、このことに注意してください。
すべてのSAPインスタンスプロセスが正しいシステムのスライス/cgroup内にあることを確認します。
sapinit.service
を有効にしていない場合は、今すぐサービスを開始してください。自動開始がインスタンスプロファイルで有効になっていない場合は、確認する前にインスタンスを開始します。
例:
root #
systemd-cgls
-a /sys/fs/cgroup/SAP.slice Directory /sys/fs/cgroup/SAP.slice: |-wmp-rd91fd6b3ca0d4c1183659ef4f9a092fa.scope | |-3349 sapstart pf=/usr/sap/HA0/ERS10/profile/HA0_ERS10_sapha0er | `-3375 er.sapHA0_ERS10 pf=/usr/sap/HA0/ERS10/profile/HA0_ERS10_sapha0er N... |-wmp-r360ebfe09bcd4df4873ef69898576199.scope | |-3572 sapstart pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_D01_sapha0ci | |-3624 dw.sapHA0_D01 pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_D01_sapha0ci ...
インスタンスのsapstartsrv
プロセスは、常にSIDadm
のユーザスライスに残ります。sapstart
プロセスとその子のみがターゲットcgroupに移動されます。
インスタンスごとに、このインスタンスのすべてのプロセスを含むディレクトリwmp-rSCOPEID.scope
が存在します。SCOPEIDは16進数のランダムな128ビット値です。
SAP HostAgentは、WMPではカバーされておらず、一部はsapinit.slice
に残り、一部はsapadm
のユーザスライスに残ります。
プロセスがcgroup内にない場合は、インスタンスプロファイルのExecute
行が正しいかどうか確認します。また、各インスタンスの開始が、システムログ/var/log/messages
に記録されます。
... 2020-06-16T18:41:28.317233+02:00 server-03 sapwmp-capture: Found PIDs: 2020-06-16T18:41:28.317624+02:00 server-03 sapwmp-capture: 17001 2020-06-16T18:41:28.317813+02:00 server-03 sapwmp-capture: 16994 2020-06-16T18:41:28.317959+02:00 server-03 sapwmp-capture: 16551 2020-06-16T18:41:28.319423+02:00 server-03 sapwmp-capture: Successful capture into SAP.slice/wmp-r07a27e12d7f2491f8ccb9aeb0e080aaa.scope 2020-06-16T18:41:28.319672+02:00 server-03 systemd[1]: Started wmp-r07a27e12d7f2491f8ccb9aeb0e080aaa.scope. ...
正しいセットアップを確認するには、wmp-check
を実行します。スクリプトはワークロードメモリ保護のセットアップを確認します。
cgroup2の正しいセットアップ。
キャプチャプログラムの所有権と許可。
SAPインスタンスプロファイルのWMPエントリ。
実行中のSAPインスタンスプロセスの正しいcgrop。
SAP.slice
の正しいセットアップ。
MemoryLowの正常な設定。ただし、MemoryLow値が適切に選択されているかどうかを判断することはできません。
オプションのメモリサンプラーのセットアップ。
オプションのスワップアカウンティングのセットアップ。
SAPインスタンスプロファイルは/usr/sap/SID/SYS/profile/
の下にあることを想定しています。
WMPを設定するには、次のように/etc/sapwmp.conf
を編集します。
# NOTE: Local changes may be reverted after update of WMP package. Check for # .rpmsave file to restore & merge changes. ## Description: Slice unit name where workload is put into ## Type: string ## Default: "SAP.slice" DEFAULT_SLICE="SAP.slice" ## Description: Comma-separated list of command names to which capture is ## applied (matching against /proc/$PID/stat) ## Type: string ## Default: sapstart PARENT_COMMANDS=sapstart
変更後、すべてのSAPインスタンスを再起動します。
/etc/sapwmp.conf
を変更する必要はありません。何をしようとしているのかはっきりわかるまで実行しないでください。
MemoryLow
の値を変更するには、次のコマンドを実行します。
root #
systemctl
set-property SAP.slice MemoryLow=...
変更はすぐに有効になります。
基礎となるcgroupメモリコントローラは、値をページサイズの倍数に切り上げます。混乱を避けるため、MemoryLow
の値をページサイズの倍数に設定してください。
MemoryLow
の値
MemoryLow
をすでにSAP.slice
に割り当てられているメモリより小さい値に設定しないでください。確認するには、次のコマンドを実行します。
root #
systemctl
show -p MemoryCurrent SAP.slice
メモリ使用量のログを記録することは、memory.low
の値を決定するためだけでなく、WMPの正しい動作を監視するためにも必要になる場合があります。
監視を有効にするには、付属しているタイマーユニットを有効にします。
root #
systemctl
enable --now wmp-sample-memory.timer
これで、タイマーがsystemctl list-timers
によって一覧表示されるはずです。
root #
systemctl
list-timers NEXT LEFT LAST PASSED UNIT ACTIVATES ... Tue... 9min left Tue... 4s ago wmp-sample-memory.timer wmp-sample-memory.service ...
現在の設定を確認すると、メモリデータが10分ごとに収集され、3分のランダムな遅延が発生していることがわかります。
root #
systemctl
cat wmp-sample-memory.timer # /usr/lib/systemd/system/wmp-sample-memory.timer [Unit] Description=WMP periodic log of memory consumption [Timer] OnCalendar=*:0/10 RandomizedDelaySec=180 AccuracySec=60 [Install] WantedBy=timers.target
これを変更するには、ドロップインファイルを作成して、systemdをリロードします(たとえば、間隔を30分に増やします):
root #
mkdir
/etc/systemd/system/wmp-sample-memory.timer.d # cat <<EOF >/etc/systemd/system/wmp-sample-memory.timer.d/override.conf [Timer] OnCalendar= OnCalendar=*:0/30 EOF # systemctl daemon-reload
(以前の定義されたOnCalendar=設定を削除するには、最初のOnCalendar=行が重要です。)
メモリ消費量を確認するには、システムログでwmp_memory_current
で書き込まれた行を確認します。
root #
grep
wmp_memory_current /var/log/messages ... 2020-09-14T12:02:40.337266+02:00 server-03 wmp_memory_current: SAP.slice : memory.low=21474836480 memory.current=2294059008 memory.swap.current=0 , user.slice : memory.low=0 memory.current=5499219968 memory.swap.current=0 , init.scope : memory.low=0 memory.current=8364032 memory.swap.current=0 , system.slice : memory.low=0 memory.current=1863335936 memory.swap.current=0 2020-09-14T12:03:00.767838+02:00 server-03 wmp_memory_current: SAP.slice : memory.low=21474836480 memory.current=2294022144 memory.swap.current=0 , user.slice : memory.low=0 memory.current=5499473920 memory.swap.current=0 , init.scope : memory.low=0 memory.current=8364032 memory.swap.current=0 , system.slice : memory.low=0 memory.current=1862586368 memory.swap.current=0 2020-09-14T12:04:00.337315+02:00 server-03 wmp_memory_current: SAP.slice : memory.low=21474836480 memory.current=2294022144 memory.swap.current=0 , user.slice : memory.low=0 memory.current=5499207680 memory.swap.current=0 , init.scope : memory.low=0 memory.current=8355840 memory.swap.current=0 , system.slice : memory.low=0 memory.current=1862746112 memory.swap.current=0 ...
ここによりよい印象を与える再フォーマットされたログ行があります。
2020-09-14T12:02:40.337266+02:00 server-03 wmp_memory_current: SAP.slice : memory.low=21474836480 memory.current=2294059008 memory.swap.current=0 , user.slice : memory.low=0 memory.current=5499219968 memory.swap.current=0 , init.scope : memory.low=0 memory.current=8364032 memory.swap.current=0 , system.slice : memory.low=0 memory.current=1863335936 memory.swap.current=0
/sys/fs/cgroup/
のすぐ下のcgroupごとに、コンマ区切りのブロックが1つ存在します。通常のシステムでは、少なくともuser.slice
、system.slice
、およびinit.scope
を見つける必要があります。WMPはSAP.slice
を追加します。
各ブロックには、memory.low
とmemory.current
の現在の値、およびこのcgroup内プロセスの物理メモリに現在割り当てられている量に関する情報が含まれています。
セットアップ中にスワップアカウンティング(swapaccount=1
)を有効にした場合は、cgroupのスワップアウトされたメモリ容量である、memory.swap.current
もあります。
すべての値はバイト単位です。8.3.3.1項 「ワークロードメモリ保護の準備」のステップ 6を参照してください。
メモリ消費量およびスワッピングの監視(8.3.6項 「メモリ使用量の監視」を参照)のほか、すべてのSAPインスタンスプロセスがSAP.slice
の下のスコープ内であることも定期的に確認する必要があります。
これを行うには、systemd-cgls
を実行し、各インスタンスプロセスを確認します。
例:
root #
systemd-cgls
-a /sys/fs/cgroup/SAP.slice Directory /sys/fs/cgroup/SAP.slice: |-wmp-rd91fd6b3ca0d4c1183659ef4f9a092fa.scope | |-3349 sapstart pf=/usr/sap/HA0/ERS10/profile/HA0_ERS10_sapha0er | `-3375 er.sapHA0_ERS10 pf=/usr/sap/HA0/ERS10/profile/HA0_ERS10_sapha0er N... |-wmp-r360ebfe09bcd4df4873ef69898576199.scope | |-3572 sapstart pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_D01_sapha0ci | |-3624 dw.sapHA0_D01 pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_D01_sapha0ci ...
より簡単なテストで、システムで使用されるすべてのSID
に対するcgroupを含むすべてのプロセスを一覧表示します。
例:
tux >
ps
-eo user,pid,cgroup:60,args |grep
-e [h]a0adm ha0adm 2062 0::/user.slice/user-1001.slice/user@1001.service/init.scope /usr/lib/systemd/systemd --user ha0adm 2065 0::/user.slice/user-1001.slice/user@1001.service/init.scope (sd-pam) ha0adm 3081 0::/SAP.slice/wmp-r73c594e050904c9c922a312dd9a28fd4.scope sapstart pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_ASCS00_sapha0as ha0adm 3133 0::/SAP.slice/wmp-r73c594e050904c9c922a312dd9a28fd4.scope ms.sapHA0_ASCS00 pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_ASCS00_sapha0as ha0adm 3134 0::/SAP.slice/wmp-r73c594e050904c9c922a312dd9a28fd4.scope en.sapHA0_ASCS00 pf=/usr/sap/HA0/SYS/profile/HA0_ASCS00_sapha0as ha0adm 3327 0::/SAP.slice/wmp-ra42489517eb846c282c57681e627a496.scope sapstart pf=/usr/sap/HA0/ERS10/profile/HA0_ERS10_sapha0er ...
sapstartsrv
を除くすべてのインスタンスプロセスは0::/SAP.slice/
の下のスコープ内にある必要があります。
正しいセットアップを確認するには、wmp-check
ツールを使用します。詳しくは「8.3.3.2項 「再起動と確認」」を参照してください。
SAPシステムを完全に停止します。sapinit.service
を停止する必要がありますが、有効なままにしておくことができます。すべてのSAPプロセスを終了する必要があります。
設定MemoryLow
などのSAP.slice
に行われた変更をすべて削除します。
root #
systemctl
revert SAP.slice
次のようにパッケージsapwmpを削除します。
root #
zypper
remove sapwmp
このステップはオプションです。パッケージは影響を及ぼすことなくシステムにとどまることができます。
/etc/default/grub
のGRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
からsystemd.unified_cgroup_hierarchy=true
を削除します。
このステップはオプションです。WMPを使用せずにcgroup2を保持できます。
GRUB2の設定を再書き込みします。
root #
grub2-mkconfig
-o /boot/grub2/grub.cfg
次のブート後に、システムはハイブリッドcgroup階層に戻されます。
各SAPインスタンスプロファイル(通常は/usr/sap/SID/SYS/profile/
にある)からsapwmp-captureを呼び出す行を削除します。
Execute_20 = local /usr/lib/sapwmp/sapwmp-capture -a
インスタンスプロファイルを編集する前に、バックアップを作成してください! プロファイルのエラーはSAPシステムの起動を妨げる可能性があります!
SAP GUI (トランザクションRZ11)によって管理するためにデータベースにプロファイルをインポートしていない場合「にのみ」インスタンスプロファイルを直接編集します。これらのプロファイルをインポートしている場合は、SAP GUIを使用して、行を追加してください。ファイルシステムにあるプロファイルファイルは上書きされ、手動の変更は失われます。
システムを再起動して、SAPシステムが正常に起動されていることを確認します。
この章では、ファイアウォールと暗号化を使用してシステムへのアクセスを制限する方法について説明し、システムにリモートで接続する方法に関する情報を提供します。
firewalld
の設定 #
デフォルトで、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsのインストールワークフローにより、firewalld
が有効になっています。
firewalld
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 GAでは、SuSEfirewall2に代わる、新しいデフォルトのソフトウェアファイアウォールとして、firewalld
が導入されています。SuSEfirewall2は、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 GAから削除されておらず、デフォルトでインストールされていないにもかかわらず、まだ主要リポジトリの一部になっています。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 GAより古いリリースからアップグレードする場合、SuSEfirewall2は変更されないため、firewalld
に手動でアップグレードする必要があります(セキュリティガイドを参照)。
ファイアウォールは次のネットワークアクセスを許可するように手動で設定する必要があります。
SAPアプリケーション
データベース(データベースベンダーのドキュメントを参照。SAP HANAの場合は、9.2項 「HANA-Firewallの設定」を参照)
さらに、ポート1128
(TCP)および1129
(UDP)を開きます。
SAPアプリケーションでは、ファイアウォール内に多数のオープンポートとポート範囲が必要です。正確な番号は選択したインスタンスによって異なります。詳細については、SAPによって提供されるドキュメントを参照してください。
SAP HANAのファイアウォールの設定を簡素化するために、パッケージHANA-Firewallをインストールします。HANA-Firewallは、既存のSuSEfirewall2設定にルールセットを追加します。
HANA-Firewallは、次のパートで構成されます。
YaSTモジュール グラフィカルユーザインタフェースからSAP HANA用のファイアウォールを設定、適用、および元に戻すことができます。 :
コマンドラインユーティリティhana-firewall
:
SAP HANAのファイアウォールルールを含むXMLファイルを作成します。
必要に応じて、YaSTを使用する代わりに、/etc/sysconfig/hana-firewall
にある設定ファイルを使用してルールセットを設定できます。
マルチテナントSAP HANA (MDC)データベースの場合、開く必要があるポート番号を自動的に判断することはまだできません。マルチテナントSAP HANAデータベースシステムで作業している場合は、YaSTを使用する前に、コマンドラインでスクリプトを実行して、新しいサービス定義を作成します。
root #
cd /etc/hana-firewall.d
root #
hana-firewall define-new-hana-service
ディレクトリ/etc/hana-firewall.d
に切り替える必要があります。切り替えない場合、使用できない場所に新しいサービスのルールファイルが作成されます。
スクリプトがいくつかの質問をします。重要なことは、開く必要のあるTCPポートとUDPポートの範囲を尋ねることです。
続行する前に、パッケージHANA-Firewallとyast2-hana-firewallがインストールされていることを確認します。
ファイアウォールを設定するSAP HANAデータベースが正しくインストールされていることを確認します。
適切なYaSTモジュールを開くには、
› 、 › を選択します。で、 を有効にします。さらに、 かどうかを決定します。
でネットワークインタフェースを選択します。
左側のリストボックスでネットワークサービスを選択し、
をクリックしてネットワークサービスを許可します。右側のリストボックスでサービスを選択し、 をクリックしてサービスを削除します。事前設定されたサービス以外のサービスを追加するには、次の表記を使用します。
SERVICE_NAME:CIDR_NOTATION
CIDR表記の詳細については、https://en.wikipedia.org/wiki/Classless_Inter-Domain_Routingを参照してください。システムで使用可能なサービスを見つけるには、getent services
を使用します。
すべてのネットワークインタフェースについてステップ 4から繰り返します。
終了したら、
をクリックします。
HANA-Firewallのファイアウォールルールがコンパイルされて適用されます。次に、サービスhana-firewall
が再起動されます。
最後に、HANA-Firewallが正しく有効化されたかどうか確認します。
root #
hana-firewall status
HANA firewall is active. Everything is OK.
詳細については、hana-firewall
のマニュアルページを参照してください。
SAPのSAProuterソフトウェアを使用すると、異なるSAPシステム間、またはSAPシステムと外部ネットワーク間でネットワークトラフィックをプロキシすることができます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsはSAProuterをsystemd
に統合できるようになりました。これは、SAProuterがオペレーティングシステムで適切に開始および停止され、systemctl
を使用して制御できることを意味します。
この機能を使用するには、その前に、次のものがこの順序でインストールされていることを確認してください。
SAProuterを含むSAPアプリケーション
saprouter-systemdとしてパッケージ化されているSAProuter systemdの統合
最初にインストールするアプリケーションの順序が間違っている場合は、saprouter-systemdを再インストールします。
systemctl
を使用してSAProuterを制御するには、次を使用します。
SAProuterサービスの有効化: systemctl enable saprouter
SAProuterサービスの開始: systemctl start saprouter
SAProuterサービスのステータスの表示: systemctl status saprouter
SAProuterサービスの停止: systemctl stop saprouter
SAProuterサービスの無効化: systemctl disable saprouter
ClamSAPは、ClamAVマルウェア対策ツールキットをSAP NetWeaverおよびSAP Mobile Platformアプリケーションに統合します。ClamSAPは、ClamAVとSAP NetWeaver Virus Scan Interface (NW-VSI)の間をリンクする共有ライブラリです。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications 15 SP3に付属しているClamSAPのバージョンは、NW-VSIバージョン2.0をサポートしています。
アプリケーションホストに、ClamAVとClamSAPのパッケージをインストールします。そのためには、次のコマンドを使用してください。
tux >
sudo zypper install clamav clamsap
デーモンclamd
を有効にする前に、マルウェアデータベースを初期化します。
tux >
sudo freshclam
サービスclamd
を開始します。
tux >
sudo systemctl start clamd
次のコマンドを使用してサービスclamd
のステータスを確認します。
tux >
systemctl status clamd
● clamd.service - ClamAV Antivirus Daemon Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/clamd.service; enabled; vendor preset: disabled) Active: active (running) since Tue 2017-04-11 10:33:03 UTC; 24h ago [...]
GUIを使用してSAP NetWeaverインストールにログインします。DDIC
またはSAP*
ユーザとしてログインしないでください。ウィルススキャナをcross-clientに設定する必要があるためです。
トランザクション
を使用してウィルススキャナグループを作成します。
ビューモードから変更モードに切り替えるには、)ボタンをクリックします。
チェックマークをクリックして、
というメッセージを確認します。テーブルが編集可能になりました。
最初の空の行を選択します。CLAMSAPVSI
を指定します。 で、CLAMSAP
を指定します。
がオフになっていることを確認します。
フォームを保存するには、)ボタンをクリックします。
SAP NetWeaver GUIで、トランザクション
をコールします。
ビューモードから変更モードに切り替えるには、)ボタンをクリックします。
チェックマークをクリックして、
というメッセージを確認します。テーブルが編集可能になりました。をクリックします。
必要に応じて、次のフォームに入力します。
Adapter (Virus Scan Adapter)
VSA_HOSTNAME
(例: VSA_SAPSERVER
)
Scanner Group (スキャナグループ)
: 10.2項 「SAP NetWeaverでのウィルススキャナグループの作成」で設定したスキャナグループの名前(例: CLAMSAPVSI
)
HOSTNAME_SID_INSTANCE_NUMBER
(例: SAPSERVER_P04_00
)
libclamdsap.so
フォームを保存するには、ボタンをクリックします。
デフォルトで、ClamAVはウィルス定義が/var/lib/clamsap
にあることを想定しています。このデフォルトの場所を変更するには、次の手順に従います。
GUIを使用してSAP NetWeaverインストールにログインします。DDIC
またはSAP*
ユーザとしてログインしないでください。ウィルススキャナをcross-clientに設定する必要があるためです。
CLAMSAPVSI
グループを選択します。
左のナビゲーションペインで、
をクリックします。
ビューモードから変更モードに切り替えるには、)ボタンをクリックします。
チェックマークをクリックして、
というメッセージを確認します。テーブルが編集可能になりました。をクリックし、INITDRIVERDIRECTORYを選択します。
別のウィルススキャナの場所へのパスを入力します。
フォームを保存するには、)ボタンをクリックします。
ClamSAPを実行するには、トランザクション開始]をクリックします。
に移動します。続いて[その後、ClamSAPとClamAVの詳細を含む概要が表示されます(図10.4「ClamSAPデータの概要」を参照)。
詳細については、プロジェクトホームページhttps://sourceforge.net/projects/clamsap/も参照してください。
RDPオプションを有効にしてSLES-SAPをインストールした場合、またはKIWIイメージからインストールした場合、RDPはサービスxrdp
を介してマシンで有効になります。または、このセクションの終わりで説明するように、RDPを後で有効にすることもできます。
次のような、RDPをサポートする任意のソフトウェアを使用して接続できます。
Linux: Vinagre (SUSE Linux Enterprise Desktop/SLE-WEおよびopenSUSEで利用可能)またはRemmina (openSUSEで利用可能)
Windows: リモートデスクトップ接続
次のパラメータで接続を設定してください。
ポート: 3389
カラー設定: 16ビットまたは24ビットのみ
インストール中にRDP接続を設定していない場合は、次の手順を使用して後で実行することもできます。
まず、ファイアウォールに必要な例外を作成し、関連するすべてのゾーンでポートTCP3389を開きます。たとえば、内部ネットワークがinternal
ゾーンを使用している場合は、次のコマンドを使用します。
root #
firewall-cmd
--zone=internal --add-port=3389/tcp
これは、新しい設定をテストするための一時的な割り当てです。複数のゾーンを変更する必要がある場合は、各ゾーンを一度に1つずつ変更してテストします。
新しい設定が正しいことを確認したら、永続的にします。
root #
firewall-cmd
--runtime-to-permanentroot #
firewall-cmd
--reload
firewalldの使用に関する詳細については、https://docs.suse.com/sles/15/html/SLES-all/cha-security-firewall.html#sec-security-firewall-firewalldを参照してください。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsからカスタムオペレーティングシステムイメージを作成する複数の方法があります。推奨される方法は一般的にKIWIを使用する方法で、これはXML設定ファイルを取り込んでから、完全に自動的に実行します。
または、再使用する前に、クリーンアップされる既存のインストールからイメージを作成することもできます。
KIWIは、新しい物理マシンまたは仮想マシンに簡単にコピー可能なオペレーティングシステムイメージを作成するツールです。このセクションでは、KIWIを使用したSLES-SAPイメージの作成について説明します。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは現在、パッケージkiwi-template-sap
のテンプレートを使用したKIWIによるイメージの作成をサポートしています。ただし、現在の実装では、次のような特定の制限があります。
VMXディスクイメージの構築のみがサポートされています。他のイメージタイプの構築はサポートされていません。
Open Build Serviceにはすべての必要なパッケージが含まれているわけではないため、/tmp/SLES4SAP.iso
にあるSUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsのISOイメージを指定する必要があります。
基本的なイメージを構築するには、次の2つのコマンドを使用します。
ルートファイルシステムの構築:
root #
kiwi
-p SLES4SAP --root fsroot
VMXイメージの構築:
root #
kiwi
--create fsroot --type vmx -d build
SAPinstを使用したグラフィカルインストールを実行可能にするには、イメージのデフォルト設定で次の操作を有効にします。
IceWMデスクトップのインストール
サービスxrdp
が自動起動し、RDPを介してマシンに接続できるようにする詳細については、第11章 「RDPを介した接続」を参照してください。
KIWIおよびSLES-SAPに関する詳細:
SLES-SAPのKIWIの設定については、/usr/share/kiwi/image/SLES4SAP/README
を参照してください。
一般的なKIWIについては、『openSUSE-KIWI Image System Cookbook』(https://doc.opensuse.org/projects/kiwi/doc/)を参照してください。
初めからKIWIイメージを生成するのではなく、複数のシステムですでに設定されているマスタインスタンスのイメージを使用する方が適切な場合があります。たとえば、ご使用のイメージにKIWIを使用してインストールできない追加のソフトウェアや設定を含める必要がある場合などです。
ただし、通常、このようなイメージには、システムの他の部分と一緒にコピーしてはならない特定の設定データが含まれています。
手動でクリーンアップする必要がないようにするには、スクリプトclone-master-clean-up
(同じ名前のパッケージから入手可能)を使用します。
これにより、次のデータが自動的に削除されます。
スワップデバイス(ゼロワイプしてから、再度有効化)
SUSE登録情報とリポジトリ、およびZypper ID
ユーザおよびホストのSSHキーとドメインおよびホスト名
生成されたHANA-Firewall
スクリプト(ただし設定自体は除く)
シェル履歴、メール、cronジョブ、一時ファイル(/tmp
、/var/tmp
)、ログファイル(/var/log
)、ランダムシード、systemd
ジャーナル、collectd
統計、postfix
設定、/root
の一部
/var/cache
、/var/crash
、/var/lib/systemd/coredump
また、次の設定がデフォルトに復元されます。
DHCPおよびネットワーク設定を使用しないネットワークインタフェースス(/etc/hostname
、/etc/hosts
、および/etc/resolv.conf
)
sudo
設定
さらに、新しいroot
パスワードを設定することを選択できます。/etc/fstab
のUUIDベースのエントリは、デバイス文字列に置き換えられます。このスクリプトは、インストールワークフローの最初のブートセクションが元のインストールに使用されている場合は、次のブート時に再度実行されるようにします。
clone-master-clean-up
の設定 #
clone-master-clean-up
を実行する前に、次の方法でスクリプトを設定できます。
特定のデータをクリーンアップしないようにスクリプトを設定するには、設定ファイル/etc/sysconfig/clone-master-clean-up
を使用します。
このファイルには、使用可能なオプションの簡単な説明も記載されています。
追加のディレクトリまたはファイルをクリーンアップするようにスクリプトを設定するには、このようなディレクトリおよびファイルの絶対パスを含むリストを作成します。
/additional/file/to/delete.now /additional/directory/to/remove
このリストを/var/adm/clone-master-clean-up/custom_remove
として保存します。
clone-master-clean-up
の使用 #スクリプトを使用するには、次のコマンドを実行します。
root #
clone-master-clean-up
次に、指示に従います。
次のソースは、clone-master-clean-up
に関する追加情報を提供します。
一般的な情報については、マニュアルページのclone-master-clean-up
を参照してください。
さらに削除に役立つ可能性のあるファイルとディレクトリについては、/var/adm/clone-master-clean-up/custom_remove.template
を参照してください。
この製品の最も重要なログファイルは以下のとおりです。
SAPインストールウィザードはYaSTモジュールです。そのログエントリは/var/log/YaST/y2log
にあります。
すべてのSAPナリッジはライブラリにバンドルされています。そのログエントリは/var/log/SAPmedia.log
にあります。
自動インストールに関連するログファイルは/var/adm/autoinstall/logs
にあります。
SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsでは、購読に含まれていないソフトウェアを簡単にインストールできます。
拡張機能とモジュールにより、SUSEによって作成され、サポートされている追加のソフトウェアをインストールできます。拡張機能とモジュールに関する詳細については、『導入ガイド』、「初期のシステム設定」パートの章、「モジュール、拡張機能、およびサードパーティ製アドオン製品のインストール」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
A.2項 「SUSE Connectプログラム」を参照してください。
では、サードパーティによって作成され、サポートされている、特にSLES-SAP向けのパッケージをインストールできます。また、サードパーティのトレーニングとサポートにも簡単にアクセスできます。SUSE Package Hubでは、サポートなしで、SUSE Linux Enterpriseコミュニティによって作成されたパッケージをインストールできます。A.3項 「PackageHub」を参照してください。
SUSE製品を特定し、区別するには、以下のファイルのいずれかを使用します。
/etc/os-release
シェル互換の変数割り当てに類似した、キー値ペアを持つテキストファイル。各キーは別々の行にあります。
CPE_NAME
キーを検索できます。ただし、異なるリリースおよびサービスパック間で、値が変更されている可能性があります。さらに詳細が必要な場合は、https://www.suse.com/support/kb/doc/?id=7023490にある記事を参照してください。
/etc/product.d/baseproduct
XMLファイルへのリンク。/etc/product.d/
ディレクトリには、異なる.prod
ファイルが含まれています。
購入した製品、システムをインストールした方法に応じて、リンク/etc/product.d/baseproduct
は異なる.prod
ファイルを指す可能性があります。たとえば、sle-module-sap-applications.prod
。CPE_NAME
と同じ情報がタグ
<cpeid>
に保存されます。
その他の情報として、両方のファイルにオペレーティングシステムと基本製品が含まれています。基本製品(キーCPE_NAME
およびタグ
<cpeid>
)は、Common Platform Enumeration仕様に従います。
コマンドgrep
またはxmlstarlet
(どちらも製品で使用可能)のいずれかを使用して、ファイル/etc/product.d/baseproduct
から情報を引き出すことができます。XMLもテキストであるため、出力の形式がそれほど重要でない場合は、「単純な検索」にgrep
を使用します。ただし、検索がより高度な場合、別のスクリプトでの出力が必要な場合、または出力にXMLタグを避けたい場合は、代わりに、xmlstarlet
コマンドを使用します。
たとえば、基本製品を取得するには、次のようにgrep
を使用します。
tux >
grep
cpeid /etc/products.d/baseproduct <cpeid>cpe:/o:suse:sle-module-sap-applications:RELEASE:spSP_NUMBER</cpeid>
RELEASEとSP_NUMBERはプレースホルダで、製品リリース番号とサービスパックを示しています。
xmlstarlet
でも同じことができます。XPath (情報に導く手順)が必要です。適切なオプションを使用すると、
<cpeid>
/</cpeid>
タグを避けることができます。
tux >
xmlstarlet
sel -T -t -v "/product/cpeid" /etc/products.d/baseproduct cpe:/o:suse:sle-module-sap-applications:RELEASE:spSP_NUMBER
(grep
では難しい)より高度な検索では、他の製品に必要なすべての依存関係を一覧表示します。basename
がsle-module-sap-applications.prod
を指していると仮定して、次のコマンドは、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsに必要なすべての製品依存関係を出力します。
>tux >
xmlstarlet
sel -T -t -v "/product/productdependency[@relationship='requires']/@name" /etc/products.d/baseproduct SUSE_SLE sle-ha
を使用してYaSTコントロールセンターからSUSE Connectプログラムを起動します。使用可能なオプションから選択します。ソフトウェアリポジトリを有効にするには、 をクリックします。
SUSE Connectプログラムによって有効化されるすべてのソフトウェアは、サードパーティから提供されます。サポートについては、対象のベンダーにお問い合わせください。SUSEでは、これらのオファリングのサポートは提供していません。
SUSEConnect
コマンドラインツール
SUSEConnect
コマンドラインツールは、異なる目的の別のツールです。SUSE製品のインストールを登録できます。
PackageHubでは、以前はopenSUSEでのみ使用可能であったSLEの多数のパッケージを用意しています。SUSE Package Hubのパッケージは、コミュニティによって作成され、サポートなしで提供されています。たとえば、セクションには次のものが含まれます。
Rプログラミング言語
Haskellプログラミング言語
KDE5デスクトップ
PackageHubを有効にするには、https://packagehub.suse.com/how-to-use/に記載されるようにリポジトリを追加します。
詳細については、https://packagehub.suse.comにあるPackageHubのWebサイトを参照してください。
SAPシステムのパーティショニングは、/usr/share/YaST2/include/sap-installation-wizard/
ディレクトリのファイルによって制御されます。次のファイルを使用できます。
SAP NetWeaverまたはSAP S/4HANAアプリケーションサーバのインストール:
base_partitioning.xml
SAP HANAまたはSAP S/4HANAデータベースサーバのインストール:
hana_partitioning.xml
SAP BusinessOne認定ハードウェアへのSAP HANAまたはSAP S/4HANAデータベースサーバのインストール: ハードウェア固有のパーティショニングファイル
ファイルは、/etc/sap-installation-wizard.xml
で定義されているように選択されます。ここでは、 パーティショニング要素
のコンテンツが決定要因となります。
たとえば、インストールがHAまたは分散データベースに基づいている場合、パーティショニングは必要ありません。この場合、
パーティショニング要素
NO
に設定され、base_partitioning.xml
ファイルが使用されます。
autoinst.xml
はここでは使用できない
autoinst.xml
は、オペレーティングシステムのインストールにのみ使用されます。SAPシステムのパーティショニングを制御することはできません。
パーティショニングを制御するファイルは、 パーティショニング要素
セクションのみを含むAutoYaST制御ファイルです。ただし、これらのファイルは、AutoYaST形式のいくつかの拡張機能を使用できます。
partitioning_defined タグが
true
に設定される場合、パーティショニングはユーザの介入なしに実行されます。
デフォルトでは、これはSAP HANA用に認定されたシステム(Dell、Fujitsu、HP、IBM、またはLenovoなど)でSAP HANAファイルシステムを作成する場合にのみ使用されます。
パーティションごとに、
size_min
タグを指定できます。サイズ値は、RAM*N
形式の文字列として指定できます。このようにして、パーティションの最小サイズを指定できます(使用可能なメモリ(RAM)のサイズのN倍)。
次の手順は、TREXのパーティショニングセットアップの作成方法を示しています。ただし、他のアプリケーションのパーティショニングセットアップの作成も同様に機能します。
/usr/share/YaST2/include/sap-installation-wizard/
で、新しいXMLファイルを作成します。たとえば、それにTREX_partitioning.xml
という名前を付けます。
base_partitioning.xml
のコンテンツを新しいファイルにコピーして、新しいファイルをニーズに合わせて調整します。
最後に、カスタムファイルを含むように、/etc/sap-installation-wizard.xml
を調整します。. .
TREX
のlistitemで、次の行を挿入します。
<partitioning>TREX_partitioning</partitioning>
base_partitioning.xml
は編集しない
base_partitioning.xml
は直接編集しないでください。次回のアップデートで、このファイルは上書きされます。
AutoYaSTを使用したパーティショニングの詳細については、『AutoYaSTガイド』の章の「パーティショニング」(https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
補足メディアを使用して、パートナーやお客様は独自のタスクまたはワークフローをインストールウィザードに追加できます。
これは、AutoYaST XMLファイルの一部となるXMLファイルを追加することで実行されます。ワークフローに含めるため、このファイルをproduct.xml
と呼ぶ必要があります。
これは、独自のRPMの追加、独自のスクリプトの実行、クラスタファイルシステムの設定、独自のダイアログやスクリプトの作成など、さまざまなタイプの追加に使用できます。
product.xml
#
product.xml
ファイルは、通常のAutoYaST XMLファイルのように見えますが、いくつかの制限があります。
この制限が存在するのは、以前にインストールの第1ステージが実行されているため、第2ステージに関連するXMLの部分のみが実行されるためです。
2つのXMLファイル(autoyast.xml
とproduct.xml
)は、メディアが読み込まれた後でマージされ、追加のワークフローのため、ただちに「新しい」AutoYaST XMLファイルが生成されます。
次の領域またはセクションがマージされます。
<general> <ask-list> 1 ... <software> 2 <post-packages> ... <scripts> <chroot-scripts> 3 <post-scripts> 4 <init-scripts> 5 ...
C.2項 「独自のAutoYaST Askダイアログ」を参照してください。 | |
C.3項 「追加のパッケージをインストールする」を参照してください。 | |
パッケージのインストール後、最初のブート前 | |
インストール済みシステムの最初のブート中、サービスは実行されていません。 | |
インストール済みシステムの最初のブート中、すべてのサービスが稼働しています。 |
他のすべてのセクションが置き換えられます。
カスタマイズオプションに関する詳細については、『AutoYaSTガイド』、「設定およびインストールのオプション」の章のセクション「独自のユーザスクリプト」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
AutoYaSTの「Ask」機能の詳細については、『AutoYaSTガイド』、「設定およびインストールのオプション」の章のセクション、「インストール時のユーザへの値の確認」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
補足メディアの場合、ダイアログをcont
ステージ(<stage>cont</stage>
)内でのみ使用できます。つまり、ダイアログは最初の再起動後に実行されます。
ダイアログを含むファイルは、ベースAutoYaST XMLファイルとマージされます。
ベストプラクティスとして、ダイアログにダイアログ番号と要素番号がある必要があり、10の手順があることが最適です。これは、後で追加を含めるのに役立ち、決定に応じてダイアログまたは要素をジャンプするためのターゲットとして使用することができます。また、これはベースダイアログでも使用され、適切なダイアログ番号と要素番号を指定すると、ベースダイアログの間にダイアログを配置できます。
ファイルに質問に対する回答を保存して、後でスクリプトのいずれかで使用することができます。インストールウィザードはこのようなファイルを/tmp
ディレクトリからメディアデータもコピーされるディレクトリにコピーするため、これにはプレフィックス/tmp/ay
を使用する「必要がある」ことに注意してください。これが実行されるのは、次の補足メディアが同じダイアログまたは同じ回答ファイルを持つ可能性があり、ここに保存される値が上書きされるためです。
いくつかのオプションを使用した例を示します。
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE profile> <profile xmlns="http://www.suse.com/1.0/yast2ns" xmlns:config="http://www.suse.com/1.0/configns"> <general> <ask-list config:type="list"> <ask> <stage>cont</stage> <dialog config:type="integer">20</dialog> <element config:type="integer">10</element> <question>What is your name?</question> <default>Enter your name here</default> <help>Please enter your full name within the field</help> <file>/tmp/ay_q_my_name</file> <script> <filename>my_name.sh</filename> <rerun_on_error config:type="boolean">true</rerun_on_error> <environment config:type="boolean">true</environment> <source><![CDATA[ function check_name() { local name=$1 LC_ALL=POSIX [ -z "$name" ] && echo "You need to provide a name." && return 1 return 0 } check_name "$VAL" ]]> </source> <debug config:type="boolean">false</debug> <feedback config:type="boolean">true</feedback> </script> </ask> </ask-list> </general> </profile>
product.xml
ファイル内にRPMパッケージをインストールすることもできます。これを行うため、第2ステージのインストールに<post-packages>
要素を使用できます。
詳細については、『AutoYaSTガイド』、「設定およびインストールのオプション」の章のセクション、「Installing Packages in Stage 2 (第2ステージでのパッケージのインストール)」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。次に一例を示します。
... <software> <post-packages config:type="list"> <package>yast2-cim</package> </post-packages> </software> ...
補足メディアディレクトリの最小例には、product.xml
と呼ばれるファイルのみが含まれます。
This appendix contains the GNU Free Documentation License version 1.2.
Copyright (C) 2000, 2001, 2002 Free Software Foundation, Inc. 51 Franklin St, Fifth Floor, Boston, MA 02110-1301 USA.この使用許諾書を一字一句そのままの複製および頒布することは許可されますが、変更は許可されません。
この利用許諾契約書の目的は、マニュアル、テキストブック、またはその他の機能的で有用な文書を、自由という意味で「フリー」にすることです。つまり、そのような文書を、変更の有無や商用非商用に関わらず、コピーまたは再配布する実効的な自由をすべての人々に保証することです。第二に、本利用許諾契約書は、作者または発行者が他者によって行われた変更について責任を負わないとともに、その著作物の功績が確保されるように意図されています。
本利用許諾契約書は、「コピーレフト」(著作物を自由に複製および改変できるようにすること)の一種であり、文書の派生著作物は、それ自体が同じ意味においてフリーでなければなりません。フリーソフトウェア向けに考慮されたコピーレフト利用許諾であるGNU一般公衆利用許諾契約書(GPL)を補足するものです。
弊社は、この利用許諾契約書をフリーソフトウェアのマニュアルに使用するために設計しました。それは、フリーソフトウェアにはフリーマニュアルが必要だからです。つまり、フリープログラムには、そのソフトウェアと同じ自由を提供するマニュアルが付属しなければなりません。ただし、本利用許諾契約書は、ソフトウェアマニュアルに制限されるものではありません。主題であるか否か、または印刷された本として発行されるか否かに関わらず、任意のテキスト著作物に使用することができます。本利用許諾契約書は、その目的が指示または参照に置かれている著作物に主に使用することを推奨します。
本利用許諾契約書は、この利用許諾の条項に従って頒布できることを定めた著作権者の通告が記載されている任意のメディアにおけるマニュアルまたは他の著作物に適用されます。そのような通告は、その著作物をここに記載されている条件に従って使用するための世界的な無償の利用許諾を無期限で付与します。次に示す「文書」は、そのような任意のマニュアルまたは著作物を指します。その公衆ユーザはいずれも被許諾者であり、「利用者」と呼ばれます。利用者は、著作権法に従った許可が必要になるような方法で著作物を複製、変更または頒布する場合に、利用許諾を受け入れます。
文書の「変更された版」とは、そのまま複製されるか、変更または別の言語に翻訳された(またはその両方)文書あるいはその一部を含んだ著作物のことです。
「二次セクション」は、文書の発行者または作者と文書の全体的な主題(または関連事項)との関係のみを示す文書の名前付き付録または前付け部分です。総体的な主題に直接関わる内容は含まれていません。(したがって、文書が部分的に数学のテキストブックになっている場合、二次セクションでは数学について説明されない場合があります)。関係には、主題または関連事項との歴史的なつながり、あるいはそれらに関する法的、商的、哲学的、倫理的、政治的位置付けが含まれる場合があります。
「不変セクション」は、文書が本利用許諾契約書の条件の下でリリースされる旨を述べている通告において、そのタイトルが不変セクションのものとして指定されている、ある特定の二次セクションです。セクションが、すでに説明した二次セクションの定義に一致しない場合は、不変として指定することはできません。文書には、不変セクションが含まれない場合があります。文書で不変セクションを特定しない場合、不変セクションは含まれません。
「カバーテキスト」とは、文書が本利用許諾契約書の条件の下でリリースされる旨を述べている通告において、表カバーテキストまたは裏カバーテキストとして列挙されている、ある一定の短い文章のことです。表カバーテキストは、最大で5語、裏カバーテキストは、最大で25語によって構成できます。
文書の「透過的な複製」とは、その仕様が一般の利用者にとって入手可能で、一般的なテキストエディタまたは一般的な描画プログラム(画素で構成される画像用)、あるいは広く使用されている図面エディタ(図面用)で文書を直接改訂するのに適した形式で表される機械可読の複製のことです。テキストフォーマッタへの入力またはテキストフォーマッタへの入力に適したさまざまな形式への変換に適していることも前提になります。読者による以後の変更を阻止または妨げるようにマークアップまたはマークアップのない状態が調整されている、他の点では透過的なファイル形式で行われた複製は、透過的な複製ではありません。イメージ形式は、相当量のテキストに使用されている場合、透過的ではありません。「透過的」ではない複製は、「不透明」と呼ばれます。
透過的な複製に適した形式として、マークアップのないプレーンなASCII、Texinfo入力形式、LaTeX入力形式、一般に取得可能なDTDを使用するSGMLまたはXML、標準に準拠したHTML、人為的変更用のPostScriptまたはPDFがあります。透過的なイメージ形式には、PNG、XCF、JPGが含まれます。不透明な形式には、独自のワードプロセッサのみで読み取りおよび編集を行える独自の形式、DTDまたは処理(またはその両方)ツールを一般に取得できないSGMLまたはXML、機械生成HTML、出力のみを目的として一部のワードプロセッサによって作成されるPostScriptまたはPDFが含まれます。
「タイトルページ」とは、印刷された本の場合、タイトルページ自体、および本利用許諾契約書でタイトルページに表示することが要求されるマテリアルを読みやすいように保持するために必要な以降のページのことを指します。そのようなタイトルページがない形式の著作物の場合、「タイトルページ」は、本文の開始部分に先行する、著作物のタイトルを最も顕著に表している部分の近くにあるテキストのことを指します。
「XYZという表題の付いた」セクションとは、そのタイトルが正確にXYZになっているか、またはXYZを別の言語に翻訳しているテキストに続いてカッコ付きのXYZが含まれている文書の名前付きサブユニットのことです。(ここで、XYZは、次に示すように、「謝辞」、「献辞」、「推薦」、「履歴」などの特定のセクション名を表します)。文書を変更するときに、そのようなセクションの「タイトルを保存する」とは、この定義に従って「XYZという表題の付いた」セクションが残されることを表します。
文書では、本利用許諾契約書が文書に適用される旨を述べている通告の付近に保証の放棄を含めることができます。保証の放棄条項は、本利用許諾契約書内の参照によって、保証の放棄に関してのみ組み込まれると見なされます。つまり、これらの保証の放棄条項がもつ可能性のある他のいかなる含意も無効であり、本利用許諾契約書の意味にまったく影響を与えません。
利用者は、商用か否かを問わず、任意のメディアにおいて文書を複製または配布することができます。利用者は、商用か否かを問わず、任意のメディアにおいて文書を複製または頒布することができます。その際に、本利用許諾契約書、著作権表示、および本利用許諾契約書が文書に適用される旨を述べる利用許諾通告をすべての複製で再生し、本利用許諾契約書の条件に他のいかなる条件も追加しないことが前提条件になります。利用者は、技術的手段によって、作成または頒布する複製の読み込みまたはさらなる複製を妨げたり、制御したりすることはできません。ただし、複製と引き換えに対価を受け取ることができます。\'8f\'5c分に大量の複製を頒布する場合は、セクション3の条件に従う必要もあります。
すでに述べた同じ条件に従って複製を貸与したり、複製を公開したりすることもできます。
発行する文書の印刷した複製(または、通常、印刷したカバーをもつメディアに含まれた複製)が 100部を超え、文書の利用許諾通告でカバーテキストを必要とする場合は、すべてのカバーテキスト(表カバーの表カバーテキスト、裏カバーの裏カバーテキスト)を明瞭かつ読みやすく記載したカバーに文書の複製を同封する必要があります。また、両方のカバーでは、これらの複製の発行者として、利用者を読みやすい状態で明確に識別しなければなりません。表カバーには、フルタイトルを記述し、タイトルのすべての語が同等に目立つようにする必要があります。カバーには他のマテリアルを追加することもできます。カバーに限って変更を行った場合の複製は、文書のタイトルが保持されていて、これらの条件を満たしている限り、他の点に関してそのままの複製と見なすことができます。
いずれかのカバーで、必要なテキストが多すぎて、読みやすい状態に収まらない場合は、列挙されている最初の部分(問題なく収まる分)を実際のカバーに記載し、残りの部分を隣接ページに入れます。
文書の不透明な複製を100部以上公開または頒布する場合は、それぞれの不透明な複製とともに機械可読の透過的な複製を含めるか、それぞれの不透明な複製内あるいはその複製とともに、ネットワークの一般利用者が標準的な一般ネットワークプロトコルを使用して、追加マテリアルのない文書の完全な透過的複製をダウンロードするときにアクセスできるコンピュータネットワークの場所を明記する必要があります。後者のオプションを使用する場合は、不透明な複製の大量頒布を開始するときに\'8f\'5c分慎重な手順を取り、この透過的な複製が、その版の不透明な複製を最後に一般頒布した後(直接またはエージェントや小売業者を通じて)少なくとも1年間、指定した場所で継続的にアクセス可\'94\'5cとなるように配慮する必要があります。
大量の複製を再頒布する時点よりもかなり前に、文書の作者に連絡して、文書の更新版を提供する機会を与えることが要求されますが、必\'90\'7bではありません。
文書の変更された版を、すでに述べた第2項および第3項の条件に従って複製および頒布することができます。その際は、本利用許諾契約書に確実に従って、変更された版をリリースし、変更された版が文書の役割を担うようにして、その複製を所要する任意の利用者に変更された版の頒布および変更の利用許諾を与えることが前提になります。また、変更された版で次のことを行う必要があります。
タイトルページ(カバーがある場合はカバー上も含める)で、文書、および以前の版の文書(以前の版がある場合は、その旨、文書の履歴セクションに列挙する)と識別されるタイトルを使用します。前の版と同じタイトルは、その版の元の発行者が許可を与えた場合に、使用することができます。
タイトルページ上に、この要件から解放されない限り、変更された版において変更の著者としての責任を担う1人以上の人またはエンティティとともに、文書の筆頭著者を少なくとも5人、作者として列挙します(5人に満たない場合は、その筆頭著者のすべて)。
タイトルページ上に、変更された版の発行者の名前を、発行者として記載します。
文書のすべての著作権表示を保持します。
変更に関する適切な著作権表示を、他の著作権表示の隣に追加します。
著作権表示の直後に、本利用許諾契約書の条項に従って変更された版を利用するための許可を一般利用者に与える利用許諾通告を、次の補遺に示す形式で含めます。
その利用許諾通告に、不変セクションの全リスト、および文書の利用許諾通告で指定されている必須カバーテキストを保持します。
本利用許諾契約書の変更されていない複製を含めます。
「履歴」という表題のセクションを保持して、そのタイトルを保持し、タイトルページに記載されているとおりに、変更された版のタイトル、年度、新しい作者、発行者を少なくとも示す項目を追加します。文書に履歴というセクションがない場合は、そのタイトルページに記載されているとおりに文書のタイトル、年度、作者、発行者を示すセクションを作成し、前の文章に記載されているとおりに変更された版を示す項目を追加します。
文書の透過的な複製に一般利用者がアクセスできるように文書で指定されている場合は、そのネットワークの場所、およびその文書の基盤となった前の版に対応して文書で指定されているネットワークの場所を保持します。これらは、「履歴」セクションに配置することができます。文書自体よりも4年以上前に発行された著作物の場合、または参照されているその版の元の発行者が許可を与えている場合は、そのネットワークの場所を省略することができます。
「謝辞」または「献辞」という表題のセクションの場合は、そのセクションのタイトルを保持し、セクション内に、それぞれの貢献者謝辞またはその中の献辞(またはその両方)のすべての内容と意味合いを保持します。
文書のすべての不変セクションを保持し、そのテキストおよびタイトルを未変更のままにします。セクション番号またはそれと同等の要素は、セクションタイトルの一部と見なされません。
「推薦」という表題の任意のセクションを削除します。そのようなセクションは、変更された版に含めることはできません。
既存のセクションのタイトルを変更して、「推薦」という表題にしたり、タイトルが不変セクションと矛盾したりしないようにします。
保証の放棄を保持します。
変更された版に、二次セクションと見なされ、文書から複製されたマテリアルを含まない新しい前付けセクションまたは付録が含まれる場合は、これらの一部またはすべてを任意に「不変」として指定することができます。これを行うには、変更された版の利用許諾表示内で列挙されている不変セクションにそのタイトルを追加します。これらのタイトルは、他のすべてのセクションタイトルと異なっている必要があります。
「推薦」という表題のセクションを追加することができますが、その際は、変更された版のさまざまな当事者による推薦以外の要素が含まれていないことが前提になります。たとえば、校正者によるコメント、または文が標準的な信頼できる定義として組織によって承認されていることを示すという宣言文などが相当します。
表カバーテキストとしての最大5語の短い文、および裏カバーテキストとしての最大25語の短い文を、変更された版のカバーテキストのリストの終わりに追加できます。表カバーテキストの短い1文および裏カバーテキストの短い1文のみを、1つのエンティティが追加できます(またはエンティティによって行われた調整を通じて)。文書に、利用者または利用者が関わる同じエンティティによって行われた調整を通じて前に追加された同じカバーのカバーテキストがすでに含まれている場合は、別のものを追加することはできませんが、古いものを置き換えることができます。ただし、その古いものを追加した前の発行者から明示的な許可を得る必要があります。
文書の作者および発行者は、\'96\'7b利用許諾契約書により、その名前を得るために使用したり、変更された版の推薦を主張または暗示したりする許可を与えるものではありません。
文書は、すでに述べた変更された版に関するセクション4の条件に従って、本利用許諾契約書の下でリリースされた他の文書と結合することができます。その際は、その組み合わせの中に、元の全文書のすべての不変セクションを未変更のまま含めて、そのすべてを結合された著作物の不変セクションとしてその利用許諾表示に列挙し、そのすべての保証の放棄を保持することが前提となります。
結合された著作物には、本利用許諾契約書の複製を1つのみ含める必要があります。複数の同一の不変セクションは、単一の複製で置き換えることができます。同じ名前だが内容の異なる複数の不変セクションがある場合は、そのような各セクションのタイトルを固有なものにします。その際は、その終わりに、カッコ付きで、そのセクションの元の作者または発行者の名前(既知の場合)、あるいは固有の番号を追加します。不変セクションのリスト内のセクションタイトルには、結合された著作物の利用許諾表示の場合と同じ調整を加えます。
組み合わせでは、さまざまな元の文書の「履歴」という表題のセクションを結合して、1つの「履歴」というセクションを構築する必要があります。同じように、「謝辞」という表題のセクション、および「献辞」という表題のセクションも結合します。「推薦」という表題のすべてのセクションを削除する必要があります。
文書および\'96\'7b利用許諾契約書の下でリリースされた他の文書から成るコレクションを作成して、さまざまな文書に含まれる\'96\'7b利用許諾契約書の個々の複製を、コレクションに含まれる単一の複製で置き換えることができますが、他のすべての点での各文書のそのままの複製に関する\'96\'7b利用許諾契約書の規則に従うことが前提になります。
そのようなコレクションから単一の文書を抽出して、その文書を\'96\'7b利用許諾契約書に従って個々に頒布することができますが、その際は、\'96\'7b利用許諾契約書の複製を抽出した文書に\'91\'7d入して、その文書のそのままの複製に関するその他のすべての点で、\'96\'7b利用許諾契約書に従う必要があります。
文書またはその派生物を他の個別および独立した文書または著作物とともに、ストレージまたは頒布メディア内またはそのボリューム上に蓄積することを「集積」と呼びます。その場合は、個々の著作物の許可を超えてその蓄積の利用者の法的権限を制限することに、蓄積による著作権を使用しないことが前提になります。文書が集積に含まれる場合、本利用許諾契約書は、それ自体が文書の派生著作物ではない集積内の他の著作物に適用されません。
セクション 3のカバーテキスト要件が文書のこれらの複製に適用可能であり、文書が集積全体の半分に満たない場合は、文書のカバーテキストを、集積内の文書のカバー、または文書が電子形式の場合は、電子的な同等のカバーに配置することができます。それ以外の場合は、集積全体の印刷されたカバー上に表示する必要があります。
翻訳は一種の変更とみなされるため、セクション4の条件に従って文書の翻訳を配布することができます。不変セクションを翻訳で置き換えるには、著作権者からの特別な許可が必要ですが、これらの不変セクションの元のバージョンのほかに、一部またはすべての不変セクションの翻訳を含めることができます。本利用許諾契約書、文書内のすべての利用許諾表示、および保証の放棄の翻訳を含めることができますが、その際は、本利用許諾契約書の元の英語版、およびそれらの利用許諾表示と保証の放棄の元の版も含めることが前提になります。本利用許諾契約書、利用許諾表示、または保証の放棄の翻訳と元の版との間に不一致がある場合は、元の版が優先されます。
文書内のセクションに、「謝辞」、「献辞」、または「履歴」という表題が付いている場合は、そのタイトルを保持する(セクション1)ための要件(セクション4)により、通常は実際のタイトルを変更する必要があります。
利用者は、本利用許諾契約書に明示的に記載されている形態を除き、文書を複製、改変、二次利用許諾、および頒布してはなりません。別の方法で文書を複製、改変、二次利用許諾、または頒布しようとするのは無効であり、本利用許諾契約書の下で利用者の権利は自動的に消滅します。ただし、本使用許諾の下で利用者から複製物または権利を受領した関係者は、条項を遵守している限り、権利が消滅することはありません。
フリーソフトウェア財団は、GNUフリー文書利用許諾契約書(GFDL)の新版または改訂版を随時公表することがあります。そのような新版は、性格的には現行版と似たものになりますが、新たな問題や懸案事項に対応するために細部が異なる可能性があります。http://www.gnu.org/copyleft/を参照してください。
本利用許諾契約書の各版には、区別するための版番号が設定されます。文書に、それに適用される本利用許諾契約書の特定の版番号と「後継版」が指定されている場合、利用者は、選択によって、その指定された版の条項またはフリーソフトウェア財団から公開される後継版の条項(ドラフトではない)に従うことになります。文書に、本利用許諾契約書の版番号が指定されていない場合、利用者は、フリーソフトウェア財団からこれまでに公開された任意の版(ドラフトではない)を選択することができます。
Copyright (c) YEAR YOUR NAME. Permission is granted to copy, distribute and/or modify this document under the terms of the GNU Free Documentation License, Version 1.2 or any later version published by the Free Software Foundation; with no Invariant Sections, no Front-Cover Texts, and no Back-Cover Texts. A copy of the license is included in the section entitled “GNU Free Documentation License”.
不変セクション、表カバーテキスト、および裏カバーテキストがある場合は、「with...Texts」の行を次のように置き換えます。
with the Invariant Sections being LIST THEIR TITLES, with the Front-Cover Texts being LIST, and with the Back-Cover Texts being LIST.
カバーテキストのない不変セクションが含まれている場合、またはこの3つの他の組み合わせの場合は、その2つの代替要素を\'83\'7dージして状況に合わせます。
文書にプログラムコードの重要な例が含まれている場合は、GNU一般公衆利用許諾契約書(GPL)などの選択したフリー\'83\'5cフトウェアの利用許諾に従って、これらの例を平行してリリースし、フリー\'83\'5cフトウェアでのその利用を許可することを推奨します。