SLE Microの展開の概要
- 概要
利用可能なSLE Microインストールイメージとハードウェア要件に関する基本情報。
- 目的
SLE Microのあらゆるタイプのインストールイメージに関する理解を深めます。
- 所要時間
この記事を理解し、Linuxの展開の基本的な知識を得るのに15分ほどを要します。
- 目標
特定のターゲット環境に適したSLE Microインストールイメージを選択し、最小ハードウェア要件を満たしていることを確認します。
1 インストールイメージ #
SLE Microは、ダウンロード可能なインストールイメージとして配布されます。インストールイメージには複数のタイプがあり、それぞれが特定の展開シナリオに適しています。この記事は、自身のインストール環境にどのインストールイメージが該当するかを、複数の基準に基づいて判断するのに役立ちます。
1.1 イメージタイプ #
SLE Microでは、インストールタイプに基づいて、次のタイプのインストールイメージを使用できます。各インストール環境ですべてのタイプのインストーラが利用できるわけではないことに注意してください。
- 生ディスクイメージ
「生ディスクイメージ」は、インストーラ付きのブータブルイメージではなく、インストールされたSLE Microそのものの実際のイメージです。生ディスクイメージは、「インストール」するのではなくハードディスクデバイスにコピーします。最初のブート時に、ncursesユーザインタフェースを使用して基本的なシステムオプションを設定できます。生ディスクイメージを使用すると、CombustionやIgnitionというツールを使用して展開のセットアップを微調整できます。
- セルフインストールイメージ
「セルフインストールイメージ」はブータブル生ディスクイメージであり、ハードディスクデバイスにイメージの内容をコピーする処理を行います。
- 仮想マシンイメージ
SLE Microを仮想マシンにインストールする代わりに、サポートされているハイパーバイザー用の事前構築のディスクイメージを使用できます。QEMUエミュレータには
.qcow
または.qcow2
を利用可能です。VMware
イメージは、VMware仮想化テクノロジ上に展開するためのものです。- クラウドイメージ
このイメージは、SLE Microをサポートされているクラウド環境で実行する場合に使用します。
これらのイメージはすべて、base
またはdefault
のサブタイプとして提供されます。サブタイプには、コアOSのほかに次のツールも含まれます。
-
base
Podman
-
default
Podman
仮想化スタック
Cookpit
salt-minion
1.2 カーネルタイプ #
SLE Microは、デフォルトカーネルまたは「リアルタイム」カーネルのいずれかでインストールできます。デフォルトカーネルがスループット重視の処理とタスクの公平なスケジューリングに重点を置いているのに対し、リアルタイムカーネルは低レイテンシと一貫した応答時間を維持するように設計されています。デフォルトカーネルは、1.1項 「イメージタイプ」に一覧にするすべてのタイプのインストールイメージで利用できます。リアルタイムカーネルは、次のインストールイメージで利用できます。
生ディスクイメージ
セルフインストールイメージ
リアルタイムカーネルイメージは、ファイル名のrt
という文字列で識別できます。
1.3 ディスク暗号化 #
ご使用の展開環境においてSLE Microを暗号化ディスク上で実行する必要がある場合は、ディスク暗号化をサポートするインストールイメージを使用します。
ディスク暗号化をサポートするイメージは、ファイル名のencrypted
という文字列で識別できます。
1.4 インストール環境 #
どのインストールイメージを選択するかは、SLE Microをインストールする予定の環境に大きく依存します。
- ベアメタルインストール
仮想化レイヤやクラウドサービスレイヤを使用せずにSLE Microを物理ホストに直接インストールする場合は、ターゲットハードウェアのタイプに応じていくつかのオプションがあります。
ターゲットホストでメインのインストールディスクに加えてブータブルドライブもサポートされている場合は、セルフインストールイメージを使用します。
ターゲットホストでメインのインストールディスクのみが提供されている場合は、生ディスクイメージを使用します。
- 仮想化インストール
仮想化されたSLE Microを実行するには、次のオプションがあります。
生ディスクイメージを仮想マシンのメインディスクとして使用する。
セルフインストールイメージをブータブルドライブとして使用し、それを使ってディスクイメージを仮想マシンのメインディスクに転送する。
サポートされているハイパーバイザー用に設計されたSLE Microの事前構築の仮想マシンイメージを使用する。
- クラウド展開
SLE Microをサポートされているクラウド環境で実行するには、サポートされているクラウドサービスプロバイダ用に設計された事前構築イメージを使用します。
2 要件 #
この記事では、SLE Microを展開するための要件を一覧にしています。
2.1 ハードウェア要件 #
SLE Microの展開は、次のハードウェアでサポートされています。
- BIOS
UEFI BIOSを備えたホスト上でのみ、SLE Microをインストールできます。レガシBIOSを備えたホストはサポートされていません。
- CPU
AMD64/Intel 64 v2、AArch64、およびIBM ZのCPUアーキテクチャがサポートされています。
- CPUの最大数
ソフトウェア設計でサポートされているCPUの最大数は8,192です。
- メモリ
SLE Microには、少なくとも1GBのRAMが必要です。これはオペレーティングシステムの最小値であり、実際のメモリサイズはワークロードによって異なることに注意してください。
- ハードディスク
ハードディスクに最小限必要な容量は12GBですが、20GB以上とすることをお勧めします。コンテナのワークロードに従って値を調整してください。
2.2 仮想化展開 #
SLE Microを仮想マシンゲストとして展開する場合は、サポートされているハイパーバイザーのいずれかを実行するVMホストサーバと、SLE Microの展開用の仮想マシンを準備する必要があります。
libvirt
環境のKVMVMware
3 法的事項 #
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