NetworkManagerを使用したネットワーク接続の設定と管理
- 概要
NetworkManagerは、ネットワークデバイスを稼働させ続けることを可能にする動的なネットワーク制御および設定ツールです。
- 目的
この記事では、NetworkManagerの全体像と、NetworkManagerを使用してネットワーク接続を設定、管理、監視、および編集する方法を提供します。
- 所要時間
NetworkManagerのインストールと設定には15分を要します。NetworkManagerの概念と機能を完全に理解するには最長1時間が必要です。
- 目標
ネットワーク接続の管理に関する基本的な理解
- 要件
NetworkManagerをインストールおよび管理するためのルートアクセス
NetworkManagerをインストールするためのパッケージマネージャ
ネットワークとIPアドレスに関する基本的な理解
1 NetworkManagerの概念 #
NetworkManagerは、ネットワーク接続とデバイスの管理を可能にするツールです。NetworkManagerを使用して、ネットワーク接続とデバイスを作成、設定、および管理できます。
SUSE Linux Enterprise Serverでは、NetworkManagerは、デフォルトで完全に自動で動作するように設計されています。NetworkManagerは、デフォルトで有効になっており、主要なネットワーク接続およびその他のネットワークインタフェースの管理に必要なすべてのサービスユニットファイルが付属しています。NetworkManagerは、802.1x保護ネットワークへの接続など、ネットワーク接続のための最新の暗号化タイプおよび標準をサポートしています。802.1Xは、IEEE Standard for Local and Metropolitan Area Networks—Port-Based Network Access Control (ポートごとにネットワークアクセスの制御を行う、ローカル/メトロポリタンエリアネットワーク向けIEEE標準)です。
NetworkManagerは、既知の無線ネットワークに自動的に接続し、複数のネットワーク接続を並行して管理するため、有線ネットワークと無線ネットワークの間をシームレスに切り替えることができます。また、利用可能なネットワークを手動で切り替えることもできます。
NetworkManagerは通常、以下の部分で構成されます。
NetworkManagerデーモン - 標準の
systemdコマンドを使用してデーモンと対話できます。nmcliコマンドラインインタフェースncursesインタフェース
nmtuiNetworkManagerライブラリ
設定ファイル
2 NetworkManagerのインストールおよび設定 #
SUSE Linux Enterprise Serverでは、NetworkManagerはデフォルトでインストールされ有効化されているため、すぐに使用できます。通常、再インストールしたり、設定を変更したりする必要はありませんが、そのようなアクションが必要な場合は、以下のセクションでガイダンスを提供しています。
2.1 NetworkManagerのインストール #
zypperを使用してNetworkManagerをインストールできます。インストールしたら、NetworkManagerを有効化して、ブート時に自動的に起動するように設定できます。
NetworkManagerをインストールします。
>sudozypper install NetworkManager
NetworkManagerを有効化します。
>sudosystemctl enable NetworkManager
NetworkManagerを有効化すると、再起動後も変更が維持されます。
2.2 NetworkManager動作の設定 #
NetworkManagerの動作は、その中央設定ファイル/etc/NetworkManager/NetworkManager.confで定義されています。
この設定ファイルは、ログ記録、接続管理、ネットワークデバイスの処理など、NetworkManagerの動作と設定を構成する主要な場所です。
このファイルはキーと値のペアのセクションで構成されます。キーと値の各ペアは、セクションに属している必要があります。セクションは[]で囲まれた名前から始まります。#で始まる行はコメントと見なされます。一般的な設定には、plugins値、[logging]、および[connectivity]を含む[main]セクションが含まれます。
[main]1 plugins=keyfile2 dhcp=dhclient [connectivity]3 uri=http://name.org [logging]4 level=INFO domains=ALL
NetworkManagerの一般的な設定を制御します。 | |
接続プロファイルの保存方法を管理します。[keyfile]プラグインは、NetworkManagerのすべての接続タイプと機能をサポートします。 | |
接続のデフォルトとオプションを定義し、ネットワーク接続を確認するためのURIを指定します。 | |
NetworkManagerのログレベルとドメインを管理します。 |
ファイルを変更する前に、既存の設定ファイルのバックアップを必ず取ってください。
設定ファイルを開きます。
>sudovi /etc/NetworkManager/NetworkManager.confNetworkManagerサービスを停止します。
>sudosystemctl stop networkセクションを変更します。
変更内容を保存します。
NetworkManagerを起動します。
>sudosystemctl start network既存の設定を表示します。
>sudonmcli general show
3 NetworkManageデーモンの管理 #
NetworkManagerデーモンは、標準のsystemdサービスであるため、systemctlコマンドを使用してデーモンを管理できます。
NetworkManagerデーモンを管理するには、以下のいずれかのコマンドを使用できます。
- ステータスの確認
NetworkManagerデーモンが実行中で、ネットワークがアクティブかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。
>systemctl status network- デーモンの再起動
たとえば、ネットワーキングの問題の場合は、次のコマンドを使用して、NetworkManagerデーモンの再起動を試すことができます。
>sudosystemctl restart network- デーモンの停止
ネットワーク設定の変更中、または手動制御に切り替えるために、NetworkManagerを停止できます。また、ネットワークの問題のトラブルシューティングやデバッグのためにサービスを停止することもできます。NetworkManagerを停止すると、インタフェースを自動的に管理したり、手動設定を変更したりできなくなります。また、ネットワークインタフェースの特定の要件に手動で対応するためにNetworkManagerを停止することもできます。
NetworkManagerデーモンを停止するには、次のコマンドを使用します。
>sudosystemctl stop network- NetworkManageデーモンの起動
デーモンを停止した場合は、すべてのネットワーク接続を管理するために、再度起動する必要があります。
>sudosystemctl start NetworkManager
4 ネットワーク接続の作成 #
nmcliコマンドを使用して、ネットワーク接続プロファイルを作成できます。
NetworkManagerは、すべてのネットワーク設定を接続プロファイルとして保存します。接続プロファイルとは、ネットワークの作成方法や接続方法を記述するデータの集まりです。これらの接続プロファイルは、デフォルトで/etc/NetworkManager/system-connections/ディレクトリにファイルとして保存されます。各ネットワーク接続プロファイル(Wi-Fi、イーサネット、VPN)は、このディレクトリ内の個別ファイルで表されます。
接続は、特定のデバイスが接続を使用するときにアクティブになる特定の接続プロファイルのインスタンスです。デバイスには複数の接続プロファイルが設定されている場合があります。その他の接続は、接続を高速に切り替える場合に使用できます。たとえば、アクティブな接続が利用できない場合、NetworkManagerは、デバイスを設定済みの別の接続に接続しようと試みます。
NetworkManagerデーモンはネットワーク接続を管理します。コマンドラインインタフェースnmcliまたはncursesインタフェースnmtuiを使用してNetworkManagerデーモンと対話できます。
4.1 イーサネット接続の作成 #
nmcliコマンドを使用してイーサネット接続を設定し、次の手順に従います。
使用可能なデバイスをリストして、正確なデバイス名を取得します。
>nmcli device接続リストを表示して、使用したいプロファイル名がまだ取得されていないことを確認します。
nmcli connection show
NetworkManagerは、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)ごとにプロファイルを作成します。NICを異なる設定を持つネットワークに接続するには、ネットワークごとに個別のプロファイルを作成する必要があります。
新しい接続プロファイルを作成します。
>sudonmcli connection add con-name CONNECTION_NAME ifname DEVICE_NAME type ethernet新しい接続プロファイルの既存のネットワーク設定を表示します。
>nmcli connection show CONNECTION_NAME接続プロファイルを設定します。一般的なコマンドの構文は次のとおりです。
>sudonmcli connection modify CONNECTION_NAMESETTINGVALUEたとえば、自動IPアドレス割り当て(DHCPまたはSLAAC)はデフォルトで有効になっており、静的IPアドレスを設定したい場合があります。
IPv4の場合
>sudonmcli connection modify CONNECTION_NAME ipv4.method manual ipv4.addresses 192.0.2.1/24 ipv4.gateway 192.0.2.254 ipv4.dns 192.0.2.200 ipv4.dns-search example.comIPv6の場合
>sudonmcli connection modify INTERNAL-LAN ipv6.method manual ipv6.addresses 2001:db8:1::fffe/64 ipv6.gateway 2001:db8:1::fffe ipv6.dns 2001:db8:1::ffbb ipv6.dns-search example.com
プロファイルを有効化します。
>sudonmcli connection up CONNECTION_NAME設定を確認します。
NICのIP設定を確認します。
>ip address show HOSTNAMEデフォルトのIPv4ゲートウェイを確認します。
>ip route show defaultデフォルトのIPv6ゲートウェイを確認します。
>ip -6 route show defaultDNS設定を表示します。
>cat /etc/resolv.conf
4.2 Wi-Fi接続プロファイルの作成 #
nmcliコマンドを使用してWi-Fiに接続できます。NetworkManagerは、初めてWi-Fiに接続する際に、新しい接続プロファイルを作成します。Wi-Fiに接続した後で、プロファイルを設定できます。
Wi-Fi無線を有効にします。
>sudonmcli radio wifi on使用可能なデバイスのリストを表示します。
>sudonmcli deviceWi-Fiに接続します。
>sudonmcli device wifi connect WI-FI_CONNECTION_NAMEPASSWORD新しい接続プロファイルの既存のネットワーク設定を表示します。
>sudonmcli connection show CONNECTION_NAME必要に応じて次のコマンドを使用して、接続ファイルを設定します。
>sudonmcli connection modify CONNECTION_NAMESETTINGVALUEたとえば、静的IPv4を設定するには:
>sudonmcli connection modify WI-FI_CONNECTION_NAME ipv4.method manual ipv4.addresses IP_ADDRESS/SUBNET_MASK静的IPv6アドレスを設定するには
>sudonmcli connection modify WI-FI_CONNECTION_NAME ipv6.method manual ipv6.addresses IP_ADDRESS/SUBNET_MASK接続を再開します。
>sudonmcli connection up WI-FI_CONNECTION_NAME次のコマンドを使用して、接続を確認します。
>nmcli connection show --active利用可能なアクティブな接続のリストが表示されます。
4.3 ネットワークボンドの作成 #
ネットワークボンドは、物理ネットワークインタフェースと仮想ネットワークインタフェースを組み合わせ、論理インタフェースを提供します。ネットワークボンドは、イーサネットデバイス、仮想LANなどで作成できます。ネットワークボンディングにより、帯域幅を増やしたり冗長性を提供したりできます。
ネットワーク接続: サーバ上にインストールされている2つ以上の物理ネットワークまたは仮想ネットワーク
ボンディングデバイスの対象となる既存のネットワークインタフェース
ボンディングモードに応じたスイッチのサポート
ネットワークボンドにイーサネットデバイスを使用するには、サーバに物理または仮想のイーサネットデバイスをインストールする必要があります。
ネットワークチーム、ブリッジ、またはVLANデバイスをボンドのポートとして使用する場合は、それらをボンド作成プロセス中、または事前に作成できます。
ボンドを複数のスイッチに分割しない。
ほとんどのハードウェアセットアップでは、ボンディングデバイスのすべてのネットワークインタフェースを同じスイッチに接続する必要があります。詳細については、スイッチベンダーのマニュアルを参照してください。
IBM POWER:ボンディングモード5および6 (
balance-tlbおよびbalance-alb)はibmvethによってサポートされません。tlbまたはalbモードのボンディングドライバが仮想Ethernet MACアドレスとして一覧表示されているソースおよび宛先MACアドレスの両方を使用してEthernet Loopbackパケットを送信します。これらのパケットは電源ファームウェアによってサポートされていません。したがって、ボンディングモード5および6はibmvethによってサポートされません。ボンディングと仮想化:ボンディングデバイスは、複数のネットワークインタフェースで構成されています。ほとんどの設定では、ホストでのみボンディングを設定すれば十分です。ゲストへの仮想インタフェースは、結合されたデバイスとのブリッジとして作成され、ゲストの作成と展開が簡素化されます。
ゲストでボンディングを設定することもできますが、お勧めできません。ゲストでボンディングを設定する場合は、ゲストに複数のインタフェースを割り当て、ボンディングなしでホストを設定する必要があります。また、ホストとゲストのボンディングが混在しないように、ホストとそのネットワーク ブリッジを慎重に設定する必要があります。
以下のボンディングモードが使用可能です。
()
パケットは、ラウンドロビン方式で、最初の使用可能なインタフェースから最後の使用可能なインタフェースに送信されます。耐障害性と負荷分散を提供します。スイッチがサポートされている必要があります。このモードでは、特定のスイッチで障害が発生することがあります。
()
1つのネットワークインタフェースのみがアクティブです。失敗すると、別のインタフェースがアクティブになります。耐障害性を提供します。これはデフォルトのモードです。特定のスイッチをサポートしている必要はありません。
()
ボンディングデバイスに存在するインタフェースの数に基づき、使用可能なすべてのインタフェースにわたってトラフィックが分割されます。耐障害性と負荷分散を提供します。スイッチがサポートされている必要があります。このモードでは、特定のスイッチで障害が発生することがあります。
()
すべてのトラフィックはすべてのインタフェースに対してブロードキャストされます。耐障害性を提供します。スイッチがサポートされている必要があります。このモードでは、特定のスイッチで障害が発生することがあります。モードを使用できるのであれば、それを使用します。または、このモードを使用して、ボンドの各メンバーを別のスイッチまたはデバイスに接続して探知機能を提供します。
()
LACPとも呼ばれます。LACPグループ内のすべてのインタフェースは同じ速度とデュプレックス設定を共有し、同じスイッチに接続されている必要があります。耐障害性と負荷分散を提供します。インタフェースドライバでの
ethtoolのサポート、およびIEEE 802.3adダイナミックリンク集約をサポートし、それ用に設定されているスイッチが必要です。スイッチがサポートされていれば、これが優先モードになります。()
アダプティブ送信負荷分散。耐障害性と負荷分散を提供します。インタフェースドライバでは
ethtoolのサポートが必要です。このモードでは特定のスイッチをサポートしている必要はありませんが、スイッチによっては障害が発生することがあります。()
アダプティブ負荷分散。耐障害性と負荷分散を提供します。インタフェースドライバでは
ethtoolのサポートが必要です。このモードでは特定のスイッチをサポートしている必要はありませんが、スイッチによっては障害が発生することがあります。
使用しているスイッチがどのモードをサポートしているかについては、各ハードウェアのマニュアルを参照してください。
モードの詳細については、https://www.kernel.org/doc/Documentation/networking/bonding.txtを参照してください。
ボンドインタフェースを作成します。
>sudonmcli connection add type bond con-name NWBOND ifname NWBOND bond.options "mode=active-backup"active-backupモードを使用するネットワークボンドNETWORK_BONDが作成されます。ネットワークインタフェースのリストを表示します。
>nmcli device status DEVICE TYPE STATE CONNECTION wlan0 wifi connected Vision virbr0 bridge connected (externally) virbr0 p2p-dev-wlan0 wifi-p2p disconnected -- eth0 ethernet unavailable -- lo loopback unmanaged --利用可能なネットワークインタフェースのリストが表示されます。ボンドに設定されていないデバイスを追加することもできます。指定されたリストで、
p2p-dev-wlan0は設定されていませんが、virbr0は設定されており、接続プロファイルがあります。p2p-dev-wlan0をポートとして設定するには、接続プロファイルを作成します。>sudonmcli connection add type wifi-p2p slave-type bond con-name bond0-port1 ifname p2p-dev-wlan0 master bond0p2p-dev-wlan0用の新しいプロファイルが作成され、bond0接続に追加されます。ボンドの名前はbond0です。virbr0をボンドに割り当てるには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify virbr0 master bond0virbr0用の接続プロファイルがbond0接続に追加されます。接続を有効化します。
>sudonmcli connection up virbr0IPv4設定を行います。
bond0を他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify bond0 ipv4.method disabledDHCPを使用するには、設定は不要です。
静的IPv4アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
bond0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify bond0 ipv4.addresses '192.0.2.1/24' ipv4.gateway '192.0.2.254' ipv4.dns '192.0.2.253' ipv4.dns-search 'example.com' ipv4.method manual
IPv6設定を行います。
このボンドデバイスを他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify bond0 ipv6.method disabledStateless Address Autoconfiguration (SLAAC)を使用するには、アクションは不要です。
静的IPv6アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
bond0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify bond0 ipv6.addresses '2001:db8:1::1/64' ipv6.gateway '2001:db8:1::fffe' ipv6.dns '2001:db8:1::fffd' ipv6.dns-search 'example.com' ipv6.method manual
接続を有効化します。
>sudonmcli connection up bond0接続を表示して確認します。
>nmcli device接続のリストが表示されます。
4.4 ネットワークチームの設定 #
ネットワークチーミングは、帯域幅を増やしたり、冗長性を提供したりするために、2つ以上のネットワークインタフェースを1つのチーミングデバイスに組み合わせるものです。チーミングデバイスの動作はチーミングモードを使用して設定します。ネットワークチーミングにより、帯域幅を増やしたり冗長性を提供したりできます。
ネットワーク接続
チーミングデバイスの対象となる既存のネットワークインタフェース
チーミングモードに応じたカーネルのスイッチのサポート
インストール済みのlibteam-toolsパッケージ
teamdおよびNetworkManager-teamパッケージをインストールします。>sudozypper install teamd>sudozypper install NetworkManager-teamサーバに2つ以上の物理デバイスまたは仮想デバイスをインストールします。
イーサネットデバイスをチームのポートとして使用するには、サーバに物理または仮想のイーサネットデバイスをインストールし、スイッチに接続する必要があります。
ボンド、ブリッジ、またはVLANデバイスをチームのポートとして使用するには、それらを事前に作成するか、チームの作成時に作成します。
チームを複数のスイッチに分割しない。
ほとんどのハードウェアセットアップでは、チーミングデバイスのすべてのネットワークインタフェースを同じスイッチに接続する必要があります。詳細については、スイッチベンダーのマニュアルを参照してください。
チーミングと仮想化:
チーミングデバイスは、複数のネットワークインタフェースで構成されています。ほとんどの設定では、ホストでのみチーミングを設定すれば十分です。ゲストへの仮想インタフェースは、チーミングデバイスとのブリッジとして作成され、ゲストの作成と展開が簡素化されます。
ゲストでチーミングを設定することもできますが、お勧めできません。ゲストでチーミングを設定する場合は、ゲストに複数のインタフェースを割り当て、チーミングなしでホストを設定する必要があります。また、ホストとゲストのチーミングが混在しないように、ホストとそのネットワーク ブリッジを慎重に設定する必要があります。
以下のチーミングモードが使用可能です。
すべてのトラフィックはすべてのインタフェースに対してブロードキャストされます。耐障害性を提供します。スイッチがサポートされている必要があります。
パケットは、ラウンドロビン方式で、最初の使用可能なインタフェースから最後の使用可能なインタフェースに送信されます。耐障害性と負荷分散を提供します。スイッチがサポートされている必要があります。
1つのネットワークインタフェースのみがアクティブです。失敗すると、別のインタフェースがアクティブになります。耐障害性を提供します。
チーミングデバイスは、そのすべてのインタフェースを介してパケットを送信し、ハッシュ関数を使用して(パッシブまたはアクティブな)負荷分散を実行します。パッシブ負荷分散では、BPFハッシュ関数のみが使用されます。アクティブ負荷分散では、利用可能なインタフェース間でハッシュを移動することにより、最適な分散状態が見出されます。耐障害性と負荷分散を提供します。特定のスイッチをサポートしている必要はありません。
LACPグループ内のすべてのインタフェースは同じ速度とデュプレックス設定を共有し、同じスイッチに接続されている必要があります。耐障害性と負荷分散を提供します。インタフェースドライバでの
ethtoolのサポート、およびIEEE 802.3adダイナミックリンク集約をサポートし、それ用に設定されているスイッチが必要です。スイッチがサポートされていれば、これが優先モードになります。
使用しているスイッチがどのモードをサポートしているかについては、各ハードウェアのマニュアルを参照してください。
チームインタフェースを作成します。
>sudonmcli connection add type team con-name CONNECTION_NAME ifname TEAM_NAME team.runner RUNNER-TYPEたとえば、
activebackupランナーでネットワークチームteam0を作成するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection add type team con-name team0 ifname team0 team.runner active.backupネットワークインタフェースのリストを表示します。
>nmcli device statusDEVICE TYPE STATE CONNECTION wlan0 wifi connected Vision virbr0 bridge connected (externally) virbr0 p2p-dev-wlan0 wifi-p2p disconnected -- eth0 ethernet unavailable -- lo loopback unmanaged --リストされているデバイスをチームに追加できます。以下の例では、
p2p-dev-wlan0とvirbr0を使用します。p2p-dev-wlan0は設定されていませんが、virbr0には接続プロファイルがあることに注意してください。ポートインタフェースをチームに設定します。
>sudonmcli connection add type wifi-p2p slave-type team con-name team0-port1 ifname p2p-dev-wlan0 master team0p2p-dev-wlan0用の新しいプロファイルが作成され、team0接続に追加されます。既存の接続をチームに割り当てます。
>sudonmcli connection modify bond0 master team0bond0用の接続プロファイルがteam0接続に追加されます。接続を有効化します。
>sudonmcli connection up bond0IPv4設定を行います。
チームデバイスを他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify team0 ipv4.method disabledDHCPを使用するには、設定は不要です。
静的IPv4アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
bond0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify team0 ipv4.addresses '192.0.2.1/24' ipv4.gateway '192.0.2.254' ipv4.dns '192.0.2.253' ipv4.dns-search 'example.com' ipv4.method manual
IPv6設定を行います。
このチームデバイスを他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify team0 ipv6.method disabledStateless Address Autoconfiguration (SLAAC)を使用するには、アクションは不要です。
静的IPv6アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
team0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify team0 ipv6.addresses '2001:db8:1::1/64' ipv6.gateway '2001:db8:1::fffe' ipv6.dns '2001:db8:1::fffd' ipv6.dns-search 'example.com' ipv6.method manual
接続を有効化します。
>sudonmcli connection up team0チームのステータスを表示するには、次のコマンドを実行します。
>sudoteamdctl team0 state
4.5 ネットワークブリッジの設定 #
ネットワークブリッジは、2つ以上のネットワークセグメント間の通信を容易にし、複数のセグメントから単一のネットワークを作成するデバイスです。
ネットワークブリッジを設定するには、以下を確認してください。
サーバに2つ以上の物理デバイスまたは仮想デバイスをインストールします。
イーサネットデバイスをブリッジのポートとして使用するには、サーバに物理または仮想のイーサネットデバイスがインストールされ、スイッチに接続されていることを確認します。
チーム、ボンド、またはVLANデバイスをブリッジのポートとして使用する場合、これらのデバイスはブリッジの作成時または事前に作成できます。
ブリッジインタフェースを作成します。
>sudonmcli connection add type bridge con-name CONNECTION_NAME ifname BRIDGE_NAMEたとえば、次のコマンドを実行して、ブリッジ
bridge0を作成しました。>sudonmcli connection add type bridge con-name bridge0 ifname bridge0ネットワークインタフェースのリストを表示し、
bridge0が作成されたことを確認します。>nmcli device status DEVICE TYPE STATE CONNECTION wlan0 wifi connected Vision virbr0 bridge connected (externally) virbr0 p2p-dev-wlan0 wifi-p2p disconnected -- eth0 ethernet unavailable -- lo loopback unmanaged -- bridge0 bridge connecting (getting IP configuration) brdige0ブリッジにはまだインタフェースを割り当てていないため、ブリッジはIP設定の取得中状態です。後でインタフェース
p2p-dev-wlan0(未設定)とvirbr0(接続プロファイルで設定済み)を割り当てます。ブリッジにインタフェースを追加します。
>sudonmcli connection add type wifi-p2p slave-type bridge con-name bridge0-port1 ifname p2p-dev-wlan0 master bridge0p2p-dev-wlan0用の新しいプロファイルが作成され、
bridge0接続に追加されます。既存の接続をブリッジに割り当てるには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify bond0 master bridge0bond0用の接続プロファイルがbridge0接続に追加されます。接続を再開します。
>sudonmcli connection up bond0IPv4設定を行います。
ブリッジデバイスを他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify bridge0 ipv4.method disabledDHCPを使用するには、設定は不要です。
静的IPv4アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
bridge0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify bridge0 ipv4.addresses '192.0.2.1/24' ipv4.gateway '192.0.2.254' ipv4.dns '192.0.2.253' ipv4.dns-search 'example.com' ipv4.method manual
IPv6設定を行います。
このブリッジデバイスを他のデバイスのポートとして使用するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli connection modify bridge0 ipv6.method disabledStateless Address Autoconfiguration (SLAAC)を使用するには、アクションは不要です。
静的IPv6アドレス、ネットワークマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバを
bridge0接続に設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli connection modify bridge0 ipv6.addresses '2001:db8:1::1/64' ipv6.gateway '2001:db8:1::fffe' ipv6.dns '2001:db8:1::fffd' ipv6.dns-search 'example.com' ipv6.method manual
接続を有効化します。
>sudonmcli connection up bridge0接続を確認します。
>nmcli device接続の任意のポートを有効化すると、NetworkManagerはブリッジも有効化しますが、ブリッジの他のポートは有効化しません。
ブリッジが有効化されるときに、すべてのポートを自動的に有効化します。
>sudonmcli connection modify bridge0 connection.autoconnect-slaves 1特定のブリッジのポートであるイーサネットデバイスのリンクステータスを表示します。
>sudoip link show master bridge0任意のブリッジデバイスのポートであるイーサネットデバイスのステータスを表示します。
>sudobridge link show
4.6 VPN接続の設定 #
VPN (仮想プライベートネットワーク)接続は、デバイスとインターネット上の別のネットワークの間の安全で暗号化されたトンネルです。
nmcliコマンドを使用して、VPN接続を設定できます。
OpenVPNをインストールします。
>sudozypper install networkmanager-openvpnVPN接続を作成します。
>sudonmcli connection add type vpn con-name MyOpenVPN ifname -- vpn-type openvpn設定を行います。
>sudonmcli connection modify MyOpenVPN vpn.data "remote=VPN-SERVER-ADDRESS,username=YOUR-USERNAME">sudonmcli connection modify MyOpenVPN vpn.secrets "password=YOUR-PASSWORD"DNS設定を行います。
>sudonmcli connection modify MyOpenVPN ipv4.dns "8.8.8.8 8.8.4.4"ルートを追加します。
>sudonmcli connection modify MyOpenVPN ipv4.routes "192.168.1.0/24 192.168.1.1"VPN接続を有効化します。
>sudonmcli connection up MyOpenVPN設定した接続がアクティブかどうかを確認します。
>nmcli connection show --active
5 ネットワーク接続の変更 #
nmcli connection modifyコマンドを使用してネットワーク接続を変更できます。コマンドの一般的な構文は次のとおりです。
>sudonmcli connection modify CONNECTION-NAME PROPERTY VALUE
CONNECTION-NAMEの値を取得するには、nmcli connection showコマンドを使用して接続をリストします。使用可能なプロパティとその可能な値については、次のセクションで説明します。
5.1 接続属性 #
このセクションでは、接続時に変更できる属性をリストし、説明します。
| プロパティ | 説明 | 値 |
|---|---|---|
| ipv4.method | インタフェースがIPv4アドレス設定を取得して処理する方法を定義します |
|
| ipv4.dns | スペースで区切られたDNS IPアドレスのリスト | たとえば、「8.8.8.8 8.8.4.4」 |
| ipv4.gateway | このプロパティは、システムがローカルネットワーク外のネットワークにアクセスするために使用するルータのアドレスです | ゲートウェイのIPアドレス |
| connection.id | 接続の名前を変更します | 新しい接続名を表す文字列 |
| 802-11-wireless.ssid | このプロパティはWi-Fiネットワークの名前を変更します | 新しいWi-Fi SSIDを表す文字列 |
| connection.autoconnect | デバイスがオンラインのときに自動接続をオン/オフに切り替えます | onあるいは、off |
6 ネットワーク接続の確立と終了 #
ネットワーク接続を有効にして、デバイスやリソースにアクセスし、接続できるようにします。
6.1 ネットワーク接続の有効化 #
特定の接続を無効にすることも、すべての接続を無効にすることもできます。すべての接続を有効にするには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli networking on
このコマンドは手動で無効化された接続を有効化しないことに注意してください。手動で無効化された接続を有効化するには、次の手順に従ってください。
既存の接続のリストを表示します。
>sudonmcli connection show名前またはUUIDを使用して接続を有効化します。
>sudonmcli connection up uuid CONNECTION-UUID接続ステータスを確認します。
>sudonmcli connection show --active
6.2 ネットワーク接続の無効化 #
nmcliコマンドを使用してシステムを外部ネットワークから一時的に切断し、ネットワーク接続を無効化できます。
特定の接続を無効化するには、次の手順に従います。
アクティブな接続のリストを表示します。
>sudonmcli connection show --activeNAME UUID TYPE DEVICE Wired connection 2 7b0c32ee-851e-3015-a658-f4372b426273 ethernet enp6s0f3u1u4 lo 8041ed2a-e4ae-4bf7-a0db-d4b513b9d745 loopback lo virbr0 1bec1271-4bb6-46a7-a50a-4b329fa318d3 bridge virbr0 vnet0 ac196c81-0505-49f0-9328-b78e1746b4a9 tun vnet0特定の接続を終了します。
>sudonmcli connection down CONNECTION-NAME/CONNECTION-UUID次に例を示します。
>sudonmcli connection down virbr0
すべての接続を一時的に無効化するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli networking off
どちらの場合も、変更はシステムが再起動するまで持続されます。再起動後、NetworkManagerと接続は再びアクティブになります。
7 ネットワーク接続の監視 #
nmcliコマンドを使用して、NetworkManagerで管理されているネットワーク接続のステータス、アクティビティ、および詳細を表示します。
以下のリストは、ネットワーク接続の基本的な監視用コマンドを示します。
- アクティブな接続のリストの表示
>nmcli connection show --active- NetworkManagerのステータスの表示
>nmcli monitorネットワークステータスと接続に関するリアルタイム更新が表示されます。
- 特定のネットワーク接続の詳細の表示
>nmcli connection monitor CONNECTION-NAME接続が変更されるたびに、NetworkManagerは1行を出力します。
- ネットワークデバイスのステータスの監視
>nmcli device monitorすべてのネットワークデバイスのリスト(デバイス名、タイプ、状態、および接続名)が表示されます。
- Wi-Fi接続の信号強度の表示
>nmcli device wifi list利用可能なWi-Fiネットワークのリスト(SSID、信号強度(%)、セキュリティのタイプ)が表示されます。
8 NetworkManagerのログ記録 #
NetworkManagerのアクティビティは、journaldシステムログ記録メカニズムによってログに記録されます。NetworkManagerログは/var/log/syslogに保存され、journalctlコマンドを使用して詳細にアクセスできます。
ログに記録されるNetworkManagerアクティビティのタイプは、現在のログレベルによって異なります。利用可能なレベルは次のとおりです。
ERR - エラーメッセージのみをログに記録します。例: 接続失敗。
WARN - 警告およびエラーをログに記録します。例: 認証の問題。
INFO - 情報メッセージをログに記録します。これはすべてのログ記録ドメインのデフォルトレベルです。
DEBUG - 詳細なデバッグ情報をログに記録します。例: 詳細なDHCPネゴシエーション。
TRACE - 非常に詳細で、通常は重要でないイベントをログに記録します。例: パケットレベルの詳細。
現在のログレベルを確認するには、次のコマンドを実行します。
>nmcli general loggingINFO PLATFORM,RFKILL,ETHER,WIFI,BT,MB,DHCP4,DHCP6,PPP,IP4,IP6,AUTOIP4,DNS,VPN,SHARING,SUPPLICANT,AGENTS,SETTINGS,SUSPEND,CORE,DEVICE,OLPC,INFINIBAND,FIREWALL,ADSL,BOND,VLAN,BRIDGE,TEAM,CONCHECK,DCB,DISPATCH,AUDIT,SYSTEMD,PROXY
出力により、すべてのドメインのログレベルがINFO (デフォルト設定)であることがわかります。特定のドメインのログレベルを変更すると、コマンドは変更されたドメインのみを出力します。
すべてのドメインのログレベルを変更するには、次のコマンドを実行します。
>sudogeneral logging level LEVEL domains ALL
たとえば、デフォルト設定に変更を戻すには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli general logging level INFO domains ALL
特定のドメインのログレベルを変更するには、たとえばDNSとFIREWALLにDEBUGを設定するには、次のコマンドを実行します。
>sudonmcli general logging level DEBUG domains FIREWALL,DNS
次のリストは、journaldを使用してNetworkManagerログを管理するためのコマンドを示します。
- ログの表示
NetworkManagerログを表示するには
>sudojournalctl -u NetworkManagerNetworkManagerログをリアルタイムで表示するには:
>sudojournalctl -u NetworkManager -f特定のログのみを表示するには、
grepを使用してjournalctl出力をフィルタリングします。たとえば、DHCP関連のログを表示するには、次のコマンドを実行します。>sudojournalctl -u NetworkManager | grep DHCP- ログの保存
NetworkManagerログをファイル(例:
networkmanager.log)に保存するには、次のコマンドを実行します。>sudojournalctl -u NetworkManager > networkmanager.log特定の時刻のNetworkManagerログをファイル(例:
networkmanager_timerange.log)に保存するには、次のコマンドを実行します。>sudojournalctl -u NetworkManager --since "YYYY-MM-DD HH:MM:SS" --until "YYYY-MM-DD HH:MM:SS" > networkmanager_timerange.logNetworkManagerログをリアルタイムモニタリングで保存し、生成されるたびに保存するには、次のコマンドを実行します。
>sudojournalctl -u NetworkManager -f >> live_networkmanager.log
9 nmcliコマンドの解説 #
このセクションでは、ネットワークを管理するためにNetworkManagerデーモンと対話するために使用可能なnmcliコマンドのオプションとサブコマンドの概要について説明します。
nmcliコマンドの一般的な構文は次のとおりです。
# nmcli OPTIONSSUBCOMMANDSUBCOMMAND_ARGUMENTS
ここで、OPTIONSについては9.1項 「nmcliのコマンドオプション」で説明します。SUBCOMMANDには次のいずれかを指定できます。
-
connection ネットワーク接続を設定できます。詳細については、9.2項 「
connectionサブコマンド」を参照してください。-
device ネットワークデバイスの管理に使用されます。詳細については、9.3項 「
deviceサブコマンド」を参照してください。-
general ステータスと許可を表示します。詳細については、9.4項 「
generalサブコマンド」を参照してください。-
monitor NetworkManagerのアクティビティを監視し、接続とデバイスの状態に変化があるかどうかを監視します。このサブコマンドは引数を取りません。
-
networking ネットワーキングのステータスを問い合わせます。詳細については、9.5項 「
networkingサブコマンド」を参照してください。
9.1 nmcliのコマンドオプション #
サブコマンドとその引数のほかに、nmcliコマンドは次のオプションを取ることができます。
-
-a|--ask このコマンドは、コマンドの実行を停止して、不足している引数の入力を要求します。たとえば、ネットワークに接続するためのパスワードの入力を要求します。
-
-c|--color {yes|no|auto} カラー出力を制御します。
yesはカラーを有効にし、noは無効にします。autoは、標準出力を端末に出力する場合にのみカラー出力を生成します。-
-m|--mode {tabular|multiline} tabular(各行に単一のエントリを記述し、列でエントリの特定のプロパティを定義)と、multiline(各エントリは複数の行で構成され、各プロパティは専用の行に記述)とを切り替えます。tabularはデフォルト値です。-
-h|--help ヘルプを出力します。
-
-w|--wait seconds NetworkManagerが操作を完了まで待機するタイムアウト時間を設定します。このオプションは、接続の有効化など、完了までに時間がかかるコマンドに使用することをお勧めします。
9.2 connectionサブコマンド #
connectionコマンドでは、接続を管理したり、特定の接続に関する情報を表示したりできます。nmcli connectionでは、ネットワーク接続を管理するための次のコマンドが提供されています。
-
show 接続を一覧にします。
>nmcli connection showこのコマンドを使用して、指定した接続に関する詳細を表示することもできます。
>nmcli connection show CONNECTION_IDここで、CONNECTION_IDは、接続名、UUID、またはパスのいずれかの識別子です。
-
up 指定した接続を有効にします。このコマンドは、接続を再ロードする場合に使用します。また、接続に何らかの変更を加えた後にも、このコマンドを実行します。
>sudonmcli connection up [--active] [CONNECTION_ID]--activeを指定すると、アクティブなプロファイルのみが表示されます。デフォルトでは、アクティブな接続と静的な設定の両方が表示されます。-
down 接続を無効にします。
>sudonmcli connection down CONNECTION_IDここで、CONNECTION_IDは、接続名、UUID、またはパスのいずれかの識別子です。
接続を無効にすると、
autoconnectフラグが設定されていても、後で再接続しなくなります。-
modify 接続のプロパティを変更または削除します。
>sudonmcli connection modify CONNECTION_ID SETTING.PROPERTY PROPERTY_VALUE各要素の説明
CONNECTION_IDは、接続名、UUID、またはパスのいずれかの識別子です。
SETTING.PROPERTYは、プロパティの名前(
ipv4.addressesなど)です。PROPERTY_VALUEは、SETTING.PROPERTYの必要な値です。
次の例では、接続
ethernet1のautoconnectオプションを無効にします。>sudonmcli connection modify ethernet1 connection.autoconnect no-
add 指定した詳細を使用して接続を追加します。コマンドの構文は
modifyコマンドと同様です。>sudonmcli connection add CONNECTION_ID save YES|NO SETTING.PROPERTY PROPERTY_VALUE少なくとも
connection.typeを指定するか、typeを使用する必要があります。次の例では、eth0インタフェースに関連付けられたイーサネット接続をDHCPを使用して追加し、接続のautoconnectフラグを無効にします。>sudonmcli connection add type ethernet autoconnect no ifname eth0-
edit 対話型エディタを使用して既存の接続を編集します。
>sudonmcli connection edit CONNECTION_ID-
clone 既存の接続のクローンを作成します。最小限の構文は次のとおりです。
>sudonmcli connection clone CONNECTION_ID NEW_NAMEここで、CONNECTION_IDはクローンを作成する接続です。
-
delete 既存の接続を削除します。
>sudonmcli connection delete CONNECTION_ID-
monitor 指定した接続を監視します。接続が変更されるたびに、NetworkManagerは1行を出力します。
>sudonmcli connection monitor CONNECTION_ID-
reload すべての接続ファイルをディスクから再ロードします。NetworkManagerは、接続ファイルに対して行われた変更は監視しないため、ファイルに変更を加えた場合は常にこのコマンドを使用する必要があります。このコマンドは他のサブコマンドを取りません。
-
load 特定の接続ファイルをロード/再ロードします。次のように実行します。
>sudonmcli connection load CONNECTION_FILE
これらのコマンドの詳細については、nmcliドキュメントを参照してください。
9.3 deviceサブコマンド #
deviceサブコマンドを使用すると、ネットワークインタフェースを表示および管理できます。nmcli deviceコマンドは次のコマンドを認識します。
-
status すべてのデバイスのステータスを出力します。
>nmcli device status-
show デバイスに関する詳細情報を表示します。デバイスが指定されていない場合は、すべてのデバイスが表示されます。
>mcli device show [DEVICE_NAME]-
connect デバイスを接続します。NetworkManagerは、有効にする適切な接続を見つけようと試みます。互換性のある接続がない場合、新しいプロファイルが作成されます。
>sudonmcli device connect DEVICE_NAME-
modify 特定のデバイスでアクティブになっている設定に対して一時的な変更を行います。この変更は接続プロファイルに保存されません。
>sudonmcli device modify DEVICE_NAME [+|-] SETTING.PROPERTY VALUE指定可能なSETTING.PROPERTYの値については、nm-settings-nmcli(5)を参照してください。
次の例では、デバイス
con1でIPv4共有接続の共有を開始します。>sudonmcli dev modify con1 ipv4.method shared-
disconnect デバイスを接続解除し、手動で操作しない限り、デバイスがそれ以上接続を自動的に有効にしないようにします。
>sudonmcli device disconnect DEVICE_NAME-
delete インタフェースをシステムから削除します。このコマンドを使用して、ボンドやブリッジなどのソフトウェアデバイスのみを削除できます。このコマンドでハードウェアデバイスを削除することはできません。
>sudonmcli device delete DEVICE_NAME-
wifi 利用可能なすべてのアクセスポイントを一覧にします。
>nmcli device wifi-
wifi connect SSIDまたはBSSIDで指定したWi-Fiネットワークに接続します。このコマンドには次のオプションを指定できます。
password- セキュリティ保護されたネットワークのパスワードifname- 有効化に使用するインタフェースname- 接続に名前を付けることができます
>sudonmcli device wifi connect SSID [password PASSWORD_VALUE] [ifname INTERFACE_NAME]Wi-Fi GUESTWiFiにパスワード
pass$word2#@@で接続するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli device wifi connect GUESTWiFi password pass$word2#@@
9.4 generalサブコマンド #
このコマンドを使用して、NetworkManagerのステータスと許可を表示したり、ホスト名やログレベルを変更したりできます。nmcli
generalは次のコマンドを認識します。
-
status NetworkManagerの全体的なステータスを表示します。
nmcli generalコマンドに対してコマンドを指定しない場合は、常にデフォルトでステータスが使用されます。>nmcli general status-
hostname 新しいホスト名を引数として指定しない場合、現在のホスト名が表示されます。新しいホスト名を指定した場合は、その値を使用して新しいホスト名が設定されます。
>sudonmcli general hostname [HOSTNAME]たとえば、
MyHostnameを設定するには、次のコマンドを実行します。>sudonmcli general hostname MyHostname-
permissions ネットワーキングの有効化や無効化、接続の変更などのNetworkManagerの操作に対する許可を表示します。
>nmcli general permissions-
logging NetworkManagerのログレベルとドメインを表示および変更します。引数を指定しない場合、現在のログレベルとドメインが表示されます。
>sudonmcli general logging [level LEVEL domains DOMAIN]LEVELは、
OFF、ERR、WARN、INFO、DEBUG、またはTRACEのいずれかの値です。DOMAINは値のリストです。指定できる値は、
PLATFORM, RFKILL, ETHER, WIFI, BT, MB, DHCP4, DHCP6, PPP, WIFI_SCAN, IP4, IP6, AUTOIP4, DNS, VPN, SHARING, SUPPLICANT, AGENTS, SETTINGS, SUSPEND, CORE, DEVICE, OLPC, WIMAX, INFINIBAND, FIREWALL, ADSL, BOND, VLAN, BRIDGE, DBUS_PROPS, TEAM, CONCHECK, DCB, DISPATCH, AUDIT, SYSTEMD, VPN_PLUGIN, PROXYです。
9.5 networkingサブコマンド #
このサブコマンドでは、ネットワークのステータスを問い合わせることができます。また、このコマンドを使用して、ネットワーキングを有効化または無効化することもできます。nmcli networkingコマンドには次のコマンドを指定できます。
-
on/off ネットワーキングを有効化または無効化します。
offコマンドは、NetworkManagerによって管理されるすべてのインタフェースを無効化します。>sudonmcli networking on- connectivity
ネットワーク接続の状態を表示します。
checkを使用すると、NetworkManagerは状態の新規チェックを実行します。使用しない場合は、前回検出された状態が表示されます。>nmcli networking connectivity考えられる状態は次のとおりです。
none - ホストはどのネットワークにも接続されていません。
portal - ホストはキャプティブポータルの背後にあり、インターネット全体にはアクセスできません。
limited - ホストはネットワークに接続されていますが、インターネットにはアクセスできません。
full - ホストはネットワークに接続されていて、インターネットに完全にアクセスできます。
unknown - NetworkManagerはネットワークの状態を判断できませんでした。
10 トラブルシューティング #
NetworkManagerのインストールと設定に関する問題をデバッグおよびトラブルシューティングする方法を説明します。
10.1 ネットワークが実行されていない #
ネットワークが動作していない場合は、NetworkManager自体に原因がある可能性があります。これを確認するには、次の手順に従います。
NetworkManagerが有効でアクティブであることを確認します。
>sudosystemctl status networkNetworkManagerが無効な場合は、有効にします。
>sudosystemctl enable NetworkManagerNetworkManagerが非アクティブな場合は、再起動します。
>sudorestart NetworkManager
10.2 Wi-Fi接続の問題 #
Wi-Fi接続で問題が発生している場合は、次の手順に従います。
Wi-Fi接続のリストを表示します。
>sudonmcli device wifi list特定のデバイスがリストされている場合は、そのWi-Fi接続がアクティブであるか確認します。
>sudonmcli connection show --activeWi-Fi接続がリストされていない場合は、Wi-Fiステータスを確認します。
>sudonmcli device statusステータスが
disconnectedの場合は、接続を有効化します。>sudonmcli connection up CONNECTION_NAMEステータスが
unavailableの場合は、NetworkManagerを再起動します。>sudosystemctl restart NetworkManager
エラーメッセージがないかNetworkManagerログを確認します。
>sudojournalctl -u NetworkManager -n 100Wi-Fiデバイスがブロックされている可能性があります。
デバイスがブロックされているか確認します。
>sudorfkill listphy0: Wireless LAN Soft blocked: yes Hard blocked: noデバイスのブロックを解除します。
>sudorfkill unblock all
IPv4静的アドレスが正しく設定されていない場合があります。これを確認するには、DHCPを使用するようにリセットします。
>sudonmcli connection modify SSID ipv4.method auto接続を再び有効化してみます。
>sudonmcli connection up SSIDWi-Fiネットワークに再接続してみます。
>sudonmcli device wifi connect SSID password PASSWORD
10.3 ネットワークボンディングの問題 #
ネットワークボンディングの問題をトラブルシューティングするには、接続ステータスを確認し、ボンディングインタフェースのステータスをチェックし、 nmcliコマンドを使用してネットワークサービスを再起動します。
接続のステータスを一覧表示します。
nmcli connection statusボンディングインタフェースを含むネットワークデバイスのステータスを確認します。
nmcli device status/proc/net/bonding/bond0でボンディングインタフェースのステータスを確認します。このファイルは、ボンディングモード、アクティブなスレーブ、およびその他の関連する詳細に関する情報を提供します。
接続がアクティブな場合は、接続を有効にします。
nmcli con up connectionname必要に応じて接続を変更します。
nmcli con edit connectionname接続を再開します。
>sudonmcli connection up bond0
10.4 ネットワークチーミングに関する問題 #
/var/log/messagesで、ネットワークチーミングに関連するエラーメッセージを確認します。
デバイスとチーム接続の詳細を分析し、無効になっているデバイスを有効にし、必要に応じてボンディングモードを変更することで、ネットワークチーミングの問題をトラブルシューティングできます。変更を加えた後は、ネットワークチーム接続を再ロードし、NetworkManagerを再起動します。
デバイスのリストを表示します。
nmcli deviceチーム接続の詳細を表示します。
nmcli connection show teamnameインタフェースを有効にします。
nmcli connection modify teamname bond.options "mode=active-backup"ネットワークチーム接続を再ロードします。
nmcli connection reload teamnameNetworkManagerを再起動します。
>sudosystemctl restart NetworkManager.service
11 法的事項 #
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