SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Supportクライアントの登録

このセクションでは、SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support (Expanded Support)オペレーティングシステムを実行している従来のクライアントおよびSaltクライアントの登録について説明します。 Expanded SupportクライアントはRed Hat Enterprise LinuxまたはCentOSに基づいています。 これらは、SLESES、RESまたはRed Hat Expanded Supportと呼ばれることもあります。

SUSEによって提供されるExpanded Supportソフトウェアチャンネルは、パッケージの更新のみを提供します。パッケージそのものは提供しません。 Expanded Support クライアントを登録するには、Expanded Support製品(概要は以下を参照)を登録して必要なベースチャンネルを作成し、必要なRed HatまたはCentOSパッケージをカスタム子チャンネルとしてインポートする必要があります。 Expanded Supportソフトウェアチャンネルで提供される更新を適用する前に、初期パッケージをRed HatまたはCentOSから直接取得する必要があります。

ユーザは、Red HatまたはCentOSのベースメディアリポジトリおよびインストールメディアをアクセスできるようにする必要があります。

使用しているすべてのExpanded Supportシステムに対してSUSEのサポートを取得する必要があります。

従来のクライアントはExpanded Support 8では使用できません。 Expanded Support 8クライアントはSaltクライアントとしてのみサポートされます。

1. ソフトウェアチャンネルの追加

Expanded Supportクライアントでは、必要なパッケージの一部がRed Hat Enterprise LinuxまたはCentOSのインストールメディアに含まれています。 Expanded Supportクライアントを登録するには、その前にこれらのパッケージをインストールする必要があります。

Expanded Support製品はSUSE Customer Centerによって提供されます。 これには、クライアントツールパッケージも含まれています。

Expanded SupportクライアントをSUSE Managerサーバに登録する前に、必要なソフトウェアチャンネルを追加して同期する必要があります。

2つの異なるチャンネルセットを選択する必要があります。一方はExpanded Support用、他方はクライアントツール用です。

正しいExpanded Supportチャンネルに関連付けられているアクティベーションキーが必要です。 アクティベーションキーの詳細については、アクティベーションキーを参照してください。

このプロシージャで必要な製品は次のとおりです。

Table 1. ES製品 - WebUI
OSバージョン 製品名

Expanded Support 6

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 6 x86_64

Expanded Support 7

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 7 x86_64

Expanded Support 8

RHELまたはSLES ESまたはCentOS 8 BaseおよびSUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 8 x86_64

Expanded Support 6はサポート終了になっており、そのリポジトリで提供されるISOイメージは失効しています。 これらのパッケージを使用した新しいExpanded Support 6クライアントのブートストラップは失敗します。 新しいRed Hat 6クライアントをブートストラップする必要がある場合、クライアントのトラブルシューティングのトラブルシューティングプロシージャに従ってください。

SUSE Managerには、追加のソフトウェアが含まれているツールチャンネルが必要です。 このプロシージャは次のツールチャンネルを作成します。

Table 2. ESツールチェンネル
OSバージョン ベースチャンネル ツールチャンネル

Expanded Support 6

RHEL Expanded Support 6

RES6-SUSE-Manager-Tools x86_64

Expanded Support 7

RHEL Expanded Support 7

RES7-SUSE-Manager-Tools x86_64

Expanded Support 8

RHEL or SLES ES or CentOS 8 Base

RES8-Manager-Tools-Pool for x86_64 and RES8-Manager-Tools-Updates for x86_64

Expanded Support 6 はサポート終了になっており、そのリポジトリで提供されるISOイメージは失効しています。 これらのパッケージを使用した新しいExpanded Support 6クライアントのブートストラップは失敗します。 新しいExpanded Support 6クライアントをブートストラップする必要がある場合、クライアントのトラブルシューティングのトラブルシューティングプロシージャに従ってください。

プロシージャ: ソフトウェアチャンネルの追加
  1. SUSE ManagerのWeb UIで、管理  セットアップウィザード  製品に移動します。

  2. 検索バーを使用してクライアントのオペレーティングシステムおよびアーキテクチャに適切な製品を探し、適切な製品にチェックを付けます。 こうすることによって、すべての必須チャンネルに自動的にチェックが付きます。 また、include recommendedトグルがオンになっている場合、すべての推奨チャンネルにもチェックが付きます。 矢印をクリックして関連製品の一覧を表示し、必要な追加製品にチェックが付いていることを確認します。

  3. 製品の追加をクリックし、製品の同期が完了するまで待機します。

AppStreamリポジトリにはモジュールパッケージが用意されています。 SUSE ManagerのWeb UIに正しくないパッケージ情報が表示されます。 Web UIまたはAPIを使用してモジュールリポジトリから直接インストールまたはアップグレードするようなパッケージ操作は実行できません。

コンテンツライフサイクル管理(CLM)でAppStreamフィルタを使用して、モジュールリポジトリを通常のリポジトリに変換できます。 クライアントでspacecmdを使用する場合は、AppStreamフィルタを使用してpython:3.6を必ず含めてください。

または、Salt状態を使用してSaltクライアントでモジュラーパッケージを管理したり、クライアントでdnfコマンドを使用することもできます。 CLMの詳細については、Content Lifecycle Managementを参照してください。

1.1. ベースメディアの追加

ベースExpanded Supportチャンネルには、パッケージは含まれていません。その理由は、SUSEがRed Hat Enterprise LinuxまたはCentOSのベースメディアを提供しないためです。 ベースメディアをRed HatまたはCentOSから取得する必要があります。ベースメディアは、子チャンネルとしてExpanded Support親チャンネルに追加できます。 必要なパッケージのすべてがあることを確認するには、最小版やJeOSイメージではなく、フルDVDイメージを使用します。

SUSE Managerカスタムチャンネルを使用して、Red Hat Enterprise LinuxまたはCentOSのメディアを設定できます。 ベースメディアのすべてのパッケージは、子チャンネルにミラーリングする必要があります。

チャンネルの名前は自由に選択できます。

プロシージャ: カスタムチャンネルの作成
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動します。

  2. チャンネルの作成をクリックし、チャンネルに適切なパラメータを設定します。

  3. 親チャンネル]フィールドで、適切なベースチャンネルを選択します。

  4. チャンネルの作成をクリックします。

  5. 作成する必要があるすべてのチャンネルで繰り返します。 各カスタムリポジトリに1つのカスタムチャンネルが必要です。

該当するすべてのチャンネルとリポジトリを作成したことを確認できます。そのためには、ソフトウェア  チャンネル一覧  すべてに移動します。

Red Hat 8クライアントでは、ベースチャンネルとAppStreamチャンネルの両方を追加します。 両方のチャンネルのパッケージが必要です。 両方のチャンネルを追加しないと、パッケージ不足のためブートストラップリポジトリを作成できません。

モジュラーチャンネルを使用している場合は、クライアントでPython3.6モジュールストリームを有効にする必要があります。 Python 3.6を提供しない場合、spacecmdパッケージのインストールは失敗します。

プロシージャ: ベースメディアをカスタムチャンネルに追加する
  1. SUSE Managerサーバのコマンドプロンプトでrootとしてベースメディアイメージを/tmp/ディレクトリにコピーします。

  2. メディアコンテンツを含むディレクトリを作成します。 <os_name>sleses6sleses7、またはsleses8のいずれかに置き換えます。

    mkdir -p /srv/www/htdocs/pub/<os_name>
  3. イメージをマウントします。

    mount -o loop /tmp/<iso_filename> /srv/www/htdocs/pub/<os_name>
  4. 前に作成した子チャンネルにパッケージをインポートします。

    spacewalk-repo-sync -c <channel-label> -u file:///srv/www/htdocs/pub/<os_name>/<repopath>/

1.1.1. オプション: ベースチャンネルをコンテンツURLから追加する

または、Red Hat CDNまたはCentOSが提供するコンテンツURLにアクセスできる場合、カスタムリポジトリを作成してパッケージをミラーリングできます。

このプロシージャに必要な詳細は次のとおりです。

Table 3. ESカスタムリポジトリ設定
オプション パラメータ

リポジトリURL

Red Hat CDNまたはCentOS によって提供されるコンテンツURL

署名済みメタデータがあるかどうか

すべてのRed Hatエンタイトルメントリポジトリ のチェックを外します

SSL CA証明書

redhat-uep (Red Hatのみ)

SSLクライアント証明書

Entitlement-Cert-date (Red Hatのみ)

SSLクライアントキー

Entitlement-Key-date (Red Hatのみ)

プロシージャ: カスタムリポジトリの作成
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  リポジトリに移動します。

  2. リポジトリの作成をクリックし、リポジトリに適切なパラメータを設定します。

  3. リポジトリの作成をクリックします。

  4. 作成する必要があるすべてのリポジトリで繰り返します。

すべてのチャンネルを作成済みの場合、これらのチャンネルを、作成したリポジトリと関連付けできます。

プロシージャ: チャンネルのリポジトリとの関連付け
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動し、関連付けるチャンネルをクリックします。

  2. リポジトリ]タブに移動し、このチャンネルと関連付けるリポジトリにチェックを付けます。

  3. リポジトリの更新をクリックし、チャンネルとリポジトリを関連付けます。

  4. 関連付ける必要があるすべてのチャンネルとすべてのリポジトリを繰り返します。

  5. オプション: [同期]タブに移動し、このリポジトリの同期の繰り返しスケジュールを設定します。

  6. 今すぐ同期をクリックし、すぐに同期を開始します。

2. 同期ステータスの確認

手順: Web UIからの同期の進捗状況の確認
  1. SUSE ManagerのWeb UIで、管理  セットアップウィザードに移動し、[製品]タブを選択します。 このダイアログには、同期中の各製品の完了バーが表示されます。

  2. 代わりに、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動し、リポジトリに関連付けられているチャンネルをクリックします。 [リポジトリ]タブに移動し、[同期]をクリックし、[同期状態]をクリックします。

プロシージャ: コマンドプロンプトから同期の進捗状況を確認する
  1. SUSE Managerサーバのコマンドプロンプトで、rootとして、tailコマンドを使用して同期ログファイルを確認します。

    tail -f /var/log/rhn/reposync/<channel-label>.log
  2. それぞれの子チャンネルは、同期の進捗中にそれぞれのログを生成します。 同期が完了したことを確認するには、ベースチャンネルと子チャンネルのログファイルをすべて確認する必要があります。

Expanded Supportチャンネルは非常に大きいことがあります。 最初のチャンネル同期は数時間かかる場合があります。

最初の同期が完了したとき、このチャンネルを使用する前にチャンネルを複製することをお勧めします。 この操作を実行すると、元の同期データのバックアップを作成できます。

3. Expanded Supportクライアントの登録

Expanded Supportクライアントは、登録できるようになりました。

クライアントの登録については、クライアント登録の概要を参照してください。

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 6クライアントを登録して使用するには、SUSE Managerサーバを設定して旧式のSSL暗号化をサポートする必要があります。 このエラーを解決する方法については、古いクライアントの登録クライアントのトラブルシューティングで参照してください。