9 ブートパラメータ #
SUSE Linux Enterprise Microでは、ブート時に複数のパラメータを設定できます。これらのパラメータを使用して、インストールデータの入手元を選択したり、ネットワーク環境設定を設定したりすることができます。
  適切なブートパラメータのセットを使えば、インストールの手順を容易にすることができます。多くのパラメータは、後ほどlinuxrcルーチンを使って設定することもできますが、ブートパラメータを使用するほうが簡単です。いくつかの自動セットアップでは、ブートパラメータをinitrdまたはinfoファイルで設定することもできます。
 
インストール時のシステムの起動方法は、アーキテクチャによって異なります。たとえば、システムがPC (AMD64/Intel 64)であるかメインフレームであるかによって、システムの起動形態が異なります。KVMまたはXenハイパーバイザ上のVMゲストとしてSUSE Linux Enterprise Microをインストールする場合は、AMD64/Intel 64アーキテクチャ向けの指示に従います。
「ブートパラメータ」および「ブートオプション」という用語は、同義語として使用されることが多いですが、このドキュメントでは、ほとんどの場合、「ブートパラメータ」を使用します。
9.1 デフォルトのブートパラメータを使う #
一般に、を選択すると、インストールブートプロセスが開始します。
問題が発生した場合は、またはを使用します。インストールプロセスでのトラブルシューティングについての詳細は、第12章 「トラブルシューティング」を参照してください。
画面の下部にあるメニューバーには、セットアップで必要になる、いくつかの高度な機能が用意されています。ファンクションキー(F1 ... F12)を使えば、これらのパラメータの構文の詳細を知らなくても、インストールルーチンに渡す付加オプションを指定できます(第9章 「ブートパラメータ」を参照)。使用可能な機能キーの詳細については、9.2.1項 「従来のBIOSを備えたマシンのブート画面」を参照してください。
9.2 PC (AMD64/Intel 64/Arm AArch64) #
このセクションでは、AMD64、Intel 64、ARM AArch64のブートパラメータを変更する方法について説明します。
9.2.1 従来のBIOSを備えたマシンのブート画面 #
ブート画面には、インストール手順の複数のオプションが表示されます。は、インストールしたシステムをブートし、デフォルトで選択されています。これは、多くの場合、CDがドライブに残っているからです。矢印キーで他のオプションの1つを選択し、Enterを押します。関連するオプションは次のとおりです。
- 通常のインストールモード。最新のハードウェア機能のすべてが有効になります。インストールが失敗した場合は、F5で問題の原因となっている可能性のある機能を無効にするブートパラメータについて参照してください。 
- ›
- すでにインストールされているLinuxシステムを起動します。システムを起動するパーティションを求められます。 
- ›
- このオプションは、ダウンロードしたISOから作成したメディアからインストールする場合のみ使用できます。その場合、インストールメディアの整合性をチェックすることをお勧めします。このオプションを選択すると、インストールシステムの起動後、自動的にメディアがチェックされます。チェックが成功した場合は、通常のインストールルーチンが開始されます。メディアの破損が検出された場合は、インストールルーチンが中止されます。破損したメディアを交換し、インストール作業をやり直します。 
- ›
- 読み取りと書き込みサイクルを繰り返して、システムのRAMをテストします。リブートしてテストを終了します。詳細については、12.4項 「ブートできない」を参照してください。 
画面下部に示されたファンクションキーを使用して、言語、画面解像度、インストールソースを変更したり、ハードウェアベンダからのドライバを追加します。
- F1
- ブート画面のアクティブ要素の文脈依存型ヘルプを表示します。ナビゲートには矢印キー、リンクのアクセスにはEnter、ヘルプ画面の終了にはEscを使用します。 
- F2
- インストールシステムの表示言語および対応のキーボードレイアウトを選択します。デフォルト言語は、英語(米国)が選択されています。 
- F3
- インストールに使用するグラフィカルディスプレイモードを選択します。では、KMS (「カーネルモード設定」)を使用してビデオ解像度が自動的に決まります。この設定が機能しないシステムでは、を選択し、さらに必要に応じて、ビデオ解像度の指定を求めるブートコマンドラインで - vga=askを指定します。GUIでのインストールで問題が発生する場合はを選択します。
- F4
- 通常、インストールはデバイスに挿入されたメディアから実行されます。ここでは、FTPやNFSサーバなどの、他のソースを選択します。SLPサーバのあるネットワークでインストールを展開する場合は、このオプションを使用して、SLPサーバ上のインストールソースを選択します。 
- F5
- 通常のインストールで問題が発生した場合は、このメニューで、問題の原因として考えられるいくつかの機能を無効にできます。お使いのハードウェアでACPI(advanced configuration and power interface)がサポートされていない場合は、選択してACPIサポートなしでインストールを実行します。を選択すると、一部のハードウェアで問題の原因となる可能性のあるAPIC (Advanced Programmable Interrupt Controllers)のサポートが無効になります。を選択すると、DMAモード(CD/DVD-ROMドライブ用)で電源管理機能は無効のままシステムがブートされます。 - どちらにすべきかわからない場合、またはのオプションを最初に試してください。上級ユーザは、コマンドライン()を使用してカーネルパラメータを入力または変更することもできます。 
- F6
- このキーを押すと、SUSE Linux Enterprise Microに適用できるオプションのドライバアップデートがあることをシステムに通知できます。またはを使用して、インストール開始前にドライバを直接ロードします。を選択した場合、インストールプロセス中の適切な時点で、アップデートディスクの挿入を要求するプロンプトが表示されます。 
9.2.2 UEFIを搭載したマシンのブート画面 #
UEFI (Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOSの後継で機能を拡張した新しい業界規格です。最新のUEFIの実装には「セキュアブート」拡張機能が用意されています。この機能は、署名済みのブートローダのみの実行を許可することにより、悪意のあるコードのブートを防止します。
    従来のBIOSでのマシンのブートに使用するブートマネージャGRUB 2は、UEFIをサポートしていません。そのため、GRUB 2はGRUB 2 for EFIに置き換えられています。セキュアブートが有効な場合、YaSTは自動的にインストールにGRUB 2 for EFIを選択します。管理およびユーザの視点からは、両方のブートマネージャの実装形態は同様に動作し、次ではGRUB 2と呼ばれています。
   
セキュアブートを有効にしてインストールする場合、SUSE Linux Enterprise Microに付属していないドライバはロードできません。これは、SolidDriverに付属しているドライバについても同様です。デフォルトでは、それらのドライバの署名キーが信頼されていないからです。
SUSE Linux Enterprise Microに付属していないドライバをロードするには、次のいずれかの操作を行います。
- インストール前に、ファームウェア/システム管理ツールを使ってファームウェアデータベースに必要なキーを追加します。 
- ブート可能なISOを使用して、最初のブート時に必要なキーがMOKリストに登録されるようにします。 
ブート画面には、インストール手順の複数のオプションが表示されます。矢印キーで選択したオプションを変更し、Enterを押してブートします。関連するオプションは次のとおりです。
- 通常のインストールモード。最新のハードウェア機能のすべてが有効になります。インストールが失敗した場合は、F5で問題の原因となっている可能性のある機能を無効にするブートパラメータについて参照してください。 
- ›
- グラフィックユーザインタフェースのない、最小構成のLinuxを起動します。次の情報を参照してください: 
- ›
- すでにインストールされているLinuxシステムを起動します。システムを起動するパーティションを求められます。 
- ›
- このオプションは、ダウンロードしたISOから作成したメディアからインストールする場合のみ使用できます。その場合、インストールメディアの整合性をチェックすることをお勧めします。このオプションを選択すると、インストールシステムの起動後、自動的にメディアがチェックされます。チェックが成功した場合は、通常のインストールルーチンが開始されます。メディアの破損が検出された場合は、インストールルーチンが中止されます。 
SUSE Linux Enterprise Micro上のGRUB 2 for EFIは、ブートパラメータを追加するためのブートプロンプトもファンクションキーもサポートしていません。デフォルトでは、使用言語を米英語、ブートメディアをインストールソースとしてインストールが始まります。DHCPルックアップの実行によってネットワークが設定されます。これらのデフォルト設定を変更する場合やブートパラメータを追加する場合は、該当のブートエントリを編集する必要があります。矢印キーを使用して強調表示にして、Eを押します。ヒントを編集するには、オンスクリーンヘルプを参照します(ここでは、英語のキーボードのみが使用可能であることに注意してください)。エントリが次のように表示されます。
setparams 'Installation' set gfxpayload=keep echo 'Loading kernel ...' linuxefi /boot/x86_64/loader/linux splash=silent echo 'Loading initial ramdisk ...' initrdefi /boot/x86_64/loader/initrd
linuxefiで始まる行の末尾に、スペースで区切って複数のパラメータを追加します。編集済みエントリをブートするにはF10を押します。シリアルコンソールを介してマシンにアクセスする場合には、Esc–0を押します。すべてのパラメータのリストはhttps://en.opensuse.org/Linuxrcから入手できます。
   
9.3 重要なブートパラメータのリスト #
このセクションでは、特定の重要なブートパラメータについて説明します。
9.3.1 一般的なブートパラメータ #
- autoyast=URL
- autoyastパラメータは、自動インストール用- autoinst.xml制御ファイルの場所を指定します。
- manual=<0|1>
- manualパラメータは、他のパラメータをユーザによる肯定応答が引き続き必要なデフォルト値のみにするかどうかを制御します。すべての値を受け入れて、確認のメッセージを表示しないようにする場合は、このパラメータを- 0に設定します。- autoyastを設定すると、暗示的に- manualが- 0に設定されます。
- Info=URL
- 追加オプションの読み取り元ファイルの場所を指定します。 
- upgrade=<0|1>
- SUSE Linux Enterprise Microをアップグレードするには、 - Upgrade=1を指定します。
- dud=URL
- URLからドライバのアップデートをロードします。 - URLからドライバをロードするには、URLを - dud=ftp://ftp.example.com/PATH_TO_DRIVERまたは- dud=http://www.example.com/PATH_TO_DRIVERに設定します。- dud=1を指定すると、ブート時にURLが求められます。
- language=LANGUAGE
- インストール言語を設定します。サポートされる値は、 - cs_CZ、- de_DE、- es_ES、- fr_FR、- ja_JP、- pt_BR、- pt_PT、- ru_RU、- zh_CN、および- zh_TWです。
- acpi=off
- ACPIサポートを無効にします。 
- noapic
- 論理APICがありません。 
- nomodeset
- KMSを無効にします。 
- textmode=1
- インストーラをテキストモードで起動します。 
- console=SERIAL_DEVICE[,MODE]
- SERIAL_DEVICEには物理的なシリアルデバイスやパラレルデバイス( - ttyS0など)を指定することも、仮想ターミナル(- tty1など)を指定することもできます。MODEは、ボーレート、パリティ、ストップビット(- 9600n8など)です。この設定のデフォルト値は、マザーボードのファームウェアで設定されます。モニタに出力がない場合は、- console=tty1を設定してみてください。複数のデバイスの定義が可能です。
9.3.2 ネットワークインタフェースの設定 #
このセクションで説明する設定は、インストール時に使用されるネットワークインタフェースのみに適用されます。
    ネットワークは、インストール時に必要とされる場合にのみ設定されます。ネットワークの設定を強制するには、netsetupパラメータまたはifcfgパラメータを使用します。
   
- netsetup=VALUE
- netsetup=dhcpは、DHCP経由での設定を強制します。ブートパラメータ- hostip、- gateway、- nameserverでネットワークを設定する際には、- netsetup=-dhcpを設定します。オプション- netsetup=hostip,netmask,gateway,nameserverを使用すると、インストーラによってブート時にネットワーク設定が要求されます。
- ifcfg=INTERFACE[.VLAN]=[.try,]SETTINGS
- INTERFACEとして - *を指定すると、すべてのインタフェースが設定対象になります。たとえば、- eth*を指定すると、- ethで始まるすべてのインタフェースが設定対象になります。値としてMACアドレスを使用することも可能です。- 必要に応じて、インタフェース名の後ろにVLANを設定することができます。その際には、インタフェースとVLANの間にピリオドを追加します。 - SETTINGSが - dhcpの場合、該当するすべてのインタフェースにDHCPが設定されます。- tryオプションを追加すると、設定されたいずれかのインタフェースを使用してインストールリポジトリにアクセスできた時点で、設定が停止します。- もしくは、静的な設定を使用します。 - tryオプションを追加しない場合、静的なパラメータを使用して、最初に対象となったインタフェースのみを設定します。この場合、リポジトリにアクセスできるまですべてのインタフェースを設定します。- 静的な設定の構文は次のとおりです。 - ifcfg=*="IPS_NETMASK,GATEWAYS,NAMESERVERS,DOMAINS" - カンマで区切られた各値には、スペースで区切られた一連の値を指定することができます。IPS_NETMASKは、CIDR表記( - 10.0.0.1/24など)になります。引用符が必要になるのは、スペースで区切られたリストを使用している場合のみです。次の例では、2つのネームサーバを指定しています。- ifcfg=*="10.0.0.10/24,10.0.0.1,10.0.0.1 10.0.0.2,example.com" ヒント: その他のネットワークパラメータ- ifcfgブートパラメータは非常に強力で、ほとんどすべてのネットワークパラメータを設定できます。上記のパラメータに加えて、- /etc/sysconfig/network/ifcfg.templateと- /etc/sysconfig/network/configのすべての設定オプション(カンマ区切り)の値を設定できます。次の例では、DHCPを介して設定されていないインタフェース上にカスタムMTUサイズを設定しています。- ifcfg=eth0=dhcp,MTU=1500 
- hostname=host.example.com
- 完全修飾ホスト名を入力します。 
- domain=example.com
- DNSのドメインサーチパス完全修飾ホスト名ではなく短いホスト名を使用できます。 
- hostip=192.168.1.2[/24]
- 設定するインタフェースのIPアドレスを入力します。IPには、サブネットマスクを含めることができます。たとえば、 - hostip=192.168.1.2/24と指定します。この設定は、インストール時にネットワークが必要な場合にのみ評価されます。
- gateway=192.168.1.3
- 使用するゲートウェイを指定します。この設定は、インストール時にネットワークが必要な場合にのみ評価されます。 
- nameserver=192.168.1.4
- サービスを提供するDNSサーバを指定します。この設定は、インストール時にネットワークが必要な場合にのみ評価されます。 
- domain=example.com
- ドメインの検索パス。この設定は、インストール時にネットワークが必要な場合にのみ評価されます。 
9.3.3 インストールソースの指定 #
DVDまたはUSBフラッシュドライブをインストールに使用しない場合は、別のインストールソースを指定します。
- install=SOURCE
- 使用するインストールソースの場所を指定します。使用できるプロトコルは、 - cd、- hd、- slp、- nfs、- smb(Samba/CIFS)、- ftp、- tftp- http、および- httpsです。一部のソースタイプは特定のプラットフォームでは使用できません。- デフォルトのオプションは - cdです。- ftp、- tftpまたは- smbのURLを指定する場合は、URLとともにユーザ名およびパスワードを指定します。これらのパラメータは任意に指定します。指定しない場合は、匿名またはゲストログインが想定されます。例:- install=ftp://USER:PASSWORD@SERVER/DIRECTORY/DVD1/ - 暗号化された接続でインストールするには、 - httpsのURLを使用します。証明書を検証できない場合は、- sslcerts=0ブートパラメータを使用して、証明書のチェックを無効にします。- SambaまたはCIFSインストールの場合は、次のように、使用する必要があるドメインを指定することもできます。 - install=smb://WORKDOMAIN;USER:PASSWORD@SERVER/DIRECTORY/DVD1/ - cd、- hdまたは- slpを使用するには、次の例のように設定します。- install=cd:/ install=hd:/?device=sda/PATH_TO_ISO install=slp:/ 
9.3.4 リモートアクセスの指定 #
リモート制御方法は一度に1つしか指定できませんが、SSH、VNC、リモートXサーバなど、さまざまな種類が存在します。このセクションで列挙されているパラメータの使用方法については、第11章 「リモートインストール」を参照してください。
- display_ip=IP_ADDRESS
- Display_IPを設定すると、インストール中のシステムは、指定のアドレスにあるXサーバへの接続を試みます。重要: X認証メカニズム- X Window Systemを使用する直接インストールでは、ホスト名に基づくプリミティブな認証メカニズムに依存します。現在のバージョンのSUSE Linux Enterprise Microでは、このメカニズムが無効になっています。SSHまたはVNCによるインストールが推奨されています。 
- vnc=1
- インストール時にVNCサーバを有効にします。 
- vncpassword=PASSWORD
- VNCサーバのパスワードを設定します。 
- ssh=1
- sshは、SSHでのインストールを有効にします。
- ssh.password=PASSWORD
- インストール時のrootユーザ用のSSHパスワードを指定します。 
9.4 詳細設定 #
   インストール時のローカルRMTまたはsupportconfigサーバへのアクセスを設定するには、これらのサービスをインストール中に設定するようにブートパラメータを指定することができます。インストールの際にIPv6のサポートを必要とする場合も、同様の手順を実行します。
  
9.4.1 インストール時のIPv6の使用 #
デフォルトでは、マシンにIPv4ネットワークアドレスのみを割り当てることができます。インストールの際にIPv6を有効にするには、以下のパラメータのいずれかをブートプロンプトで入力します。
- IPv4とIPv6が使用可能
- ipv6=1 
- IPv6のみが使用可能
- ipv6only=1 
9.4.2 インストール時のプロキシの使用 #
リモートWebサイトのアクセスにプロキシサーバを使用するネットワークでは、インストール時の登録は、プロキシサーバの設定時にのみ可能です。
インストール時にプロキシを使用するには、ブート画面でF4キーを押し、必要なパラメータをダイアログに指定します。
    あるいは、カーネルパラメータproxyをブートプロンプトで指定します。
   
- インストール画面でEキーを押すと、ブートパラメータのエディタが開きます。 
- 次の構文を使用して、新しい行を追加します。 - proxy=http://USER:PASSWORD@proxy.example.com:PORT - USERとPASSWORDの指定は任意です。サーバで匿名アクセスを許可する場合は、次のデータで十分です。 - http://proxy.example.com:PORT - たとえば、次のように表示されます。 図 9.3: GRUBオプションエディタ #
- F10キーを押して、新しいプロキシ設定でブートします。 
9.4.3 SELinuxサポートを有効にする #
インストール開始時にSELinuxを有効にすることで、インストールが終了した後、再起動する必要なく、SELinuxサポートを設定することができます。使用するパラメータは、以下のとおりです。
security=selinux selinux=1
9.4.4 高DPI用にユーザインタフェースをスケーリング #
    画面で非常に高いDPIを使用する場合は、ブートパラメータQT_AUTO_SCREEN_SCALE_FACTORを使用します。これは、フォントとユーザインタフェース要素を画面DPIにスケーリングします。
   
QT_AUTO_SCREEN_SCALE_FACTOR=1
9.4.5 CPU緩和策の使用 #
    ブートパラメータmitigationsでは、影響を受けるCPUへのサイドチャネル攻撃に対する緩和策オプションを制御できます。指定可能な値は次のとおりです。
   
auto. 
   お使いのCPUモデルで必要なすべての緩和策を有効化しますが、CPUスレッドを跨いだ攻撃は保護できません。この設定による性能面への影響は、負荷内容によって異なります。
  
nosmt. 
    利用可能なセキュリティ面の緩和策をすべて実施することになります。お使いのCPUモデルで必要なすべての緩和策を有効化します。さらに、複数のCPUスレッドを跨いだサイドチャネル攻撃を防ぐため、同時マルチスレッディング(SMT)の機能も無効化します。これにより、負荷内容にもよりますが、[自動]よりも性能面への影響が増すことになります。
    
off. 
    全ての緩和策を無効化します。CPUのモデルによってさまざまなサイドチャネル攻撃の可能性が高まることになります。この設定により性能面への影響はなくなります。
   
各値には、CPUアーキテクチャ、カーネルバージョン、および緩和される必要がある脆弱性によって、特定のパラメータのセットが付属しています。詳細については、カーネルのマニュアルを参照してください。
9.5 詳細情報 #
ブートパラメータの詳細については、openSUSE wiki (https://en.opensuse.org/SDB:Linuxrc#Parameter_Reference)を参照してください。

