6 アップグレードの終了 #
アップグレード後に、いくつかの追加タスクを実行する必要があります。以下の章では、順を追って手順を説明します。
6.1 古いパッケージの確認 #
zypper packagesを使用して、孤立したパッケージと不要パッケージを確認します。
  
孤立したパッケージは、任意の設定済みパッケージリポジトリで使用できなくなりました。更新できなくなり、サポートされなくなりました。
孤立したパッケージのリストを取得するには、次のコマンドを実行します。
>zypper packages --orphaned
不要パッケージとは、ユーザによって明示的にインストールされたか、またはパターンや製品の一部として暗黙的にインストールされ、その間に削除されたパッケージの依存関係です。これらは通常、必要性がなくなり、削除する必要があります。
不要パッケージのリストを取得するには、次のコマンドを実行します。
>zypper packages --unneeded
    不要パッケージを避けるには、--clean-depsオプションを指定してzypper rmを使用するか、 › を有効にしてYaSTを使用します。
   
次のコマンドを実行して両方のリストを1つに結合できます。
>zypper packages --orphaned --unneeded
これらのリストを使用して、まだ必要なパッケージと、安全に削除できるパッケージを決定します。
    パッケージが名前変更されたり、パターンや製品から削除されたりすると、zypperは、それらがインストールにとって依然として重要であるにもかかわらず、明示的にインストールされたとはみなさなくなり、不要とマークする場合があります。
   
削除するパッケージのリストを注意深く確認してください。
1つのコマンドで孤立したパッケージおよび不要パッケージをすべて削除するには、次のコマンドを実行します。
>sudozypper rm $(zypper --no-refresh packages --orphaned --unneeded | gawk '{print $5}' | tail -n +5)
単一のパッケージまたはパターンをアンインストールから除外します。
>sudozypper rm $(zypper --no-refresh packages --orphaned --unneeded | gawk '{print $5}' | tail -n +5 | grep -v PACKAGE_TO_EXCLUDE)
テキストファイルで定義されている複数のパッケージを改行で区切って除外します。
>sudozypper rm $(zypper --no-refresh packages --orphaned --unneeded | gawk '{print $5}' | tail -n +5 | grep -v -f /PACKAGES/TO/KEEP.txt)
6.2 設定ファイルの確認 #
*.rpmnewおよび*.rpmsaveファイルがあるかどうかを確認します。パッケージのインストール後に変更されたデフォルトの設定ファイルの変更がアップグレードに含まれている場合、ファイルを上書きするのではなく、これらのファイルタイプの1つが作成されます。*.rpmnewに新しいデフォルトの設定が含まれ、変更されたファイルがそのまま残りますが、*.rpmsaveは新しいデフォルトファイルによって置き換えられた変更され設定のコピーです。
  
   これらのファイルが見つかった場合は、その内容を調べて、必要な変更をマージします。ファイルシステム全体を検索する必要はありません。/etcディレクトリのみ検索します。次のコマンドを実行します。
  
>find /etc/ -name "*.rpmnew" -o -name "*.rpmsave"
6.3 Python 3モジュールを有効にする #
SUSE Linux Enterprise Server 15では、デフォルトでPython 3.6を使用します。SLES 15 SP3では、最新の代替手段としてPython 3.9が追加されました。このバージョンは、SLES 15 SP4ではサポートされなくなりました。代わりに、重要な更新とセキュリティ更新を含む最新のPythonバージョンは、Python 3モジュールを通じて入手できます。
  
SUSE Linux Enterprise Server 15 SP3にPython 3.9をインストールした場合は、次のコマンドを使用してPython 3モジュールを有効にします。
  
>sudoSUSEConnect -p sle-module-python3/15.7/x86_64.
   または、zypper remove -u python39を使用して3.9を削除して、デフォルトのPythonバージョンに戻すこともできます。
  
6.4 XFS v4デバイスを再フォーマットする #
SUSE Linux Enterprise Serverは、XFSファイルシステムの「オンディスクフォーマット」(v5)をサポートしています。このフォーマットの主な利点には、全XFSメタデータの自動チェックサム、ファイルタイプのサポート、および1つのファイルに対する大量のアクセス制御リストのサポートがあります。
   このフォーマットは、SUSE Linux Enterpriseカーネルの3.12より古いバージョン、xfsprogsの3.2.0より古いバージョン、およびSUSE Linux Enterprise 12より前にリリースされたバージョンのGRUB 2ではサポートされていません。
  
XFSではV4フォーマットのファイルシステムが非推奨になっています。このファイルシステムフォーマットは次のコマンドで作成されました。
>sudomkfs.xfs -m crc=0 DEVICE
    このフォーマットはSLE 11以前のリリースで使用されていたもので、現在はdmesgによって警告メッセージが生成されます。
   
Deprecated V4 format (crc=0) will not be supported after September 2030
dmesgコマンドの出力に上記のメッセージが表示されたら、ファイルシステムをV5フォーマットに更新することをお勧めします。
   
- データを別のデバイスにバックアップします。 
- そのデバイスにファイルシステムを作成します。 - >- sudomkfs.xfs -m crc=1 DEVICE
- 更新したデバイスにバックアップからデータを復元します。