18 NFSv4上でのアクセス制御リストの管理 #
  Linuxには、ユーザ、グループ、およびその他(ugo)に対する簡単な読み込み、書き込み、および実行(rwx)の各フラグ以上の、ACL (アクセス制御リスト)の単一標準はありません。よりきめ細かな制御のオプションの1つにDraft POSIX ACLがあります。ただし、これらのACLは、POSIXによって正式に標準化されたことはありません。もう1つは、NFSv4ネットワークファイルシステムの一部として設計されたNFSv4 ACLです。NFSv4 ACLは、Linux上のPOSIXシステムとMicrosoft Windows上のWIN32システム間に適切な互換性を提供することを目的としています。
 
  NFSv4 ACLは、Draft POSIX ACLを正しく実装できるほど十分ではないので、NFSv4クライアントへのACLアクセスのマッピングは試みられていません(setfaclの使用など)。
 
  NFSv4の使用時は、Draft POSIX ACLはエミュレーションでさえ使用できず、NFSv4 ACLを直接使用する必要があります。つまり、setfaclをNFSv3で動作させながら、NFSv4で動作させることはできません。NFSv4 ACLをNFSv4ファイルシステムで使用できるようにするため、SUSE Linux Enterprise Serverでは、次のファイルを含むnfs4-acl-toolsパッケージを提供しています。
 
- nfs4-getfacl
- nfs4-setfacl
- nfs4-editacl
  これらの動作は、NFSv4 ACLを検証および変更するgetfaclおよびsetfaclとほぼ同様です。これらのコマンドは、NFSサーバ上のファイルシステムがNFSv4 ACLを完全にサポートしている場合にのみ有効です。サーバによって課される制限は、クライアントで実行されているこれらのプログラムに影響を与え、ACE (Access Control Entries)の一部の特定の組み合わせが不可能なことがあります。
 
エクスポート元のNFSサーバにNFSボリュームをローカルにマウントすることはサポートされていません。
追加情報#
詳細については、Introduction to NFSv4 ACLs (http://wiki.linux-nfs.org/wiki/index.php/ACLs#Introduction_to_NFSv4_ACLs)を参照してください。