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適用項目 SUSE Enterprise Storage 7

25 NFS Ganesha

NFS Ganeshaは、オペレーティングシステムカーネルの一部としてではなく、ユーザアドレススペースで動作するNFSサーバです。NFS Ganeshaを使用することで、Cephなど独自のストレージメカニズムをプラグインして、任意のNFSクライアントからアクセスできます。詳細については、5.4.3.6項 「NFS Ganeshaの展開」を参照してください。

注記
注記: NFS Ganeshaのパフォーマンス

NFSゲートウェイ経由でCephにアクセスすると、ネイティブのCephFSと比較してアプリケーションのパフォーマンスが大幅に低下する場合があります。これは、プロトコルオーバーヘッドが増加し、クライアントとストレージ間の余分なネットワークホップによって追加の遅延が発生するためです。

各NFS Ganeshaサービスは次のような階層状の設定から構成されます。

  • ブートストラップ用のganesha.conf

  • サービスごとのRADOS共通設定オブジェクト

  • エクスポートごとのRADOS設定オブジェクト

ブートストラップ設定は、コンテナ内でnfs-ganeshaデーモンを起動するために最小限必要な設定です。各ブートストラップ設定には%urlディレクティブが含まれます。このディレクティブにより、必要に応じてRADOS共通設定オブジェクトから追加の設定が読み込まれます。共通設定オブジェクトには追加の%urlディレクティブを含めることができます。このディレクティブはエクスポートRADOS設定オブジェクトで定義された各NFSエクスポートを対象とするものです。

NFS Ganeshaの構造
図 25.1: NFS Ganeshaの構造

25.1 NFSサービスの作成

Cephサービスの展開内容を指定する方法としては、YAMLフォーマットのファイルを作成して、展開したいサービスの仕様を記載することをお勧めします。サービスの種類ごとに個別の仕様ファイルを作成できます。また、複数(もしくは、すべて)の種類のサービスを1つのファイルで指定することも可能です。

選択した方法に応じて、NFS Ganeshaサービスを作成するために関連するYAMLフォーマットのファイルのアップデートまたは作成が必要になります。ファイルの作成の詳細については、5.4.2項 「サービス仕様と配置仕様」を参照してください。

ファイルのアップデートまたは作成が完了したら、次のコマンドを実行してnfs-ganeshaサービスを作成してください。

cephuser@adm > ceph orch apply -i FILE_NAME

25.2 NFS Ganeshaの起動または再起動

NFS Ganeshaサービスを起動するには、次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > ceph orch start nfs.SERVICE_ID

NFS Ganeshaサービスを再起動するには、次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > ceph orch restart nfs.SERVICE_ID

単一のNFS Ganeshaデーモンを再起動したいだけなら、次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > ceph orch daemon restart nfs.SERVICE_ID

NFS Ganeshaが起動または再起動した時点では、NFS v4に90秒の猶予タイムアウトが設定されています。猶予期間中、クライアントからの新しい要求はアクティブに拒否されます。したがって、NFSが猶予期間の場合、クライアントで要求の低速化が発生することがあります。

25.3 NFS回復プールのオブジェクトの一覧

NFS回復プールのオブジェクトを一覧にするには、次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > rados --pool POOL_NAME --namespace NAMESPACE_NAME ls

25.4 NFSエクスポートの作成

NFSエクスポートを作成するには、次のコマンドを実行します。

注記
注記

希望するcephxユーザIDとシークレットアクセスキーが含まれるように、FSALブロックを修正する必要があります。

cephuser@adm > rados --pool POOL_NAME --namespace NAMESPACE_NAME put export-1 export-1

25.5 NFSエクスポートの確認

NFS v4は疑似ファイルシステムのルートにエクスポートのリストを作成します。NFS Ganeshaサーバノードの/をマウントすることで、NFS共有がエクスポートされたことを確認できます。

root # mount -t nfs nfs_ganesha_server_hostname:/ /path/to/local/mountpoint
root # ls /path/to/local/mountpoint cephfs
注記
注記: NFS Ganeshaはv4のみ

デフォルトでは、cephadmがNFS v4サーバを設定します。NFS v4はrpcbindデーモンともmountdデーモンとも対話しません。showmountのなどのNFSクライアントツールは設定済みエクスポートを表示しません。

25.6 NFSエクスポートのマウント

エクスポートされたNFS共有をクライアントホストにマウントするには、次のコマンドを実行します。

root # mount -t nfs nfs_ganesha_server_hostname:/ /path/to/local/mountpoint

25.7 複数のNFS Ganeshaクラスタ

複数のNFS Ganeshaクラスタを定義できます。これにより、次のことが実現できます。

  • CephFSへのアクセスのために分離されたNFS Ganeshaクラスタ。