40 ヘルプとドキュメント #
SUSE® Linux Enterprise Desktopでは、オンラインで利用できるか、インストール済みのシステムに統合されている、いくつかの情報源とドキュメントが提供されています。
- 製品マニュアル
SUSE Linux Enterprise Desktopの広範なドキュメントは、https://documentation.suse.com/#sledで入手できます。展開、アップグレード、システム管理から、仮想化、システムチューニング、セキュリティなど多岐にわたるトピックが網羅されています。
/usr/share/doc
のドキュメントこのディレクトリには、システムのリリースノートがあります(
release-notes
サブディレクトリ内)。また、このディレクトリのpackages
サブディレクトリには、インストール済みパッケージの情報も含まれています。詳細については40.1項 「ドキュメントディレクトリ」 を参照してください。- シェルコマンドのマニュアルページと情報ページ
シェルを使用する場合は、コマンドのオプションを記憶しておく必要はありません。シェルは以前からマニュアルページおよび情報ページによって統合ヘルプを提供しています。詳細については40.2項 「マニュアルページ」および40.3項 「情報ページ」を参照してください。
- デスクトップヘルプセンター
GNOMEデスクトップのヘルプセンター(ヘルプ)では、GNOMEデスクトップのドキュメントに一元的にアクセスできます。
- 特定のアプリケーション用の別のヘルプパッケージ
YaSTを使って新しくソフトウェアをインストールした場合、通常はそのソフトウェアのドキュメントも自動的にインストールされ、デスクトップのヘルプセンターに表示されます。ただし、GIMPなどの特定のアプリケーションは、YaSTとは別個にインストールされる独自のオンラインヘルプパッケージを利用しており、ヘルプセンターには表示されない場合があります。
40.1 ドキュメントディレクトリ #
インストールされたLinuxシステム上のドキュメント検索用の従来のディレクトリは、/usr/share/doc
です。このディレクトリには、リリースノート、システムにインストールされたパッケージに関する情報、マニュアルなどが含まれています。
Linuxの世界では、ソフトウェアのように、マニュアルとその他の文書はパッケージ形式で用意されています。/usr/share/doc
内の情報の種類および内容は、インストールされている(ドキュメント)パッケージに応じて異なります。ここに記載されているサブディレクトリが見つからない場合は、対応するパッケージがシステムにインストールされているかどうかを確認し、必要に応じてYaSTに追加してください。
40.1.1 リリースノート #
SUSE Linux Enterprise DesktopリリースノートのHTML、PDF、RTF、およびテキストバージョンを提供しています。これらの文書は、インストールされたシステムの/usr/share/doc/release-notes/
、またはオンラインの製品固有のWebページ(https://www.suse.com/releasenotes/index.html)で参照できます。
40.1.2 パッケージのマニュアル #
packages
には、システムにインストールされたソフトウェアパッケージに含まれるドキュメントがあります。各パッケージについて、サブディレクトリ/usr/share/doc/packages/PACKAGENAME
が作成されます。このサブディレクトリには、パッケージのREADMEファイルが含まれます。さらにサンプル、環境設定ファイル、または追加スクリプトが含まれることがあります。次のリストに、/usr/share/doc/packages
の下にある一般的なファイルを示します。これらのエントリはいずれも必須ではなく、多くのパッケージがその一部のみを含みます。
AUTHORS
主な開発者のリスト。
BUGS
既知のバグまたは誤動作。また、Bugzilla Webページへのリンクがあり、そこでバグをすべて検索できる場合があります。
CHANGES
,ChangeLog
バージョン間の変更点の概要です。これには詳細情報が含まれているため、開発者にとって有用です。
COPYING
,LICENSE
ライセンス情報。
FAQ
メーリングリストやニュースグループから集められた質問と答えが含まれています。
INSTALL
システムにこのパッケージをインストールする方法。このファイルに目を通している時点でパッケージがすでにインストールされており、このファイルの内容を無視しても問題はありません。
README
、README.*
ソフトウェアに関する一般的な情報。たとえば、ソフトウェアの目的および使用方法などです。
TODO
将来予定されている機能。
MANIFEST
ファイルのリストと、それぞれの簡単な概要です。
NEWS
このバージョンでの新しい点が記されています。
40.2 マニュアルページ #
マニュアルページは、どのLinuxシステムにおいても重要な役割を担っています。マニュアルページでは、コマンドと利用可能なオプションおよびパラメータについての使用法が説明されています。マニュアルページは、man
の後にコマンド名(たとえば「man ls
」)を入力して開くことができます。
マニュアルページは、シェルに直接表示されます。ナビゲートするには、Page ↑およびPage ↓を使用して上下に移動します。HomeキーとEndキーを使用すると、それぞれドキュメントの最初と最後に移動できます。Qキーを押すと、この表示モードが終了します。man
コマンド自体の詳細については、man man
と入力します。マニュアルページは、表40.1「マニュアルページ - カテゴリと説明」(マニュアルページ自身から抽出)に示すように、カテゴリ別にソートされています。
数値 |
説明 |
---|---|
1 |
実行可能プログラムまたはシェルコマンド |
2 |
システムコール(カーネルによって提供される機能) |
3 |
ライブラリコール(プログラムライブラリ内での機能) |
4 |
特別なファイル(通常は |
5 |
ファイル形式と規則( |
6 |
ゲーム |
7 |
その他(マクロパッケージおよび規則)、例: man(7)、groff(7) |
8 |
システム管理コマンド(通常は |
9 |
カーネルルーチン(非標準) |
各マニュアルページは、NAME、SYNOPSIS、DESCRIPTION、SEE ALSO、LICENSING、およびAUTHORとラベル付けされた部分で構成されます。コマンドのタイプによっては、他のセクションが追加されている場合があります。
40.3 情報ページ #
情報ページは、システム上にあるもう1つの重要な情報ソースです。通常、情報ページの内容はマニュアルページよりも詳細です。これらはコマンドラインオプションよりも詳細な情報で構成され、チュートリアルやリファレンスマニュアル全体が含まれている場合もあります。特定のコマンドの情報ページを表示するには、info
の後にコマンド名(たとえば「info ls
」)を入力します。シェルで直接ビューアを使用してinfoページを参照し、「ノード」と呼ばれるさまざまなセクションを表示できます。Spaceを使用して前に移動し、<—を使用して後ろに移動します。ノード内で、Page ↑およびPage ↓を使用して参照することもできますが、前および後ろのノードにも移動できるのはSpaceおよび<—のみです。Qを押すと、表示モードを終了します。すべてのコマンドに情報ページが付属するわけではありません。逆も同様です。
40.4 リソースのオンライン化 #
SUSE Linux Enterprise Desktop用に提供されているすべてのマニュアルの概要については、https://documentation.suse.com/にある製品ごとのマニュアルに関するWebページをご覧ください。
製品ごとの追加情報を検索する場合は、次のWebサイトも参照してください。
- SUSEテクニカルサポート
質問がある場合や、技術的な問題について解決策が必要な場合、https://www.suse.com/support/でSUSEテクニカルサポートを利用できます。
- ユーザコミュニティ
- SUSEブログ
SUSEブログでは、記事、ヒント、質疑応答を提供しています。https://www.suse.com/c/blog/
- GNOMEマニュアル
GNOMEユーザ、管理者、および開発者向けのマニュアル(https://help.gnome.org/)
- Linux Documentation Project
TLDP(Linux Documentation Project)は、Linux関係のマニュアルを作成するボランティアチームによって運営されています(https://tldp.org/を参照)。Linuxの包括的なマニュアルリソースです。マニュアルのセットには初心者向けのチュートリアルも含まれますが、主にシステム管理者などの経験者向けの内容になっています。TLDPは、HOWTO (操作方法)、FAQ(よくある質問)、ガイド(ハンドブック)を無償で提供しています。TLDPからのマニュアルの一部は、SUSE Linux Enterprise Desktop上でも利用できます。