3 SUSE Linux Enterprise High Availabilityのインストール #
初めてSUSE® Linux Enterprise High Availabilityを使用して高可用性クラスタを設定する場合、最も簡単な方法は、基本的な2ノードクラスタで開始することです。2ノードクラスタを使用して、一部のテストを実行することもできます。後で、AutoYaSTを使用して既存のクラスタノードのクローンを作成することにより、さらにノードを追加できます。クローンを作成したノードには、元のノードと同じパッケージがインストールされ、クローンノードは同じシステム設定を持つことになります。
前のバージョンのSUSE Linux Enterprise High Availabilityを実行する既存のクラスタをアップグレードする場合は、第29章 「クラスタアップグレードとソフトウェアパッケージの更新」を参照してください。
3.1 手動インストール #
高可用性用のパッケージの手動インストールについては、インストールとセットアップクイックスタートを参照してください。このマニュアルでは、基本的な2ノードクラスタをセットアップする手順を説明しています。
3.2 AutoYaSTによる大量インストールと展開 #
2ノードクラスタをインストールしてセットアップした後で、AutoYaSTを使用して既存のノードのクローンを作成し、クラスタにそのクローンを追加することによりクラスタを拡張できます。
AutoYaSTでは、インストールおよび設定データを含むプロファイルを使用します。このプロファイルによって、インストールする対象と、インストールしたシステムが最終的に使用準備が整ったシステムになるように設定する方法がAutoYaSTに指示されます。そこでこのプロファイルはさまざまな方法による大量配備に使用できます(たとえば、既存のクラスタノードのクローンなど)。
さまざまなシナリオでAutoYaSTを使用する方法の詳細については、 AutoYaST Guide for SUSE Linux Enterprise Server 15 SP6を参照してください 。
手順3.1「AutoYaSTによるクラスタノードのクローン作成」では、同じハードウェア設定を持つ一群のマシンにSUSE Linux Enterprise High Availability SP6を展開していることを前提としています。
同じではないハードウェア上にクラスタノードを展開する必要がある場合は、『SUSE Linux Enterprise Server 15 SP6展開ガイド』、「Automated Installation」の章の「Rule-Based Autoinstallation」セクションを参照してください。
クローンを作成するノードが正しくインストールされ、設定されていることを確認します。詳細については、『インストールとセットアップクイックスタート』または『第4章 「YaSTクラスタモジュールの使用」』を参照してください。
単純な大量インストールについては、『SUSE Linux Enterprise 15 SP6展開ガイド』の説明に従ってください。これには、次の基本ステップがあります。
AutoYaSTプロファイルの作成AutoYaST GUIを使用して、既存のシステム設定を基にプロファイルを作成し、変更します。AutoYaSTでは、
モジュールを選択し、 ボタンをクリックします。必要な場合は、他のモジュールの設定を調整し、その結果のコントロールファイルをXMLとして保存します。DRBDを設定した場合、AutoYaST GUIでこのモジュールを選択してクローンを作成することもできます。
AutoYaSTプロファイルのソースと、他のノードのインストールルーチンに渡すパラメータを決定します。
SUSE Linux Enterprise ServerのソースとSUSE Linux Enterprise High Availabilityインストールデータを決定します。
自動インストールのブートシナリオを決定し、設定します。
パラメータを手動で追加するか、または
info
ファイルを作成することにより、インストールルーチンにコマンド行を渡します。自動インストールプロセスを開始および監視します。
クローンのインストールに成功したら、次の手順を実行して、クローンノードをクラスタに加えます。
4.7項 「すべてのノードへの設定の転送」の説明に従って、Csync2を使用して、設定済みのノードからクローンノードへ重要な設定ファイルを転送します。
ノードをオンラインにするには、4.8項 「クラスタをオンラインにする」の説明のとおり、クローンノード上でクラスタサービスを開始します。
これで、/etc/corosync/corosync.conf
ファイルがCsync2を介してクローンノードに適用されたので、クローンノードがクラスタに加わります。CIBは、クラスタノード間で自動的に同期されます。