2 インストールの概要 #
この章では、動作するサポート対象の高可用性クラスタを設定する手順の概要について説明します。または、デフォルトのオプションのみを使用して基本的な2ノードクラスタを設定するには、インストールとセットアップクイックスタートを参照してください。
第3章 「システム要件と推奨事項」を確認し、ノードと他のインフラストラクチャが高可用性クラスタの要件を満たしていることを確かめます。
クラスタは、
root
ユーザ、またはsudo
権限を持つユーザを使用して設定できます。第4章 「クラスタノードへのログイン」を確認し、要件に適したユーザを選択します。第5章 「SUSE Linux Enterprise High Availabilityのインストール」の説明に従って、ノードにHigh Availability Extensionとパッケージをインストールします。
(オプション) ブートストラップスクリプトを使用してSBDを設定するには、クラスタを初期化する前に各ノードにウォッチドッグを設定する必要があります。SBD (STONITHブロックデバイス)は、ノードフェンシングメカニズムです。SBDの詳細については、第17章 「ストレージ保護とSBD」を参照してください。ウォッチドッグを設定するには、17.6項 「ウォッチドッグのセットアップ」を参照してください。
または、SBDを後で設定したり、代わりに物理的なフェンシングデバイスを使用したりすることもできます。
(オプション) クラスタのセットアップ中にQDeviceを設定するには、クラスタを初期化する前にQNetdを設定する必要があります。QDeviceとQNetdは、特にクラスタのノード数が偶数の場合、クォーラムの決定に参加します。QDeviceの詳細については、第18章 「QDeviceおよびQNetd」を参照してください。QNetdの設定については、18.3項 「QNetdサーバのセットアップ」を参照してください。
または、QDeviceとQNetdを後で設定することもできます。
ノードでクラスタを初期化します。次の方法のいずれかを使用できます。
表2.1「クラスタコンポーネント: セットアップ方法」に、各方法で設定できるコンポーネントを示します。クラスタ内のすべてのノードに対して同じセットアップ方法を使用してください。複数のセットアップ方法を混在させることは推奨しません。
第8章 「AutoYaSTによるノードの展開」の説明に従って、ノードのクローンを作成して大量展開することもできます。2個または3個のノードのクラスタセットアップをテストしてから、他のノードを追加することをお勧めします。
サポートされるには、SUSE Linux Enterprise High AvailabilityクラスタでSTONITH (ノードフェンシング)が有効になっている必要があります。次のいずれかをノードフェンシングメカニズムとして使用できます。
物理デバイス(電源スイッチ)。各ノードに少なくとも1つのデバイスが必要です。ノードごとに複数のSTONITHデバイスを使用することをお勧めします。物理的なSTONITHデバイスを使用するようにクラスタを設定するには、第16章 「フェンシングとSTONITH」を参照してください。
ウォッチドッグと組み合わせたSBD (STONITHブロックデバイス)。SBDは、共有ストレージまたはディスクレスモードのいずれかで使用できます。ディスクベースのSBDでは、複数のSBDデバイスを推奨します。SBDを設定するには、第17章 「ストレージ保護とSBD」を参照してください。
パートII「設定および管理」およびパートIII「ストレージとデータレプリケーション」に進み、必要に応じてクラスタリソース、データレプリケーション、およびその他のコンポーネントを設定します。
コンポーネント | ブートストラップスクリプト | YaSTクラスタモジュール |
---|---|---|
認証設定 | はい | はい |
クラスタ名 | はい | はい |
conntrackツール | いいえ | はい |
Corosync | はい | はい |
Csync2 | はい | はい |
ファイアウォールポート | はい | はい |
Hawk2 | はい | いいえ |
パスワード不要のSSH | はい | いいえ(セットアップ前に設定) |
QDevice | オプション | オプション |
STONITH (ノードフェンシング) | オプション(SBDのみ) | いいえ(セットアップ後に設定) |
STONITHのタイムアウト設定 | はい(SBDが設定されている場合) | いいえ(セットアップ後に設定) |
Hawk2の仮想IPアドレス | はい | いいえ |