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適用項目 SUSE Linux Enterprise Server 12 SP5

15 Evolution:電子メールとカレンダ操作

Evolutionを使用すると、個人情報の保存、整理、および取得が容易になるので、他のユーザとの共同作業ややり取りをより効率的に行うことができます。これは仕事で使用するグループウェアプログラムであり、インターネット接続のデスクトップの重要な部分です。

Evolutionを使用すると、電子メール、連絡先情報、1つまたは複数のカレンダを扱うことができ、グループでの作業が容易になります。1台のコンピュータ、または直接接続またはネットワークで接続された複数のコンピュータ上で、1人の個人または大きなグループに対してそれを行うことができます。

Evolutionは、一般的な日々の作業をすばやく終わらせるのに役立ちます。たとえば、電子メールで送信されてきたアポイントや連絡先情報を簡単に再利用したり、連絡先やアポイントに電子メールを送信したりすることができます。大量の電子メールを受け取る場合、通常の電子メールフォルダのように検索結果を保存できる検索フォルダなどの拡張機能を使用できます。

この章ではEvolutionについて紹介し、初めて使用するユーザに役立つ情報を提供します。詳細については、Evolutionのアプリケーションヘルプを参照してください。

15.1 Evolutionの起動

Evolutionを起動するには、Applications (アプリケーション) › Internet (インターネット) › Evolutionの順にクリックします。

15.2 セットアップアシスタント

Evolutionを初めて起動すると、電子メールアカウントの設定や、他のアプリケーションからデータをインポートするのに役立つアシスタントが開きます。

Evolution Account Assistant (Evolutionアカウントアシスタント)を使用すると、必要なすべての情報を簡単に指定することができます。

15.2.1 バックアップファイルからの復元

アシスタントが起動すると、Welcome (ようこそ)ページが表示されます。Restore from Backup (バックアップからの復元)ページに進みます。以前にバックアップしたEvolution設定を復元する場合は、復元オプションを有効にしてから、ファイル選択ダイアログでバックアップファイルを選択します。

そうでない場合は、識別情報に進みます。

15.2.2 個人情報の定義

アシスタントの次のステップはIdentity (個人情報)ページです。

  1. Full Nameフィールドにフルネームを入力します。

  2. 電子メールアドレスフィールドに電子メールアドレスを入力します。

  3. (オプション) (オプション)Reply-To (返信先)フィールドにアドレスを入力します。

    このフィールドを使用するのは、電子メールの返信を別の電子メールアドレスに送信する場合のみです。

  4. (オプション) (オプション)Organizationフィールドにユーザの組織名を入力します。

    これはユーザが働いている会社、または電子メールの送信時にユーザが代表する組織です。

  5. 次のページに進みます。

15.2.3 メールの受信

Receiving E-mail (電子メールの受信)ページでは、電子メールの受信に使用するサーバを指定できます。

メールを受信するサーバの種類を指定する必要があります。サーバの種類が不明な場合は、システム管理者または電子メールプロバイダにお問い合わせください。

サーバのタイプリストの中でサーバのタイプを選択します。次に、使用可能なサーバの種類のリストを示します。

Exchange Web Services (Exchange Webサービス): より新しいMicrosoft Exchangeサーバに接続して、電子メール、カレンダ、および連絡先情報を同期することができます。これは、 evolution-ews にパッケージ化されているMicrosoft* Exchange*のコネクタをインストールしている場合にのみ、使用可能です。

IMAP+: 電子メールがユーザのサーバ上に保持されるため、複数のシステムから電子メールにアクセスできます。

POP: 電子メールを固定記憶域のユーザのハードディスクにダウンロードし、電子メールサーバ上のスペースを解放します。

USENETニュース: ニュースサーバに接続し、使用可能なニュースダイジェストのリストをダウンロードします。

ローカル配信: スプールから電子メールを移動し、それをホームディレクトリに保存する場合は、使用するメールスプールのパスを指定する必要があります。システムのスプールファイルにメールを残しておく場合は、代わりに標準UNIX Mboxスプールファイルを選択します。

MH形式メールディレクトリ: mhまたはmhスタイルのプログラムを使用して電子メールをダウンロードする場合は、使用したいメールディレクトリへのパスを指定する必要があります。

Maildir形式メールディレクトリ: Qmailまたは別のMaildirスタイルのプログラムを使用して電子メールをダウンロードする場合は、このオプションを選択します。使用するメールディレクトリへのパスを入力する必要があります。

標準UNIX Mboxスプールファイルまたはディレクトリ: ローカルシステムのメールスプール内の電子メールを読み込んだりそこに保存したりする場合は、このオプションを選択します。使用するメールスプールへのパスを入力する必要があります。

なし: このアカウントで電子メールをチェックすることを計画していない場合は、このオプションを選択します。設定オプションは存在しません。

15.2.3.1 IMAP+、POP、およびUSENETの設定オプション

IMAP+、POP、またはUSENETニュースをサーバの種類として選択した場合は、さらに情報を指定する必要があります。

正しいサーバアドレス、ユーザ名、またはセキュリティ設定が不明な場合は、システム管理者または電子メールプロバイダにお問い合わせください。

  1. サーバテキストボックスに、使用している電子メールサーバのホスト名を入力します。

  2. ユーザ名テキストボックスに、アカウント用のユーザ名を入力します。

  3. メールサーバでサポートされているセキュリティ設定を選択します。セキュリティ上の理由から、No Encryption (暗号化なし)は使用しないでください。

  4. Authenticationリストの中で認証タイプを選択します。サポートされている認証タイプをEvolutionで確認するには、Check for Supported Types (サポートされているタイプを確認)をクリックします。その後、いずれかのオプションを選択します。

    サポートされている認証メカニズムが公表されていないサーバもあります。そのため、このボタンをクリックしても、表示されているメカニズムが実際に動作するという保証はありません。

  5. 次のページに進みます。

15.2.3.2 Exchange Webサービスの設定オプション

Exchange Webサービスをサーバの種類として選択した場合は、さらに情報を指定する必要があります。

正しいサーバアドレス、ユーザ名、またはセキュリティ設定が不明な場合は、システム管理者または電子メールプロバイダにお問い合わせください。

  1. ユーザ名テキストボックスに、アカウント用のユーザ名を入力します。

  2. Host URL (ホストURL)テキストボックスに、ユーザの電子メールサーバのEWS URLを入力します。

    使用可能な場合、OAB URL (OAB URL)テキストボックスにオフラインアドレス帳のアドレスを入力します。

    ログイン名とメールボックスの名前が異なる場合、Open Mailbox of other user (他のユーザのメールボックスを開く)を選択します。その後、下のテキストボックスにメールボックス名を入力します。

  3. Authentication (認証)リストで認証タイプを選択します。サポートされている認証タイプをEvolutionで確認するには、Check for Supported Types (サポートされているタイプを確認)をクリックします。その後、いずれかのオプションを選択します。

    サポートされている認証メカニズムが公表されていないサーバもあります。そのため、このボタンをクリックしても、表示されているメカニズムが実際に動作するという保証はありません。

  4. 次のページに進みます。

15.2.3.3 ローカル設定オプション

Local Delivery (ローカル配信)MH-Format Mail Directories (MH形式メールディレクトリ)Maildir-Format Mail Directories (Maildir形式メールディレクトリ)、またはStandard Unix Mbox Spool File or Directory (標準UNIX Mboxスプールファイルまたはディレクトリ)を選択した場合、パスフィールドでローカルファイルまたはディレクトリへのパスを指定します。

15.2.4 受信オプション

メール配信メカニズムを選択した後、その動作に対して設定をいくつか行うことができます。

15.2.4.1 IMAP+の受信オプション

IMAP+を受信サーバの種類として選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. 次のようなオプションから選択できます。

    Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)

    Evolutionで新規メールを自動確認するかどうかを選択します。確認する頻度を設定します。

    Check for new message in all folders (すべてのフォルダで新規メッセージを確認する)

    すべてのフォルダの中で新規メッセージを確認するかどうかを選択します。

    Check for new message in subscribed folders (購読しているフォルダで新規メッセージを確認する)

    登録したフォルダの中で新規メッセージを確認するかどうかを選択します。

    Use Quick Resync if the server supports it (サーバでサポートされている場合、Quick Resyncを使用する)

    サポートされているサーバでメールの閲覧を高速化するQuick Resyncを使用する場合に選択します。

    Listen for server change notifications (サーバの変更通知をリスンする)

    Evolutionで変更通知をリスンするかどうかを選択します。このオプションを有効にすると、Evolutionは着信時にメールを表示します。そのため、通常はCheck for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を無効にして構いません。

    Show only subscribed folders (購読しているフォルダのみを表示する)

    Evolutionで加入フォルダのみを表示するかどうかを選択します。

    Evolutionに表示される無関係なフォルダの数やダウンロードされるメールの量を減らしたい場合は、フォルダの加入を取り消すことができます。

    Apply filters to new messages in all folders (すべてのフォルダで新規メッセージにフィルタを適用する)

    新規メッセージにフィルタを適用するかどうか、適用する場合はすべてのフォルダに対してか、それとも受信ボックスフォルダのみに対してかを選択します。

    Check new messages for Junk contents (新規メッセージでジャンクコンテンツの有無を確認する)

    新規メッセージでジャンクコンテンツの有無を確認するかどうか、確認する場合はすべてのフォルダに対してか、それとも受信ボックスフォルダのみに対してかを選択します。

    Automatically synchronize remote mail locally (リモートメールをローカルに自動同期する)

    すべてのメールをダウンロードしてオフラインで読めるようにする場合、このオプションを選択します。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.2 POPの受信オプション

POPを受信サーバの種類として選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. 次のようなオプションから選択できます。

    Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)

    Evolutionで新規メールを自動確認するかどうかを選択します。確認する頻度を設定します。

    Leave messages on server (サーバにメッセージを残す)

    サーバにメールを残すか、コンピュータにダウンロードしたときにサーバ上のメールを削除するかを選択します。メッセージをダウンロードした後、サーバに残しておく時間を設定することもできます。

    Disable support for all POP3 extensions (すべてのPOP3拡張のサポートを無効にする)

    POP3拡張の無効化は、古いサーバや誤って設定されたサーバに役立つことがあります。メールの受信に問題がある場合に選択します。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.3 USENETニュースの受信オプション

USENETニュースを受信サーバの種類として選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. 次のようなオプションから選択できます。

    Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)

    Evolutionで新規メールを自動確認するかどうかを選択します。確認する頻度を設定します。

    Apply filters to new messages in all folders (すべてのフォルダで新規メッセージにフィルタを適用する)

    新規メッセージにフィルタを適用するかどうかを選択します。

    Show folders in short notations (フォルダを略称で表示する)

    フォルダ名を短縮します。たとえば、comp.os.linuxは「c.o.linux」と表示されます。

    In the subscription dialog, show relative folder names (購読ダイアログで、相対フォルダ名を表示する)

    フォルダの名前のみを表示します。たとえば、フォルダevolution.mailは「evolution」と表示されます。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.4 Exchange Webサービスの受信オプション

Exchange Webサービスを受信サーバの種類として選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. 次のようなオプションから選択できます。

    Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)

    Evolutionで新規メールを自動確認するかどうかを選択します。確認する頻度を設定します。

    Check for new message in all folders (すべてのフォルダで新規メッセージを確認する)

    すべてのフォルダの中で新規メッセージを確認するかどうかを選択します。

    Listen for server change notifications (サーバの変更通知をリスンする)

    Evolutionで変更通知をリスンするかどうかを選択します。このオプションを有効にすると、Evolutionは着信時にメールを表示します。そのため、通常はCheck for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を無効にして構いません。

    Apply filters to new messages in all folders (すべてのフォルダで新規メッセージにフィルタを適用する)

    新規メッセージにフィルタを適用するかどうかを選択します。

    Check new messages for Junk contents (新規メッセージでジャンクコンテンツの有無を確認する)

    新規メッセージでジャンクコンテンツの有無を確認するかどうか、確認する場合はすべてのフォルダに対してか、それとも受信ボックスフォルダのみに対してかを選択します。

    Automatically synchronize remote mail locally (リモートメールをローカルに自動同期する)

    すべてのメールをダウンロードしてオフラインで読めるようにする場合、このオプションを選択します。

    Connection timeout (in seconds) (接続タイムアウト(秒))

    サーバからの応答を待機する最長時間を設定します。

    Cache offline address book (オフラインアドレス帳をキャッシュする)

    前のステップでOAB URLを入力した場合、アドレス帳のキャッシュを選択することができます。これにより、オフライン時にアドレス帳を使用できるようになります。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.5 ローカル配信の受信オプション

ローカル配信を使用してメールを受信するように選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. Evolutionで新規メールを自動的に確認する場合、Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を選択します。確認する頻度を設定します。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.6 MH形式メールディレクトリの受信オプション

MH形式メールディレクトリを使用してメールを受信するように選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. Evolutionで新規メールを自動的に確認する場合、Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を選択します。確認する頻度を設定します。

    .foldersサマリファイルを使用する場合、Use the .folders summary file (.foldersサマリファイルを使用する)を選択します。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.7 Maildir形式メールディレクトリの受信オプション

Maildir形式メールディレクトリを使用してメールを受信するように選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. Evolutionで新規メールを自動的に確認する場合、Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を選択します。確認する頻度を設定します。

    新規メッセージにフィルタを適用する場合、Apply filters to new messages in Inbox (受信ボックス内の新規メッセージにフィルタを適用する)を選択します。

  2. 次のページに進みます。

15.2.4.8 標準Unix Mboxスプールまたはディレクトリの受信オプション

UNIX Mboxスプールファイルまたはディレクトリを使用してメールを受信するように選択した場合、Evolutionの動作を指定するオプションのページが表示されます。

  1. Evolutionで新規メールを自動的に確認する場合、Check for new messages every ... minutes (...分ごとに新規メッセージを確認する)を選択します。確認する頻度を設定します。

    新規メッセージにフィルタを適用する場合、Apply filters to new messages in Inbox (受信ボックス内の新規メッセージにフィルタを適用する)を選択します。

  2. Elm、Pine、およびMuttと互換性のある方法でステータスヘッダを格納する場合、Store status headers in Elm/Pine/Mutt format (Elm/Pine/Mutt形式でステータスヘッダを格納する)を選択します。

  3. 次のページに進みます。

15.2.5 メールの送信

メールの受信方法についての情報を入力し終わったら、次はメールの送信方法を指定する必要があります。このためには通常、別のサーバ設定が必要になります。そうでないと、このページはスキップされます。

サーバのタイプリストからサーバのタイプを選択します。

使用可能なサーバタイプは次のとおりです。

Sendmail: Sendmailプログラムを使用して、ユーザのシステムからメールを送信します。Sendmailの方が柔軟性がありますが、設定が容易ではないため、Sendmailサービスのセットアップ方法が分かっている場合にのみこのオプションを選択します。

SMTP: 個別のメールサーバを使用してメールを送信します。これは最も一般的なメール送信の選択肢です。SMTPを選択した場合、追加の設定オプションがあります。

手順 15.1: SMTP設定
  1. サーバフィールドにホストアドレスを入力します。

    ホストアドレスが不明な場合は、システム管理者または電子メールプロバイダにお問い合わせください。

  2. サーバで認証が必要かどうかを選択します。

    認証が必要なサーバであると選択した場合、次の情報を入力する必要があります。

    1. メールサーバでサポートされているセキュリティ設定を選択します。セキュリティ上の理由から、No Encryption (暗号化なし)は使用しないでください。

    2. Authenticationリストの中で認証タイプを選択します。

      または

      Check for Supported Typesをクリックして、サポートされているタイプをEvolutionに確認させます。その後、いずれかのオプションを選択します。

      サポートされている認証メカニズムが公表されていないサーバもあります。そのため、このボタンをクリックしても、表示されているメカニズムが実際に動作するという保証はありません。

    3. Username (ユーザ名)フィールドにユーザ名を入力します。

  3. 次のページに進みます。

15.2.6 最後のステップ

電子メールの設定プロセスが完了したら、次はアカウントに名前を付ける必要があります。任意の名前を指定できます。Name (名前)フィールドにアカウント名を入力します。次のページに進んで、変更内容を確定します。

設定によっては、電子メールのパスワードと、パスワードを保存するか、Evolutionを起動するときに常にパスワードを入力するかを尋ねられることがあります。

その後、Evolutionのメインウィンドウが初めて開きます。

15.3 Evolutionの使用

これで初回起動設定が完了したので、Evolutionの使用を始める準備が整いました。このセクションでは、ユーザインタフェースの最も重要な部分について概要を説明しています。

Evolutionウィンドウ
図 15.1: Evolutionウィンドウ
メニューバー

メニューバーからは、Evolutionのほぼすべての機能にアクセスできます。

フォルダリスト

フォルダリストは、各アカウントで使用可能なフォルダを一覧表示したものです。フォルダの内容を見るにはフォルダ名をクリックします。内容が電子メールリストの中に表示されます。

ツールバー

ツールバーからは、各コンポーネントの中で頻繁に使用する機能にすばやく簡単にアクセスできます。

検索バー

検索バーでは、電子メールを検索できます。ラベル、検索語句、アカウント、フォルダなど、さまざまな基準を使用して、電子メール、連絡先、カレンダの項目やタスクにフィルタを適用することができます。検索バーでは、よく使用する検索を検索フォルダに保存することもできます。

メッセージリスト

メッセージリストには、受信した電子メールの一覧が表示されます。プレビューペインで電子メールを表示するには、電子メールを選択します。

ショートカットバー

左側にあるショートカットバーでは、フォルダとプログラムコンポーネントを切り替えることができます。

ステータスバー

ステータスバーには、メッセージが定期的に表示されます。電子メールの送信など、タスクの進捗状況が通知されることもあります。

左端には、オンライン/オフラインのインジケータがあります。オンライン/オフラインのインジケータをクリックすると、Evolutionをオンラインモードで使用するか、オフラインモードで使用するかを切り替えることができます。

プレビューペイン

プレビューペインには、電子メールリストで選択された電子メールの内容が表示されます。

15.3.1 メニューバー

メニューバーの中には常に、データのビューで実行可能なすべての操作が表示されます。

ファイル: 作成、ディスクへの保存、印刷、プログラムの終了など、ファイルまたはアプリケーション操作に関係するものは、通常はこのメニューの中に入ります。

編集: テキストを編集するツールやほとんどの設定オプションが格納されています。

表示: Evolutionの外観を設定できます。

メッセージ: メッセージに適用できるアクションがあります。

フォルダ: フォルダに対して実行できるアクションがあります。

検索: メッセージまたはメッセージ内のフレーズを検索できます。前に行った検索内容も見ることができます。

ヘルプ: Evolutionのアプリケーションヘルプが開きます。

15.3.2 ショートカットバー

ショートカットバーは、メインウィンドウの左側にある列です。上部には、選択したEvolutionコンポーネントのフォルダのリストがあります。下部のボタンは、メールや連絡先など、個々のコンポーネントへのショートカットです。

フォルダリストは、電子メール、カレンダ、連絡先リスト、およびタスクリストをツリー形式にまとめたものです。ほとんどの場合、ツリーのベースには1~4つのフォルダがありますが、これはコンポーネントとそのシステム設定によって異なります。各Evolutionコンポーネントには少なくとも1つ、ローカル情報用のOn This Computerというフォルダがあります。たとえば、電子メールコンポーネントのフォルダリストには、すべての電子メールアカウント、ローカルフォルダ、および検索フォルダが表示されます。

大量の電子メールを受信する場合は、別の方法でフォルダリストを整理する必要があります。Evolutionでは、独自の電子メールフォルダ、アドレス帳、カレンダ、タスクリスト、またはメモリストを作成できます。

15.3.2.1 フォルダの作成

新規フォルダを作成する:

  1. ファイル › 新規 › メールフォルダの順にクリックします。

  2. Folder Nameフィールドにフォルダの名前を入力します。

  3. 新しいフォルダの場所を選択します。

  4. 作成をクリックします。

15.3.2.2 フォルダ管理

フォルダまたはサブフォルダを右クリックして、次のオプションを含むメニューを表示します。

Mark All Messages As Read (すべてのメッセージに既読マークを付加): フォルダ内のすべてのメッセージに既読マークを付けます。

新しいフォルダ: 同じ場所で新しいフォルダまたはサブフォルダを作成します。

Copy Folder To (フォルダを次に移動): フォルダを別の場所にコピーします。この項目を選択すると、Evolutionはフォルダのコピー先とする場所を選択して表示します。

Move Folder To (フォルダを次に移動): フォルダを別の場所に移動します。

削除: フォルダとその中身をすべて削除します。

リネーム: フォルダの名前を変更できます。

更新: フォルダを更新します。

プロパティ: フォルダ内のメッセージの総数と未読メッセージの数を表示します。

フォルダおよびメッセージは、ドラッグおよびドロップすることで配置し直すこともできます。

新しい電子メールが電子メールフォルダに到着したときは必ず、そのフォルダ内の新規メッセージの数とともに、フォルダラベルが太字で表示されます。

15.3.3 電子メールの使用

Evolutionの電子メールコンポーネントには、次のような優れた機能があります。

  • さまざまなプロトコルに基づいた複数の電子メールソースをサポートします。

  • 暗号化によりユーザのプライバシーを守ります。

  • 大量の電子メールをすばやく処理できます。

  • 検索フォルダを使用して、よく使用する検索を繰り返し利用することができます。

電子メールウィンドウのユーザインタフェース要素のサマリを次に示します。

メッセージリスト

メッセージリストには、ユーザが所有するすべての電子メールが表示されます。この中にはすべての既読メッセージと未読メッセージ、および削除のフラグを立てた電子メールがあります。メッセージの上にある表示ドロップダウンボックスでは、事前定義ラベルやカスタムラベルを使用してメッセージリストビューにフィルタを適用できます。

プレビューペイン

電子メールが表示される場所です。

プレビューペインが小さすぎる場合は、ペインのサイズを変更したり、ウィンドウ全体に拡大したり、メッセージリスト内のメッセージをダブルクリックして新しいウィンドウの中で開いたりすることができます。ペインのサイズを変更するには、2つのペインの間の仕切りをドラッグします。

フォルダと同様に、メッセージリスト内でメッセージを右クリックすると、実行可能な操作のメニューが表示されます。たとえば、メッセージの移動や削除、フィルタの作成やフィルタに基づいたフォルダの検索、ジャンクメールとしてのメッセージの指定などがあります。

Reply (返信)転送など、電子メールに関連する操作はツールバーにボタンとして表示されますが、右クリックメニューにも表示されます。

テンプレート

Evolutionでは、メッセージテンプレートを作成および編集でき、これを使用すれば、いつでも同じパターンでメールを送信できます。

15.3.4 カレンダ機能

カレンダの使用を開始するには、ショートカットバーのカレンダをクリックします。デフォルトでは、カレンダには、罫線が引かれた背景の上に本日のスケジュールが表示されます。右上にはタスクリストがあり、タスクのリストをカレンダアポイントと分けておくことができます。その下には、メモのリストがあります。

予定リスト

予定リストには、ユーザがスケジュールした予定がすべて表示されます。

月ペイン

月ペインは、カレンダ月を小さく表示したものです。月ペインの中で期間(日)を選択し、独自に決めた期間(日)を予定リストに表示することもできます。

仕事

タスクは、一般的には時間と関連付けられていないため、予定とは異なります。ショートカットバーのTasks (タスク)をクリックすると、タスクリストを大きく表示できます。

メモ

タスクなどのメモには時間が関連付けられません。ショートカットバーのMemos (メモ)をクリックすると、メモリストを大きく表示できます。

15.3.5 連絡先を管理する

連絡先コンポーネントを使用するには、ショートカットバーのContacts (連絡先)をクリックします。Evolutionの連絡先コンポーネントでは、アドレス帳や電話帳のあらゆる機能を扱うことができます。

ただし、紙のアドレス帳や電話帳より多くの操作を実行することも可能になります。アドレス帳をネットワーク上で共有する場合は、LDAPディレクトリを使用できます。新しい連絡先エントリを作成するには、電子メールアドレスを右クリックするか、右ペインの空白領域をダブルクリックします。検索バーを使用して連絡先を検索することもできます。

デフォルトでは、すべての連絡先がカードベースのビューにアルファベット順で表示されます。View (表示)メニューから他のビューを選択できます。

15.4 その他の情報

Evolutionの詳細については、F1を押してアプリケーションヘルプを参照してください。

詳細については、プロジェクトホームページ(https://wiki.gnome.org/Apps/Evolution)を参照してください。