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documentation.suse.com / SUSE Linux Enterprise Serverマニュアル / GNOMEユーザガイド / はじめに / 設定のカスタマイズ
適用項目 SUSE Linux Enterprise Server 12 SP5

3 設定のカスタマイズ

自分の個人的な好みや必要に応じて、GNOMEデスクトップの見かけや動作を変更できます。変更可能な設定は次のとおりです。

これらの設定やその他の設定はAll Settings (すべての設定)ダイアログで変更できます。

3.1 GNOMEの設定ダイアログ

YaSTは、インストールした製品についてあらゆる側面から設定するための、デスクトップに依存しないシステムレベルのツールです。一方、設定ダイアログはGNOMEの設定ツールです。GNOMEデスクトップの外観、個人設定、および初期設定を中心としたものです。

GNOME設定ダイアログにアクセスするには、アプリケーション › System Tools (システムツール) › 設定の順にクリックします。このダイアログは、次の3つのカテゴリで構成されています。

個人用

ここでは、デスクトップまたはロック画面の背景を変更したり、言語設定を行ったりできます。詳細については、3.2項 「個人用」を参照してください。

ハードウェア

モニタ、プリンタ、マウス/タッチパッド、ネットワークアダプタ、サウンドデバイスなどのハードウェアコンポーネントを設定できます。キーの組み合わせの設定を変更したり、節電機能を設定したりすることもできます。詳細については、3.3項 「ハードウェア」を参照してください。

システム

日付と時刻、フラッシュディスクを挿入したときにソフトウェアを起動するかどうか、または他のユーザと画面を共有するかどうかなどのシステム設定を行えます。ユーザアカウントを設定することもできます。必要に応じて、この画面からYaSTを起動することもできます。ただし、メニューから別途アクセスすることもできます。詳細については、3.4項 「システム」を参照してください。

GNOMEの設定ダイアログ
図 3.1: GNOMEの設定ダイアログ

システム全体の設定を変更する場合、コントロールセンターではrootパスワードを入力してYaSTを起動するように要求されます。これは、ハードウェア、グラフィカルユーザインタフェース、インターネットアクセス、セキュリティ設定、ユーザ管理、ソフトウェアのインストール、システムアップデートおよび情報などの管理者設定が当てはまります。YaSTの指示に従ってこれらの設定を行います。YaSTの使用については、統合されたYaSTのヘルプテキストまたは導入ガイドを参照してください。

この章では、YaSTを使用しなくても、GNOMEの設定ダイアログで直接変更できる個々の設定について説明します。

3.2 個人用

以降の項では、使用する言語やデスクトップの背景など、GNOMEデスクトップの個人用の機能を設定する方法について、例を紹介します。

3.2.1 デスクトップの背景の変更

デスクトップの背景とは、デスクトップに適用されたイメージまたは色です。画面のロック時に表示するイメージをカスタマイズすることもできます。

デスクトップの背景またはロック画面を変更する

  1. Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Background (背景)の順にクリックします。

  2. Background (背景)またはLock Screen (ロック画面)をクリックします。

  3. Wallpapers (壁紙)Pictures (画像)、またはColors (色)をクリックします。

    壁紙は、システムとともに配布された事前設定済みのイメージです。画像は、Picturesディレクトリ(~/Pictures)にあるイメージです。色は、GNOMEの開発者が選択した事前定義済みの色です。

  4. リストからオプションを選択します。

  5. 選択に問題がなければ、Select (選択)をクリックします。

3.2.2 言語の設定

SUSE Linux Enterprise Serverは、任意の複数の言語で使用できるように設定することができます。言語設定はダイアログやメニューの言語を決定し、キーボードや時計のレイアウトも決定します。

言語を設定するには、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Region and Language (地域と言語)の順にクリックします。

ここでは、次の項目を選択できます。

  • インタフェース言語.

  • 日付と数値の書式、通貨関連のオプション.

  • 入力ソース(キーボードレイアウト)。非アルファベット言語の場合、他にも設定項目がある可能性があります。

注記
注記: ibus-setupを使用して行われた設定が有効にならない

GNOMEでは、ibus-setupを使用して行われた設定が有効になりません。ibus-setupはIceWMを設定する場合にのみ使用できます。代わりに、必ず設定アプリケーションを使用してください。

  • 入力方法を変更するには、地域と言語パネルを使用します。

  • 入力方法を切り替えるキーの組み合わせを変更するには、キーボードパネルを使用します。このパネルで、Typing (入力)カテゴリおよびSwitch to next input source (次の入力ソースに切り替える)エントリを選択します。

3.3 ハードウェア

次のセクションでは、キーボードやマウスの初期設定などのGNOMEデスクトップのハードウェア部分を設定し、リムーバブルドライブ(およびその他のメディア)、画面解像度を処理する例を紹介します。

3.3.1 ブルートゥース設定の指定

ブルートゥースモジュールでは、ブルートゥース上でマシンを表示するかどうかを設定したり、利用可能なブルートゥースデバイスに接続したりすることができます。ブルートゥース接続を設定するには、次の手順に従います。

  1. Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Bluetooth (ブルートゥース)の順にクリックして、ブルートゥース設定モジュールを開きます。

  2. ブルートゥースを使用するには、Bluetooth (ブルートゥース)スイッチをオンにします。

  3. コンピュータをブルートゥース上で表示するには、Visibility (表示)スイッチをオンにします。コンピュータは近くにある他の表示可能なブルートゥースデバイスの検索を開始して、見つかったデバイスがあれば、デバイスリストに表示します。最初は、リストに何も表示されない場合があります。

    注記
    注記: 一時的な表示

    表示スイッチは、一時的にのみ使用します。これをオンにする必要があるのは、ブルートゥースデバイスへの接続の初期セットアップの場合のみです。接続が確立した後は、スイッチをオフにします。

  4. 接続元のデバイスでも、ブルートゥースの接続と表示をオンにします。

  5. 目的のデバイスが見つかってリストに表示された場合は、そのデバイスをクリックして接続を確立します。

    2つのデバイスのPINが一致しているかどうかの確認を求められます。

  6. PINが一致している場合は、コンピュータとデバイスの「両方」で一致していることを確認します。

    これで両方がペアになります。コンピュータ上のリストでは、デバイスが接続済みと表示されます。

    Image

    デバイスタイプに応じて、デバイスがGNOME Filesにストレージデバイスとして表示されることもあれば、サウンド設定でデバイスの音量を設定したりすることもできます。

ペアになっているブルートゥースデバイスに接続するには、リストでそのデバイスを選択します。表示されるダイアログで、接続スイッチをオンにします。Send Files (ファイルの送信)ボタンを使用して、接続済みデバイスにファイルを送信できます。携帯電話などのデバイスを接続している場合は、適切なオプションを有効にすることで、ネットワークデバイスとして使用できます。

コンピュータ上のリストから接続済みデバイスを削除するには、Remove Device (デバイスの削除)をクリックして、選択した操作を確認します。ペアを完全に削除するには、デバイス上でも同じ操作を実行します。

3.3.2 電源の設定

  1. Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Power (電源)の順にクリックして、電源設定モジュールを開きます。

  2. ダイアログの上部に、バッテリの現在の状態が表示されます。

  3. 電力を節約するには、ダイアログのPower Saving (省電力)セクションで、Screen Brightness (画面の明るさ)を設定します。非アクティブな状態が一定時間続いた場合に画面を暗くするかどうか、およびそれまでの時間を設定することもできます。また、非アクティブな状態が一定時間続いた場合に無線ネットワーク接続をオフにするかどうかも設定できます。

  4. ダイアログのSuspend and Power Button (サスペンドと電源ボタン)セクションで、Automatic Suspend (自動サスペンド)を設定します。これをクリックすると、別のダイアログが開きます。

    ダイアログ内で、自動サスペンドをオンにし、関連する時間間隔を設定することができます。バッテリーを搭載したコンピュータを使用している場合、コンピュータをバッテリー電源で実行している場合と電源に接続して実行している場合について、別々にこれらの設定を行うことができます。

    電源ボタンが押されたときに実行するアクションを設定することもできます。コンピュータの電源を完全に切って実行中のセッションをハードディスクに保存するモードを使用するには、Hibernate (休止)を選択します。あるいは、Suspend (サスペンド)またはNothing (なし)を選択します。

3.3.3 キーボードショートカットの変更

キーボードショートカットを変更するには、アプリケーション › System Tools (システムツール) › 設定 › キーボードの順にクリックします。

[キーボード]ダイアログ
図 3.2: [キーボード]ダイアログ

キーボードダイアログには、システムに設定されているキーボードショートカットが表示されます。左側のカテゴリをクリックして、現在のショートカットを表示します。

キーの組み合わせを編集するには、まず、該当する行をクリックします。新しいキーの組み合わせを設定するには、組み合わせるキーを押します。ショートカットを無効にするには、代わりに<—を押します。

キーボードのアクセシビリティオプションを設定するには、4.4項 「動作の障害」を参照してください。キーボードレイアウトを設定するには、3.2.2項 「言語の設定」を参照してください。

3.3.4 マウスとタッチパッドの設定

マウスとタッチパッドのオプションを変更するには、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Mouse and Touchpad (マウスとタッチパッド)の順にクリックします。

マウスとタッチパッドの設定ダイアログ
図 3.3: マウスとタッチパッドの設定ダイアログ
  • ダイアログの一般セクションでは、プライマリボタンの方向(左または右)を設定できます。

  • ダイアログのマウスセクションでは、Mouse Speed (マウスの速度)を使用してマウスポインタの感度を調整します。

  • ダイアログのTouchpad (タッチパッド)セクションでは、タッチパッドのオンとオフを切り替えることができます。タッチパッドポインタの感度を調整するには、Touchpad Speed (タッチパッドの速度)を使用します。キー入力中にタッチパッドを無効にしたり、タッチパッドのタップによるクリック操作を有効にしたりすることもできます。

  • 設定をテストするには、Test Your Settings (設定のテスト)をクリックして、ポインティングデバイスを操作してみます。

マウスのアクセシビリティオプションの設定については、4.4項 「動作の障害」を参照してください。

3.3.5 プリンタのインストールと設定

プリンタモジュールでは、使用可能なローカルサーバまたはリモートCUPSサーバに接続し、プリンタを設定できます。

プリンタモジュールを起動するには、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Printers (プリンタ)の順にクリックします。詳細については、第6章 「プリンタの管理を参照してください。

3.3.6 画面の設定

画面の解像度や向きを指定したり、複数画面を設定したりするには、アプリケーション › System Tools (システムツール) › 設定 › ディスプレイの順にクリックします。

手順 3.1: モニタの設定の変更
  1. 適切なモニタを見つけるには、ディスプレイダイアログを開いた後に、すべてのモニタの左上隅に表示されている数字を探します。モニタのオプションを設定するには、モニタのリスト項目をクリックします。新しいダイアログが表示されます。

  2. 複数のモニタがコンピュータに接続されている場合、ダイアログの左側の部分でモニタの使用方法を選択することができます。次のいずれかを選択できます。

    プライマリ

    パネルおよび重要なメッセージを表示する画面です。

    Secondary Display (セカンダリディスプレイ)

    プライマリモニタのデスクトップを拡張するモニタです。

    Mirror (ミラー)

    プライマリモニタ上の画像をミラーリングするモニタです。解像度については、最小公分母が使用されます。

    Turn Off (オフ)

    使用しない画面です。

    表示されている画像を回転するには、左向き矢印が付いたボタンと右向き矢印が付いたボタンを使用します。表示されている画像を左右反転させるには、双方向矢印のアイコンが付いたボタンを使用します。

    別の解像度を設定するには、Resolution (解像度)の横の値を変更します。どのような解像度でも歪みのないはっきりとした画像が表示されるわけではありません。モニタに最適な解像度を確認するには、モニタのマニュアルを参照してください。

  3. 終了したら、Apply (適用)をクリックします。

    モニタが再調整されます。これにはしばらくかかることがあり、その間、画面が黒くなったり歪んだりする場合もあります。

    その後、確認ダイアログが表示されます。

  4. 設定に問題がないようであれば、Keep Changes (変更を保持する)をクリックします。

    期待した設定と異なる場合は、Revert Settings (設定を元に戻す)をクリックするか、20秒間待機します。これにより、変更した設定が元に戻ります。

モニタ解像度の設定ダイアログ
図 3.4: モニタ解像度の設定ダイアログ
手順 3.2: 複数モニタの配置の変更

複数の画面を使用する場合、モニタ間でマウスポインタを適切に使用できるように、モニタの配置を設定します。

  1. Arrange Combined Displays (連結ディスプレイの配置)をクリックします。

  2. 適切なモニタを見つけるには、すべてのモニタの左上隅に表示されている数字を探します。モニタイメージをクリックし、ドラッグして移動します。

  3. 終了したら、Apply (適用)をクリックします。

  4. 設定に問題がないようであれば、Keep Changes (変更を保持する)をクリックします。

    期待した設定と異なる場合は、Revert Settings (設定を元に戻す)をクリックするか、20秒間待機します。これにより、変更した設定が元に戻ります。

3.3.7 サウンドの設定

Sound (サウンド)ツールでは、サウンドデバイスを管理したり、サウンド効果を設定したりできます。ダイアログの上部で、全般的な出力ボリュームを選択するか、サウンドを完全にオフにできます。

サウンド設定を開くには、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Sound (サウンド)の順にクリックします。

サウンドの設定
図 3.5: サウンドの設定

3.3.7.1 サウンドデバイスの設定

Output (出力)タブを使用して、サウンド出力用のデバイスを選択します。リストの下で、好みのサウンドデバイス設定(バランスなど)を選択します。

Input (入力)タブを使用して、入力デバイス音量を設定したり、入力を一時的にミュートしたりします。複数のサウンドデバイスがある場合、サウンドの入力デバイスを選択してくださいリストでオーディオ入力用のデフォルトデバイスを選択することもできます。

3.3.7.2 サウンドの効果の設定

Sound Effects (サウンド効果)タブを使用して、メッセージボックスが表示されるときにサウンドを再生するかどうかとその方法を設定します。

警告音の音量で、サウンド効果の再生時の音量を指定します。効果のオン/オフを切り替えることもできます。

Alert Sound (警告音)で、使用する警告音を選択します。

3.3.8 ネットワーキング

ネットワーキングオプションを設定するには、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Network (ネットワーク)の順にクリックします。

表示されるダイアログで、有線/無線接続、プロキシ、およびVPNを設定できます。

ネットワーク接続の設定の詳細については、第37章 「NetworkManagerの使用を参照してください。

3.4 システム

以下のセクションでは、GNOMEデスクトップのシステム面を設定する方法の例を紹介します。これには、優先アプリケーション、ユーザパスワードの変更、セッション共有の初期設定などが含まれます。

支援技術の設定の詳細については、第4章 「支援技術を参照してください。

3.4.1 パスワードを変更する

セキュリティ上の理由から、ログインパスワードは時々変更することをお勧めします。パスワードを変更するには:

  1. Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Users (ユーザ)の順にクリックします。

  2. Password (パスワード)の横にある、ドットが付いたボタンをクリックします。

  3. 最初のテキストボックスに、現在のパスワードを入力します。

  4. 次のテキストボックスに、新しいパスワードを入力します。

    テキストボックスの端にある歯車のアイコンをクリックして、ランダムパスワードを生成することもできます。

  5. 最後のテキストボックスに新しいパスワードをもう一度入力して確認します。

  6. 変更をクリックします。

3.4.2 優先アプリケーションの設定

  1. インターネットのブラウズ、メールの送信、マルチメディアファイルの再生など、さまざまな一般的なタスクに対するデフォルトのアプリケーションを変更するには、アプリケーション › System Tools (システムツール) › 設定 › 詳細の順にクリックします。

    優先アプリケーション
    図 3.6: 優先アプリケーション
  2. Default Applications (デフォルトのアプリケーション)をクリックします。

  3. ドロップダウンリストから、利用可能ないずれかのオプションを選択します。Web、メール、カレンダ、音楽、ビデオ、または写真を扱うアプリケーションをそれぞれ選択できます。

3.4.3 セッション共有環境設定

複数のユーザ間でGNOMEデスクトップセッションを共有するために設定ダイアログを開いてセッション共有の初期設定を行うには、アプリケーション › System Tools (システムツール) › 設定 › 共有の順にクリックします。

重要
重要: デスクトップセッション共有によるシステムセキュリティへの影響

デスクトップセッションの共有は、セキュリティ上のリスクになる場合があります。可能な制約オプションを使用してください。

何かを共有する前に、ダイアログの上部でスイッチをオンにする必要があります。このスイッチは、すべての共有オプションをすばやく無効にする必要がある場合にも役立ちます。

  • ネットワーク上でパブリックディレクトリを共有するには、Personal File Sharing (パーソナルファイル共有)をクリックして、Share Public Folder On This Network (このネットワークでパブリックフォルダを共有する)をオンにします。パスワードも設定できます。

  • 他のユーザとデスクトップセッションを共有するには、Screen Sharing (画面の共有)をクリックして、Allow Remote Control (リモート制御を許可する)を有効にします。他のユーザに画面の制御を許可するには、Remote Control (リモート制御)も有効にします。パスワードも設定できます。

  • SSHを使用したログインを有効にするには、Remote Login (リモートログイン)をクリックします。

すべての共有画面にアドレスがあり、そのアドレスを提供することで、他のユーザがアクセスできるようになります。共有アドレスをコピーするには、アドレスをクリックしてCopy (コピー)を選択します。その後、アドレスを電子メールまたはメッセージングソフトウェアに貼り付けることができます。

3.4.4 YaSTを使った管理設定

便宜を図るため、YaSTは、アプリケーションメニューからだけでなくGNOMEの設定からも使用できます。YaSTの使用については、導入ガイドを参照してください。