パート III ソフトウェアRAID #
- 7 ソフトウェアRAIDの設定
RAID (Redundant Array of Independent Disks)の目的は、複数のハードディスクパーティションを1つの大きい仮想ハードディスクに結合し、パフォーマンスとデータのセキュリティを最適化することです。ほとんどのRAIDコントローラはSCSIプロトコルを使用します。これは、IDEプロトコルも効率的な方法で多数のハードディスクのアドレスを指定でき、コマンドのパラレル処理に適しているからです。一方、IDEまたはSATAハードディスクをサポートしているRAIDコントローラもあります。ソフトウェアRAIDは、ハードウェアRAIDコントローラ購入による追加コストなしで、RAI…
- 8 ルートパーティション用のソフトウェアRAIDの設定
SUSE Linux Enterprise Serverでは、Device Mapper RAIDツールがYaSTパーティショナに統合されています。インストール時にパーティショナを使用して、ルート(
/
)パーティションを含むシステムデバイス用にソフトウェアRAIDを作成することができます。/boot
パーティションは、RAID 1以外のRAIDパーティションには保存できません。- 9 ソフトウェアRAID 10デバイスの作成
本項では、ネストしたコンプレックスRAID 10デバイスの設定方法について説明します。RAID 10デバイスは、ネストしたRAID 1 (ミラーリング)アレイとRAID 0 (ストライピング)アレイで構成されます。ネストしたRAIDは、ストライピングミラー(RAID 1+0)またはミラーリングされたストライプ(RAID 0+1)のいずれかとして設定できます。コンプレックスRAID 10のセットアップは、ミラーとストライプを組み合わせ、より高いデータ冗長性レベルをサポートすることによってデータのセキュリティを強化します。
- 10 ディグレードRAIDアレイの作成
ディグレードアレイは、一部のデバイスが欠けたアレイです。ディグレードアレイは、RAID 1、RAID 4、RAID 5、およびRAID 6に対してのみサポートされています。これらのRAIDタイプは、その耐障害性機能として、一部のデバイスの欠落に耐えるように設計されています。通常、デバイスに障害が発生すると、ディグレードアレイが生成されます。ディグレードアレイは、意図的に作成するすることもできます。
- 11 mdadmによるソフトウェアRAIDアレイのサイズ変更
本項では、ソフトウェアRAID 1、4、5、または6のデバイスのサイズを複数デバイス管理(
mdadm(8)
)ツールで増減する方法について説明します。- 12 MDソフトウェアRAID用のストレージエンクロージャLEDユーティリティ
ストレージエンクロージャLEDモニタリングユーティリティ(
ledmon
)およびLEDコントロール(ledctl
)ユーティリティは、多様なインタフェースおよびプロトコルを使用してストレージエンクロージャLEDを制御する、Linuxのユーザスペースアプリケーションです。その主たる用途は、mdadmユーティリティで作成されたLinux MDソフトウェアのRAIDデバイスの状態を視覚化することです。ledmon
デーモンがドライブアレイの状態を監視し、ドライブLEDの状態を更新します。ledctl
ユーティリティを使用して、指定したデバイスに対するLEDパターンを設定できます。- 13 ソフトウェアRAIDのトラブルシューティング
/proc/mdstat
ファイルをチェックして、RAIDパーティションが破損しているかどうかを調べます。ディスク障害が発生した場合は、Linuxシステムをシャットダウンして、問題のあるハードディスクを、同じ方法でパーティション分割されている新しいハードディスクで置き換えます。次に、システムを再起動して、mdadm /dev/mdX --add /dev/sdX
コマンドを入力します。「X」
を特定のデバイス識別子に置き換えてください。これにより、ハードディスクがRAIDシステムに自動的に統合され、そのRAIDシステムが完全に再構築されます(RAID 0を除くすべてのRAIDレベル)。