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適用項目 SUSE Enterprise Storage 7.1

6 RADOS Block Deviceの管理

利用可能なすべてのRBD (RADOS Block Devices)を一覧にするには、メインメニューからブロック › イメージをクリックします。

このリストにはデバイスの概要が含まれます。たとえば、デバイス名、関連するプール名、ネームスペース、デバイスのサイズ、デバイスのオブジェクト数とオブジェクトサイズ、デバイスのプロビジョニングの詳細、親などです。

RBDイメージのリスト
図 6.1: RBDイメージのリスト

6.1 RBDに関する詳細の表示

デバイスに関する詳細情報を表示するには、テーブルでそのデバイスの行をクリックします。

RBDの詳細
図 6.2: RBDの詳細

6.2 RBDの設定の表示

デバイスの詳細な設定を表示するには、テーブルでそのデバイスの行をクリックし、続いてその下のテーブルで設定タブをクリックします。

RBD設定
図 6.3: RBD設定

6.3 RBDの作成

新しいデバイスを追加するには、テーブル見出しの左上の作成をクリックして、RBDの作成画面で次の操作を行います。

新しいRBDの追加
図 6.4: 新しいRBDの追加
  1. 新しいデバイスの名前を入力します。命名の制限については、2.11項 「名前の制限」を参照してください。

  2. 新しいRBDデバイスの作成元となる、rbdアプリケーションが割り当てられたプールを選択します。

  3. 新しいデバイスのサイズを指定します。

  4. デバイスの追加オプションを指定します。デバイスのパラメータを微調整するには、詳細をクリックし、オブジェクトサイズ、ストライプユニット、またはストライプ数の値を入力します。QoS (サービス品質)の制限を入力するには、サービス品質をクリックし、制限値を入力します。

  5. Create RBD (RBDの作成)をクリックして確認します。

6.4 RBDの削除

デバイスを削除するには、そのテーブル行を選択します。作成ボタンの横にあるドロップダウン矢印をクリックして、削除をクリックします。Delete RBD (RBDの削除)をクリックして削除を確認します。

ヒント
ヒント: RBDのごみ箱への移動

RBDの削除は元に戻せないアクションです。代わりにごみ箱に移動するを実行すると、後でメインテーブルのごみ箱タブでデバイスを選択し、テーブル見出しの左上の復元をクリックしてデバイスを復元できます。

6.5 RADOS Block Deviceのスナップショットの作成

RADOS Block Deviceのスナップショットを作成するには、そのテーブル行を選択してください。設定内容ペインが表示されます。スナップショットタブを選択し、テーブル見出しの左上にある作成をクリックします。スナップショットの名前を入力し、RBDスナップショットの作成をクリックして確認します。

スナップショットを選択した後で、デバイスの名前の変更、保護、複製、コピー、削除などの追加のアクションを実行できます。ロールバックは、現在のスナップショットからデバイスの状態を復元します。

RBDのスナップショット
図 6.5: RBDのスナップショット

6.6 RBDミラーリング

RADOS Block Deviceイメージを2つのCephクラスタ間で非同期にミラーリングできます。Cephダッシュボードを使用して、2つ以上のクラスタ間でRBDイメージを複製するよう設定できます。この機能には2つのモードがあります。

ジャーナルベース

このモードは、RBDイメージのジャーナリング機能を使用して、クラスタ間でクラッシュコンシステントなレプリケーションを保証します。

スナップショットベース

このモードでは、RBDイメージのミラースナップショットを使用して、クラッシュコンシステントなRBDイメージをクラスタ間で複製します。ミラースナップショットはスケジュールに沿って定期的に作成するか、手動で作成します。

ジャーナルベースのミラーリングだけを使用している場合、ミラーリングはピアクラスタ内のプールごとに設定されます。また、プール内の特定のイメージサブセットに設定することや、プール内のすべてのイメージを自動的にミラーリングするように設定することもできます。

ミラーリングは、SUSE Enterprise Storage 7.1にデフォルトでインストールされているrbdコマンドを使用して設定されます。rbd-mirrorデーモンは、リモートのピアクラスタからイメージの更新をプルし、ローカルクラスタ内のイメージに適用します。6.6.2項 「rbd-mirrorデーモンの有効化」デーモンの有効化の詳細については、rbd-mirrorを参照してください。

レプリケーションに対する要望に応じて、RADOS Block Deviceのミラーリングは単方向レプリケーション用または双方向レプリケーション用に設定できます。

単方向レプリケーション

データがプライマリクラスタからセカンダリクラスタにミラーリングされるだけであれば、rbd-mirrorデーモンはセカンダリクラスタ上でのみ実行されます。

双方向レプリケーション

データが、あるクラスタのプライマリイメージから別のクラスタの非プライマリイメージにミラーリングされる場合(逆も同様)、rbd-mirrorデーモンは両方のクラスタで実行されます。

重要
重要

rbd-mirrorデーモンの各インスタンスは、ローカルとリモート両方のCephクラスタを同時に接続できなければなりません。たとえば、すべてのMonitorホストとOSDホストを接続できる必要があります。さらに、ミラーリングのワークロードを扱うため、ネットワークの2つのデータセンター間には十分な帯域幅が必要です。

ヒント
ヒント: 一般情報

RADOS Block Deviceのミラーリングの一般情報とコマンドラインによるアプローチについては、20.4項 「RBDイメージのミラーリング」を参照してください。

6.6.1 プライマリクラスタとセカンダリクラスタの設定

「プライマリ」クラスタは、イメージを含む元のプールが作成される場所です。「セカンダリ」クラスタは、「プライマリ」クラスタからプールやイメージが複製される場所です。

注記
注記: 相対命名

「プライマリ」および「セカンダリ」という用語は、クラスタよりも個々のプールとの関連性が高いため、レプリケーションのコンテキストでは相対的に使用できます。たとえば、双方向レプリケーションにおいて、あるプールを「プライマリ」クラスタから「セカンダリ」クラスタにミラーリングし、別のプールを「セカンダリ」クラスタから「プライマリ」クラスタにミラーリングできます。

6.6.2 rbd-mirrorデーモンの有効化

次の手順では、rbdコマンドを使用してミラーリングを設定するための基本的な管理タスクを実行する方法を説明します。ミラーリングは、Cephクラスタ内のプールごとに設定します。

プールの設定手順は、両方のピアクラスタで行う必要があります。これから説明する手順では、わかりやすくするため「プライマリ」および「セカンダリ」という名前の2つのクラスタが1つのホストからアクセス可能であることを想定しています。

rbd-mirrorデーモンは、クラスタデータの実際のレプリケーションを実行します。

  1. ceph.confとキーリングファイルの名前を変更し、プライマリホストからセカンダリホストにコピーします。

    cephuser@secondary > cp /etc/ceph/ceph.conf /etc/ceph/primary.conf
    cephuser@secondary > cp /etc/ceph/ceph.admin.client.keyring \
     /etc/ceph/primary.client.admin.keyring
    cephuser@secondary > scp PRIMARY_HOST:/etc/ceph/ceph.conf \
     /etc/ceph/secondary.conf
    cephuser@secondary > scp  PRIMARY_HOST:/etc/ceph/ceph.client.admin.keyring \
     /etc/ceph/secondary.client.admin.keyring
  2. rbdを使用してプールのミラーリングを有効にするには、mirror pool enable、プール名、ミラーリングモードを指定します。

    cephuser@adm > rbd mirror pool enable POOL_NAME MODE
    注記
    注記

    ミラーリングモードはimageまたはpoolを指定できます。以下に例を示します。

    cephuser@secondary > rbd --cluster primary mirror pool enable image-pool image
    cephuser@secondary > rbd --cluster secondary mirror pool enable image-pool image
  3. Cephダッシュボードでブロック › ミラーリングに移動します。左側のデーモンテーブルに、アクティブに実行されているrbd-mirrorデーモンとそのヘルスが表示されます。

    rbd-mirrorデーモンの実行
    図 6.6: rbd-mirrorデーモンの実行

6.6.3 ミラーリングの無効化

rbdを使用してプールのミラーリングを無効化するには、mirror pool disableコマンドとプール名を指定します。

cephuser@adm > rbd mirror pool disable POOL_NAME

この方法でプールのミラーリングを無効にした場合、ミラーリングを明示的に有効にしたイメージ(プール内)のミラーリングも無効になります。

6.6.4 ピアのブートストラップ処理

rbd-mirrorがピアクラスタを発見するためには、ピアをプールに登録し、ユーザアカウントを作成する必要があります。このプロセスはrbdコマンドとともにmirror pool peer bootstrap createコマンドとmirror pool peer bootstrap importコマンドを使用することで自動化できます。

rbdを使用して新しいブートストラップトークンを手動で作成するには、mirror pool peer bootstrap createコマンドとプール名に加えて、ローカルクラスタを記述するためにオプションのサイト名を指定します。

cephuser@adm > rbd mirror pool peer bootstrap create [--site-name local-site-name] pool-name

mirror pool peer bootstrap createコマンドの出力はトークンです。このトークンをmirror pool peer bootstrap importコマンドに提供する必要があります。たとえば、プライマリクラスタで次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > rbd --cluster primary mirror pool peer bootstrap create --site-name primary
  image-pool eyJmc2lkIjoiOWY1MjgyZGItYjg5OS00NTk2LTgwOTgtMzIwYzFmYzM5NmYzIiwiY2xpZW50X2lkIjoicmJkL \
  W1pcnJvci1wZWVyIiwia2V5IjoiQVFBUnczOWQwdkhvQmhBQVlMM1I4RmR5dHNJQU50bkFTZ0lOTVE9PSIsIm1vbl9ob3N0I \
  joiW3YyOjE5Mi4xNjguMS4zOjY4MjAsdjE6MTkyLjE2OC4xLjM6NjgyMV0ifQ==

rbdコマンドを使用して別のクラスタが作成したブートストラップトークンを手動でインポートするには、次の項目を指定します。mirror pool peer bootstrap importコマンド、プール名、作成されたトークンへのファイルパス(標準入力から読み込む場合は「-」)、および、オプションでローカルクラスタとミラーリング方向を記述するサイト名(デフォルトでは双方向ミラーリングを表すrx-txに設定されていますが、単方向ミラーリングを表すrx-onlyにも設定できます)。

cephuser@adm > rbd mirror pool peer bootstrap import [--site-name local-site-name] \
[--direction rx-only or rx-tx] pool-name token-path

たとえば、セカンダリクラスタで次のコマンドを実行します。

cephuser@adm > cat >>EOF < token
eyJmc2lkIjoiOWY1MjgyZGItYjg5OS00NTk2LTgwOTgtMzIwYzFmYzM5NmYzIiwiY2xpZW50X2lkIjoicmJkLW1pcn \
Jvci1wZWVyIiwia2V5IjoiQVFBUnczOWQwdkhvQmhBQVlMM1I4RmR5dHNJQU50bkFTZ0lOTVE9PSIsIm1vbl9ob3N0I \
joiW3YyOjE5Mi4xNjguMS4zOjY4MjAsdjE6MTkyLjE2OC4xLjM6NjgyMV0ifQ==
EOF
cephuser@adm > rbd --cluster secondary mirror pool peer bootstrap import --site-name secondary image-pool token

6.6.5 クラスタピアの削除

rbdコマンドを使用して、ミラーリングピアCephクラスタを削除するには、mirror pool peer removeコマンド、プール名、ピアのUUIDを指定します(UUIDはrbd mirror pool infoコマンドにより取得できます)。

cephuser@adm > rbd mirror pool peer remove pool-name peer-uuid

6.6.6 Cephダッシュボードによるプールのレプリケーション設定

RBDイメージをミラーリングできるようにするには、rbd-mirrorデーモンがプライマリクラスタへのアクセス権を持っている必要があります。作業を始める前に、6.6.4項 「ピアのブートストラップ処理」の手順に従って設定したかを確認してください。

  1. 「プライマリ」および「セカンダリ」クラスタの両方で同じ名前のプールを作成し、プールにrbdアプリケーションを割り当てます。新しいプールの作成の詳細については、5.1項 「新しいプールの追加」を参照してください。

    RBDアプリケーションを使用したプールの作成
    図 6.7: RBDアプリケーションを使用したプールの作成
  2. 「プライマリ」および「セカンダリ」クラスタの両方のダッシュボードで、ブロック › ミラーリングに移動します。右側のプールテーブルで、複製するプールの名前をクリックし、モードの編集をクリックした後で、レプリケーションモードを選択します。この例では、「プール」レプリケーションモードを使用します。つまり、指定したプール内のすべてのイメージが複製されます。更新をクリックして確認します。

    レプリケーションモードの設定
    図 6.8: レプリケーションモードの設定
    重要
    重要: プライマリクラスタでのエラーまたは警告

    レプリケーションモードを更新すると、対応する右側の列にエラーまたは警告フラグが表示されます。これは、まだプールにレプリケーション用のピアユーザが割り当てられていないためです。ピアユーザは「セカンダリ」クラスタにのみ割り当てるので、「プライマリ」クラスタではこのフラグは無視してください。

  3. 「セカンダリ」クラスタのダッシュボードで、ブロック › ミラーリングに移動します。ピアの追加を選択してプールミラーピアを追加します。「プライマリ」クラスタの詳細を指定します。

    ピア資格情報の追加
    図 6.9: ピア資格情報の追加
    クラスタ名

    プライマリクラスタを識別する任意の固有の文字列(「primary」など)。このクラスタ名は、実際のセカンダリクラスタの名前とは異なる必要があります。

    CephX ID

    ミラーリングピアとして作成したCephユーザID。この例では、「rbd-mirror-peer」です。

    モニターアドレス

    プライマリクラスタのCeph MonitorノードのIPアドレスをカンマ区切りリスト。

    CephXキー

    ピアユーザIDに関連したキー。このキーを取得するには、プライマリクラスタで次のサンプルコマンドを実行します。

    cephuser@adm > ceph auth print_key pool-mirror-peer-name

    送信をクリックして確認します。

    複製されたプールのリスト
    図 6.10: 複製されたプールのリスト

6.6.7 RBDイメージレプリケーションが機能することの確認

rbd-mirrorデーモンが実行されていて、CephダッシュボードでRBDイメージレプリケーションが設定されている場合、ここで、レプリケーションが実際に機能するかどうかを確認します。

  1. 「プライマリ」クラスタのCephダッシュボードで、RBDイメージを作成し、その親プールが、レプリケーション用にすでに作成済みのプールになるようにします。イメージに対して[排他ロック]機能と[ジャーナリング]機能を有効にします。RBDイメージの作成方法の詳細については、6.3項 「RBDの作成」を参照してください。

    新しいRBDイメージ
    図 6.11: 新しいRBDイメージ
  2. 複製するイメージを作成した後で、「セカンダリ」クラスタのCephダッシュボードを開き、ブロック › ミラーリングに移動します。右側のプールテーブルは、#リモートイメージの数の変更を反映し、#ローカルイメージの数を同期します。

    新しいRBDイメージの同期
    図 6.12: 新しいRBDイメージの同期
    ヒント
    ヒント: レプリケーションの進行状況

    ページ下部のイメージテーブルには、RBDイメージのレプリケーションのステータスが表示されます。問題タブには、考えられる問題が含まれており、同期中タブには、イメージのレプリケーションの進行状況が表示され、準備完了タブには、レプリケーションが正常に完了したすべてのイメージが一覧にされます。

    RBDイメージのレプリケーションステータス
    図 6.13: RBDイメージのレプリケーションステータス
  3. 「プライマリ」クラスタで、データをRBDイメージに書き込みます。「セカンダリ」クラスタのCephダッシュボードで、ブロック › イメージに移動して、プライマリクラスタのデータが書き込まれるにつれて、対応するイメージのサイズが大きくなっているかどうかを監視します。

6.7 iSCSI Gatewayの管理

ヒント
ヒント: iSCSI Gatewayについての詳細

iSCSI Gatewayの全般的な情報については、第22章 「Ceph iSCSI Gatewayを参照してください。

利用可能なすべてのゲートウェイとマップ済みイメージを一覧にするには、メインメニューからブロック › iSCSIをクリックします。概要タブを開くと、現在設定されているiSCSI Gatewayとマップ済みのRBDイメージが一覧にされます。

ゲートウェイテーブルには、各ゲートウェイの状態、iSCSIターゲットの数、およびセッションの数が一覧にされます。イメージテーブルには、各マップ済みイメージの名前、関連するプール名のバックストアタイプ、および他の統計情報の詳細が一覧にされます。

ターゲットタブには、現在設定されているiSCSIターゲットが一覧にされます。

iSCSIターゲットのリスト
図 6.14: iSCSIターゲットのリスト

ターゲットのより詳細な情報を表示するには、そのテーブル行のドロップダウン矢印をクリックしてください。ツリー構造のスキーマが開き、ディスク、ポータル、イニシエータ、およびグループが一覧にされます。項目をクリックして展開し、その詳細コンテンツを表示します。オプションで右側の表に関連する設定が表示されます。

iSCSIターゲット詳細
図 6.15: iSCSIターゲット詳細

6.7.1 iSCSIターゲットの追加

新しいiSCSIターゲットを追加するには、ターゲットテーブルの左上の作成をクリックして、必要な情報を入力します。

新しいターゲットの追加
図 6.16: 新しいターゲットの追加
  1. 新しいゲートウェイのターゲットアドレスを入力します。

  2. Add portal (ポータルの追加)をクリックして、リストから1つまたは複数のiSCSIポータルを選択します。

  3. Add image (イメージの追加)をクリックして、ゲートウェイのRBDイメージを1つまたは複数選択します。

  4. 認証を使用してゲートウェイにアクセスする必要がある場合は、ACL認証チェックボックスをオンにして資格情報を入力します。Mutual authentication (相互認証)およびDiscovery authentication (ディスカバリ認証)を有効にすると、より高度な認証オプションが表示されます。

  5. Create Target (ターゲットの作成)をクリックして確認します。

6.7.2 iSCSIターゲットの編集

既存のiSCSIターゲットを編集するには、ターゲットテーブルでその行をクリックし、テーブルの左上の編集をクリックします。

その後、iSCSIターゲットの追加、ポータルの追加または削除、および関連するRBDイメージの追加または削除を行うことができます。ゲートウェイの認証情報を調整することもできます。

6.7.3 iSCSIターゲットの削除

iSCSIターゲットを削除するには、テーブル行を選択してから編集ボタンの隣にあるドロップダウン矢印をクリックして、削除を選択します。はいを有効にして、iSCSIターゲットの削除をクリックして確認します。

6.8 RBD QoS (サービス品質)

ヒント
ヒント: 詳細の参照先

RBD QoS設定オプションの全般的な情報と説明については、20.6項 「QoS設定」を参照してください。

QoSオプションは次の複数のレベルで設定できます。

  • グローバル

  • プールごと

  • イメージごと

「グローバル」の設定はリストの一番上にあり、新しく作成されたすべてのRBDイメージと、プールまたはRBDイメージ層でこれらの値を上書きしないイメージに使用されます。グローバルに指定されたオプション値をプールごとまたはイメージごとに上書きできます。プールに対して指定されたオプションは、そのプールのすべてのRBDイメージに適用されます。ただし、イメージに対して設定された設定オプションが優先される場合を除きます。イメージに対して指定されたオプションは、プールに対して指定されたオプションを上書きし、グローバルに指定されたオプションを上書きします。

このようにして、デフォルトをグローバルに定義して、特定のプールのすべてのRBDイメージに適合させ、個々のRBDイメージのプール設定を上書きできます。

6.8.1 オプションのグローバルな設定

RADOS Block Deviceをグローバルに設定するには、メインメニューからクラスタ › 設定を選択してください。

  1. レベルの横に、すべての利用可能なグローバル設定オプションを一覧にするには、ドロップダウンメニューから詳細を選択します。

  2. 検索フィールドでrbd_qosをフィルタリングして、テーブルの結果をフィルタします。これにより、QoSで使用可能なすべての設定オプションが一覧にされます。

  3. 値を変更するには、テーブルでその行をクリックし、テーブルの左上の編集を選択します。編集ダイアログには、値を指定するための6つの異なるフィールドが含まれます。mgrテキストボックスには、RBD設定オプションの値を入力する必要があります。

    注記
    注記

    他のダイアログとは異なり、このダイアログでは接頭辞付きの単位で値を指定できません。編集するオプションによっては、バイトまたはIOPSのいずれかでこれらの値を設定する必要があります。

6.8.2 新しいプールでのオプションの設定

新しいプールを作成し、そのプールにRBD設定オプションを設定するには、プール › 作成をクリックします。プールタイプとしてreplicated (複製)を選択します。RBD QoSオプションを設定できるようにするには、プールにrbdアプリケーションタグを追加する必要があります。

注記
注記

イレージャコーディングプールにRBD QoS設定オプションを設定することはできません。イレージャコーディングプールにRBD QoSオプションを設定するには、RBDイメージの複製されたメタデータプールを編集する必要があります。これにより、そのイメージのイレージャコーディングデータプールに設定が適用されます。

6.8.3 既存のプールでのオプションの設定

既存のプールにRBD QoSオプションを設定するには、プールをクリックし、プールのテーブル行をクリックして、テーブルの左上の編集を選択します。

ダイアログにRBD設定セクションが表示され、その後にサービス品質セクションが表示されます。

注記
注記

RBD設定セクションもサービス品質セクションも表示されない場合は、RBD設定オプションの設定に使用できない「イレージャコーディング」プールを編集しているか、RBDイメージで使用するようにプールが設定されていない可能性があります。後者の場合は、RBDアプリケーションタグをプールに割り当てます。これにより、対応する設定セクションが表示されます。

6.8.4 設定オプション

設定オプションを展開するには、サービス品質+をクリックします。使用可能なすべてのオプションのリストが表示されます。設定オプションの単位は、テキストボックスにすでに表示されています。BPS (1秒あたりのバイト数)オプションの場合は、「1M」や「5G」などのショートカットを自由に使用できます。これらはそれぞれ自動的に「1 MB/秒」と「5 GB/秒」に変換されます。

各テキストボックスの右にあるリセットボタンをクリックすると、プールに設定されている値が削除されます。グローバルに設定されたオプションやRBDイメージに設定されたオプションの設定値は削除されません。

6.8.5 新しいRBDイメージを使用したRBD QoSオプションの作成

イメージにRBD QoSオプションが設定された状態でRBDイメージを作成するには、ブロック › イメージを選択し、作成をクリックします。詳細設定セクションを展開するには、詳細...をクリックします。使用可能なすべての設定オプションを開くには、サービス品質+をクリックします。

6.8.6 既存のイメージでのRBD QoSの編集

既存のイメージでRBD QoSオプションを編集するには、ブロック › イメージを選択し、プールのテーブル行をクリックして、最後に編集をクリックします。編集ダイアログが表示されます。詳細設定セクションを展開するには、詳細...をクリックします。使用可能なすべての設定オプションを開くには、サービス品質+をクリックします。

6.8.7 イメージをコピーまたは複製する際の設定オプションの変更

RBDイメージを複製またはコピーする場合、デフォルトでは、その特定のイメージに設定された値もコピーされます。コピーまたは複製時にRBDイメージを変更する場合は、RBDイメージを作成または編集する場合と同様に、コピー/複製ダイアログで、更新された設定値を指定できます。この場合、コピーまたは複製するRBDイメージの値のみが設定(またはリセット)されます。この操作では、ソースRBDイメージの設定もグローバル設定も変更されません。

コピー/複製時にオプションの値をリセットすることを選択した場合、そのオプションの値は、そのイメージに設定されません。つまり、親プールに値が設定されている場合、親プールに指定されたそのオプションの値が使用されます。親プールに値が設定されていない場合は、グローバルなデフォルトが使用されます。