SAPインストールウィザードを使用すると、リモートサーバ(NFSやSMBなど)からSAPメディアセットをコピーできます。ただし、そこで提供されるオプションを使用すると、同時に製品をインストールする必要があります。さらに、組織で使用されるすべてのSAPメディアを単一のサーバにコピーすることはできません。
ただし、このようなサーバは自分で簡単に作成できます。たとえば、NFSサーバ上にSAPメディアを配置するには、次の手順に従います。
インストールサーバで、/srv/www/htdocs/sap_repo
ディレクトリを作成します。
/etc/exports
ファイルを開いて、次の行を追加します。
/srv/www/htdocs/sap_repo *(ro,no_root_squash,sync,no_subtree_check,insecure)
クライアントは実行可能なファイルを表示できる必要があります。表示できない場合、SUSEのSAPインストールウィザードで、SAPインストーラを実行できません。
/srv/www/htdocs/sap_repo
で、使用しているすべてのSAPメディアのディレクトリを作成します。これらのディレクトリに名前を付け、後で特定できるようにします。たとえば、kernel
、java
、hana
などの名前を使用できます。
cp -a
を使用して、各SAPメディアのコンテンツを対応するディレクトリにコピーします。
NTFSのようなWindowsファイルシステムとの間でコピーする場合にWindowsオペレーティングシステムを使用すると、許可設定を破損し、ファイルとディレクトリの大文字小文字の区別ができなくなる可能性があります。
現在は、設定したNFSサーバからインストールできます。SAPインストールウィザードで、次のようなパスを指定します。server_name/srv/www/htdocs/sap_repo
。パスの指定の詳細については、表4.1「メディアソースのパス」を参照してください。
初めからNFSサーバを設定する方法については、 『管理ガイド』の「サービス」パート、「NFS共有ファイルシステム」の章のセクション、「NFSサーバのインストール」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。
NFSサーバからSUSE Linux Enterprise Serverをインストールする方法については、『導入ガイド』、「リモートインストール」の章のセクション、「NFSリポジトリの手動設定」 (https://documentation.suse.com/sles-15)を参照してください。