11 Elemental #
Elementalは、Kubernetesを使用した完全にクラウドネイティブな集中型のOS管理を可能にするソフトウェアスタックです。Elementalスタックは、Rancher自体またはエッジノード上に存在する多数のコンポーネントで構成されます。中核となるコンポーネントは次のとおりです。
elemental-operator - Rancher上に存在し、クライアントからの登録リクエストを処理するコアオペレータ。
elemental-register - エッジノード上で動作し、
elemental-operator
を介して登録できるようにするクライアント。elemental-system-agent - エッジノードに存在するエージェント。その設定は
elemental-register
から提供され、rancher-system-agent
を設定するためのplan
を受け取ります。rancher-system-agent - エッジノードが完全に登録された後に、
elemental-system-agent
から処理を引き継ぎ、Rancher Managerからの他のplans
を待機します(Kubernetesのインストールなど)。
Elemental、およびElementalとRancherとの関係の詳細については、Elementalのアップストリームドキュメントを参照してください。
11.1 SUSE EdgeでのElementalの用途 #
SUSEでは、Metal3を選択できないリモート
デバイス(たとえば、BMCがない、デバイスがNATゲートウェイの背後にあるなど)の管理にElementalの一部を使用しています。このツールにより、オペレータは、デバイスがいつどこに配置されるかがわかる前に、ラボでデバイスをブートストラップできます。すなわち、elemental-register
とelemental-system-agent
コンポーネントを利用して、「Phone
Home」ネットワークプロビジョニングのユースケースでSLE MicroホストをRancherにオンボードできます。Edge Image Builder
(EIB)を使用してデプロイメントイメージを作成する場合、EIBの設定ディレクトリで登録設定を指定することで、Rancherを使用してElemental経由で自動登録を行うことができます。
SUSE Edge 3.0では、Elementalのオペレーティング システム管理の側面を利用して「いない」ため、Rancher経由でオペレーティング システムのパッチを管理することはできません。SUSE Edgeでは、Elementalツールを使用してデプロイメント イメージを構築する代わりに、登録設定を使用するEdge Image Builderツールを使用します。
11.2 ベストプラクティス #
11.2.1 インストールメディア #
「Phone Homeネットワークプロビジョニング」のデプロイメントフットプリントでElementalを利用してRancherに登録可能なデプロイメントイメージを構築する場合、SUSE Edgeでは、Elementalを使用したリモートホストのオンボーディング(第2章 「Elementalを使用したリモートホストのオンボーディング」)のクイックスタートで詳しく説明されている手順に従う方法をお勧めします。
11.2.2 ラベル #
Elementalは、MachineInventory
CRDを使用してインベントリを追跡し、インベントリを選択する方法を提供します。たとえば、Kubernetesクラスタのデプロイ先のマシンをラベルに基づいて選択できます。これにより、ユーザはハードウェアを購入する前に、インフラストラクチャのニーズの(すべてではないにしても)ほとんどを事前に定義しておくことができます。また、ノードはその各インベントリオブジェクトのラベルを追加/削除できるので(elemental-register
を、追加のフラグ--label
"FOO=BAR "
を指定して再実行する)、ノードがブートされた場所を検出してRancherに知らせるスクリプトを作成できます。
11.3 既知の問題 #
現在のところ、Elemental UIは、インストールメディアの構築方法を認識したり、「Elemental Teal」以外のオペレーティングシステムを更新したりすることはできません。これは将来のリリースで対応予定です。