このガイドは、SUSE® Linux Enterprise High Availability Extensionを使用してクラスタを設定、構成、および管理する必要がある管理者を対象にしています。構成と管理をすばやく効率的に行うため、High Availability Extensionにはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)とコマンドラインインタフェース(CLI)の両方が備わっています。主要なタスクである、両方のアプローチ(GUIおよびCLI)の実行については、このガイドで詳細に説明されています。これにより、管理者は、ニーズを満たす適切なツールを選択できるようになります。
このガイドは、次のパートで構成されています。
このパートでは、クラスタのインストールと設定を開始する前に、クラスタの基本とアーキテクチャをよく把握し、主要な機能と利点の概要を理解します。必要なハードウェア/ソフトウェア要件と、以降の手順を実行する前に必要な準備作業について学習します。YaSTを使用してHAクラスタのインストールおよび基本セットアップを実行します。クラスタを最新リリースバージョンにアップグレードする方法、または個々のパッケージを更新する方法について学習します。
Webインタフェース(Hawk2)またはコマンドラインインタフェース(crmsh)を使用して、リソースを追加、設定、および管理します。クラスタ設定への不正アクセスを防止するには、役割を定義して、それらを特定のユーザに割り当てることで細かく制御を行います。負荷分散およびフェンシングの使用方法を学習します。独自のリソースエージェントの作成、または既存のエージェントの変更を検討している場合、別の種類のリソースエージェントを作成する方法について背景情報を取得できます。
SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionには、クラスタ対応のファイルシステム(OCFS2とGFS2)、およびcLVM (clustered Logical Volume Manager)が標準装備されています。データのレプリケーションでは、DRBD*を使用します。これにより、High Availabilityサービスのデータをクラスタのアクティブノードからスタンバイノードへミラーリングできます。さらに、クラスタ化したSambaサーバにより、異種混合環境にもHigh Availabilityソリューションが提供されます。
一般的な問題とその解決策の概要が記載されています。クラスタ、リソース、および制約に関して、このマニュアルで使用されている命名規則を示します。HA固有の用語を収録した用語集もあります。
このマニュアルの多くの章に、システム上またはインターネットで利用可能な追加のドキュメントリソースへのリンクが含まれています。
製品に関するマニュアルは、https://documentation.suse.comからご利用いただけます。最新のアップデートもご利用いただけるほか、マニュアルをさまざまな形式でブラウズおよびダウンロードすることができます。最新のマニュアルアップデートは通常、英語版で検索できます。
この製品の次のマニュアルを入手できます。
このマニュアルでは、ha-cluster-bootstrap
パッケージで提供されているブートストラップスクリプトを使用して、非常に基本的な2ノードクラスタをセットアップする手順を説明します。仮想IPアドレスをクラスタリソースとして設定する手順や、共有ストレージ上でSBDをフェンシングメカニズムとして使用する手順も記載されています。
このガイドは、SUSE® Linux Enterprise High Availability Extensionを使用してクラスタを設定、構成、および管理する必要がある管理者を対象にしています。構成と管理をすばやく効率的に行うため、High Availability Extensionにはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)とコマンドラインインタフェース(CLI)の両方が備わっています。主要なタスクである、両方のアプローチ(GUIおよびCLI)の実行については、このガイドで詳細に説明されています。これにより、管理者は、ニーズを満たす適切なツールを選択できるようになります。
Geoクラスタリングを使用すると、それぞれ1つのローカルクラスタを備えた地理的に分散された複数のサイトを運用できます。これらのクラスタ間のフェールオーバーは、より高いレベルのエンティティであるブースクラスタチケットマネージャによって管理されます。
Geoクラスタリングを使用すると、それぞれ1つのローカルクラスタを備えた地理的に分散された複数のサイトを運用できます。これらのクラスタ間のフェールオーバーは、より高いレベルのエンティティであるブースクラスタチケットマネージャによって調整されます。このドキュメントでは、ブースのセットアップオプションおよびパラメータ、Geoクラスタ用のCsync2のセットアップ、クラスタリソースを設定する方法、および変更時に他のクラスタサイトに転送する方法について詳しく説明します。また、コマンドラインから、およびHawkを使用してGeoクラスタを管理する方法、および最新の製品バージョンにアップグレードする方法についても説明します。
このドキュメントでは、SUSE Linux Enterprise High Availability Extension 12 SP5の次のコンポーネント: DRBD* (Distributed Replicated Block Device)、LVM (Logical Volume Manager)、およびクラスタリソース管理フレームワークであるPacemakerkを使用して、2ノードクラスタの高可用性NFSストレージを設定する方法について説明します。
このマニュアルでは、Pacemakerとpacemaker_remote
によって管理される、リモートノードまたはゲストノードを含むHigh Availabilityクラスタをセットアップする手順を説明します。pacemaker_remote
の「リモート」という用語は、物理的な距離を意味するのではなく、クラスタの「非メンバーシップ」を意味しています。
次のフィードバックチャネルがあります。
ご使用の製品に利用できるサービスとサポートのオプションについては、http://www.suse.com/support/を参照してください。
製品コンポーネントのバグを報告するには、https://scc.suse.com/support/requestsにアクセスしてログインし、 をクリックします。
SUSE Bugzillaアカウントをお持ちの場合は、このドキュメントのHTMLバージョンの見出し横にある
リンクをクリックしてください。バグレポートを開くことができるBugzillaに移動します。
この製品のドキュメントについてのフィードバックは、doc-team@suse.com
宛のメールでも送信できます。ドキュメントのタイトル、製品のバージョン、およびドキュメントの発行日を明記してください。エラーの報告または機能拡張の提案では、問題について簡潔に説明し、対応するセクション番号とページ(またはURL)をお知らせください。
このマニュアルでは、次の通知と表記規則が使用されています。
tux >
command
root
ユーザを含む、任意のユーザが実行可能なコマンド。
root #
command
root
特権で実行する必要のあるコマンド。多くの場合、これらのコマンドの頭にsudo
コマンドを置いて実行することもできます。
crm(live)
対話型crmシェルで実行されるコマンド。詳細については、第8章 「クラスタリソースの設定と管理(コマンドライン)」を参照してください。
/etc/passwd
:ディレクトリ名とファイル名
PLACEHOLDER:PLACEHOLDERは、実際の値で置き換えられます
PATH
:環境変数PATH
ls
、--help
:コマンド、オプション、およびパラメータ
user
:ユーザまたはグループ
packagename:パッケージの名前
Alt, Alt–F1 :使用するキーまたはキーの組み合わせ、キーはキーボード上と同様、大文字で表示される
、 › : メニュー項目、ボタン
amd64, em64t, ipf
この説明は、amd64
、em64t
、およびipf
の各アーキテクチャにのみ当てはまります。矢印は、テキストブロックの先頭と終わりを示します。
Dancing Penguins (「Penguins」の章、↑他のマニュアル):他のマニュアルの章への参照です。
通知
続行する前に知っておくべき、無視できない情報。セキュリティ上の問題、データ損失の可能性、ハードウェアの損傷、または物理的な危険について警告します。
続行する前に知っておくべき重要な情報。
追加情報。たとえば、ソフトウェアバージョンの違いに関する情報です。
ガイドラインや実際的なアドバイスなどの役に立つ情報。
クラスタノードと名前、リソース、およびに制約に関する命名規則の概要については、付録B 命名規則を参照してください。
このマニュアルは、DocBook 5のサブセットであるSUSEDocで作成されています。XMLソースファイルはjing
(https://code.google.com/p/jing-trang/を参照)によって検証され、xsltproc
によって処理され、Norman Walshによるスタイルシートのカスタマイズ版を使用してXSL-FOに変換されました。最終的なPDFは、Apache Software FoundationのFOPを使用して書式設定されています。このマニュアルの作成に使用したオープンソースツールと環境は、DocBook Authoring and Publishing Suite (DAPS)によって提供されたものです。プロジェクトのホームページはhttps://github.com/openSUSE/dapsにあります。
このマニュアルのXMLソースコードについては、https://github.com/SUSE/doc-slehaを参照してください。