12 ブートローダGRUB 2 #
この章では、SUSE® Linux Enterprise Serverで使用されているブートローダGRUB 2の設定方法について説明します。これは、現在「GRUB Legacy」と呼ばれる従来のGRUBブートローダの後継バージョンです。GRUB 2は、SUSE® Linux Enterprise Serverのバージョン 12以降でデフォルトのブートローダとして使用されています。YaSTモジュールは、最も重要な設定を行うために使用できます。ブート手順は、総じて第10章 「ブートプロセスの概要」で説明しています。UEFIマシンでのセキュアブートのサポートの詳細については、第11章 「UEFI (Unified Extensible Firmware Interface)」を参照してください。
12.1 GRUB LegacyとGRUB 2の主な相違点 #
設定が異なるファイルに保存されます。
より多くのファイルシステム(Btrfsなど)がサポートされています。
LVMまたはRAIDデバイスに保存されたファイルを直接読み込めます。
テーマによってユーザインタフェースを翻訳および変更できます。
ファイルシステムなどの追加機能をサポートするモジュールをロードするためのメカニズムが組み込まれています。
他のカーネルとオペレーティングシステム(Windowsなど)のブートエントリを自動的に検索して生成します。
Bashに似た最小限のコンソールが組み込まれています。
12.2 設定ファイルの構造 #
GRUB 2の設定は、次のファイルに基づいています。
/boot/grub2/grub.cfg
このファイルには、GRUB 2メニュー項目の設定が含まれます。これは、GRUB Legacyで使用されていた
menu.lst
に代わるものです。grub.cfg
は編集しないでください。コマンドgrub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
によって自動的に生成されます。/boot/grub2/custom.cfg
このオプションファイルは、ブート時に
grub.cfg
によって直接調達され、ブートメニューにカスタム項目を追加するために使用できます。SUSE Linux Enterprise Serverからは、grub-once
を使用する場合も、これらのエントリが解析されます。/etc/default/grub
このファイルは、GRUB 2のユーザ設定を制御し、通常は背景やテーマなどの追加の環境設定を含みます。
/etc/grub.d/
にあるスクリプトこのディレクトリのスクリプトは、コマンド
grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
の実行中に読み込まれます。スクリプトの命令はメインの設定ファイル/boot/grub/grub.cfg
に統合されます。/etc/sysconfig/bootloader
この設定ファイルは、ブートローダタイプや、UEFIセキュアブートサポートを有効にするかどうかなどのいくつかの基本的な設定を保持します。
/boot/grub2/x86_64-efi
、/boot/grub2/power-ieee1275
、/boot/grub2/s390x
これらの設定ファイルにはアーキテクチャ固有のオプションが含まれます。
GRUB 2は、さまざまな方法で制御できます。グラフィカルメニュー(スプラッシュ画面)を使用して、既存の設定からブートエントリを選択できます。設定は、他の設定ファイルからコンパイルされた/boot/grub2/grub.cfg
ファイルからロードされます(以下を参照)。GRUB 2設定ファイルはすべてシステムファイルとみなされ、編集するにはroot
特権が必要です。
GRUB 2設定ファイルを手動で編集した後で、grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
を実行して、変更を有効にする必要があります。ただし、YaSTを使用して設定を変更した場合、YaSTはこのコマンドを自動的に実行するため、この作業は必要ありません。
12.2.1 /boot/grub2/grub.cfg
ファイル #
ブートメニューを含むグラフィカルスプラッシュ画面は、GRUB 2の設定ファイル/boot/grub2/grub.cfg
に基づいており、このファイルにはメニューを使用してブートできるすべてのパーティションまたはオペレーティングシステムに関する情報が含まれています。
システムをブートするたびに、GRUB 2はファイルシステムから直接メニューファイルをロードします。このため、設定ファイルを変更するたびにGRUB 2を再インストールする必要がありません。grub.cfg
は、カーネルをインストールまたは削除すると自動的に再構築されます。
grub.cfg
は、ファイル/etc/default/grub
、およびコマンドgrub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
の実行中に/etc/grub.d/
ディレクトリで見つかったスクリプトからコンパイルされます。そのため、このファイルは手動で編集しないでください。代わりに、関連するソースファイルを編集するか、12.3項 「YaSTによるブートローダの設定」で説明されているようにYaST モジュールを使用して設定を変更します。
12.2.2 /etc/default/grub
ファイル #
ここには、メニューを表示するタイミングやブートするデフォルトのOSなど、GRUB 2のより一般的なオプションが含まれます。すべての使用可能なオプションについては、次のコマンドの出力を参照してください。
grep "export GRUB_DEFAULT" -A50 /usr/sbin/grub2-mkconfig | grep GRUB_
定義済みの変数以外にユーザ独自の変数を導入して、後から/etc/grub.d
ディレクトリにあるスクリプト内でそれらの変数を使用できます。
/etc/default/grub
を編集した後で、grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
を使用してメインの設定ファイルをアップデートします。
このファイルに設定されているオプションはすべて、全ブートエントリに影響する汎用オプションです。XenカーネルまたはXenハイバーバイザに固有のオプションは、GRUB_*_XEN_*設定オプションを介して設定できます。詳細については、以下を参照してください。
GRUB_DEFAULT
デフォルトでブートされるブートメニューエントリを設定します。値は、数値、メニューエントリの完全な名前、または「saved」になります。
GRUB_DEFAULT=2
は、3番目(0から数える)のブートメニューエントリをブートします。GRUB_DEFAULT="2>0"
は、3番目の最上位レベルのメニューエントリの1番目にあるサブメニューエントリをブートします。GRUB_DEFAULT="Example boot menu entry"
は、「Example boot menu entry」というタイトルのメニューエントリをブートします。GRUB_DEFAULT=saved
は、grub2-once
コマンドまたはgrub2-set-default
コマンドによって指定されたエントリをブートします。grub2-reboot
は次回の再起動時にのみ有効なデフォルトブートエントリを設定するのに対し、grub2-set-default
は変更しない限りデフォルトとして使用されるブートエントリを設定します。grub2-editenv list
は、次のブートエントリをリストします。GRUB_HIDDEN_TIMEOUT
ユーザがキーを押すまで、指定された秒数待機します。この間は、ユーザがキーを押さない限りメニューは表示されません。指定された時間内にキーが押されなかった場合、制御は
GRUB_TIMEOUT
に渡されます。GRUB_HIDDEN_TIMEOUT=0
は、まずShiftキーが押されているかどうかを確認し、押されている場合はブートメニューを表示し、押されていない場合は即座にデフォルトのメニューエントリをブートします。これは、GRUB 2によって識別されるブート可能なOSが1つだけの場合のデフォルトです。GRUB_HIDDEN_TIMEOUT_QUIET
false
が指定されていて、GRUB_HIDDEN_TIMEOUT
機能が有効な場合は、空の画面にカウントダウンタイマが表示されます。GRUB_TIMEOUT
自動的にデフォルトのブートエントリをブートする前に、ブートメニューを表示する時間(秒数)。キーを押すとタイムアウトはキャンセルされ、GRUB 2はユーザが手動で選択するまで待機します。
GRUB_TIMEOUT=-1
は、ユーザがブートエントリを手動で選択するまでメニューを表示します。GRUB_CMDLINE_LINUX
この行のエントリは、標準モードおよび回復モード用のブートエントリの最後に追加されます。この行を使用して、カーネルパラメータをブートエントリに追加します。
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
GRUB_CMDLINE_LINUX
と同じですが、標準モードでのみエントリが追加されます。GRUB_CMDLINE_LINUX_RECOVERY
GRUB_CMDLINE_LINUX
と同じですが、回復モードでのみエントリが追加されます。GRUB_CMDLINE_LINUX_XEN_REPLACE
このエントリは、すべてのXenブートエントリの
GRUB_CMDLINE_LINUX
パラメータを完全に置き換えます。GRUB_CMDLINE_LINUX_XEN_REPLACE_DEFAULT
GRUB_CMDLINE_LINUX_XEN_REPLACE
と同じですが、GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
のパラメータのみを置き換えます。GRUB_CMDLINE_XEN
このエントリは、Xenゲストカーネルのカーネルパラメータのみを指定します。基本原則は、
GRUB_CMDLINE_LINUX
と同じです。GRUB_CMDLINE_XEN_DEFAULT
GRUB_CMDLINE_XEN
と同じです。基本原則は、GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
と同じです。GRUB_TERMINAL
入出力端末デバイスを有効化および指定します。
console
(PC BIOSおよびEFIコンソール)、serial
(シリアル端末)、ofconsole
(Open Firmwareコンソール)、またはデフォルトのgfxterm
(グラフィックモード出力)のいずれかになります。また、必要なオプションを引用符で囲むことで、2つ以上のデバイスを有効にすることもできます(たとえば、GRUB_TERMINAL="console serial"
)。GRUB_GFXMODE
gfxterm
グラフィカル端末で使用される解像度。使用できるモードはグラフィックカード(VBE)でサポートされているモードのみである点に注意してください。デフォルトは「auto」で、優先解像度の選択を試みます。GRUB 2のコマンドラインで「videoinfo
」と入力すると、GRUB 2で使用可能な画面解像度が表示されます。コマンドラインにアクセスするには、GRUB 2ブートメニュー画面が表示されているときにCと入力します。また、色数を解像度設定に追加することで色数も指定できます(たとえば、
GRUB_GFXMODE=1280x1024x24
)。GRUB_BACKGROUND
gfxterm
グラフィカル端末の背景イメージを設定します。イメージはブート時にGRUB 2によって読み込み可能なファイルでなければならず、拡張子.png
、.tga
、.jpg
、または.jpeg
で終わる必要があります。必要であれば、イメージは画面に合わせて拡大されます。GRUB_DISABLE_OS_PROBER
このオプションを
true
に設定すると、他のオペレーティングシステムの自動検索は無効になります。/boot/
内のカーネルイメージと、/etc/grub.d/
内にあるユーザ独意のスクリプトのオプションのみが検出されます。SUSE_BTRFS_SNAPSHOT_BOOTING
このオプションを
true
に設定すると、GRUB 2をSnapperのスナップショットの状態に直接ブートできます。詳細については、7.3項 「スナップショットからのブートによるシステムロールバック」を参照してください。
すべてのオプションのリストについては、GNU GRUBのマニュアルを参照してください。すべての設定可能なパラメータのリストについては、http://en.opensuse.org/Linuxrcを参照してください。
12.2.3 /etc/grub.d
内のスクリプト #
このディレクトリのスクリプトは、コマンドgrub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
の実行中に読み込まれます。スクリプトの命令は/boot/grub2/grub.cfg
に統合されます。grub.cfg
内のメニュー項目の順序は、このディレクトリ内のファイルの実行順序によって決まります。まず、名前が数字で始まるファイルが、最も小さい数字が付いたものから順番に実行されます。00_header
は10_linux
の前に実行され、10_linuxは40_custom
の前に実行されます。アルファベットの名前が付いたファイルが存在する場合は、名前が数字で始まるファイルの後に実行されます。grub2-mkconfig
の実行中にgrub.cfg
へ出力を生成するのは実行可能ファイルのみです。デフォルトでは、/etc/grub.d
ディレクトリ内のファイルはすべて実行可能ファイルです。
grub.cfg
の永続的なカスタムコンテンツ
grub2-mkconfig
を実行するたびに/boot/grub2/grub.cfg
が再コンパイルされるため、カスタムコンテンツはすべて失われます。grub2-mkconfig
を実行した後に、それらを失うことなく/boot/grub2/grub.cfg
に直接行を挿入したい場合は、以下の間に挿入してください: the
### BEGIN /etc/grub.d/90_persistent ###
and
### END /etc/grub.d/90_persistent ###
lines. 90_persistent
スクリプトにより、このようなコンテンツが確実に保存されます。
最も重要なスクリプトのリストを以下に示します。
00_header
システムファイルの場所、表示設定、テーマ、以前に保存したエントリなどの環境変数を設定します。また、
/etc/default/grub
に保存されている初期設定をインポートします。通常、このファイルを変更する必要はありません。10_linux
ルートデバイス上のLinuxカーネルを識別し、関連するメニューエントリを作成します。これには、関連する回復モードオプション(有効な場合)が含まれます。最新のカーネルのみがメインメニューページに表示され、その他のカーネルはサブメニューに含まれます。
30_os-prober
このスクリプトは、
OS-prober
を使用してLinuxやその他のオペレーティングシステムを検索し、結果をGRUB 2メニューに示します。他の特定のオペレーティングシステム(WindowsやmacOSなど)を識別するためのセクションがあります。40_custom
このファイルを使用すると、
grub.cfg
に簡単にカスタムブートエントリを組み込むことができます。最初のexec tail -n +3 $0
の部分は変更しないようにしてください。
処理シーケンスは、名前の先頭の数値によって設定され、最も小さい数値が最初に実行されます。スクリプトの名前が同じ数値で始まる場合は、名前全体のアルファベット順で順序が決まります。
/boot/grub2/custom.cfg
/boot/grub2/custom.cfg
を作成してコンテンツを入力すると、ブート時に40_customの直後に自動的に/boot/grub2/grub.cfg
に組み込まれます。
12.2.4 BIOSドライブとLinuxドライブのマッピング #
GRUB Legacyでは、device.map
設定ファイルを使用して、BIOSドライブ番号からLinuxデバイス名を派生させていました。BIOSドライブとLinuxデバイスのマッピングは常に正しく推測できるとは限りません。たとえば、BIOS設定でIDEとSCSIのブートシーケンスが入れ替わると、GRUB Legacyは誤った順序を取得します。
GRUB 2では、grub.cfg
の生成時にデバイスID文字列(UUID)またはファイルシステムラベルを使用することで、この問題を回避しています。GRUB 2ユーティリティは一時デバイスマップをオンザフライで作成します。通常、特に単一ディスクのシステムの場合は、この処理で十分です。
ただし、GRUB 2の自動デバイスマッピングメカニズムを無効にする必要がある場合は、カスタムマッピングファイル/boot/grub2/device.map
を作成します。次の例では、マッピングを変更して、DISK 3
をブートディスクにしています。パーティション番号は、GRUB Legacyでは0
から始まっていましたが、GRUB 2では1
から始まる点に注意してください。
(hd1) /dev/disk-by-id/DISK3 ID (hd2) /dev/disk-by-id/DISK1 ID (hd3) /dev/disk-by-id/DISK2 ID
12.2.6 ブートパスワードの設定 #
GRUB 2は、オペレーティングシステムのブート前でも、ファイルシステムにアクセスできるようにします。rootパーミッションを持たないユーザは、システムのブート後、アクセス権のないLinuxシステム上のファイルにアクセスできます。この種のアクセスを阻止したり、ユーザによる特定のメニューエントリのブートを防止するために、ブートパスワードを設定できます。
設定すると、ブートのたびにブートパスワードが必要になります。つまり、システムは自動的にはブートしません。
ブートパスワードを設定するには、次の手順に従います。または、YaSTを使用してください(を参照してください)。
grub2-mkpasswd-pbkdf2
を使用してパスワードを暗号化します。tux >
sudo grub2-mkpasswd-pbkdf2 Password: **** Reenter password: **** PBKDF2 hash of your password is grub.pbkdf2.sha512.10000.9CA4611006FE96BC77A...set superusers
コマンドを使用して、結果の文字列をまとめて/etc/grub.d/40_custom
ファイルに貼り付けます。set superusers="root" password_pbkdf2 root grub.pbkdf2.sha512.10000.9CA4611006FE96BC77A...
メインの設定ファイルに変更をインポートするには、次を実行します。
tux >
sudo
grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
再起動後、メニューエントリのブートを試みると、ユーザ名とパスワードの入力が求められます。「root
」と入力し、grub2-mkpasswd-pbkdf2
コマンドの実行時に入力したパスワードを入力します。資格情報が正しい場合、システムは選択したブートエントリをブートします。
詳細については、https://www.gnu.org/software/grub/manual/grub.html#Securityを参照してください。
12.3 YaSTによるブートローダの設定 #
SUSE Linux Enterprise Serverシステムでブートローダの汎用オプションを設定する最も簡単な方法は、YaSTモジュールを使用することです。 で、 › の順に選択します。モジュールにシステムの現在のブートローダ設定が示され、変更を加えられます。
タブで、タイプ、場所、および高度なローダ設定に関する設定を表示および変更できます。GRUB 2を標準モードとEFIモードのどちらで使用するかを選択することができます。
EFIシステムがある場合は、GRUB2-EFIのみをインストールできます。それ以外をインストールすると、システムはブート不能になります。
ブートローダを再インストールするには、必ずYaSTで設定を変更して、その後で元に戻すという操作を実行します。たとえば、GRUB2-EFIを再インストールするには、一度
を選択して、すぐに に戻します。元に戻さない場合、ブートローダが完全には再インストールされない可能性があります。
リストにないブートローダを使用する場合は、
を選択します。このオプションを選択する場合には、あらかじめ、ブートローダのドキュメントをよくお読みください。12.3.1 ブートローダの場所およびブートコードオプション #
ブートローダのデフォルトの場所はパーティション設定によって異なり、マスタブートレコード(MBR)か、/
パーティションのブートセクタです。ブートローダの場所を変更するには、次の手順に従います。
ディレクトリ
/boot
が含まれるディスクのMBRにブートローダをインストールします。通常は/
にマウントされるディスクになりますが、/boot
が異なるディスクの別個のパーティションにマウントされる場合は、そのディスクのMBRが使用されます。/
パーティションのブートセクタにブートローダがインストールされます。このオプションを選択すると、手動でブートローダの場所を指定できます。
タブには、以下の追加のオプションがあります。
/boot
ディレクトリPReP パーティションを含むパーティションをアクティブにします。古いBIOSおよび/またはレガシーオペレーティングシステムを使用しているシステムでは、非アクティブなパーティションからのブートに失敗する可能性があるため、このオプションを使用してください。このオプションをアクティブのままにしておくのが安全です。MBRにカスタムの「非GRUB」コードが含まれている場合、このコードは、このオプションにより、汎用の、オペレーティングシステムに依存しないコードに置き換えられます。このオプションを無効にすると、システムが起動できなくなる可能性があります。
信頼されたコンピューティング機能(TPM(Trusted Platform Module))をサポートするTrustedGRUB2を開始します。詳細については、https://github.com/Sirrix-AG/TrustedGRUB2を参照してください。
12.3.2 ディスクの順序の変更 #
コンピュータに複数のハードディスクがある場合、ディスクのブートシーケンスを指定できます。リストの最初のディスクは、MBRからブートする場合にGRUB 2がインストールされる場所です。これは、デフォルトでSUSE Linux Enterprise Serverがインストールされるディスクです。リストの残りは、GRUB 2のデバイスマッパのヒントです(12.2.4項 「BIOSドライブとLinuxドライブのマッピング」を参照)。
デフォルト値は、通常、ほぼすべての展開で有効です。ディスクのブート順序を正しく変更しないと、次回の再起動時にシステムをブートできなくなる可能性があります。たとえば、リスト内の最初のディスクがBIOSのブート順序の一部ではなく、リスト内の他のディスクに空のMBRがある場合などです。
複数のディスクが表示されている場合には、ディスクを選択してから
または をクリックして、ディスクの表示順を変更します。
12.3.3 詳細オプションの設定 #
詳細なブートオプションを設定するには、
タブを使用します。12.3.3.1 タブ #
新しい値を入力するか、マウスで適切な矢印キーをクリックして、
の値を変更します。選択すると、ブートローダはWindowsや他のLinuxインストールなど、インストール済みの他のシステムを検索します。
ブートメニューを隠し、デフォルトエントリをブートします。
「デフォルトのブートセクション」リストから目的のエントリを選択します。ブートエントリ名内の「>」記号は、ブートセクションとそのサブセクションを区切っている点に注意してください。
ブートローダとシステムを追加のパスワードで保護します。詳細については、12.2.6項 「ブートパスワードの設定」を参照してください。
12.3.3.2 タブ #
オプションのカーネルパラメータは、デフォルトパラメータの最後に追加されます。使用できるすべてのパラメータのリストについては、http://en.opensuse.org/Linuxrcを参照してください。
SUSEでは、CPUサイドチャネル攻撃を防ぐために導入されているすべてのソフトウェア緩和策に対する1つ以上のカーネルブートコマンドラインパラメータをリリースしました。これらの一部により、性能の低下を招く場合があります。設定に応じて、セキュリティと性能とのバランスをとるために次のオプションのいずれかを選択してください。
お使いのCPUモデルで必要な全ての緩和策を有効化しますが、CPUスレッドを跨いだ攻撃は保護できません。この設定による性能面への影響は、負荷内容によって異なります。 .
利用可能なセキュリティ面の緩和策を全て実施することになります。お使いのCPUモデルで必要な全ての緩和策を有効化します。さらに、複数のCPUスレッドを跨いだサイドチャネル攻撃を防ぐため、同時マルチスレッディング(SMT)の機能も無効化します。これにより、負荷内容にもよりますが、[自動]よりも性能面への影響が増すことになります。 .
全ての緩和策を無効化します。CPUのモデルによってさまざまなサイドチャネル攻撃の可能性が高まることになります。この設定により性能面への影響はなくなります。 .
緩和レベルを設定しません。カーネルのコマンドラインオプションを使用してCPU緩和策を手動で指定します。 .
オンにすると、テキストモードではなくグラフィカルなスプラッシュスクリーンにブートメニューが表示されます。ブート画面の解像度は、
リストから設定できます。グラフィカルテーマ定義ファイルは、 ファイル選択機能で指定できます。コンピュータがシリアルコンソールで制御されている場合は、このオプションを有効にして、どのCOMポートをどの速度で使用するか指定します。
info grub
またはhttp://www.gnu.org/software/grub/manual/grub.html#Serial-terminalを参照してください。
12.4 IBM Zにおける端末の使用上の相違点 #
3215および3270端末では、カーソルの移動方法と、GRUB 2内での編集コマンドの実行方法にいくつかの相違点と制限事項があります。
12.4.1 制限 #
- 対話処理
対話処理は大幅に制限されています。多くの場合、入力しても結果は視覚的なフィードバックとして表示されません。カーソルの位置を確認するには、下線(_)を入力します。
注記: 3270の3215との比較3270端末では、画面の表示と更新は3215端末より優れています。
- カーソルの移動
「従来」の方法でカーソルを移動することはできません。Alt、Meta、Ctrl、およびカーソルキーは動作しません。カーソルを移動するには、12.4.2項 「キーの組み合わせ」に一覧にされたキーの組み合わせを使用します。
- キャレット
キャレット(^)は制御文字として使用されます。文字として^を入力し他の文字を続けるには、^、^、「LETTER」と入力します。
- <Enter>
Enterキーは機能しません。代わりに、^–Jを使用します。
12.4.2 キーの組み合わせ #
共通の代用キー: |
^–J |
決定する(「Enter」) |
^–L |
中止して、直前の「状態」に戻る | |
^–I |
タブ補完機能(編集およびシェルモード) | |
メニューモードで使用可能なキー: |
^–A |
最初のエントリ |
^–E |
最後のエントリ | |
^–P |
前のエントリ | |
^–N |
次のエントリ | |
^–G |
前のページ | |
^–C |
次のページ | |
^–F |
選択したエントリをブートする、またはサブメニューに切り替える(^–Jと同じ) | |
E |
選択したエントリを編集する | |
C |
GRUBシェルを起動する | |
編集モードで使用可能なキー: |
^–P |
前の行に戻る |
^–N |
次の行に進む | |
^–B |
1文字戻る | |
^–F |
1文字進む | |
^–A |
行の先頭に移動する | |
^–E |
行の末尾 | |
^–H |
バックスペース | |
^–D |
delete | |
^–K |
行を削除する | |
^–Y |
ヤンク(コピー) | |
^–O |
行を開く | |
^–L |
画面を更新する | |
^–X |
エントリをブートする | |
^–C |
GRUBシェルを起動する | |
コマンドラインモードで使用可能なキー: |
^–P |
前のコマンド |
^–N |
履歴の次のコマンド | |
^–A |
行の先頭に移動する | |
^–E |
行の末尾 | |
^–B |
1文字戻る | |
^–F |
1文字進む | |
^–H |
バックスペース | |
^–D |
delete | |
^–K |
行を削除する | |
^–U |
行を破棄する | |
^–Y |
ヤンク(コピー) |
12.5 役立つGRUB 2コマンド #
grub2-mkconfig
/etc/default/grub
および/etc/grub.d/
のスクリプトに基づいて、新しい/boot/grub2/grub.cfg
を生成します。例 12.1: grub2-mkconfigの使用法 #grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
ヒント: 構文チェックパラメータを付けずに
grub2-mkconfig
を実行すると、設定がSTDOUTに出力され、そこで設定を確認できます。構文をチェックするには、/boot/grub2/grub.cfg
が書き込まれた後にgrub2-script-check
を使用します。重要:grub2-mkconfig
はUEFIセキュアブートテーブルを修復できませんUEFIセキュアブートを使用していて、システムがGRUB 2に正常にアクセスできなくなった場合、Shimを再インストールして、UEFIブートテーブルを再生成する必要がある場合があります。次のようにします。
root #
shim-install --config-file=/boot/grub2/grub.cfggrub2-mkrescue
インストールされたGRUB 2設定の、ブート可能なレスキューイメージを作成します。
例 12.2: grub2-mkrescueの使用法 #grub2-mkrescue -o save_path/name.iso iso
grub2-script-check
指定したファイルの構文エラーをチェックします。
例 12.3: grub2-script-checkの使用 #grub2-script-check /boot/grub2/grub.cfg
grub2-once
次のブート時にのみ使用されるデフォルトブートエントリを設定します。使用可能なブートエントリのリストを取得するには、
--list
オプションを使用します。例 12.4: grub2-onceの使用法 #grub2-once number_of_the_boot_entry
ヒント:grub2-once
のヘルプオプションを付けずにプログラムを呼び出すと、使用可能なすべてのオプションのリストを取得できます。
12.6 詳細情報 #
GRUB 2の詳細情報は、http://www.gnu.org/software/grub/で入手できます。また、grub
情報ページも参照してください。「にあるTechnical Information Search(技術情報検索)で、キーワード」GRUB 2http://www.suse.com/supportを検索して、特別な事項に関する情報を入手することもできます。