3 YaSTの使用 #
YaSTは、すべての必須インストールおよびシステム設定タスクにグラフィカルインタフェースを提供するSUSE Linux Enterprise Serverツールです。パッケージの更新、プリンタの設定、ファイアウォール設定の変更、FTPサーバの設定、ハードディスクのパーティション作成が必要な場合、YaSTを使用して実行できます。Rubyで記述されたYaSTは、モジュールを介して新しい機能を追加できる拡張可能なアーキテクチャを備えています。
YaSTに関する追加情報については、https://yast.opensuse.org/にあるプロジェクトの公式Webサイトを参照してください。
3.1 YaSTインタフェースの概要 #
YaSTには2つのグラフィカルインタフェースがあります。1つはKDEやGNOMEなどのグラフィカルデスクトップ環境で使用するためのもので、もう1つはXサーバを使用しないシステムで使用するためのncursesベースの疑似グラフィカルインタフェースです(第4章 「テキストモードのYaST」を参照してください)。
YaSTのグラフィカルバージョンでは、YaSTのすべてのモジュールはカテゴリ別にグループ化されており、ナビゲーションサイドバーによって、目的のカテゴリのモジュールに素早くアクセスできます。上部の検索フィールドでは、名前でモジュールを検索することができます。特定のモジュールを検索するには、検索フィールドにその名前を入力します。入力すると、入力した文字列に一致するモジュールが表示されます。
ncursesベースのYaSTとGUIバージョンのYaSTでは、インストールされるモジュールのリストが異なる場合があります。YaSTモジュールを起動する前に、使用しているYaSTのバージョンに合わせてインストールされていることを確認してください。
3.2 便利なキーの組み合わせ #
YaSTのグラフィカルバージョンはキーボードショートカットをサポートしています
- Print Screen
スクリーンショットを作成して保存します。特定のデスクトップ環境では機能しない場合があります。
- Shift–F4
視覚障がいのあるユーザ向けに最適化されたカラーパレットを有効および無効にします。
- Shift–F7
デバッグメッセージのログを有効/無効にします。
- Shift–F8
ファイルダイアログを開いて、ログファイルをユーザ定義の場所に保存します。
- Ctrl–Shift–Alt–D
DebugEventを送信します。YaSTモジュールは特殊なデバッグアクションを実行してこれに応答できます。結果は特定のYaSTモジュールによって異なります。
- Ctrl–Shift–Alt–M
マクロレコーダを開始および停止します。
- Ctrl–Shift–Alt–P
マクロを再生します。
- Ctrl–Shift–Alt–S
スタイルシートエディタを表示します。
- Ctrl–Shift–Alt–T
ウィジェットツリーをログファイルにダンプします。
- Ctrl–Shift–Alt–X
ターミナルウィンドウ(xterm)を開きます。VNCを使用したインストールプロセスで便利です。
- Ctrl–Shift–Alt–Y
ウィジェットツリーブラウザを表示します。