39 要件と前提 #
39.1 ハードウェア #
SUSE Edge for Telcoのハードウェア要件は次のとおりです。
管理クラスタ: 管理クラスタには、
SUSE Linux Micro
、RKE2
、SUSE Rancher Prime
、Metal3
などのコンポーネントが含まれ、管理クラスタを使用して複数のダウンストリームクラスタを管理します。管理するダウンストリームクラスタの数によっては、サーバのハードウェア要件は変わる場合があります。サーバ(
VM
またはベアメタル
)の最小要件は次のとおりです。RAM: 8GB以上(16GB以上を推奨)
CPU: 2個以上(4個以上を推奨)
ダウンストリームクラスタ: ダウンストリームクラスタは、通信ワークロードを実行するためにデプロイされるクラスタです。
SR-IOV
、CPUパフォーマンス最適化
などの特定の通信機能を有効にするには、固有の要件が必要になります。SR-IOV: VF (仮想機能)をCNF/VNFにパススルーモードでアタッチするには、NICがSR-IOVをサポートしていて、BIOSでVT-d/AMD-Viが有効化されている必要があります。
CPUプロセッサ: 特定の通信ワークロードを実行するには、こちらの参照表(第41章 「通信機能の設定」)に記載されているほとんどの機能を利用できるようにCPUプロセッサモデルを適応させる必要があります。
仮想メディアでインストールするためのファームウェア要件:
サーバハードウェア | BMCモデル | 管理 |
Dell製ハードウェア | 第15世代 | iDRAC9 |
Supermicro製ハードウェア | 01.00.25 | Supermicro SMC - redfish |
HPE製ハードウェア | 1.50 | iLO6 |
39.2 ネットワーク #
ネットワークアーキテクチャの参考として、次の図に、通信事業者環境の一般的なネットワークアーキテクチャを示します。
このネットワークアーキテクチャは次のコンポーネントに基づきます。
管理ネットワーク: このネットワークは、ダウンストリームクラスタノードの管理や帯域外管理に使用されます。通常は独立した管理スイッチに接続しますが、同じサービススイッチに接続し、VLANを使ってトラフィックを分離することもできます。
コントロールプレーンネットワーク: このネットワークは、ダウンストリームクラスタノードと、そこで実行されているサービスとの間の通信に使用されます。また、ダウンストリームクラスタノードと外部サービス(
DHCP
サーバやDNS
サーバなど)との間の通信にも使用されます。接続環境では、スイッチやルータでインターネット経由のトラフィックを処理できる場合もあります。その他のネットワーク: 場合によっては、特定の目的に合わせてノードを他のネットワークに接続できます。
ダイレクトネットワークプロビジョニングワークフローを使用するには、管理クラスタがダウンストリームクラスタサーバのBaseboard Management Controller (BMC)とネットワークで接続されていて、ホストの準備とプロビジョニングを自動化できる必要があります。
39.3 サービス(DHCP、DNSなど) #
デプロイ先の環境の種類によっては、DHCP
、DNS
などの外部サービスが必要な場合があります。
接続環境: この場合、ノードはインターネットに接続され(L3ルーティングプロトコルを使用)、外部サービスはお客様が提供します。
非接続/エアギャップ環境: この場合、ノードはインターネットにIPで接続されないため、サービスを追加して、ダイレクトネットワークプロビジョニングワークフローに必要なコンテンツをローカルにミラーリングする必要があります。
ファイルサーバ: ファイルサーバは、ダイレクトネットワークプロビジョニングワークフローの中で、ダウンストリームクラスタノードにプロビジョニングするOSイメージを保存するために使用されます。
Metal3
HelmチャートでメディアサーバをデプロイしてOSイメージを保存できます。次のセクション(注記)を確認してください。ただし、既存のローカルWebサーバを使用することもできます。
39.4 systemdサービスの無効化 #
通信ワークロードの場合、ノード上で実行されているワークロードのパフォーマンス(レイテンシ)に影響を及ぼさないように、ノード上で実行されている一部のサービスを無効にしたり、適切に設定することが重要です。
rebootmgr
は、システムに保留中の更新がある場合の再起動方針を設定できるサービスです。通信ワークロードでは、システムによってスケジュールされた更新がある場合、rebootmgr
サービスを無効にするか正しく設定してノードの再起動を回避し、ノードで実行中のサービスへの影響を避けることが非常に重要です。
次のコマンドを実行して、使用する方針を検証します。
cat /etc/rebootmgr.conf
[rebootmgr]
window-start=03:30
window-duration=1h30m
strategy=best-effort
lock-group=default
また、次のコマンドを実行すると無効にすることができます。
sed -i 's/strategy=best-effort/strategy=off/g' /etc/rebootmgr.conf
または、rebootmgrctl
コマンドを次のように使用できます。
rebootmgrctl strategy off
rebootmgr
の方針を設定するこの設定は、ダイレクトネットワークプロビジョニングワークフローを使用して自動化できます。詳細については、自動化されたプロビジョニングに関するドキュメント(第42章 「完全に自動化されたダイレクトネットワークプロビジョニング」)を確認してください。
transactional-update
は、システムによって制御される自動更新を可能にするサービスです。通信ワークロードの場合、ノードで実行中のサービスに影響を及ぼさないように、自動更新を無効にすることが重要です。
自動更新を無効にするには、次のコマンドを実行できます。
systemctl --now disable transactional-update.timer
systemctl --now disable transactional-update-cleanup.timer
fstrim
は、ファイルシステムを毎週自動的にトリミングできるサービスです。通信ワークロードでは、ノードで実行中のサービスに影響を及ぼさないように、自動トリミングを無効にすることが重要です。
自動トリミングを無効にするには、次のコマンドを実行できます。
systemctl --now disable fstrim.timer