SUSE Multi-Linux Managerサーバの名前変更のトラブルシューティング

SUSE Multi-Linux Managerサーバのホスト名をローカルで変更する場合は、SUSE Multi-Linux Managerインストールが適切に機能しなくなります。 これは、変更がデータベースで行われていないため、変更がクライアントとプロキシに伝播されないためです。

1. サーバの名前変更

SUSE Multi-Linux Managerサーバのホスト名を変更する必要がある場合は、spacewalk-hostname-renameスクリプトを使用して変更できます。 このスクリプトはPostgreSQLデータベースの設定とSUSE Multi-Linux Managerの内部構造を更新します。

1.1. サーバ設定

spacewalk-hostname-renameスクリプトはspacewalk-utilsパッケージの一部です。

このスクリプトの唯一の必須パラメータはSUSE Multi-Linux Managerサーバの新たに設定されたIPアドレスです。

プロシージャ: SUSE Multi-Linux Managerサーバの名前変更
  1. システムレベルのサーバのネットワーク設定を、DNSサーバでローカルおよびリモートで変更します。 逆引き名前解決のための設定を指定する必要もあります。 ネットワーク設定の変更は、他のシステムの名前変更と同じ方法で実行されます。

  2. SUSE Multi-Linux Managerサーバを再起動して、新しいネットワーク構成を使用し、ホスト名が変更されていることを確認します。

  3. コンテナホストで、コマンドラインから、次のコマンドを実行してサーバのパブリックIPアドレスを設定します。

    mgrctl exec -ti -- spacewalk-hostname-rename <PUBLIC_IP_ADDRESS>

    サーバが新しいホスト名を使用していない場合、スクリプトは失敗します。 このスクリプトがすべてのSaltクライアントのpillarデータを更新することに注意してください。実行にかかる時間は登録済みクライアントの数によって異なります。

1.2. 直接管理されているクライアントの再設定

クライアントがSUSE Multi-Linux Managerプロキシを介して管理されている場合は、この手順をスキップします。

次のプロシージャを使用して、直接管理されているクライアントを再設定し、新しいホスト名とIPアドレスを認識させるようにします。

プロシージャ: 直接管理されているクライアントの再設定
  1. すべてのクライアントのSaltクライアント設定ファイルで、新しいSaltマスター(SUSE Multi-Linux Managerサーバ)の名前を指定します。 ファイル名は /etc/venv-salt-minion/minion.d/susemanager.confです。Salt Bundleを使用しない場合は、/etc/salt-minion/minion.d/susemanager.confです。

    master: <new_hostname>
  2. すべてのクライアントで、Saltサービスを再起動します。 次コマンドを実行します。

    systemctl restart venv-salt-minion

    または、Salt Bundleを使用しない場合は、次のコマンドを実行します。

    systemctl restart salt-minion

1.3. highstateを適用したクライアント接続

最後に、ホスト名がSaltクライアント設定に完全に伝播されるようにするには、highstateを適用します。 highstateを適用すると、リポジトリURLのホスト名が更新されます。

2. プロキシの再設定

すべてのプロキシを再設定する必要があります。 新しいサーバ証明書とキーをプロキシにコピーする必要があります。 詳細については、SUSE Multi-Linux Managerプロキシのインストールを参照してください。

プロキシ経由でPXEブートを使用する場合は、プロキシの設定を確認する必要があります。 コンテナ化されていないSUSE Multi-Linux Managerプロキシ4.3経由でPXEブートを使用する場合は、tftpsyncを再設定する必要があります。

コンテナホストで、次のコマンドを実行します。

mgrctl exec -ti -- configure-tftpsync.sh