自動インストールのディストリビューション

自動インストールプロセスでは、インストールを開始するために複数のファイルが必要です。 必要なファイルには、Linuxカーネル、初期RAMディスク、およびインストールモードでオペレーティングシステムをブートするために必要なその他のファイルが含まれます。

SUSE Managerは、mgradmツールを使用してソースからサーバコンテナにインストールファイルをコピーします。

DVDイメージから必要なファイルを抽出できます。 詳細については、ISOイメージに基づくディストリビューションを参照してください。

または、tftpboot-installationパッケージをインストールすることもできます。 詳細については、RPMパッケージに基づくディストリビューションを参照してください。

また、これらのファイルと同じオペレーティングシステムバージョン用に、SUSE Managerサーバでベースチャンネルを同期させておく必要があります。

ファイルの準備が整い、ベースチャンネルを同期したら、ディストリビューションを宣言する必要があります。 この操作により、インストールファイルがベースチャンネルに関連付けられます。 ディストリビューションは、1つ以上のインストールプロファイルによって参照されることがあります。 詳細については、自動インストールのディストリビューションを宣言するを参照してください。

1. ISOイメージに基づくディストリビューション

この方法では、クライアントにインストールするオペレーティングシステムのインストールメディアがあることを前提としています。 このメディアは通常DVD .isoイメージです。これには、Linuxカーネル、initrdファイル、およびインストールモードでオペレーティングシステムをブートするために必要なその他のファイルが含まれています。

プロシージャ: インストールメディアからのファイルのインポート
  1. mgradmを使用してISOイメージからインストールデータをインポートします。

    # mgradm distribution copy <image_name>.iso <image_name>
  2. mgradmで報告されたディストリビューションのパスをメモしておいてください。このファイルパスは、ディストリビューションをSUSE Managerに対して宣言するときに必要です。

1.1. ディストリビューションの自動検出と登録

mgradmは、ディストリビューションの名前を自動的に検出してサーバに登録できます。提供されているISOイメージに.treeinfoファイルが含まれている必要があります。

プロシージャ: 自動検出と登録を使用してディストリビューションファイルをインポートする
  1. mgradmを使用します。

    # mgradm distribution copy --api-user <username> --api-password <password> <image_name>.iso

2. RPMパッケージに基づくディストリビューション

この方法は、SUSEシステムで動作します。 インストールシステム用にあらかじめパッケージされたファイルを使用するため、インストールメディアからコンテンツをインポートするよりも簡単です。

プロシージャ: インストールパッケージからファイルを抽出する
  1. SUSE Managerサーバに、名前がtftpboot-installationで始まるパッケージをインストールします。 このパッケージの正確な名前は、zypper se tftpboot-installationコマンドで確認できます

  2. 次のコマンドを使用して別のルートにパッケージをインストールし、再起動しなくても済むようにすることができます。

    # mkdir /opt/tftpinstall
    # zypper --installroot /opt/tftpinstall install tftpboot-installation-SLE-Micro-5.5-x86_64
  3. コマンドls -d /opt/tftpinstall/usr/share/tftpboot-installation/*を使用してインストールファイルを見つけます。

  4. mgradmを使用してインストールファイルをコピーします。

    # mgradm distribution copy /opt/tftpinstall/usr/share/tftpboot-installation/SLE-Micro-5.5-x86_64 SLE-Micro-5.5-x86_64
  5. mgradmツールで報告されたディストリビューションのパスをメモしておいてください。このファイルパスは、ディストリビューションをSUSE Managerに対して宣言するときに必要です。

  6. mgradmツールが完了したら、/opt/tftpinstallディレクトリを削除できます。

この手順では、SUSE Managerサーバに搭載されているものと同じバージョンのオペレーティングシステムをインストールする準備をします。 クライアントに異なるオペレーティングシステムやバージョンをインストールする場合は、tftpboot-installation-*パッケージを、これが属するディストリビューションから手動で取得する必要があります。 SUSE Managerの[パッケージ検索]入力ボックスで、名前がtftpboot-installationで始まるパッケージを検索し、そのパッケージの詳細を確認します。ここには、/var/spacewalk/以下のローカルパスが表示されます。

3. 自動インストールのディストリビューションを宣言する

自動インストールファイルを抽出した後の次の手順は、自動インストールのディストリビューションの宣言です。

プロシージャ: 自動インストールのディストリビューションの宣言
  1. SUSE ManagerのWeb UIで、システム  自動インストール  ディストリビューションに移動します。

  2. ディストリビューションの作成]をクリックし、次のフィールドに入力します。

    • ディストリビューションラベル]フィールドに、自動インストール可能なディストリビューションを識別するための名前を入力します。

    • ツリーパス]フィールドに、SUSE Managerサーバに保存されているインストールメディアへのパスを入力します。

    • 対応する[ベースチャンネル]を選択します。 このチャンネルはインストールメディアと一致する必要があります。

    • インストーラ生成]を選択します。 これはインストールメディアと一致する必要があります。

    • オプション: このディストリビューションをブートするときに使用するカーネルオプションを指定します。 カーネルオプションを指定する方法は複数あります。 ここにはディストリビューションに当てはまるオプションのみを追加します。

  3. 自動インストール可能なディストリビューションの作成をクリックします。

準備したインストールファイルには、インストールする必要があるパッケージが含まれていない可能性があります。 必要なパッケージが含まれていない場合は、[カーネルオプション]フィールドにuseonlinerepo=1を追加します。

パッケージリポジトリには、署名されていないことがあるメタデータが含まれています。 メタデータが署名されていない場合は、[カーネルオプション]フィードにinsecure=1を追加するか、独自のGPGキーを使用するの説明に従って独自のGPGキーを使用します。

これらの関連のオプションは、フルDVDの代わりに「オンラインインストーラ」ISOイメージを使用する場合や、tpboot-installationパッケージを使用する場合などに必要です。

自動インストールのディストリビューションを管理するには、システム  自動インストール  ディストリビューションに移動します。

SUSE Linux Enterpriseクライアントと同じ方法でSUSE Manager Proxy 4.3を自動インストールできます。SUSE Linux Enterpriseインストールメディアを使用して、SLE-Product-SUSE-Manager-Proxy-4.3-Pool for x86_64ベースチャンネルを選択していることを確認してください。

4. ディストリビューションとプロファイルのカーネルオプションの処理

SUSE Managerは、割り当てたカーネルオプションを組み合わせることができます。 これは特別な継承ロジックを使用して行われます。 これに関連するオブジェクト タイプは3つあります。

  1. ディストリビューション(または略して "Distros")

  2. プロファイル

  3. システム

最後のカーネルオプションに影響を与える4つ目の特別なポイントとして、Cobbler設定ファイル/etc/cobbler/settings.yamlが挙げられます。 Cobbler設定ファイルは、すべてのディストリビューションにデフォルトのカーネルオプションを定義します。 これは、SUSE Managerのコンテキストではサポートされていません。

カーネルオプションを効果的に管理するには、生の値と解決済みの値を理解することが極めて重要です。

  1. 生の値: これらは、特定のCobbler項目に直接割り当てられ、Cobblerの内部データベースにそのまま保存される値を指します。

  2. 解決済みの値: これらの値は、Cobbler項目の継承階層を考慮して実行時に動的に生成されます。

オプションの前に!を付けると、そのオプションは最終的なカーネルコマンドラインから削除されます。

SUSE Managerは、プロファイルとシステムの両方のカーネルオプションを管理します。 そのため、Distroのカーネルオプションのみを編集することができます。

4.1. 例

4.1.1. 基本的な継承の例

ディストリビューションの生の値

install=http://uyuni.server/ks/dist/SLES15SP4 self_update=0

プロファイルの生の値

console=tty1

システムの生の値

console=ttyS0

このプロファイルを継承するシステムの解決済みの

install=http://uyuni.server/ks/dist/SLES15SP4 self_update=0 console=ttyS0

4.1.2. オプション削除の例

ディストリビューションの生の値

install=http://uyuni.server/ks/dist/SLES15SP4 self_update=0

プロファイルの生の値

console=tty1

システムの生の値

!self_update

このプロファイルを継承するシステムの解決済みの

install=http://uyuni.server/ks/dist/SLES15SP4 console=ttyS0