ハードウェア要件
以下の表は、x86-64、ARM、 ppc64le、およびs390xアーキテクチャのSUSE Managerサーバおよびプロキシのハードウェアとソフトウェアの要件を説明しています。
ppc64leまたはs390xアーキテクチャに基づくSUSE Managerのインストールでは、ネットワークブートクライアントにセキュアブートを使用できません。この制限は、これらのアーキテクチャの両方でshimブートローダが利用できないために存在します。 |
SUSE Manager for Retailハードウェアの要件については、Retail Requirementsを参照してください。
1. サーバ要件
SLE Micro 5.5または SUSE Linux Enterprise Server 15 SP6のいずれかが、コンテナホストのオペレーティングシステムです。以下では、インストールされたホストオペレーティングシステムとしてSUSE Linux Enterprise Serverは、重要な場合にのみ明示的に言及されます。それ以外の場合、SLE Micro、または単にホストオペレーティングシステムと記述します。
オペレーティングシステムとしてSLE Microを使用するコンテナホストには、次の空きディスク容量が必要です。
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ベースインストール用に100GB以上
-
およびリポジトリデータ用に130GB以上
選択したソフトウェアの量によって、オペレーティングシステムとしてSUSE Linux Enterprise Serverには、かなり多くのディスク容量が必要な場合があります。
デフォルトでは、SUSE Managerサーバコンテナは、ミラーリングされたリポジトリ(パッケージまたは製品)、データベース、およびその他のデータを /var/lib/containers/storage/volumes/
ディレクトリのサブディレクトリに保存します。このディレクトリのディスク容量がなくなるとリポジトリの同期に失敗します。ミラーリングする予定のクライアントおよびリポジトリの数と種類に基づいて、/var/lib/containers/storage/volumes/
ディレクトリが必要とする容量を推測します。
ファイルシステムとパーティションの詳細については、永続ストレージとパーミッションおよびこのガイドのインストールと配備のセクションにある詳細なインストール手順を参照してください。
ハードウェア | 詳細 | 推奨 |
---|---|---|
CPU |
x86-64、ARM、ppc64le、またはs390x |
専用64ビットCPUコア数は4つ以上 |
RAM |
最小 |
16GB |
推奨 |
32GB |
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ディスク容量 |
|
20GB |
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150GB以上(製品数によって異なります) |
これらのイメージにはデフォルトで20GBの/
パーティションがあります。SLE Micro 5.5のクラウドイメージの/
パーティションは5GB程度です。どちらもSUSE Managerで問題なく動作します。外部ストレージを/var/lib/containers/storage/volumes
にマウントする限り、SUSE Managerは/
パーティション上のストレージを必要とせず、使用することはありませんがその管理はコンテナホスト自体に任されています。
SUSE Managerのパフォーマンスは、ハードウェアリソース、ネットワーク帯域幅、クライアントとサーバ間の遅延などによって異なります。 経験および使用されているさまざまな配備に基づいて、適切な数のプロキシを備えたSUSE Managerサーバの最適なパフォーマンスを得るためには、単一サーバあたり10,000クライアントを超えないようにすることをお勧めします。 クライアント数が10,000を超える場合は、ハブのセットアップに移行し、コンサルティングを利用することを強くお勧めします。 微調整と適切な数のプロキシを使用しても、このような多数のクライアントによって、パフォーマンスの問題が生じる可能性があります。 多数のクライアント管理の詳細については、Multiple Servers with Hub to Manage Large Scale Deploymentsを参照してください。 |
2. プロキシ要件
ハードウェア | 詳細 | 推奨 |
---|---|---|
CPU |
x86-64、ARM |
専用64ビットCPUコア数は2つ以上 |
RAM |
最小 |
2GB |
推奨 |
8GB |
|
ディスク容量 |
|
40GB以上 |
|
100GB以上 |
デフォルトでは、SUSE Managerプロキシコンテナは、/var/lib/containers/storage/volumes/uyuni-proxy-squid-cache/
ディレクトリにパッケージをキャッシュします。容量が不足している場合、プロキシは、使用されていない古いパッケージを削除し、新しいパッケージに置き換えます。
この動作の結果は以下のとおりです。
-
プロキシ上の
/var/lib/containers/storage/volumes/uyuni-proxy-squid-cache/
ディレクトリの容量を大きくすると、プロキシとSUSE Managerサーバ間のトラフィックが少なくなります。 -
プロキシ上の
/var/lib/containers/storage/volumes/uyuni-proxy-squid-cache/
ディレクトリをSUSE Managerサーバ上の/var/lib/containers/storage/volumes/var-spacewalk/
と同じサイズにすることで、最初に同期した後のトラフィック量の増大が防止されます。 -
/var/lib/containers/storage/volumes/uyuni-proxy-squid-cache/
ディレクトリは、SUSE Managerサーバ上ではプロキシと比べて小さくできます。サイズの推定のガイドについては、サーバ要件のセクションを参照してください。
一般的に、SUSEでは、キャッシュディレクトリの値を、利用可能な空き容量の約80%に調整することを推奨しています。 |
3. データベースの要件
PostgreSQLはサポートされている唯一のデータベースです。PostgreSQLデータベースとともにリモートのPostgreSQLデータベースやリモートのファイルシステム(NFS など)を使用することはサポートされていません。つまり、PostgreSQLは、SUSE Managerで使用可能な最速のストレージデバイス上に存在する必要があります。
パフォーマンスの問題が発生する可能性があるため、PostgreSQLデータベースをSUSE Managerからリモートで実行することは推奨されません。このような環境は可能であり、さらには多くの場合安定していますが、何か問題が発生した場合、データ損失のリスクが常にあります。 このような場合、SUSEは支援を提供できないことがあります。 |
4. 永続ストレージとパーミッション
永続ボリュームは、コンテナの配備時にデフォルトで作成されます。
ただし、ボリュームは1つ以上の個別のストレージデバイスに保存することをお勧めします。このようなセットアップにすると、運用環境でのデータの損失が防止されます。これは、コンテナの配備後に実行できます。
ストレージデバイスは最初にコンテナを配備した後にセットアップする必要があります。詳細については、永続コンテナのボリュームを参照してください。
すべてのボリュームで、ファイルシステムの種類にはXFSを使用することをお勧めします。リポジトリストレージのディスクのサイズは、SUSE Managerで管理するディストリビューションおよびチャンネルの数によって決まります。必要サイズを推測するガイドについては、このセクションの表を参照してください。
NFSはSELinuxのファイルラベル付けをサポートしていないため、NFSをストレージに使用しないでください。 |
SUSE Managerサーバで、次のコマンドを使用して、利用できるすべてのストレージデバイスを検索します。
hwinfo --disk | grep -E "デバイスファイル:"
lsblk
コマンドを使用して、各デバイスの名前とサイズを表示します。
mgr-storage-server
コマンドにデバイス名を付けて、外部ディスクをストレージの場所に設定し、オプションでデータベース用の独自のディスク上に設定することもできます。
mgr-storage-server <storage-disk-device> [<database-disk-device>]
外部ストレージボリュームは、/manager_storage
および/pgsql_storage
にマウントされているXFSパーティションとして設定されます。
チャンネルデータとデータベースの両方に同じストレージデバイスを使用できます。これはお勧めしません。その理由は、チャンネルリポジトリが大きくなると、ストレージがいっぱいになり、データベースの一貫性が損なわれるリスクが生じるためです。別々のストレージデバイスを使用すると、パフォーマンスが向上する場合もあります。1つのストレージデバイスを使用する場合、1つのデバイス名パラメータを指定してmgr-storage-server
を実行します。
プロキシをインストールしている場合、mgr-storage-proxy
コマンドはデバイス名パラメータを1つだけ取り、外部ストレージの場所をSquidキャッシュとして設定します。
5. 論理ボリューム管理(LVM)
すべての種類の仮想マシン(VM)では、LVMは一般的に必要なく、推奨されません。ディスクのセットアップは仮想的であり、ボリュームごとに個別のディスクが可能であり、推奨されます。
その他の配備については、ボリュームごとに個別のディスクも推奨されます。
SUSE Managerサーバのコンテナホストでは、mgr-storage-server
コマンドは/var/lib/containers/storage/volumes
ディレクトリの完全なコンテンツを個別のディスクに移動し、 /var/lib/containers/storage/volumes
に再マウントします。オプションで、2番目のデバイス名が指定された場合、mgr-storage-server
は/var/lib/containers/storage/volumes/var-pgsql
データベースディレクトリのコンテンツを2番目の個別のディスクに移動し、 /var/lib/containers/storage/volumes/var-pgsql
に再マウントします。
同様にSUSE Managerプロキシのコンテナホストでは、 mgr-storage-proxy
コマンドは/var/lib/containers/storage/volumes
ディレクトリの完全なコンテンツを個別のディスクに移動し、/var/lib/containers/storage/volumes
に再マウントします。