SUSE Liberty Linuxクライアントの登録

このセクションでは、SUSE Liberty Linuxオペレーティングシステムを実行しているクライアントの登録について説明します。SUSE Liberty LinuxクライアントはRed Hat Enterprise LinuxまたはCentOSに基づいています。

SUSE Liberty Linuxクライアントは、SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support (SLESES)、Liberty、RES、またはRed Hat Expanded Supportとも呼ばれます。

SUSEによって提供されるSUSE Liberty Linuxソフトウェアチャンネルは、パッケージの更新のみを提供します。パッケージそのものは提供しません。 SUSE Liberty Linuxクライアントを登録するには、SUSE Liberty Linux製品(概要は以下を参照)を登録して必要なベースチャンネルを作成し、必要なRed HatまたはCentOSパッケージをカスタム子チャンネルとしてインポートする必要があります。 SUSE Liberty Linuxソフトウェアチャンネルで提供される更新を適用する前に、初期パッケージをRed HatまたはCentOSから直接取得する必要があります。

  • SUSE Liberty LinuxリポジトリのURLはSUSE Customer Centerから入手できます

  • パッケージおよびメタデータはSUSEから提供されます

  • サポートされている製品については、サポートテーブルとリリースノートを参照してください。

ユーザは、Red HatまたはCentOSのベースメディアリポジトリおよびインストールメディアをアクセスできるようにする必要があります。

使用しているすべてのSUSE Liberty Linuxシステムに対してSUSEのサポートを取得する必要があります。

1. ソフトウェアチャンネルの追加

SUSE Liberty Linuxクライアントでは、必要なパッケージの一部がRed Hat Enterprise LinuxまたはCentOSのインストールメディアに含まれています。 SUSE Liberty Linuxクライアントを登録するには、その前にこれらのパッケージをインストールする必要があります。

SUSE Liberty Linux製品はSUSE Customer Centerによって提供されます。 これには、クライアントツールパッケージも含まれています。

SUSE Liberty LinuxクライアントをSUSE Managerサーバに登録する前に、必要なソフトウェアチャンネルを追加して同期する必要があります。

2つの異なるチャンネルセットを選択する必要があります。一方はSUSE Liberty Linux用、他方はクライアントツール用です。

正しいSUSE Liberty Linuxチャンネルに関連付けられているアクティベーションキーが必要です。 アクティベーションキーの詳細については、アクティベーションキーを参照してください。

次のセクションでは、x86_64アーキテクチャに基づく説明が多いです。 必要に応じて他のアーキテクチャに置き換えてください。

このプロシージャで必要な製品は次のとおりです。

Table 1. ES製品 - WebUI
OSバージョン 製品名

SUSE Liberty Linux 9

RHEL or SLES ES and Liberty 9 x86_64

SUSE Liberty Linux 8

RHEL or SLES ES or CentOS 8 Base and SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 8 x86_64

SUSE Liberty Linux 7

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support 7 x86_64

SUSE Liberty Linux LTSS 7

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support LTSS 7 x86_64

SUSE Liberty Linux LTSS for Oracle 7

SUSE Linux Enterprise Server with Expanded Support LTSS for Oracle 7 x86_64

SUSE Managerには、追加のソフトウェアが含まれているツールチャンネルが必要です。 このプロシージャは次のツールチャンネルを作成します。

Table 2. ESツールチェンネル
OSバージョン ベースチャンネル ツールチャンネル

SUSE Liberty Linux 9

RHELおよびLiberty 9 Base

EL9-Manager-Tools-Pool for x86_64およびEL9-Manager-Tools-Updates for x86_64

SUSE Liberty Linux 8

RHELまたはSLES ESまたはCentOS 8 Base

RES8-Manager-Tools-Pool for x86_64およびRES8-Manager-Tools-Updates for x86_64

SUSE Liberty Linux 7

RHEL Expanded Support 7

RES7-SUSE-Manager-Tools x86_64

SUSE Liberty Linux LTSS 7

RHEL Expanded Support LTSS 7

RES-7-SUSE-Manager-Tools for x86_64 LBT7

SUSE Liberty Linux LTSS for Oracle 7

RHEL Expanded Support LTSS for Oracle 7

RES-7-SUSE-Manager-Tools for x86_64 LBTOL7

プロシージャ: ソフトウェアチャンネルの追加
  1. SUSE ManagerのWeb UIで、管理  セットアップウィザード  製品に移動します。

  2. 検索バーを使用してクライアントのオペレーティングシステムおよびアーキテクチャに適切な製品を探し、適切な製品にチェックを付けます。 こうすることによって、すべての必須チャンネルに自動的にチェックが付きます。 また、include recommendedトグルがオンになっている場合、すべての推奨チャンネルにもチェックが付きます。 矢印をクリックして関連製品の一覧を表示し、必要な追加製品にチェックが付いていることを確認します。

  3. 製品の追加をクリックし、製品の同期が完了するまで待機します。

このプロシージャで必要なチャンネルは次のとおりです。

Table 3. ESチャンネル - CLI
OSバージョン ベースチャンネル クライアントチャンネル ツールチャンネル

SUSE Liberty Linux 9

el9-pool-x86_64

-

el9-manager-tools-pool-x86_64

SUSE Liberty Linux 8

rhel8-pool-x86_64

-

res8-manager-tools-pool-x86_64

SUSE Liberty Linux 7

rhel-x86_64-server-7

-

res7-suse-manager-tools-x86_64

SUSE Liberty Linux LTSS 7

res-7-ltss-updates-x86_64

-

res-7-suse-manager-tools-x86_64-lbt7

SUSE Liberty Linux LTSS for Oracle 7

res-7-ol-ltss-updates-x86_64

-

res-7-suse-manager-tools-x86_64-lbtol7

1.1. ベースメディアの追加

SUSE Liberty Linuxソフトウェアチャンネルは、パッケージの更新のみを提供します。パッケージそのものは提供しません。SUSE Liberty Linuxクライアントを登録するには、まずSUSE Liberty Linux製品(概要は以下を参照)を登録してベースチャンネルを作成し、必要なRed HatまたはCentOS パッケージをカスタム子チャンネルとしてインポートする必要があります。SUSE Liberty Linuxから更新を適用する前に、初期パッケージをRed HatまたはCentOSから直接取得する必要があります。重要な点として、Red Hatサブスクリプションを保持する必要がありませんが、移行に伴ってRed Hat への継続的な支払い義務が生じるかどうかを法務部門に問い合わせてください。必要なパッケージをすべて揃えるため、最小限のイメージまたはJeOSイメージではなく、完全なDVDイメージを使用してください。

SUSE Managerカスタムチャンネルを使用して、Red Hat Enterprise LinuxまたはCentOSのメディアを設定できます。 ベースメディアのすべてのパッケージは、子チャンネルにミラーリングする必要があります。

チャンネルの名前は自由に選択できます。

プロシージャ: カスタムチャンネルの作成
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動します。

  2. チャンネルの作成をクリックし、チャンネルに適切なパラメータを設定します。

  3. 親チャンネル]フィールドで、適切なベースチャンネルを選択します。

  4. チャンネルの作成をクリックします。

  5. 作成する必要があるすべてのチャンネルで繰り返します。 各カスタムリポジトリに1つのカスタムチャンネルが必要です。

該当するすべてのチャンネルとリポジトリを作成したことを確認できます。そのためには、ソフトウェア  チャンネル一覧  すべてに移動します。

Red Hat 9およびRed Hat 8クライアントでは、ベースチャンネルとAppStreamチャンネルの両方を追加します。 両方のチャンネルのパッケージが必要です。 両方のチャンネルを追加しないと、パッケージ不足のためブートストラップリポジトリを作成できません。

モジュラーチャンネルを使用している場合は、クライアントでPython3.6モジュールストリームを有効にする必要があります。Python 3.6を提供しない場合、spacecmdパッケージのインストールは失敗します。

プロシージャ: ベースメディアをカスタムチャンネルに追加する
  1. ベースメディアイメージをSUSE Manager Serverコンテナホストの/tmp/ディレクトリにコピーします。

  2. ベースメディアイメージをSUSE Manager Serverコンテナに取得するには、次のコマンドを使用します。

    mgradm distribution copy /tmp/SLES-ES-7.9-x86_64-DVD.iso sles-es-7

    コンテナ内のコピー先は/srv/www/distributions/sles-es-7になります。

  3. 前に作成した子チャンネルにパッケージをインポートします。

    spacewalk-repo-sync -c <channel-label> -u file:///srv/www/distributions/sles-es-7/

1.1.1. オプション: ベースチャンネルをコンテンツURLから追加する

または、Red Hat CDNまたはCentOSが提供するコンテンツURLにアクセスできる場合、カスタムリポジトリを作成してパッケージをミラーリングできます。

このプロシージャに必要な詳細は次のとおりです。

Table 4. ESカスタムリポジトリ設定
オプション パラメータ

リポジトリURL

Red Hat CDNまたはCentOSによって提供されるコンテンツURL

署名済みメタデータがあるかどうか

すべてのRed Hatエンタープライズリポジトリのチェックを外します

SSL CA証明書

redhat-uep (Red Hatのみ)

SSLクライアント証明書

Entitlement-Cert-date (Red Hatのみ)

SSLクライアントキー

Entitlement-Key-date (Red Hatのみ)

プロシージャ: カスタムリポジトリの作成
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  リポジトリに移動します。

  2. リポジトリの作成をクリックし、リポジトリに適切なパラメータを設定します。

  3. リポジトリの作成をクリックします。

  4. 作成する必要があるすべてのリポジトリで繰り返します。

すべてのチャンネルを作成済みの場合、これらのチャンネルを、作成したリポジトリと関連付けできます。

プロシージャ: チャンネルのリポジトリとの関連付け
  1. SUSE ManagerサーバのWeb UIで、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動し、関連付けるチャンネルをクリックします。

  2. リポジトリ]タブに移動し、このチャンネルと関連付けるリポジトリにチェックを付けます。

  3. リポジトリの更新をクリックし、チャンネルとリポジトリを関連付けます。

  4. 関連付ける必要があるすべてのチャンネルとすべてのリポジトリを繰り返します。

  5. オプション: [同期]タブに移動し、このリポジトリの同期の繰り返しスケジュールを設定します。

  6. 今すぐ同期をクリックし、すぐに同期を開始します。

2. 同期ステータスの確認

プロシージャ: Web UIからの同期の進捗状況の確認
  1. SUSE ManagerのWeb UIで、管理  セットアップウィザードに移動し、[製品]タブを選択します。 このダイアログには、同期中の各製品の完了バーが表示されます。

  2. 代わりに、ソフトウェア  管理  チャンネルに移動し、リポジトリに関連付けられているチャンネルをクリックします。 [リポジトリ]タブに移動し、[同期]をクリックし、[同期状態]をクリックします。

プロシージャ: コマンドプロンプトから同期の進捗状況を確認する
  1. SUSE Managerサーバのコマンドプロンプトで、rootとして、tailコマンドを使用して同期ログファイルを確認します。

    tail -f /var/log/rhn/reposync/<channel-label>.log
  2. それぞれの子チャンネルは、同期の進捗中にそれぞれのログを生成します。 同期が完了したことを確認するには、ベースチャンネルと子チャンネルのログファイルをすべて確認する必要があります。

SUSE Liberty Linuxチャンネルは非常に大きいことがあります。 最初のチャンネル同期は数時間かかる場合があります。

最初の同期が完了したとき、このチャンネルを使用する前にチャンネルを複製することをお勧めします。 この操作を実行すると、元の同期データのバックアップを作成できます。

3. SUSE Liberty Linuxクライアントの登録

クライアントを登録するには、ブートストラップリポジトリが必要です。 デフォルトでは、ブートストラップリポジトリは自動的に作成され、すべての同期製品に対して毎日再生成されます。 次のコマンドを使用して、コマンドプロンプトからブートストラップリポジトリを手動で作成できます。

mgr-create-bootstrap-repo

クライアントの登録については、クライアントの登録を参照してください。

4. Enterprise Linux (EL)クライアントをSUSE Liberty Linuxに移行する

RHELなどのEnterprise Linux (EL)クライアントとすべてのクローン(CentOS、AlmaLinux、Rocky Linux、Oracle Linuxなど) がすでにSUSE Managerのminionとして登録されており、ユーザがそれをSUSE Liberty Linuxに移行したい場合は、再アクティベーションキーを使用して、移行を推進するアクティベーションキーを適用できます。

再アクティベーションキーの詳細については、client-configuration:activation-keys.adoc#activation-keys-reactivationを参照してください。

再アクティベーションキーはminionごとにあり、Web UIまたはAPIを使用して生成できます。詳細については、https://documentation.suse.com/suma/5.0/api/suse-manager/api/system.html#apidoc-system-obtainReactivationKey-loggedInUser-sidを参照してください。

クライアントを再アクティベーションするには、ユーザはクライアント上でブートストラップスクリプトを実行し、再アクティベーションキーを環境変数として渡します。 例:

REACTIVATION_KEY=<KEY> ./bootstrap_liberate9.sh

もう1つの方法は、/etc/venv-salt-minon/minion.d/susemanager.conf(または/etc/salt-minon/minion.d/susemanager.conf)にあるSaltクライアント設定ファイルに特別なフラグを追加することです。次のコンテンツを参照してください(このコンテンツを既存のコンテンツと結合します):

grains:
    susemanager:
        activation_key: "<KEY_ID>"
        management_key: "MINION_REACTIVATION_KEY"

susemanager.confファイルを変更した後、salt-minionサービスをSaltサーバ上で再起動する必要があります。 デフォルトでは以下を使用します。

systemctl restart venv-salt-minon

レガシのSaltの場合は、以下を使用します。

systemctl restart salt-minon

4.1. liberate formula

liberate formulaを使用してEnterprise Linux (EL)クライアントをSUSE Liberty Linuxに移行します。 詳細については、Liberate Formulaを参照してください。